空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

環境問題への関心の温度差

2020-09-22 12:15:46 | Newsメモ
 27カ国、各々1000名規模でオンライン調査をしたところ、どうも裕福な国とそうでない国との間で回答に傾向がみられるなあ、という。

The poll was carried out online among samples of 1,000 adults in each of the 27 countries.

BBC Climate Week: World split on urgency of tackling rising temperatures, poll suggests 21 Sep 2020 By Matt McGrath

 気候変動が起こっているらしいぞ、これは危機であるぞという認識には一応の世界的な合意がある。トランプ大統領の否認にも拘わらず―と付け加えたくなるほど彼はアイコンになっているようだが、ともかく米国だろうが何だろうが、この点については変わらない。ただその温度差だ。

There's growing concern among citizens all over the world about climate change, according to a new global poll.

But respondents had very different attitudes to the level of urgency required to tackle the problem.


 ぶっちゃけ、金持ち国家だと、急速な対応には疑問符が付せられる。この点でトランプ大統領が選択肢に入っちゃうわけだ―あえて戯画化していえば、山火事への対応は、まずは消火、そして防火帯の設置などであって、気候変動抑止の一環としてのストロー禁止じゃねえぞと言いたい人たちが相当いるだろうと。

However in richer nations, the support for rapid action was far more muted.

 ともあれ危機の認知についてはカナダ、フランス、インド、ケニア、ナイジェリアおよびUSで進展したと。インドは、それこそ肌で危機を感じているだろうな。ナイジェリアもそうかもしれない。ケニアでも旱魃の形で理解するのかも。米国は、特に今年は火災の形で理解したかもしれない―調査時期は6月だそうだが。

There have been big increases in this sense of urgency among people polled in Canada, France, India, Kenya, Nigeria and the US.

In the same time period, serious concerns over climate change in India have risen from 70% to 93% of those polled.

 しかし日本、スウェーデン、オーストラリア、USとUKとで緊急の行動にはそうまで賛成しない傾向があるそうな。45%未満の支持しかない―というのだが、いやあ、そこまでの支持があれば十分じゃないかとも思うけど。

Japan, Sweden, Australia, the US and UK all have less than 45% of respondents strongly agreeing with urgent action.

 そして日本、オーストラリア、UKおよびUSなどで、「被害者は貧困層である」との認識には40%未満の認知しかない―と。挙げられている国々における「貧困」の定義や一般の認識にも突っ込みを入れていいかもしれない。

But in Japan, Australia, US, UK and others, less than 40% strongly felt it would be the poor who would bear the brunt.

 ―日本についていえば、現在、貧困に陥りつつあるのは旧来の中産階級の一部―ちっちゃい土地持ちだったりするかな。そうした層は昔から住み着いた家を離れることができない。移動するだけの金銭的余裕もなにもない。そして彼らが住んでいる地域は、つまり数十年間、災害を受けていないという実績があるわけだ―そういう地域が時折大災害に見舞われて脆弱さに気付くことにもなるわけだけど。

 他方で従来住宅地として利用されてこなかった地域が新開発され、そこに新興の小金持ち~中金持ちが住み着いて、それで災害時に大被害を被ったりする―と。まあ、その、貧困層こそ打撃を受けている―とはなかなか思い難いかもしれない。

 ただ、そうした見かけ上の問題や、いま現に被害を受けている地域の貧困層の問題や―は、また別個の面があろうと思われるところではある。
 urgent actionの必要性は、ともあれ一定の支持を受けている。だが慎重に考慮された緊急行動であってほしい、という思いが「urgent actionに反対」の中に入っているかとも思う。運動できればそれでOK!なんて短絡的なものになってないか―運動家側の資質も問われているのだよなあと思う昨今である。
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