空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

技術者倫理教材として優秀な事例:スルガ銀行問題

2019-02-04 11:21:53 | ノート


Business Lawyers 中村直人弁護士に聞く、スルガ銀行問題の根幹にあるもの 2019年01月29日 12:05

個人だと不正はダメだとわかるんだけど、集団になると周りの判断に流されるんですよね。特に声の大きい人がいると、みんなそれに従ってしまう。
こういう考え方を「組織の心理学」というのですが、マネジメントには活用されていたものの、コンプライアンスに活かす方法は誰も考えてきませんでした。会社側はルールを作り、守れと言いながら、現場の人が守るかどうかはその人の良心に任せるというズルい行為をしていたのです


ルールを作り、守れと言いながら、現場の人が守るかどうかはその人の良心に任せるというズルい行為」というのは物凄く多数実例をみることが出来そうだ、例えば

関連:「「子供を絶対に守り抜かねばならないという思い」はそうまでの問題ではなく(2019-02-02)」

 さらに本題をつづけて―

BSC(バランス・スコア・カード)という人事制度が導入されていたのですが、評価の仕方は営業成績一辺倒でした。本来は業績だけでなく、お客様、従業員などのステークホルダーごとの満足度を評価しようという発想の制度なのですが、スルガ銀行ではほぼすべての項目が営業成績で占められていました
ただ、色々な書物を読んでも、コンプライアンスを実施する、あるいは促進するための人事評価の仕組みは誰も研究していませんでした。その点は、今回の調査を経て、我々も含めて学者などの研究者もマズかったかなという気がしましたね

 そこを評価するためのチェックポイントはどこに設定するか―減点法だと、都合の悪い数字を予め隠しておくとかの行動にでやすいだろうことは超簡単に予測できるので、悪い数字自体を問題にするわけじゃない、その背後の問題を認識し、改善することで+評価になる、とか、まあいえば簡単だが。
 コンプラ推進室的位置のひとの評価をどうするかとか。

コンプライアンスという概念が日本の経済界に入ってきた1990年頃から、贈収賄のような不正は減ってきました。一方、最近になって次々と発覚している不祥事は長い年月の間、大勢の人が関与していたものが多いですよね
「ちゃんとルールを守れ」と会社の規則には書いてあるけれども、ルールを守ったらノルマが達成できないし、納期に間に合わないという、会社が破綻するような道しか残されていない。だから現場は困って、仕方なく不正に走ってしまうのです

 こういう話である:




 同様の論理は散見し、聞かされるところである。学科長に近い人から昇進していく、なんて愚痴は聞かされる。私だって、昇進予定者として上長に引見されるなんて経験はない(※約二名ほど、そーいう引見の場を設定されたという話を聞かされた)。すると―逃げる人はでるよなあ、と。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (広河隆一氏問題のメモ) | トップ | CAR:和平協定成立か »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ノート」カテゴリの最新記事