空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

エリトリアはエチオピアの警告を却下する

2007-09-27 01:30:59 | Newsメモ
 エチオピアはエリトリアに対し,2000年の停戦協定,アルジェ合意の破棄を警告―エリトリアは,その原因となったエチオピア側の非難を却下する。

BBC news, Africa Eritrea rejects Ethiopia warning 26 September 2007

 エチオピアが合意を破棄,国境策定委員会の権威を払いのければ,次に来るのは銃火を交わす戦争でしょう。

 国境の町,バドメを巡って戦争が戦われました。停戦協定の結果生まれた国境策定委員会は,バドメをエリトリアに引き渡すと裁定。エチオピアはこれに不満を表す。するうちエリトリアは国連国境監視部隊の活動を制限―

 などというアウトラインが,リンク先頁に書いてあります。
 そんなこんなで,いまや両国は兵隊を前進させ,場所によってはその間は100mもないほどだ,とも言われる(エチオピア・エリトリアの緊張は高まりつつあり―ソマリア情勢の行方は)。

 エリトリアとしては,さっさとバドメを引き渡さないエチオピアが悪い。エチオピア側から見れば,話し合いの余地も認めず,主張が認められないからって軍隊を動員するエリトリアはけしからん。

 どっちもどっちではあります。

 私としては旧イスラム法廷勢力(アスマラ派)を,エチオピアの背後擾乱に使っているエリトリアに好感を持ちません。
 というのも,エチオピアの介入は(親エチオピアという条件付で)ソマリアの安定を少なくとも曲がりなりにも願う形であると弁護することができる。個々の兵や部隊やがやっていることは別として―それは例外的事象,純粋に犯罪であって大義に関わりはないと。

 しかしエリトリアの一派の介入は,題目は素晴らしいが(「侵略者からの母国解放」)やっている事は反対派へのテロとその巻き添えの民間人殺し。それらが熟慮されたもので,国民解放のための不可欠な犠牲と認められれば,不支持が広がる恐れはそれほど大きいものではなかったかもしれない。

 いえつまり,目的のための暴力をどのくらい許容できるかという話ですが(ムスリムはあんまり自爆テロを容認しないっぽいのです)。一片の暴力も許されない,というのが優等生の回答ですけど,それでは世の中,立ち行かないところも多々あるようでして。

 しかし,ハウィエの主流派にすら嫌われたという事実は,アスマラ派~エリトリアの意図の不純さ―彼らの暴力は,ソマリ人のためではないということ―を示唆する。

 エチオピアだって,来るべき日のために後方―ソマリア方面の安定に力を注いできたものでしょう。エリトリアはソマリアの混迷を維持する事で,エチオピアを煩わした。

 双方とも,その果報を収穫する時が,もうすぐ来るのでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« teiresiasさんがみてる~2007... | トップ | 先方の要請によりコメント(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Newsメモ」カテゴリの最新記事