空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

焼肉屋さんの食中毒の件16:報道はひと段落ですかねえ+上流原因確証情報

2011-05-19 21:04:41 | ノート
読売新聞 感染ルート解明 カギは菌と遺伝子 2011年5月17日(富山版)

県警などの合同捜査本部は16日、腸管出血性大腸菌「O(オー)111」の感染源を調べるため、業務上過失致死容疑で富山山室店(富山市公文名)を現場検証した。卸業者や食肉処理場でも行ってきた菌の検体採取は、同店が最後となる見込み」。
 私が閲覧した現時点でこの記事のツィート数は1。ニュースとしての「旬」は過ぎたものと見える。ニュースの絵として格好の捜査活動―現場検証など―もひと段落の様子。以降はひたすら地味な,ひとの精神を消耗させる作業が続くことになる。

 捜査の難航具合は―
捜査本部は、死者が出た砺波店(砺波市となみ町)と福井渕店(福井市)などの店に加え、ユッケ用生肉を納入していた大和屋商店(東京・板橋区)や、埼玉県内の二つの食肉処理場でも菌の検体採取を行った。今月6日に一斉捜索した店などで再び、捜索や現場検証を行う異例の動きだった」。
 この辺りに推測できる。一度見たところをもう一度チェック,というのは,TRPG的にはありえない(オイ)。ゲームマスターからのボーナスを期待せねばならないほどロールの難易度が高かったわけだ(すごいダメ人間的理解方法)。

 記事中にもあるよう,基本,患者の食べた肉は消費しつくされたものと思われ,直接の物証は必ずしもないというわけだ。なので同じ菌が確認できないかどうか様々な手を尽くす必要がある。

 業務上過失致死の点について―
同チェーンが、多店舗展開を始めた時期と重なる2009年、県が砺波店に開店許可を出す際に行った検査では、「生食用肉は危険だから出さない方がいい」と指導したが、店側が「本社の方針もある」などとして従わなかったことが判明
捜査関係者は「指導を通して店側が食中毒の危険性を認識していた可能性もある」と指摘する
 一般人は「知ってた」とかなんとか,あっさり事実認定をするかもしれない,が,いざひとの人権を制限する段となれば,「お前が悪いってことはもう分ってるんだ」で処罰決定などとはいえない。確実な証拠,手続きが必要。

 例えば大和屋側は―
一部の従業員は聴取に「ユッケ用と認識」と説明しており、捜査本部は、大和屋側に食中毒を回避する義務があったかをさらに調べる
 上層部的には『焼き肉用でした』と言い続けている。当然上層部もユッケ用と承知した上で出荷していたであろうと思われはするが,現状,絶対的に裏付ける物証は,報道には現れ出てきていない様子である。いやなんか会社のえらいさんがネット通販で生食用として売ってたとかいう記事はあったが。

 実況見分はさらに続き:
読売新聞 県内2店で実況見分 焼き肉店食中毒 2011年5月19日(石川版)
焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、富山、福井両県警などの合同捜査本部は18日、小松店(小松市)、松任バイパス店(白山市)の2店舗で実況見分を行い、菌の検出を目的に検体採取を実施した
捜査幹部によると、実況見分は、店舗の関係者立ち会いでそれぞれ約1時間にわたって行われ、厨房(ちゅうぼう)を中心に、計50以上の検体を採取。店内にあったユッケ用のもも肉を含む複数の肉の任意提出も受けた
 今回舞台となっていないところ(小松店では客として入った従業員から毒素なしタイプの大腸菌がでているが)でも地道に検証作業。

毎日新聞 焼き肉店集団食中毒:食肉市場でO111検査--県、さいたま市 /埼玉 毎日新聞 2011年5月18日 地方版(埼玉版)
県は17日、川口食肉地方卸売市場(川口市)で病原性大腸菌O111の検査を今月から始めたことを公表した。さいたま市も、同市食肉中央卸売市場での検査を実施。いずれの検体も陰性だった。川口食肉地方卸売市場で9日、さいたま市食肉中央卸売市場では10日にそれぞれ5検体で検査が行われた

 埼玉県は毎月の検査でこれまで,O-157「など」を調査していたが,今回「今回の集団食中毒で主な原因菌とされたO111を新たに検査対象に加えた。今後も毎月実施していく」とあり,O-111は従前調査対象ではなかった模様。さいたま市としても6月以降にO-157調査をする予定であったところ,O-111を加えて前倒し検査実施とのこと。

毎日新聞 生肉食中毒:卸売業者の加工は4月11~14日か 毎日新聞 2011年5月13日 13時49分

 従って食事時期は加工から3-12日後ということ,とのこと。
 …加工から12日経った生肉か…(遠い目)

時事ドットコム 未開封もも肉からO111=焼き肉えびす、横浜の店-食中毒事件 2011/05/17-02:03

横浜市は16日、横浜若草台店(横浜市青葉区)の牛もも肉から大腸菌O(オー)111を検出したと発表した。O111は死亡したえびす系列店の客から検出されたが、肉自体からは初めて。もも肉は未開封で、横浜市は納入前の段階で菌が付着していたとみている」。

朝日新聞 保管肉のO111、発症者と遺伝子照合へ 食中毒事件 2011年5月18日5時3分

横浜市保健所によると、えびすの神奈川県内の4店を調べたところ、今月9日、横浜若草台店の冷蔵庫に保管されていたユッケ用のもも肉のブロック(540グラム)からO111が検出された。合同捜査本部は、肉は真空パックされ未開封だったことから、検出された菌の遺伝子型が発症者から検出されたものと一致すれば、卸元の大和屋商店(東京都板橋区)が発送する以前に肉が汚染されていたことを裏付ける物証になるとみている。えびす各店や大和屋商店に在庫として残っていた商品の肉からは、O111やO157はこれまで検出されていなかった」。

毎日新聞 焼き肉店集団食中毒:横浜上白根店を営業禁止 O157、富山の菌と一致で /神奈川 毎日新聞 2011年5月17日 地方版(神奈川版)

「焼肉酒家えびす」の横浜上白根店(横浜市旭区)で食事をした女性が溶血性尿毒症症候群(HUS)で重症となったことを巡り、横浜市は16日、同店を営業禁止にした。女性からは病原性大腸菌が検出されなかったものの、一緒に食事をして発症しなかった男性の便からO157が検出されたことが決め手となり、処分に踏み切った」。

 砺波店で食事した女性と同じO-157が検出された由。
 各店舗の責任は,ということで,汚染拡大に資するよーな衛生管理があれば,ということになろう。
 で,上流は…大和屋商店までさかのぼるのはよいとして,そこでとどまるものかどうか。

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