空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

プントランドは独自に外国企業と契約することを許されない:ソマリア

2007-08-09 22:19:36 | ソマリア関連
 Garowe Onlineが伝えるところでは,ソマリア暫定政府首相ゲディ教授は,プントランドが外国企業と結んだ契約は無効であるとする。

 暫定政府首相ゲディ氏はプントランド大統領Muse氏と会談したものの,合意に至らなかった模様。ゲディ氏はプントランド政府の外国企業との契約を無効と主張。もしプントランドが自己の政府を持ちたいなら,新しく旗を作るがよいと示唆しさえしたという。

Garowe Online Puntland cannot sign foreign deals: Somalia PM 8 Aug 8, 2007 - 8:47:54 PM

 プントランドはサウジアラビアの企業,al-Jabberi社と家畜取引の契約を結び,これが独占的に過ぎるものとプントランド企業家の反発が起こっているという。この問題について,先にソマリア大統領ユスフ氏は契約を是とした。

 従って,この件についてユスフ大統領(-プントランド大統領ライン)とゲディ首相とは,明確に対立したことになる。併合に向けて道筋をつけ,先方を引きつれ凱旋のユスフ大統領にとっては,その外交的成功に傷をつける振る舞いと見えるかもしれない。

 プントランドのMuse大統領は先日,ユスフ大統領のプントランド訪問からの帰還に合わせてモガディシュを訪問,権限の配分について詰めの協議を行っている-今回の件はその一環であろう。

 要するにゲディ氏が首相として,連邦政府首班として指導権を確立しようとする試みの一環ということだろう。
 これはボス達の権力争奪戦に留まる問題ではない。どんな国家を目指すかの,大きな分かれ目である。一企業の独占的活動を,地方政府が保障してよいのか。そもそも出来ていいのか。

 さらにその先の問題にも連なる話だ,これは。
 今回の話題は家畜livestock取引に関わる。プントランドの独断専行を許さない,というなら,勿論石油取引にだってその原則は適用されるだろう。プントランドの地下資源開発については,既に十分混沌としている(石油を巡る動向と法整備:ソマリア)。

 プントランドの石油は誰のものになるのか?
 南アフリカ,オーストラリアか(プントランドの契約)?
 インドネシアとクウェートか(モガディシュ政権の計画)?
 それとも,中国か(プントランド出身の,暫定政府ユスフ大統領の委任状による契約)? とりあえず中国株取引をしている方々は,この数日の動きに注意を払うべきではなかろうか。ユスフ大統領の委任状が,下手をうてば,なかったことになる(…そこまで悪くはならないとは,思いますけど)。

 まったくもって,混沌の渦である。

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