空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア海賊事情:各国海軍活動開始

2008-09-08 00:02:38 | ソマリア関連
 寝る前チェックで幾つか記事メモ。なにやら国籍不明の戦闘艦艇が海賊ボートを攻撃・破壊,14人の海賊を拘束したという:

Garowe Online Unidentified warship captures 14 Somali pirates -gov Sep 7, 2008

 元記事はReutersだそうです。プントランド漁業相は,これは米国の船ではないかと考える旨,述べる。なお,国連的にはソマリア沖での各国海軍の活動は是認の方向です(マレーシア海軍艦艇派遣のニュースもあり:BBC Malaysia deploys navy to Somalia   5 September 2008。三隻も送るそうで,頑張りますね)。

 プントランド,Eylには現状10隻ほどの船が捕まりっぱなし,身代金が支払われ次第,船員などは解放されていってますが(現状でも予定あり),但しこうして流れたお金は反政府勢力の資金源となっている疑いが指摘される(ソマリア軍閥長は記者会見に臨む:ソマリア海賊問題)。
 問題解決のため,プントランド当局(鉱物資源相)が海賊と直接対話を試みるとのニュースもあります(Garowe Online
Somalia: Puntland officials 'plan to meet' pirates Sep 4, 2008)。潤沢な資金のお陰で海賊たちは重武装。とても地方行政レベルでは対応できないレベルに達している模様(プントランド中央としては,Eyl地元行政に海賊と通じる向きがあると疑う方向。どちらも本当だったとしてもおかしいとまではいえないだろう辺りが余計に喜劇的ではある。当人たち,特に一般人としてはたまったものじゃありませんが)。

「不確かな軍事情報」さん方『ソマリア沖の海賊封じに本腰 EU、海軍派遣も』経由で見ると日本の報道でも結構な分量をさいたりするようにもなったようだ「ソマリア沖の海賊封じに本腰 EU、海軍派遣も」(中日新聞2008年9月4日朝刊―被害船舶数はちょっとだけ古い情報に基づくみたい)。むしろこの場合はEUが本腰を入れる―という所に力点があるかとも思うけど。

 陰謀論の好きな向きには,これは対テロ法を通そうとする政府与党の情報操作云々ということになるのかもしれませんが,しかし,ここは相手の国の気持ちも考えてはどうか。経済規模的には日本に(しばしば,遙かに)及ばない諸国が,次々予算をやりくりして護衛を出しているわけだ。『キミのとこでも,1隻でもいいから出してよ!』,そんな風に言いたくなっても無理は無いだろう。

 …罪なき民衆が飢えに苦しんでいるので食糧援助をする,その際,海賊が援助船を狙うので,マチガイが起こらないようにボディガードをする―割と国民的合意は取れそうな気はするんですが,この場合も『石油高騰の折,そんな遠方に自衛艦を送るのはいかがなものか』論がでたりするだろうか…。

 勿論,『軍隊を出さない解決法』というのもありえる…だろう! 実効性も実現性も備えた対策が提出されれば結構なことだ。
 そうした場合によく言われるのは,なるほど,農業支援。食糧支援。技術支援,教育支援。だがソマリアに限れば,最近は食糧支援団体も暗殺対象だったりするし,アフガンに目を向ければ,ついこの間,偉大なる農業支援活動者,非暴力の使徒が惨くも誘拐・殺害される事件が起きたばかりだ。

 この困難な情勢に,日本国としてはどういう方策を提示するのか? 給油継続で凌ぐか,それとも自衛隊は完全引き上げの上,軍事力によらない解決法の見事なものを打ち出すか,それとも単純に引き揚げて引篭もるか。大穴,派遣拡大(地上部隊含む)? 

 有権者だけじゃなく,諸国に向かっても説明,納得してももらわなければならないだろうところ,果たしてどの党がなんと決断を下すものでしょうね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Alim Hanif | トップ | タミル・タイガース,空戦で敗北 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事