TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

遠征2日目 親父山でのこと

2022年11月13日 | 山(県外)
順不同の変な遠征記ですが、今回のが最終話です。
2日目の親父山での出来事があまりに強烈すぎて、簡単には書けないなと後回しにしていました。

障子岳とその周辺を堪能した後は親父山まで戻り、黒岳・三尖と周回する予定でした。

さて、その親父山山頂下のB-29墜落を伝える説明板


あれ?
竹竿や金属のスクラップは行きにはなかったはず



尾根のすぐ下で食事をとられていた3人


この3人は今年古希を迎える高千穂高校の同級生だそうです。

この3人で谷に埋もれていたB-29の残骸を掘り出して、先ほどの説明板下まで引き上げたそうです。これをさらに親父山山頂まで持っていくとのことでした。

山頂を目指して


一休み


私も手伝わせてもらいましたが、見た目以上重いです。
これはエンジン部分のターボチャージャーだそうで40㎏を越えています。

見た目よりはるかに重いターボチャージャー


やっとの思いで山頂まで運びました。
山頂には別の残骸も展示してありました。


左のは車輪の部品だそうで90㎏!

これも大変な思いをして谷から引き上げたとのことでした。

先ほどのターボチャージャーを毛布で包んでいるところ




「何故に?」とお尋ねしたら、これを登山口まで下ろすときに金属の縁で怪我をしないようにとのことでした。

「下ろすのも人力ですか?」

「はい」


お名前をお聞きしたところ工藤寛さんとおっしゃって、もう30年以上も残骸の発掘を続けているそうです。
頭が下がります。

※ このへんの経緯を知りたい方は次をクリックしてください。

  → 「(資料)B29・隼墜落事故」

工藤さんは本(「LAST FLIGHT 奥高千穂隼・B-29墜落秘話」)も出されていましたので、さっそくネットで注文しました。


発掘したB-29の残骸は高千穂歴史資料館に展示されるそうで、今度の11/20に10人ばかりで登山口まで下ろすそうです。


30年も平和活動を続けられている工藤さん、手弁当でそれを手助けする同級生仲間、3人はとても生き生きとされていました。
工藤さんたちと有意義な時間を過ごし、その後黒岳に向かいました。


黒岳へ


この尾根はシャクナゲがいっぱい


でも、今は冬枯れの道




枯れたアザミの群生


三尖山頂


三尖の下り、わずかに残っていた紅葉


四季見橋がみえました。ゴールです。



戻り着いた車の中で、中身の濃い山登りだったなとしみじみ思いました。
テーマが重すぎて後回しにしていた工藤さんたちの活動については、結局は表面的なことしかお伝えできませんでした。古希を迎えてなお情熱を持って取り組む姿は今も尊く感じられます。

この後は、四季見原のキャンプ場を見学してから月廻り温泉・公園に向かい、そこで月見をするのでした。(「遠征2日目の夜 天体ショー」


- 終わり -



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2 コメント

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Unknown (TANE)
2022-11-13 07:34:09
ブログ見ました。
「資料」も読ませてもらいました。
tenzanbokkaさんがこの日山に行かなかったら、知ることもなかった戦争秘話ですね。
工藤さんとその仲間の方々の活動に頭が下がります。
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Unknown (tenzanbokka78)
2022-11-13 19:44:48
リンクを張っていた資料も読んでいただいたのですね。食べる物がなくて辛く悲しい思いをしたことも記事としてありましたが、あの出会いがなければ知ることがなかった戦争のリアルにおののきました。
平和への思いを行動に移されていた方々を目の当たりにし、私も頭が下がる思いです。
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