大田市温泉津町小浜、後方に広がる山肌に抱かれるようにひっそりと門を構える真言宗醍醐派寺院「延明院」。『大日如来』を本尊とします。
この本堂の妻壁に、作者は不明ですが明治時代に作られという「龍」の鏝絵があります。 残念ながら、風雨を直接受ける場所にあるため、鏝絵の下部は欠損、荒壁が剥き出しとなっていました。
それでも、鋭い爪や波間に見え隠れする体、見上げればまっすぐ見返す目など、迫力は満点。 この龍を見たのは2011年5月のこと・・・・龍は今も無事でしょうか。
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続いて大田市温泉津町温泉津、細い路地を抜けた先に門を構える浄土宗寺院「龍燈山 接揚院 西念寺」。石見霊場 第30番札所 。『阿弥陀如来』を本尊とします。
西念寺:妻壁の鏝絵。 立つ場所に余裕が無く写せたのは妻壁の部分のみ。意識して見なければ鏝絵の存在に気付かなかったかも知れません。
白漆喰の塗籠で蟇股(かえるまた)の模様を表し、その下に流れるような蓮華唐草。作者は、国会議事堂の鏝絵なども手がけた人物という事で、製作は明治十六年(1883)。そこまで判明していながら、左官の名は不明。
本堂の画像が無いので貫彫刻の獏と獅子。目に嵌めこまれた玉の所為か、いずれも非常に優しい顔立ちです。
境内の一画に建立されていた「流芳千古(りゅうほうせんこ)」碑。「美名を後世に残す」という意味のようです。
訪問日:2011年5月15日15日