車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

防府天満宮~其の六「芳松庵」 in 山口県防府市松崎町

2024年05月12日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・山口県

石段参道の途中、大専坊跡と向かい合う位置に建てられた「茶室・芳松(ほうしょう)庵」。菅原道真公はお茶に関する故実を調査、研究され世間に喫茶の習慣を広められ茶聖菅公と称せられました。菅公とお茶の深い関わりを後世に伝えるため、大江 宏氏の設計により、1991年に茶室芳松庵を建立。庭内の一角には勤皇の志士達が密議を交わした史跡「暁天楼」も建っています。

御祭神菅原道真の御神忌千百年式年大祭の記念事業として御祭神の茶徳を顕彰し御新徳の余恵にあずかるために建造されました。二つの季節が織りなす侘びと寂の世界・・無粋物の私たちにも心に響くものが有ります。

人の気配を察して近寄ってくる錦鯉たち。ねぇ、こんなに鯉が居たっけ?五年前には気が付かなかったね。

かってこの場所には、延喜四年(904)に国司土師信貞が「松崎の社」を創建した折、観道阿闍梨(かんどうあじゃり)を開山として草創されたと伝えられる「円楽坊」がありました。明治元年の神仏分離令に伴い、他の坊とともに廃寺となり建物も除却。明治40年に天満宮の所有となり、「松崎文庫」、維新史跡「暁天楼」を建設し現在に至っています。

芽吹きの春、敷地内はまだ若い新緑に包まれ、木漏れ日の隙間から年若い鳥の声が聞こえてきます。

維新史跡「暁天楼」

緋毛氈の床几に座って疲れた足を休める御亭主殿。壁に掛けられた勤皇の志士達はここでどんな密議を交わしたのでしょうか。高杉さん、伊藤さん・・この日本は、貴方たちが望んだ世の中になっていますか?

錦秋の「暁天楼」。隠れ部屋があったという二階は固く板戸が閉ざされ、その様子を知るすべも有りません。

降りしきる赤や黄の木の葉に彩られて、何もかもが唯々、神秘の美しさ。

【紅葉の錦 神のまにまに】と詠った菅公殿(菅原道真)。ここはまことに美しく、神の御心のまま・・・貴方様が鎮まる地です。

2015年秋・・降り続く雨は霧となって視界を遮り、木々の色を滲ませ朧に変えてゆく・・それは酷く現実離れして、目の前の全てをあやふやにしていく感覚。

唐突に目の前に現れる楠の巨木。推定樹齢800年・幹周5.6m、高さ27.5m、葉張36m。木霊を宿す防府天満宮の御神木。じっと見上げれば木精の気が体中に降り注ぐような、そんな錯覚さえ覚えます。同じ場所を三度歩いた筈なのに、この御神木に出会ったのはこの一度きりでした。

参拝日:2013年4月17日&2015年11月14日&2017年11月30日

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tibinekoさんの一口メモ

環境省の定義によれば、巨木とは地上から約130㎝の幹周が3m以上の樹木と定められています。

コメント (4)
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