塩尻市贄川、国道19号沿いに門を構える高野山真言宗智山派寺院「楊梅山 観音寺」。室町時代の作と伝えられる「木造十一面観音立像」を本尊とします。
創建は大同元年(806)と伝わるも、織田家に転じた木曽義昌を粛清する為に当地まで進軍した武田勝頼との激しい戦いに巻き込まれ、その兵火により荒廃。時は下り、慶長2年(1597)本山京都智積院より、珍永僧都により再興。寛永10年(1633)の大火にて、重要記録共々焼失するも、万治2年(1659)に再建。本堂は安永4年(1775)の再建で、入母屋・銅板葺・正面千鳥破風・平入、外壁は真壁造りの白漆喰仕上げ。
山門は寛政4年(1792)に再建されたもので三間一戸・入母屋・銅板葺き(元こけら葺)、八脚楼門で、上部が鐘撞堂となる鐘楼門形式。江戸時代後期の楼門建築の遺構として貴重な事から昭和60年(1985)に塩尻市指定有形文化財に指定。
境内から見る山門
山門横に祀られる地蔵菩薩と如来像
祠の中に座す地蔵菩薩
本堂近くより参拝者を出迎えてくれるのは、見上げる高さの「聖観世音菩薩像」。
真言宗寺院の少なかった木曽路において、ここ「観音寺」は贄川宿だけでなく広く真言宗の宗徒達から信仰されてきたといいます。子供の頃より御大師様が身近だった所為か、私にとっての「南無大師遍照金剛」は特定の宗派を表すものではなく、ある種のおまじない的存在だった事を・・ふと思い出しました。
参拝日:2010年10月3日
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