中土佐町久礼に鎮座される「久礼(くれ)八幡宮」。旧社格は県社。古来より、安和、久礼、上ノ加江地区の総鎮守、海の守護神として崇敬されてきました。
御祭神は『応神天皇・神功(じんぐう)皇后・比売神(ひめがみ)・宗像三女神(むなかたさんじょしん)』。
宝永4年(1707)、宝永地震の津波による被害で記録を失ってしまったため詳細な由緒などについては不詳ですが、古くからこの地にある神社で、神宝の鰐口に明徳3年(1392)とあり、久礼城主:佐竹内蔵助が奉納したものとされています。現在の社殿は、文政8年(1825)の再建で、江戸時代後期の建築様式を示した優美な美しさを見せています。
拝殿には「三韓征伐(さんかんせいばつ)」に赴く『神功皇后』と、筑紫の宇美で出産された『応神天皇』を抱く『武内宿禰(たけのうちのすくね)』の浮き彫り額が奉納。
古来より漁師の守り神とされた「久礼八幡宮」。奉納された絵馬はどれも興味深く、その謂れが気になるものも多いのですが・・・
何と言っても圧巻はこの見事な「カツオ」!! きっと久礼の町に住む沢山の順平君(のモデル)たちが釣り上げてきたのでしょうね。
しかもこれが、参拝者さんたちの食欲をそそる「ビフォアー&アフター」😲 ご亭主殿も今夜の夕食用に買ってましたよね😄
拝殿の左脇に鎮座されるのは「やくぬけ石」と呼ばれる霊石。無事にくぐり抜けることが出来れば厄を落とせるそうです。そろそろ、色んな事が気になりだした二人、仲良く順番にくぐり抜け、ご神木に参拝もできました。
反対からは出られない「やくぬけ石」は、大正初期に久礼指川のトロッコ軌道工事中、土中より発見され奉納されたものです。由緒書には約一億年前の白亜紀に属する粗粒砂岩であり、何万年もの時間をかけて自然に穿たれた穴である旨が記されていました。
ちなみに「やくぬけ石」を潜れなかった方のためには、御神木の遥拝所が設けられており、諸事情を持つ方、お年を召された方々にも優しい配慮だと嬉しく思いました。
神社と言えば狛犬さん。表参道一の鳥居脇より神域を守護されるのは、建立年代不明の狛犬さん一対。阿吽共に太鼓を持つ姿は珍しく、ご亭主殿には大収穫。ですが潮風に痛めつけられた体には剥落が見られ、次にもう一度同じ姿に会えるかどうかは分りません。
境内入口に立つ二の鳥居前より神域を守護されるのは、明治32年(1899)1月吉日建立のいわゆる「土佐型」狛犬さん一対。
阿吽ともに恐竜のように逞しい口元ですが、噛まれたら痛いだろうなぁ・・・・😱
さらに境内の内より神域を守護されるのは、大正13年(1924)4月吉日建立の土佐型狛犬さん。先のものよりは少し大型。
境内社:秋葉神社・八坂神社・三社神社が鎮座される入口。鳥居脇より神域を守護されるのは、明治24年(1891)8月吉日建立の 土佐型狛犬さん。
阿形さんの顔立ちが何かに似ていると思ってじっと見ていたんですが・・・ああ、分かりました!!カッパさん!!
西参道、北参道と多くの入り口を持つ久礼八幡宮ですが、最後は北参道入口より神域を守護される狛犬さん一対。
寛政5年(1793)癸丑8月吉日建立・・・。長い年月をこの地で頑張ってこられた阿形さんの下顎は欠けています。が、見ようによっては大笑いをしているようでもあり、吽形さんはそんな阿形さんを優しく見守っている様にも見えて。
どの子も皆、個性的で人懐こく優しく・・ご亭主殿は空腹であることをすっかり忘れてしまったみたい。境内社「稲荷社」を最後に神社の参拝は終わりです。
一の鳥居脇に建立された二つの歌碑。
【かきま久禮 うらみて帰る浜千鳥 眞砂の数や 涙なるらん】『飛鳥井曽衣』
【古や 汝も恋しき浜千鳥 久礼の浦廻をち かえり鳴く】『鹿持雅澄』
参拝日:2013年3月23日
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