重伝建地区の指定を受けた関宿・・とは言っても、ここは普通に人々の生活が営まれる場所。神社もあれば郵便局も銀行も、酒屋さんや薬局等々・・当たり前の暮らしがあります。関宿最後の紹介はちょっと懐かしい、ちょっと珍しい、そんなあれこれを集めてみました。
右から左の横書きで「 約特店商義野塩社會式株」「局藥オガナ」 「番五拾四 話電」。こんなアンティークな看板が架かるお店。今は薬道具などのかわりに大正から昭和にかけての粉ミルクや看板などが並べられ、気楽に立ち寄れるカフェとして営業されています。
□に榮のマークは「東亜足袋商会」。「電話十一番」が老舗を物語っています。
古い町並みと言うとまず私たちが目で追うのは屋根・・の上の瓦・・の飾り。一般的には鬼瓦が代表的ですが、実は意外とバラエティに富んでいるのです。まずは釈迦の説話に由来する「竹藪に潜む虎」。
商店などに用いられる縁起物で「扇面に恵比須大黒」
おそらく留め蓋の飾りとして使われていたのでしょう。福々しい「恵比須大黒」
「♪~大きな袋を肩にかけ~」た「大黒様」。決してサンタさんではありません(笑)
屋根に瓦と続いたら、何は無くても「鍾馗様」。鬼より強い鍾馗様は魔除けの最高アイテムです。
何とも良い雰囲気の「厨子(つし)二階」。虫籠窓(むしこまど)に見惚れた視線の先・・おや?!あんな所に「鏝絵」が。
卯建壁の左右に誂えられた「鶴と亀」。仙人に使える鶴、海神の使いの亀は対となって「家庭円満・健康長寿」を意味します。
ご亭主殿とJさん、二人仲良くデジカメを向けた先は・・
壁から飛び出す鶴と
妙にリアリティのあるカメさん。
私は足元の「郵便集箱(POST)」を担当(笑) 郵パックなども取り扱われているようなので、出張所的なお宅かもしれません。
こちらのお宅は「鯉の滝登り」。立身出世の諺としてよく使われますが、遠目から見ると「イルカ」みたいで・・可愛い(^^;)
「ダイニング山石(さんせき)」。建物は明治以前のものだとか。一押しメニューはお重からはみ出す「わらじかつ重」と、スキレットで供される「亀山みそ焼うどん」。
山石さんの鏝絵はいわゆる「龍虎」。「雲は竜に従い、風は虎に従う」の故事から昔の武将などに特に好まれた題材ですが、こちらでは厄除けを願ってとの事。
「御髪結処(おんかみゆいどころ)美容院マチ」の鏝絵は・・
「鯉の滝登り」・・・写す位置の都合から、滝の向こう側に鯉が隠れて今ひとつ分かり難くなりました。ちなみに左側の鏝絵は・・・滝かな?と思うのですが・・良く分かりません(^^;)
道路に面して総格子戸のお宅。屋根から足元までの横壁は・・・これもやはり「袖壁」、もしくは「袖卯建」なのでしょうか?
一階屋根の両端に施された鏝絵は、丸枠の中に「飛翔する龍」と
同じく丸枠の中の「逆巻く荒波と千鳥」
黒漆喰の壁に白漆喰のバラの花。最初は何か分からなかったのですが・・・
近寄って確認したところ、幾重にも重なる花びら・・。発想の柔軟さに思わず「薔薇だぁ・・・」と呟く女性陣。
上ばかり見上げていると目の前の大作を見逃してしまいます。どこかのお宅の庭に展示されていた「大仏様と青い象」・・って、何かの判じ物??それにしてもかなりの大作です(^^;)
鈴鹿山系を背景に向かい合う「深川屋」と「玉屋」。何時までも心に残る光景です。
訪問日:2011年4月10日
追記:そうそう、関宿の入口には「街道○○」と刻まれた大層立派な碑があります。有名な万葉歌碑の類だろうか?それとも・・?内容が分からない碑と言うのはどうにも気になるもので・・4年後に関宿を通りかかった時、雨にも関わらず車を降りて確認してきました。立派な碑は、鈴鹿馬子唄の一節が抽入された「街道おんな唄」の歌詞・・・ ミ(ノ;_ _)ノ =3。
別に良いんですけどね・・・歌謡曲でも、しかもそれがB面収録でも別に良いんですけど、しっかりと雨に濡れてしまった私の立場は??。悔しいのでちゃんと写真は撮りましたとも!(笑)
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