<グラフ挿入せず失礼しました。挿入しました>
昨日、総務省統計局から2025年3月の消費者物価指数が発表になりました併せて、2024年度の消費者物価指数も発表になっています。
マスコミも、消費者物価指数の上昇には警戒感が強く27年度は2.7%、3年連続2%越えでインフレ傾向の継続懸念もあり、特に3月時点のコメの価格上昇の92.1%を見出しにするものも多く見られました。
コメは日本人の主食で、値上がりしても買わなければならない必需品です。その米が、平年作の中で1年間近く連続でで価格上昇続け、政府の対策は半年遅れで備蓄米の遠慮がちな放出という生半可なもので、現在の価格上昇は2倍を超えているという惨状です。
先ず、年度末3月の消費者物価指数の原数字を見てみましょう。
先の2月には青線(総合)と赤線(生鮮食品を除く総合)は下がっていますが、これは政府の電力、ガスの補助金のせいで自然の物価変動ではありません。生鮮とエネルギーを除いた緑線は上昇を続けていました。
補助金の打ち切られた3月は3本の線が揃って上昇で、政府の政策がなければ、消費者物価指数は基本的に上昇傾向にあることになります。
3月に上昇(対前年比)が大きかったものは、統計局の例示では、まだ下がりきらないキャベツ126%を筆頭に生鮮野菜ですが、その後野菜は下がってきているようで、我が家で購入するトマトやキュウリは、規格外ならプラス1個、1本になったりしています。うるち米66%は、現在の店頭で100%を超えています。そのほか生鮮果物、チョコレートなどの菓子、飲料、補助金の切れた電気ガス、といったところです。
この辺りを、さらに対前年同月比の動きで見ますと、生鮮野菜などの急騰で大きく上がっていた青線の「総合」が上昇率を下げて来たのが特徴的です。
マーケットに任せておけば、不足して値上がりしたものは、生産が順調になれば下がるのが普通で、生鮮野菜などは当分下げ続けるでしょう。赤線の「生鮮食品を除く総合」は生鮮食品の値下がりが含まれていませんから電気・ガスの補助金ストップとお米の値上がりで反転上昇です。
緑の線「生鮮とエネルギーを除く総合」は電気・ガス料金の値上がりが含まれていませんが、お米の値上がり、関連する寿司やおにぎり、お弁当などの値上がりや誘発値上げ(便乗値上げ)もあるのでしょうか急上昇に転じ、昨年7月の1.9%から2.9%への上昇です。
これはまさに自家製インフレで、生鮮食品も原油価格も内外で物価が下げてくる中で国産のコメだけ平年作の中で1年2倍上昇という異常事態です。
こんなことは通常の経済活動の中では起き得ない事です。米価は国策で決まるものですから、政府が認めているか主導しているのでしょう。
備蓄米の放出も値下がりを期待する量ではなく、今朝のニュースでは3月中に小売店に届いたのは放出量の0.3%と農水省自身の報告で、種々手間がかかったとの弁明です。先行き大幅に値段がさがることは、農水省の最も恐れるところの様な気がします。
何か大きな違和感を感じさせる米価ですが、今回の米価問題が実質賃金の動向も含め日本経済に与える負の影響が懸念されるところです。