平成13年度下半期のテーマ
平成26年(2014年)3月
株式投資大成功の話 公的年金運用の基本 動き始めた非正規の正社員化 賃上げ、金融政策と物価の関係 4 経済成長を目指して 賃上げ、金融政策と物価の関係 3 賃上げ、金融政策と物価の関係 2 賃上げ、金融政策と物価の関係 1 tnlabo's blog 引っ越しのご挨拶 久方ぶりのベア、経済回復の成果 今年はスズメの巣箱に・・・? 狭い地球で続発する紛争と日本的思考
2月
ビットコイン雑感 息切れか? アベノミクス ギリシャ、7年ぶりプラス成長へ ギリシャ経常収支、黒字転換へ 2014春闘:労使に論議して欲しいこと 政治と経済の狭間で:日本の選択 イエレン女史の議会証言:あまり変わりそうもないアメリカ 経常黒字大幅減の読み方 バーナンキ→イエレン:興味津々アメリカの選択 庭に来る鳥、とりどりの性格
1月
アメリカの量的緩和縮小継続の見方 日本は何を目指していくのか(施政方針演説雑感) 来年度(平成26年度)政府経済見通し:閣議決定版
中国の経済発展:1つの見方 安全の重要性、「安全はペイする」を越えて NISA 雑感 国内生産比率引き上げに動く企業 デフレほぼ脱出、日本人のエネルギー発揮を 2014年、新しい時代の始まる年に
平成25年(2013年)12月
安全の大切さ:自然災害、国際関係に思う 平成26年度政府経済見通しを見る アメリカは出口に近づいているのか 円安・デフレ・雇用・賃上げ・年金問題と消費動向 これから伸びる日本経済:6、労使の信頼関係 これから伸びる日本経済:5、技術開発→経済成長のプロセス これから伸びる日本経済:4、今後が楽しみな日本の技術開発 これから伸びる日本経済:3、高齢化・人口減少と経済成長 これから伸びる日本経済:2、国土強靭化など これから伸びる日本経済:1、揃い始めた条件
11月
電気自動車vs. 燃料電池車 漂流アメリカ経済:出口は遠く 賃金か雇用か? 現時点の問題を考える 年金積立金運用論議に思う 大きい春闘再開の意義 NGR再論 再考、中国の貿易依存度 経済団体と経営者団体
10月
バーナンキさんは何をしてきたか 「いじめ」とハラスメントとストーカー行為 デフレは脱出したのか 頑張った鈴虫(すずむし) 賃上げさせたい男たち 良薬はイヤ、当面は安定を優先へ 政府・日銀、円買いへの備えは万全か 混迷深まるアメリカ 事業所別の付加価値を測る簡便法の検討 平成13年度上半期のテーマ
株式投資大成功の話
前回年金積立金の株式運用の話を書きましたが、関連して、嘗てはこんなこともあったので、御参考までに。
昭和40年不況をご存知の方もおられると思います。「戦後最大の不況」といわれ、山陽特殊鋼の倒産、4大証券の一角の山一證券が破綻に瀕し、当時の蔵相田中角栄の英断で日銀特別融資で救済したという深刻な不況です。
神武景気、岩戸景気、オリンピック景気と高成長を謳歌してきた日本経済もいよいよダメかなど思われたのでしょうか、日本人のだれもが危機感を持った不況でした。
株価は低迷、日経ダウは1200円を割り込みそうな況になり、政府も株価の維持に躍起でした。
株価維持のために設立されたのが、共同証券と証券保有組合です。株価の買い支えに特化した組織でしたが、「そこまでやっても株価が上がらないのか」と設立の狙いとは逆に、一層悲観論を深刻化させました。
ところがその年の補正予算で、蔵相に就任した直後の福田赳夫が、戦後守ってきた借金財政はやらないという禁を破って、「国債(赤字国債)を発行します 」といった途端に株価は上昇を始め、景気は回復、いざなぎ景気となり、1973年日経ダウは当時のピーク5359円をつけます。
共同証券、証券保有組合はその前に解散していますが、莫大な利益を上げ、ともに当時のカネで2百数十億円を基金として公益財団を創り、証券業の発展やその他の事業を行っています。
もちろん、共同証券も、証券保有組合も株式投資でお金を儲けようとして出来たものではありません。放置すれば昭和恐慌の再来かと恐れられた状態を何とか安定させようと窮余の一策で(政府の肝いりで)金融、証券業界が必死の思いで創ったものでしょう。
しかし結果的には、それが大きなリターンを生んだということで、あとから見れば、「株式投資の要諦は安い時に買って、高い時に売ることです」=株式チャンネルのTVコマーシャル=の通りという大変結構なことになったわけです。
デイトレで信用取引という方には全く参考にならないお話ですが、このブログでいつも否定しているキャピタルゲインでも、こんな形だったら、実質経済への援軍にもなるまともな形に近いもの、といってもいいような気もします。
どうでしょう、皆さんも少し長期的視点で、株式投資を考えてみませんか。
前回年金積立金の株式運用の話を書きましたが、関連して、嘗てはこんなこともあったので、御参考までに。
昭和40年不況をご存知の方もおられると思います。「戦後最大の不況」といわれ、山陽特殊鋼の倒産、4大証券の一角の山一證券が破綻に瀕し、当時の蔵相田中角栄の英断で日銀特別融資で救済したという深刻な不況です。
神武景気、岩戸景気、オリンピック景気と高成長を謳歌してきた日本経済もいよいよダメかなど思われたのでしょうか、日本人のだれもが危機感を持った不況でした。
株価は低迷、日経ダウは1200円を割り込みそうな況になり、政府も株価の維持に躍起でした。
株価維持のために設立されたのが、共同証券と証券保有組合です。株価の買い支えに特化した組織でしたが、「そこまでやっても株価が上がらないのか」と設立の狙いとは逆に、一層悲観論を深刻化させました。
ところがその年の補正予算で、蔵相に就任した直後の福田赳夫が、戦後守ってきた借金財政はやらないという禁を破って、「国債(赤字国債)を発行します 」といった途端に株価は上昇を始め、景気は回復、いざなぎ景気となり、1973年日経ダウは当時のピーク5359円をつけます。
共同証券、証券保有組合はその前に解散していますが、莫大な利益を上げ、ともに当時のカネで2百数十億円を基金として公益財団を創り、証券業の発展やその他の事業を行っています。
もちろん、共同証券も、証券保有組合も株式投資でお金を儲けようとして出来たものではありません。放置すれば昭和恐慌の再来かと恐れられた状態を何とか安定させようと窮余の一策で(政府の肝いりで)金融、証券業界が必死の思いで創ったものでしょう。
しかし結果的には、それが大きなリターンを生んだということで、あとから見れば、「株式投資の要諦は安い時に買って、高い時に売ることです」=株式チャンネルのTVコマーシャル=の通りという大変結構なことになったわけです。
デイトレで信用取引という方には全く参考にならないお話ですが、このブログでいつも否定しているキャピタルゲインでも、こんな形だったら、実質経済への援軍にもなるまともな形に近いもの、といってもいいような気もします。
どうでしょう、皆さんも少し長期的視点で、株式投資を考えてみませんか。
公的年金運用の基本
最近また、公的年金の運用問題が論議されているようで、新聞紙上でもいろいろな意見が見られます。
大体こういった議論が活発になるのは、景気が多少とも上向いて、株価が上がり、堅実な国債運用ではいかにもリターンが少ないので、多少リスクがあっても運用ポートフォリオの中で株式などの比率を増やした方がいいのではないかといった雰囲気になった時ということになっています。
株式市場の方でも、GRIF(年金積立金簡易運用独立行政法人)が買い出動するといった噂で 日経平均が動いて見たり、新聞の識者の意見の中に、「GRIFは株式市場のためにあるのではない」などという意見があったりして、何か違和感を感じるのは私だけではないでしょう。
厚労省の資料を見ても解りますように、年金の計算は22世紀の初頭までシミュレーションがされていて、偶々今株が上がっているからどうこうといった論議の前に、もっと本質的な論議があってしかるべきでしょう。
ごく短期間のキャピタルゲインの極大化を狙うようなマネーゲーマーまがいの論議は別の所でやってほしいように思ってしまいます。
以前、こんな話を聞いたことがあります。
「1626年オランダ人がマンハッタン島をインデアンから26ドル相当の金額で買い取った。今はマンハッタン島の地価は大変なものだから、これは大儲けだ、という人がいる。しかし、26ドルをそのまま銀行に預けておけば、利息が付いて、今のマンハッタン島の地価総額とあまり変わらない額になっている。」
計算で確かめてはいませんが、金利というのはばかにならないというのも事実です。日本がプラザ合意で長期不況に陥る前は、企業は軒並み退職金の原始を活用して厚生年金基金制度を導入し、健全運用でプラスアルファの給付をして、退職者は喜びました。まともな金利がつけられればそれが可能だったのです。
今の公的年金の惨状は、少子高齢化が主因でしょうけれども、国債の利回りが、ゼロ金利政策のせいで異常に低いことの影響も甚大です。だから株式運用でリスクを取っても稼げといった意見が出るのでしょう。
しかし、合計特殊出生率1.3人台、ゼロ金利政策が今後100年続くでしょうか。これらは、日本人の努力次第で、やろうと思えば、10年20年30年かけてより良い数字を出せるような日本にすることで変えられるものではないでしょうか。
年金は本来、日本経済の発展の中で健全に支払っていくべきものでしょう。株が上がってきたから株式運用を増やせというのも、窮余の一策かもしれません。しかしマネー資本主義に堕したアメリカと違って、日本には、伝統的に「浮利に走らず」という健全な金銭感覚があるのです。インカムゲイン(額に汗したカネ)とキャピタルゲイン(あぶく銭)を識別する意思と能力は備わっています。
理想論という批判はあるでしょう。しかし日本は日本らしい王道を、堂々と進み、世界の規範になるべきではないでしょうか。
最近また、公的年金の運用問題が論議されているようで、新聞紙上でもいろいろな意見が見られます。
大体こういった議論が活発になるのは、景気が多少とも上向いて、株価が上がり、堅実な国債運用ではいかにもリターンが少ないので、多少リスクがあっても運用ポートフォリオの中で株式などの比率を増やした方がいいのではないかといった雰囲気になった時ということになっています。
株式市場の方でも、GRIF(年金積立金簡易運用独立行政法人)が買い出動するといった噂で 日経平均が動いて見たり、新聞の識者の意見の中に、「GRIFは株式市場のためにあるのではない」などという意見があったりして、何か違和感を感じるのは私だけではないでしょう。
厚労省の資料を見ても解りますように、年金の計算は22世紀の初頭までシミュレーションがされていて、偶々今株が上がっているからどうこうといった論議の前に、もっと本質的な論議があってしかるべきでしょう。
ごく短期間のキャピタルゲインの極大化を狙うようなマネーゲーマーまがいの論議は別の所でやってほしいように思ってしまいます。
以前、こんな話を聞いたことがあります。
「1626年オランダ人がマンハッタン島をインデアンから26ドル相当の金額で買い取った。今はマンハッタン島の地価は大変なものだから、これは大儲けだ、という人がいる。しかし、26ドルをそのまま銀行に預けておけば、利息が付いて、今のマンハッタン島の地価総額とあまり変わらない額になっている。」
計算で確かめてはいませんが、金利というのはばかにならないというのも事実です。日本がプラザ合意で長期不況に陥る前は、企業は軒並み退職金の原始を活用して厚生年金基金制度を導入し、健全運用でプラスアルファの給付をして、退職者は喜びました。まともな金利がつけられればそれが可能だったのです。
今の公的年金の惨状は、少子高齢化が主因でしょうけれども、国債の利回りが、ゼロ金利政策のせいで異常に低いことの影響も甚大です。だから株式運用でリスクを取っても稼げといった意見が出るのでしょう。
しかし、合計特殊出生率1.3人台、ゼロ金利政策が今後100年続くでしょうか。これらは、日本人の努力次第で、やろうと思えば、10年20年30年かけてより良い数字を出せるような日本にすることで変えられるものではないでしょうか。
年金は本来、日本経済の発展の中で健全に支払っていくべきものでしょう。株が上がってきたから株式運用を増やせというのも、窮余の一策かもしれません。しかしマネー資本主義に堕したアメリカと違って、日本には、伝統的に「浮利に走らず」という健全な金銭感覚があるのです。インカムゲイン(額に汗したカネ)とキャピタルゲイン(あぶく銭)を識別する意思と能力は備わっています。
理想論という批判はあるでしょう。しかし日本は日本らしい王道を、堂々と進み、世界の規範になるべきではないでしょうか。
動き始めた非正規の正社員化
このところ雇用についての良いニュースが続きます。求人倍率の上昇や新規学卒者の就職率の上昇、新卒採用を増やす企業の増加などなどですが、特に喜ばしく感じるのは、非正規労働者の正規化(正社員化)の動きです。
昨年にはANAが 客室乗務員の一部正規化と今後の正規採用を発表し、2月には、スターバックスが契約社員800人全員を正社員化するとの報道があり、今回はユニクロ(ファーストリテイリング)が、パート、アルバイトの半数以上の16,000人を正社員化する方針を決定したという報道がありました。
もともと正社員採用を基本にし、正社員が好きな日本企業が、非正規社員を全雇用の35パーセント以上にまで増やしたのは、超長期の円高デフレの中で、国際競争力維持のために已むに已まれず正規従業員を削減し、非正規を増やして平均賃金を下げるという、まさに窮余の一策として選択せざるを得ないという事情があってのことです。
ですから、「いざなぎ越え」といわれた微かな景気回復の中でも、一部企業に正社員化の動きはありました。しかしリーマンショックによる一層の円高は、新たなコストダウンを企業に強い、非正規の増加は、格差社会という問題の原因と指摘されてきました。
このブログでは以前から、景気の回復による雇用の正常化が企業の自主的な取り組みによって行われることがベストといってきましたが、20円幅の円安をベースにした景気回復の動きの中で、いよいよ雇用改善の動きが出てきたと、心から喜んでいます。
各企業が一様に指摘しているのは、これまでは円高対応、企業サバイバルのためにコストダウンしか考えてこなかったが、日本経済の正常化の中で、改めて人材の確保・増強、教育訓練の徹底による人材育成、を今後の企業成長の重要な柱にしなければならないという、本来のあるべき企業と人材の関係への回帰です。
一部には、日本企業は、コストダウンだけ考えて人材を使い捨てにするといった批判も聞かれました。しかし、本来日本の経営者・管理者は、本当に企業の長期的発展を考えるならば、その基本は人を育てることにあるという最も正常な視点を失ってはいないと思います。それこそが日本的経営の原点です。
日本的経営の本質は
① 長期的視点に立った経営
② 人間中心の経営
の2本の柱から成り立っているというのは、かつて日経連(現日本経団連)が繰り返し主張してきたことです。経営は長期的視点に立てば、必然的に人間中心になります
立法や政策ではなく、企業(労使)が自ら判断し、雇用の構造、雇用の質が正常化し、格差社会といったイメージも解消し、かつての一億総中流といわれ、所得配分のジニ係数がデンマークに次いで世界第2位といわれた日本に復元していくことを願う所です。
このところ雇用についての良いニュースが続きます。求人倍率の上昇や新規学卒者の就職率の上昇、新卒採用を増やす企業の増加などなどですが、特に喜ばしく感じるのは、非正規労働者の正規化(正社員化)の動きです。
昨年にはANAが 客室乗務員の一部正規化と今後の正規採用を発表し、2月には、スターバックスが契約社員800人全員を正社員化するとの報道があり、今回はユニクロ(ファーストリテイリング)が、パート、アルバイトの半数以上の16,000人を正社員化する方針を決定したという報道がありました。
もともと正社員採用を基本にし、正社員が好きな日本企業が、非正規社員を全雇用の35パーセント以上にまで増やしたのは、超長期の円高デフレの中で、国際競争力維持のために已むに已まれず正規従業員を削減し、非正規を増やして平均賃金を下げるという、まさに窮余の一策として選択せざるを得ないという事情があってのことです。
ですから、「いざなぎ越え」といわれた微かな景気回復の中でも、一部企業に正社員化の動きはありました。しかしリーマンショックによる一層の円高は、新たなコストダウンを企業に強い、非正規の増加は、格差社会という問題の原因と指摘されてきました。
このブログでは以前から、景気の回復による雇用の正常化が企業の自主的な取り組みによって行われることがベストといってきましたが、20円幅の円安をベースにした景気回復の動きの中で、いよいよ雇用改善の動きが出てきたと、心から喜んでいます。
各企業が一様に指摘しているのは、これまでは円高対応、企業サバイバルのためにコストダウンしか考えてこなかったが、日本経済の正常化の中で、改めて人材の確保・増強、教育訓練の徹底による人材育成、を今後の企業成長の重要な柱にしなければならないという、本来のあるべき企業と人材の関係への回帰です。
一部には、日本企業は、コストダウンだけ考えて人材を使い捨てにするといった批判も聞かれました。しかし、本来日本の経営者・管理者は、本当に企業の長期的発展を考えるならば、その基本は人を育てることにあるという最も正常な視点を失ってはいないと思います。それこそが日本的経営の原点です。
日本的経営の本質は
① 長期的視点に立った経営
② 人間中心の経営
の2本の柱から成り立っているというのは、かつて日経連(現日本経団連)が繰り返し主張してきたことです。経営は長期的視点に立てば、必然的に人間中心になります
立法や政策ではなく、企業(労使)が自ら判断し、雇用の構造、雇用の質が正常化し、格差社会といったイメージも解消し、かつての一億総中流といわれ、所得配分のジニ係数がデンマークに次いで世界第2位といわれた日本に復元していくことを願う所です。
賃上げ、金融政策と物価の関係 4 経済成長を目指して
このテーマは今回で一応の纏めとしたいと思いますが、現状は結果オーライも含めて「何とか巧くいっている」という所でしょうか。
インフレターゲットの2パーセントはデフレ脱出の証拠としたいという事でしょうし、デフレ脱出は日本経済の成長路線の実現を目指してという事でしょう。
その点ではアベノミクスの第3の矢は、経済政策としては、財政支出のメリハリのない拡大も含めて、がむしゃらな成長路線のようですが、他方では、国際関係を著しく損ねるような行動をしたりして、アクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなところがあり、消費増税もしがらみになって、なかなかうまくいきません。
一方、渦中の春闘は、政府の「賃上げ節」を横目に、労使は極めて節度ある路線を取りつつあり、恐らく経済成長の邪魔になるようなコストアップはないでしょう。
消費拡大は賃上げではなく、雇用の安定に大きく依存しますから、新卒採用の増加、求人倍率の上昇、節度ある賃上げや、非正規の正規化の動きは大きな援軍です。
そんな状況の中で、物価上昇目標2パーセントの達成は、消費税増税分を入れたみたいな話になり、日本経済の今後は、日本人、日本企業の「元気度」次第ということになりそうです。
「元気度」は先行き見通しに大きく依存するものでしょうし、現状、日本人の元気度は「失われた20年」のレベルから見れば、随分上がっていると思います。
企業がもう一つ迷っているのは、FRBを中心としたアメリカの政策がどうなるか、国際投機資本がどう反応するか(円の今後をどう見ているか)などで、最も気にするのは、また円高が進む可能性はないか、という点でしょう。
国際投機資本は日銀の政策を注視しているようで、ヘッジファンドなどは虎視眈々、最高のビジネス(プロフィット)チャンスとみているようです。
「円が下がれば株が上がる」という相関関係は、誰の目にも明らかで、マネーゲーマー達はそうした現状を楽しんでいるのだろうと私ですら考えてしまします。
それはそれで、円安の定着は多くの企業が望んでいることですし、そして、株が上がれば、これは消費支出にかなりの影響をもたらすようです。
長期的には、日本の貿易赤字、つれて悪化する経常収支の黒字縮小、あるいは赤字化が円安への影響力を持つでしょう。しかし国際投資資本の多くは、まだ「円は安全資産」と考えているようです。
やはり、当面最も重要なのは、日銀の金融政策でしょう。黒田日銀は「異次元の金融緩和」を着実に進めています。インフレターゲットの2パーセントを目指すというのがその理由でしょうが、恐らく胸の内は、カネをジャブジャブ出せば、インフレになるという貨幣数量的発想ではなく、「日銀の超金融緩和政策がどこまで円安を呼ぶか」でしょう。
既に述べましたように、円安を呼べばデフレは解消、日本経済は「デフレ経済からインフレ経済に転換」します。
今その境にある日本経済が「為替操作国」という批判を呼ばずにそれを実現することが出来れば、「安倍政権の国際関係での問題行動」以外の日本経済成長へのしがらみは消えるでしょう。
残される問題は、既に経済問題ではなく、縄文時代が形成した「自然を大事にし、争いを好まない」本来の日本人(舶来崇拝を卒業した日本人)として、すべての日本人が、平和憲法も含め、まさに真剣に考えるべき問題でしょう。
このテーマは今回で一応の纏めとしたいと思いますが、現状は結果オーライも含めて「何とか巧くいっている」という所でしょうか。
インフレターゲットの2パーセントはデフレ脱出の証拠としたいという事でしょうし、デフレ脱出は日本経済の成長路線の実現を目指してという事でしょう。
その点ではアベノミクスの第3の矢は、経済政策としては、財政支出のメリハリのない拡大も含めて、がむしゃらな成長路線のようですが、他方では、国際関係を著しく損ねるような行動をしたりして、アクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなところがあり、消費増税もしがらみになって、なかなかうまくいきません。
一方、渦中の春闘は、政府の「賃上げ節」を横目に、労使は極めて節度ある路線を取りつつあり、恐らく経済成長の邪魔になるようなコストアップはないでしょう。
消費拡大は賃上げではなく、雇用の安定に大きく依存しますから、新卒採用の増加、求人倍率の上昇、節度ある賃上げや、非正規の正規化の動きは大きな援軍です。
そんな状況の中で、物価上昇目標2パーセントの達成は、消費税増税分を入れたみたいな話になり、日本経済の今後は、日本人、日本企業の「元気度」次第ということになりそうです。
「元気度」は先行き見通しに大きく依存するものでしょうし、現状、日本人の元気度は「失われた20年」のレベルから見れば、随分上がっていると思います。
企業がもう一つ迷っているのは、FRBを中心としたアメリカの政策がどうなるか、国際投機資本がどう反応するか(円の今後をどう見ているか)などで、最も気にするのは、また円高が進む可能性はないか、という点でしょう。
国際投機資本は日銀の政策を注視しているようで、ヘッジファンドなどは虎視眈々、最高のビジネス(プロフィット)チャンスとみているようです。
「円が下がれば株が上がる」という相関関係は、誰の目にも明らかで、マネーゲーマー達はそうした現状を楽しんでいるのだろうと私ですら考えてしまします。
それはそれで、円安の定着は多くの企業が望んでいることですし、そして、株が上がれば、これは消費支出にかなりの影響をもたらすようです。
長期的には、日本の貿易赤字、つれて悪化する経常収支の黒字縮小、あるいは赤字化が円安への影響力を持つでしょう。しかし国際投資資本の多くは、まだ「円は安全資産」と考えているようです。
やはり、当面最も重要なのは、日銀の金融政策でしょう。黒田日銀は「異次元の金融緩和」を着実に進めています。インフレターゲットの2パーセントを目指すというのがその理由でしょうが、恐らく胸の内は、カネをジャブジャブ出せば、インフレになるという貨幣数量的発想ではなく、「日銀の超金融緩和政策がどこまで円安を呼ぶか」でしょう。
既に述べましたように、円安を呼べばデフレは解消、日本経済は「デフレ経済からインフレ経済に転換」します。
今その境にある日本経済が「為替操作国」という批判を呼ばずにそれを実現することが出来れば、「安倍政権の国際関係での問題行動」以外の日本経済成長へのしがらみは消えるでしょう。
残される問題は、既に経済問題ではなく、縄文時代が形成した「自然を大事にし、争いを好まない」本来の日本人(舶来崇拝を卒業した日本人)として、すべての日本人が、平和憲法も含め、まさに真剣に考えるべき問題でしょう。
賃上げ、金融政策と物価の関係 3
最後に最も強力な「物価水準決定要因」が登場します。それは「内外価格差」です。
国際化、グローバル化の今日です。電力のような国内限定の生産・消費構造のものや、TPPの例外5品目のように、政策的に、国内価格と国際価格が切り離されているもの以外は、モノであれ、サービスであれ、日本の国内価格だけが外国の水準より高いということは成立しません。
例え言えば、隣の店でウチより安く売っていたのでは、ウチには誰も買いに来ないようなものです。
国内のマーケットでも、今では、外国から安いものがいくらでも入って来ます。国際航空運賃、国際通信料金などでも国際競争は熾烈です。
国内旅行の代金が高ければ、簡単に海外旅行に乗り換える時代です。高かった国内旅行の料金も今では随分安くなりました。
つまり、日本の物価は常に海外物価と比較され、海外より物価が高ければ否応なしに下げざるを得ないのです。
御存じのように、1985年のプラザ合意と2008年のリーマンショックで1ドルが240円から80円という極度な円高状態になり、その結果日本はコスト(含賃金)も物価も世界一高い国になりました。我々の経験した長期デフレというのは、そうした高コスト、高物価の状態から、賃金水準を下げ(非正規労働を増やし)、あらゆるコストカットをやり、リストラをやって、物価を国際価格並みに下げるプロセスでした。
そして、その最後の仕上げが、昨年4月の日銀の政策変更による20円の円安実現だったというわけです。
さてこれで日本の物価は国際価格並みになったのでしょうか。現実はまだら模様で、なった所はデフレが終息、まだ高い所はデフレから抜け切れていないというのが実態でしょう。
内外価格差の解消は、
① 日本の物価が下がるか、
② 外国の物価が上がるか、
③ 円安になるか、
この3つの動向次第ということになります。
現政権はアベノミクスの第3の矢でデフレ脱出などと言っていますが、それにはもう少しのコストダウン、価格引き下げが必要でしょう。それよりも、あと5円か10円、円安にすれば、デフレは多分雲散霧消でしょう。
しかしそこまで行くと、「日本は為替操作国」というレッテルを張られるかもしれません。
では、今、日本は、デフレ脱出のために何をしようとしているのでしょうか。その為のプレーヤーは政府であり、日銀であり、今春闘の渦中にある「労使」なのです。
さて、日本の戦略はうまくいくのでしょうか。次回はその辺りを見てみましょう。
最後に最も強力な「物価水準決定要因」が登場します。それは「内外価格差」です。
国際化、グローバル化の今日です。電力のような国内限定の生産・消費構造のものや、TPPの例外5品目のように、政策的に、国内価格と国際価格が切り離されているもの以外は、モノであれ、サービスであれ、日本の国内価格だけが外国の水準より高いということは成立しません。
例え言えば、隣の店でウチより安く売っていたのでは、ウチには誰も買いに来ないようなものです。
国内のマーケットでも、今では、外国から安いものがいくらでも入って来ます。国際航空運賃、国際通信料金などでも国際競争は熾烈です。
国内旅行の代金が高ければ、簡単に海外旅行に乗り換える時代です。高かった国内旅行の料金も今では随分安くなりました。
つまり、日本の物価は常に海外物価と比較され、海外より物価が高ければ否応なしに下げざるを得ないのです。
御存じのように、1985年のプラザ合意と2008年のリーマンショックで1ドルが240円から80円という極度な円高状態になり、その結果日本はコスト(含賃金)も物価も世界一高い国になりました。我々の経験した長期デフレというのは、そうした高コスト、高物価の状態から、賃金水準を下げ(非正規労働を増やし)、あらゆるコストカットをやり、リストラをやって、物価を国際価格並みに下げるプロセスでした。
そして、その最後の仕上げが、昨年4月の日銀の政策変更による20円の円安実現だったというわけです。
さてこれで日本の物価は国際価格並みになったのでしょうか。現実はまだら模様で、なった所はデフレが終息、まだ高い所はデフレから抜け切れていないというのが実態でしょう。
内外価格差の解消は、
① 日本の物価が下がるか、
② 外国の物価が上がるか、
③ 円安になるか、
この3つの動向次第ということになります。
現政権はアベノミクスの第3の矢でデフレ脱出などと言っていますが、それにはもう少しのコストダウン、価格引き下げが必要でしょう。それよりも、あと5円か10円、円安にすれば、デフレは多分雲散霧消でしょう。
しかしそこまで行くと、「日本は為替操作国」というレッテルを張られるかもしれません。
では、今、日本は、デフレ脱出のために何をしようとしているのでしょうか。その為のプレーヤーは政府であり、日銀であり、今春闘の渦中にある「労使」なのです。
さて、日本の戦略はうまくいくのでしょうか。次回はその辺りを見てみましょう。
賃上げ、金融政策と物価の関係 2
まず、日本という一国経済を中心に賃上げ、金融政策、物価の問題を考えてみましょう。インフレはどういう場合に発生するのでしょうか。
伝統的な経済理論には貨幣数量説があります単純に貨幣の流通量が増えれば「モノと貨幣のバランス」が変わるからインフレになるというのが貨幣数量説です。数量は変わらなくても貨幣の流通速度が速くなればインフレが強まるといった具合に理論は進化してきます。
原油やLNGなど輸入品の値段が上がれば日本国内の物価も上がります。これは、いわゆる輸入インフレです。日本国内で起きた原因ではありませんが、それらはエネルギー価格の上昇を通じて日本中に広がります。
輸入大豆の値段が上がれば豆腐の値段が上がり、輸入小麦の値段が上がればパンの値段が上がることはすでに経験済みです。
ただしこの場合は、輸入物価、企業物価、消費者物価などは上がりますが、日本国内に原因がないので、「GDPデフレーター(国内総合物価)」は上がりません。
円安になっても、円表示の輸入価格が上がりますから、同じことが起こります。今日ただいま問題になっていることです。
賃金が上がっても物価が上がります。賃金インフレです。厳密に言えば、国民経済生産性(就業者一人当た有のGDP)より賃金水準の上昇が大きければ、コストアップインフレになります。これは賃金インフレとも言われます。
この物価上昇分を翌年の賃上げに組み込むと、賃金・物価のスパイラルになり、際限のないインフレになります。
消費税を上げても物価が上がります。この4月から、日本の消費者物価は2~3パーセントの上昇になるだろうと予想されています。これは解り易いと思われます。
政府・日銀が言っている物価上昇の中に、どれが含まれ、どれが含まれないかは明示されていません。2パーセントインフレターゲットというのは多分に腰だめで、外国が納得すればそれでいいのでしょう。国民に対しては、これで「デフレは脱出した」という証拠になればいいのでしょう。
こう見て来ますと、現在の日本経済はインフレ要因が目白押しで、こんなことをしていたら、インフレターゲットの2パーセントどころではなくて、もっともっとインフレになりそうですが、何かその割に物価上昇が遅々としているような感じを受ける方も多いのではないでしょうか。
まだデフレから完全に抜け切っていないといった感じを持っておられる方もいらっしゃると思います。
何故でしょうか。此処で最後に最も強力な物価水準の決定要因が登場することになります。次回はこの点を見ていきたいと思います。
まず、日本という一国経済を中心に賃上げ、金融政策、物価の問題を考えてみましょう。インフレはどういう場合に発生するのでしょうか。
伝統的な経済理論には貨幣数量説があります単純に貨幣の流通量が増えれば「モノと貨幣のバランス」が変わるからインフレになるというのが貨幣数量説です。数量は変わらなくても貨幣の流通速度が速くなればインフレが強まるといった具合に理論は進化してきます。
原油やLNGなど輸入品の値段が上がれば日本国内の物価も上がります。これは、いわゆる輸入インフレです。日本国内で起きた原因ではありませんが、それらはエネルギー価格の上昇を通じて日本中に広がります。
輸入大豆の値段が上がれば豆腐の値段が上がり、輸入小麦の値段が上がればパンの値段が上がることはすでに経験済みです。
ただしこの場合は、輸入物価、企業物価、消費者物価などは上がりますが、日本国内に原因がないので、「GDPデフレーター(国内総合物価)」は上がりません。
円安になっても、円表示の輸入価格が上がりますから、同じことが起こります。今日ただいま問題になっていることです。
賃金が上がっても物価が上がります。賃金インフレです。厳密に言えば、国民経済生産性(就業者一人当た有のGDP)より賃金水準の上昇が大きければ、コストアップインフレになります。これは賃金インフレとも言われます。
この物価上昇分を翌年の賃上げに組み込むと、賃金・物価のスパイラルになり、際限のないインフレになります。
消費税を上げても物価が上がります。この4月から、日本の消費者物価は2~3パーセントの上昇になるだろうと予想されています。これは解り易いと思われます。
政府・日銀が言っている物価上昇の中に、どれが含まれ、どれが含まれないかは明示されていません。2パーセントインフレターゲットというのは多分に腰だめで、外国が納得すればそれでいいのでしょう。国民に対しては、これで「デフレは脱出した」という証拠になればいいのでしょう。
こう見て来ますと、現在の日本経済はインフレ要因が目白押しで、こんなことをしていたら、インフレターゲットの2パーセントどころではなくて、もっともっとインフレになりそうですが、何かその割に物価上昇が遅々としているような感じを受ける方も多いのではないでしょうか。
まだデフレから完全に抜け切っていないといった感じを持っておられる方もいらっしゃると思います。
何故でしょうか。此処で最後に最も強力な物価水準の決定要因が登場することになります。次回はこの点を見ていきたいと思います。
賃上げ、金融政策と物価の関係 1
以前も書きましたが、日銀も政府も、2パーセントインフレ率(インフレターゲット)に結構こだわっているようです。私は基調的なデフレを避けることが出来れば、インフレ率は低いほどいい、だから、2パーセントよりインフレが1パーセントで済めば、その方がいいと考えています。
政府、日銀のこだわりは国際公約だからということなのでしょうか、それとも、本当に2パーセントがベストと考えているのでしょうか。
私は年金生活者ですから、これまでのデフレの中では、雇用・賃金の劣化に苦しむサラリーマンより、申し訳ないが得をしたと思っています。
賃金や雇用は経済動向に柔軟ですが、年金は制度ですから硬直的です。経済が落ち込んでも、GDPが縮小して非正規雇用が増え、正規雇用の賃金もジリ貧になる中でも、年金額はあまり減りません。経済が多少とも拡大に転じ、デフレがインフレになれば、サラリーマンの賃金が先に上がり、年金は後から調整されるというのが一般的な形となるでしょう。
それなら年金生活者の方が損するからと物価上昇が低い方がいいと言っているわけではありません。経済成長はある程度の物価上昇をどうしても随伴することになります。物価上昇を賃金でカバーすべきかどうかという問題は別途論じなければなりませんが、現に経済成長(付加価値の増加)を直接担っているサラリーマンが有利になることは自然でしょう。しかし同時に、インフレが進めば賃上げは目減りします。
インフレ分を賃上げ要求すればよいといっても、それでは後追いですし、それもなかなか巧くはいきません。
というのは、賃上げで補填できる物価上昇とできない物価上昇があるからです。さらに、現在の日本経済では「内外価格差」という問題が、物価に決定的な影響を与えます。それに加えてFRBや日銀の金融政策が絡み、金融政策の効果も、マネーゲーム全盛の今日、従来のものとはかなり違ってきているようです。
こうした問題を、現状の日本経済に当て嵌めて見ると、一体どんなことになるのか、その辺りを少し現実的な目で見てみたいと思います。
以前も書きましたが、日銀も政府も、2パーセントインフレ率(インフレターゲット)に結構こだわっているようです。私は基調的なデフレを避けることが出来れば、インフレ率は低いほどいい、だから、2パーセントよりインフレが1パーセントで済めば、その方がいいと考えています。
政府、日銀のこだわりは国際公約だからということなのでしょうか、それとも、本当に2パーセントがベストと考えているのでしょうか。
私は年金生活者ですから、これまでのデフレの中では、雇用・賃金の劣化に苦しむサラリーマンより、申し訳ないが得をしたと思っています。
賃金や雇用は経済動向に柔軟ですが、年金は制度ですから硬直的です。経済が落ち込んでも、GDPが縮小して非正規雇用が増え、正規雇用の賃金もジリ貧になる中でも、年金額はあまり減りません。経済が多少とも拡大に転じ、デフレがインフレになれば、サラリーマンの賃金が先に上がり、年金は後から調整されるというのが一般的な形となるでしょう。
それなら年金生活者の方が損するからと物価上昇が低い方がいいと言っているわけではありません。経済成長はある程度の物価上昇をどうしても随伴することになります。物価上昇を賃金でカバーすべきかどうかという問題は別途論じなければなりませんが、現に経済成長(付加価値の増加)を直接担っているサラリーマンが有利になることは自然でしょう。しかし同時に、インフレが進めば賃上げは目減りします。
インフレ分を賃上げ要求すればよいといっても、それでは後追いですし、それもなかなか巧くはいきません。
というのは、賃上げで補填できる物価上昇とできない物価上昇があるからです。さらに、現在の日本経済では「内外価格差」という問題が、物価に決定的な影響を与えます。それに加えてFRBや日銀の金融政策が絡み、金融政策の効果も、マネーゲーム全盛の今日、従来のものとはかなり違ってきているようです。
こうした問題を、現状の日本経済に当て嵌めて見ると、一体どんなことになるのか、その辺りを少し現実的な目で見てみたいと思います。
tnlabo's blog 引っ越しのご挨拶
plala broach より3月一杯で broach を閉鎖する旨通知がありました。
そんな訳で、plala からの勧めに従って goo のブログに引っ越しました。
今までアクセス頂いた皆様には、大変ご迷惑、また余計なお手間をお掛けすることになるかと思いますが、今後も、従来同様のお付き合い頂ければ、誠に幸甚です。何卒宜しくお願い申し上げます。
tnlabo拝
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そんな訳で、plala からの勧めに従って goo のブログに引っ越しました。
今までアクセス頂いた皆様には、大変ご迷惑、また余計なお手間をお掛けすることになるかと思いますが、今後も、従来同様のお付き合い頂ければ、誠に幸甚です。何卒宜しくお願い申し上げます。
tnlabo拝
久方ぶりのベア、経済回復の成果
今春闘の集中回答日の今日、予想通り主要企業の多くで、本当に久方ぶりのベースアップの回答が聞かれました。
もちろん、2000円、3000円といった回答はそれほど大きな額ではありません。但しボーナス満額という所も多いので、サラリーマンの懐にはある程度の所得増が流れ込むことになるでしょう。
経済が成長し、企業の利益も増え、賃金も上がる中で、物価はあまり上がらないというのが、本当に健全な経済成長の姿です。
大幅ではありませんが、プラスに転じた経済成長を反映して賃金が上がり、円安のよる国内企業の(国際的に見た)賃金コストダウンが賞与に反映されるというのは、ほぼ健全な姿と歓迎したいと思います。
マスコミの報道には「政府主導の春闘」とか「政治主導のベア」といった見出しも見られましたが、報道は正確でなくても注目されればいいというのなら別ですが、それなりの見識があると自認するマスコミの報道としてはどうもいただけません。
主要企業のトップ、労組のリーダーの中で「政治に影響された」という声は聞かれません。聞かれるのは「政府は賃金決定についての発言はすべきでない」という批判的な発言だけでした。
ではなぜベアが実現したのかと聞かれれば「日本経済がプラス成長に転じたから」というのが全てではないでしょうか。
歴史的に見れば、日本の経営者のほとんどは、常に「従業員には報いてあげたい」と考えています。日本では従業員は最も大切な経営者の宝なのです。
それに対して、労働組合も、要求は合理的な範囲を見極め、常に安定した信頼に値する行動を規範とする哲学を堅持する、それこそが長年積み上げてきた日本の相互信頼という労使関係のベースなのです。
もちろん日本経済はまだ病み上がりです。また円高に振れてデフレがぶり返す恐れが完全になくなったわけではないでしょう。しかし、日銀の政策変更が、経営者の円高への恐怖を徐々に取り除いているのも事実でしょう。
集中回答日のベアの一般化の影響が中小企業の賃金決定にどう影響するかは、6月ごろの春闘総括まで待たねばわかりませんが、今年、春闘が国民的行事として、復活の第一歩を踏み出したことは確実でしょう。
今年は消費税増税もあり、日本経済も多少ゴタゴタするでしょう。来春闘で、労使がさらにどう春闘を発展させるか、春闘論議の活発化は、日本経済の活発化に下支えされたものであると同時に、日本経済成長への国民的論議の活性化でもあることを思えば、先ずは今年の春闘復活とその成果を喜びたいと思います。
今春闘の集中回答日の今日、予想通り主要企業の多くで、本当に久方ぶりのベースアップの回答が聞かれました。
もちろん、2000円、3000円といった回答はそれほど大きな額ではありません。但しボーナス満額という所も多いので、サラリーマンの懐にはある程度の所得増が流れ込むことになるでしょう。
経済が成長し、企業の利益も増え、賃金も上がる中で、物価はあまり上がらないというのが、本当に健全な経済成長の姿です。
大幅ではありませんが、プラスに転じた経済成長を反映して賃金が上がり、円安のよる国内企業の(国際的に見た)賃金コストダウンが賞与に反映されるというのは、ほぼ健全な姿と歓迎したいと思います。
マスコミの報道には「政府主導の春闘」とか「政治主導のベア」といった見出しも見られましたが、報道は正確でなくても注目されればいいというのなら別ですが、それなりの見識があると自認するマスコミの報道としてはどうもいただけません。
主要企業のトップ、労組のリーダーの中で「政治に影響された」という声は聞かれません。聞かれるのは「政府は賃金決定についての発言はすべきでない」という批判的な発言だけでした。
ではなぜベアが実現したのかと聞かれれば「日本経済がプラス成長に転じたから」というのが全てではないでしょうか。
歴史的に見れば、日本の経営者のほとんどは、常に「従業員には報いてあげたい」と考えています。日本では従業員は最も大切な経営者の宝なのです。
それに対して、労働組合も、要求は合理的な範囲を見極め、常に安定した信頼に値する行動を規範とする哲学を堅持する、それこそが長年積み上げてきた日本の相互信頼という労使関係のベースなのです。
もちろん日本経済はまだ病み上がりです。また円高に振れてデフレがぶり返す恐れが完全になくなったわけではないでしょう。しかし、日銀の政策変更が、経営者の円高への恐怖を徐々に取り除いているのも事実でしょう。
集中回答日のベアの一般化の影響が中小企業の賃金決定にどう影響するかは、6月ごろの春闘総括まで待たねばわかりませんが、今年、春闘が国民的行事として、復活の第一歩を踏み出したことは確実でしょう。
今年は消費税増税もあり、日本経済も多少ゴタゴタするでしょう。来春闘で、労使がさらにどう春闘を発展させるか、春闘論議の活発化は、日本経済の活発化に下支えされたものであると同時に、日本経済成長への国民的論議の活性化でもあることを思えば、先ずは今年の春闘復活とその成果を喜びたいと思います。
今年はスズメの巣箱に・・・?
我が家の庭の豊後梅の木には小鳥用の巣箱が架けてあります。一昨年、この巣箱からシジュウカラの雛が巣立ったことはこのブログでも書きました。
昨年は、シジュウカラのつがいが準備を始めたようでしたが、何か都合があったのでしょうか、残念ながら途中でいなくなっていまいました。
今年は先日、シジュウカラが来ていましたが、 今朝ガラス戸越しに見ていると、雀が3羽やって来まして、順番に入ったり出たりしています。中には枯草を加えてはいるのもいます。
我が家の巣箱は、作成の時に、雀用のサイズの入り口のものとシジュウカラ用のサイズのものと選択があったあのですが、私は迷わずスズメの方を選びました。
といいますのは、戦後間もないころのことですが、私はスズメに大変恩義を感じることがありまして、「最近スズメが減っている、瓦屋根が減って、巣をつくるところがなくなったせいだ」などという話を聞くたびに、大変気になっていたからです。
巣箱の先生に「シジュウカラとスズメが順番に来ていますが、どうなるでしょう」と聞きましたら、「スズメの方が強いから、今年はスズメですかね」というお返事でしたが、どうもそんな気配です。
今朝は、これは大変結構なことになりそうだと思って見ていますと、ムクドリが2羽やって来まして、雀を押しのけて巣箱の穴を覗いています。エサでもあると思ったのでしょうか。雀はあまり逃げずに近くの枝にとまって様子見です。
当然のことですが、ムクドリが入れる入口の大きさではありません。ムクドリはいつも通り生ゴミを埋める穴の所に舞い降り、エサを探し始め、スズメはまた順番に巣箱に入ったり出たりです。
これで順調に営巣に繋がり、スズメの雛が巣立つようになれば、長年の念願が叶うわけで、これからもしっかりと見守っていこうと思っています。
狭い地球で続発する紛争と日本的思考
多様なIT技術や物理的交通手段も含め、ますます狭くなってきた地球です。国際的という言葉に代わってグローバルという表現が一般的にもなりつつあります。
この地球上の多くの人々は、平和的に共存、共生、共栄が出来ることを願っているのでしょう。
太古からの日本的な考え方で言えば、人間だけではないのでしょう。多様な植物も動物も、地球上の自然のすべてが人間が紛争を起こさないことを望んでいるのではないでしょうか。
それなのに、残念ながら紛争が次々起きています。
国際紛争だけだはありません。同じ国内でも、人種間、宗教・宗派間などで、いろいろな争いが発生しています。
そして残念ながら、今の人類社会はそれに対して、適切な解決方法を持っていません。
ユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で始まるものだから、平和の砦は人の心の中に築かなければならない」という有名な言葉が書いてあります。それはまさにその通りでしょう。
しかし一旦紛争が起きた場合、それを適切に解決する手段を矢張り地球人類はもつべきでしょう。
本来、国際連盟とか国際連合は、そういう使命を持って設立されているものなのでしょうが、人類はそれを適切に活用することが出来ていません。
小説や漫画の世界では「地球防衛軍」といったものが出てきます。相手は地球外からの侵略者です。地球外からの侵略者がなければ、人類が同じ思いを分かち、内輪もめせず共生することは出来ないのでしょうか。それはあまりに淋しいことです。
江戸末期までは(平和な時期も挟まりますが)日本国内も同じような状態でした。黒船来航で「日本」というアイデンティティーが確立し、国内紛争はなくなりました。
しかし、1945年の終戦までは、国際紛争の当事者になりました。そしてその失敗に学び、その後は平和憲法を掲げて、二千年弱の争いの時期を卒業し、争いをせずに世界の平和に貢献しようと努力しています。
そのルーツはどこに在るのでしょうか。多くの日本人は気づいていないかも知れませんが、そのルーツは、1万年以上続いた縄文時代、多様なDNAから日本人が形成され、原日本文化というべき縄文文化が形成される過程で、日本列島には、戦争や奴隷制度はなかったという本来の原始日本の伝統文化にあるように思われるのです。
戦後、日本人が、戦わないことを素直に受け入れているのは、日本人の海馬に、縄文の良き記憶が確りと刻み込まれているからではないでしょうか。
常に自然環境を大切にし、争わない人類社会を求め、かつては実践してきた日本人として、今日の世界の状況について、本来の日本人らしい思考方法に立ち帰り、人類の知恵を最高度に発揮するような世界秩序の在り方、行動すべき規範について、ユネスコ憲章の前文を超えて、提言し、行動していくことが出来れば、それが本当に日本らしい地球人類への貢献になるのではないでしょうか。
多様なIT技術や物理的交通手段も含め、ますます狭くなってきた地球です。国際的という言葉に代わってグローバルという表現が一般的にもなりつつあります。
この地球上の多くの人々は、平和的に共存、共生、共栄が出来ることを願っているのでしょう。
太古からの日本的な考え方で言えば、人間だけではないのでしょう。多様な植物も動物も、地球上の自然のすべてが人間が紛争を起こさないことを望んでいるのではないでしょうか。
それなのに、残念ながら紛争が次々起きています。
国際紛争だけだはありません。同じ国内でも、人種間、宗教・宗派間などで、いろいろな争いが発生しています。
そして残念ながら、今の人類社会はそれに対して、適切な解決方法を持っていません。
ユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で始まるものだから、平和の砦は人の心の中に築かなければならない」という有名な言葉が書いてあります。それはまさにその通りでしょう。
しかし一旦紛争が起きた場合、それを適切に解決する手段を矢張り地球人類はもつべきでしょう。
本来、国際連盟とか国際連合は、そういう使命を持って設立されているものなのでしょうが、人類はそれを適切に活用することが出来ていません。
小説や漫画の世界では「地球防衛軍」といったものが出てきます。相手は地球外からの侵略者です。地球外からの侵略者がなければ、人類が同じ思いを分かち、内輪もめせず共生することは出来ないのでしょうか。それはあまりに淋しいことです。
江戸末期までは(平和な時期も挟まりますが)日本国内も同じような状態でした。黒船来航で「日本」というアイデンティティーが確立し、国内紛争はなくなりました。
しかし、1945年の終戦までは、国際紛争の当事者になりました。そしてその失敗に学び、その後は平和憲法を掲げて、二千年弱の争いの時期を卒業し、争いをせずに世界の平和に貢献しようと努力しています。
そのルーツはどこに在るのでしょうか。多くの日本人は気づいていないかも知れませんが、そのルーツは、1万年以上続いた縄文時代、多様なDNAから日本人が形成され、原日本文化というべき縄文文化が形成される過程で、日本列島には、戦争や奴隷制度はなかったという本来の原始日本の伝統文化にあるように思われるのです。
戦後、日本人が、戦わないことを素直に受け入れているのは、日本人の海馬に、縄文の良き記憶が確りと刻み込まれているからではないでしょうか。
常に自然環境を大切にし、争わない人類社会を求め、かつては実践してきた日本人として、今日の世界の状況について、本来の日本人らしい思考方法に立ち帰り、人類の知恵を最高度に発揮するような世界秩序の在り方、行動すべき規範について、ユネスコ憲章の前文を超えて、提言し、行動していくことが出来れば、それが本当に日本らしい地球人類への貢献になるのではないでしょうか。
ビットコイン雑感
ビットコインなるものが結構流通しているというのは聞いていましたが、今回マウントゴックスの事件が起こって改めてその流通の広がり、したがってその問題の大きさに驚きました。
以前、セカンドライフという仮想世界にアバターを作り、そこで生活するというのがマスコミに乗り、そこではリンデン$という通貨が使われていて、US$との交換レートもあるといった話を聞いて、そんなプログラムをだれがどうやって作るのだろうと思ったことがありましたが、ビットコインもリンデン$程度のものと思っていました。
ビットコインの方は、通貨だけの話ですが、その価値は大変な投機の対象になっていたようです。麻生金融相は「いずれ破綻すると思っていた」というようなことを言われていたようですが、本気でビットコインを使ったりビットコインに投資したりする人が世界中に沢山いたというのは、また大きな驚きでした。
紙幣なら手にすることもでき、発行元の中央銀行もありますが、ネット上にしかないビットコインが何故そんなにまともに扱われるのかと思ったら、ビットコインは本来貨幣というより貴金属の「金」をモデルにしていたようで、その採掘に厳しい枠がはめられているようです。ネット上で「金」に類似のもが出来れば、通貨に使っても十分な価値が期待できる、という構想のように感じられました。
案の定、管理貨幣である紙幣の価値が不安定(インフレや為替変動)な世の中です、ビットコインの価値は暴騰し、当然投機筋がいるわけですから、暴落にもつながります。
現実の管理通貨でも投機の対象になります。「金」を模していれば投機の対象になるのは当然ですが、今回のMt.Goxの事件は、いわば金庫破りでしょうか。
現実世界なら、金庫は破られないように頑丈に作ってあるでしょうし、破られれば物理的に現場を見ることが出来ます。
しかしネットの世界では、物理的な形がありませんし鼠小僧やアルセーヌ・ルパンよりも解りにくいハッカーという輩がいるわけです。
現物でない「金」は常にその脅威に曝されています。能く防ぎうるのでしょうか。
マウントゴックスのCEO氏があまりに堂々としていて、まったく臆せず、会社更生法でなく民事再生法申請ですから、再建可能ということなのでしょうか。
ネットの世界ですから、我々には全く見えません。世界中には、この試練に耐えてビットコインは存続するという意見も沢山あるようです。
結末は知る由もありませんが、こうしたものが信用され利用される背景には、今の通貨制度、金融制度があまりにも不安定で、使い勝手も悪いなど、いろいろと問題点があるようにも思えます。IMFや金融機関などのシステムがこの事件から学習することもあるのではないでしょうか。
ビットコインなるものが結構流通しているというのは聞いていましたが、今回マウントゴックスの事件が起こって改めてその流通の広がり、したがってその問題の大きさに驚きました。
以前、セカンドライフという仮想世界にアバターを作り、そこで生活するというのがマスコミに乗り、そこではリンデン$という通貨が使われていて、US$との交換レートもあるといった話を聞いて、そんなプログラムをだれがどうやって作るのだろうと思ったことがありましたが、ビットコインもリンデン$程度のものと思っていました。
ビットコインの方は、通貨だけの話ですが、その価値は大変な投機の対象になっていたようです。麻生金融相は「いずれ破綻すると思っていた」というようなことを言われていたようですが、本気でビットコインを使ったりビットコインに投資したりする人が世界中に沢山いたというのは、また大きな驚きでした。
紙幣なら手にすることもでき、発行元の中央銀行もありますが、ネット上にしかないビットコインが何故そんなにまともに扱われるのかと思ったら、ビットコインは本来貨幣というより貴金属の「金」をモデルにしていたようで、その採掘に厳しい枠がはめられているようです。ネット上で「金」に類似のもが出来れば、通貨に使っても十分な価値が期待できる、という構想のように感じられました。
案の定、管理貨幣である紙幣の価値が不安定(インフレや為替変動)な世の中です、ビットコインの価値は暴騰し、当然投機筋がいるわけですから、暴落にもつながります。
現実の管理通貨でも投機の対象になります。「金」を模していれば投機の対象になるのは当然ですが、今回のMt.Goxの事件は、いわば金庫破りでしょうか。
現実世界なら、金庫は破られないように頑丈に作ってあるでしょうし、破られれば物理的に現場を見ることが出来ます。
しかしネットの世界では、物理的な形がありませんし鼠小僧やアルセーヌ・ルパンよりも解りにくいハッカーという輩がいるわけです。
現物でない「金」は常にその脅威に曝されています。能く防ぎうるのでしょうか。
マウントゴックスのCEO氏があまりに堂々としていて、まったく臆せず、会社更生法でなく民事再生法申請ですから、再建可能ということなのでしょうか。
ネットの世界ですから、我々には全く見えません。世界中には、この試練に耐えてビットコインは存続するという意見も沢山あるようです。
結末は知る由もありませんが、こうしたものが信用され利用される背景には、今の通貨制度、金融制度があまりにも不安定で、使い勝手も悪いなど、いろいろと問題点があるようにも思えます。IMFや金融機関などのシステムがこの事件から学習することもあるのではないでしょうか。