tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

解らないから怖い? 恒大問題と中国経済の影響

2021年09月29日 22時05分26秒 | 国際経済
中国の巨大不動産業の恒大集団の経営不安がいわれてからもう半月になります。負債総額33兆円、有利子負債11兆円というのがマスコミが報じた数字です。

当面の問題であった人民元建ての社債の利払いについては支払いが終わったという事でまずは安堵感もあったようで、上海総合、香港のハンセン指数などは安定を取り戻した様子も見えましたが、次に控えた米ドル建ての社債については、期日は来ましたが、1か月の猶予期間に入っているようです。

種々のニュースがいろいろな事を教えてくれますが、恒大集団も、持ち株の処分などいろいろ資金繰りの努力をしているようすが、簡単ではなさそうです。

共産党一党独裁の国ですから、最大の問題は政府の態度という事になるのでしょうが、33兆円と言われる恒大集団の債務総額が、中国政府や、中国人民銀行の動きによって、救済の方向に向かうのか、株式市場の動きでは、大幅下げで始まった香港のハンセン指数は午後に入って僅かにプラスに転じて来ていますが、上海総合指数は、一時1.5%を超える低迷を続けています。

中国市場はこれまでの感覚では、かなり投機性が高い市場のように以思われますので、最大の不安は、恒大集団だけではなく、他の不動産大手なども、引き締め政策の中で、多少とも経営不安の部分を持っているのかどうかといった可能性でしょう。

一部には、アメリカ政府がリーマンブラザーズを見捨てたように、中国政府が恒大集団を問題の象徴として一罰百戒(?)の様な形で見放すかこの辺りが、中国中枢部の判断が中国経済を、そして、中国経済を警戒する諸外国の懸念がどうなるか決めることになるのでしょう。

もちろん中国のこうした問題は、単に金融界の問題といったものではなく、中国経済の不振は、実体経済の面でも巨大なマーケットであり、また巨大な生産基地でもあるわけですから、、日本の高度な工作機械産業への製品需要、半導体製造装置も同様ですし、また製品としての半導体その他電子部品の供給問題に繋がることになるのはご承知の通りです。

イギリス筋では、恒大集団の問題は、国際的な問題というより、かつての日本における北海道拓殖銀行の破たん問題の様な中国の問題という見方もあるそうですが、隣国であり・実体経済でも密接な関係を持つ中国の今後の動向には、深甚な関心を持つ必要がありそうです。

日米関係に気を遣う中で、この所、中国とは何か疎遠になり十分な情報も得られないといった気配の日中関係ですが、隣国であり、世界最大のマーケットでもある中国との関係を、もっと、もっと、緊密で、親密で、種々の情報交換もでき、相互理解の可能な国として付き合っていくことがますます必要になるのではないかと思うところです。
急成長の減速、成長一辺倒から共同富裕へ、金融緩和で不動産バブルの発生、日本も経験して来た事です。親密に話し合えば、お互いに役に立つことも沢山あるのではないでしょうか。

シャトレーゼの三喜経営

2021年09月28日 19時39分51秒 | 経営
先日、娘が遊びに来て、お土産にシャトレーゼのどら焼きやプリンなど、いくつか持ってきました。
 娘の言うには、「シャトレーゼが近くにあって、うちではよく買うんだけど、美味しくて安くて、材料は厳選してあるというのが自慢で、結構ボリュームもあるしいいのよ。お父さんはどちらかと言うと甘党だし、イイかなと思って買ってきました」と言います。

偶然というのは奇妙なもので、ついこの間まで「日経産業新聞」の「仕事人秘録」にシャトレーゼを一代で創りあげた斉藤寛氏の話が連載されていたので、面白く読んだところでした。

早速お茶を入れて食べましたが、まさに結構な品で、娘の言うとおりでした。
「今度は、何時もシャトレーゼでいいよ」などと冗談を言いながら家内と3人、しばらく楽しい屈託のない四方山話をしました。

ところで、そのシャトレーゼですが、日経産業新聞に連載の「仕事人秘録」によれば、社是は「三喜経営」だそうです。三者の喜ぶのが経営の目標なのです。
三喜の「三」は、「お客様」「取引先」「社員」という事です。この三者が喜べば、利益は後からついてくる、と言っています。

三菱グループの「諸事奉公」、伊藤忠(近江商人)の「三方よし」、その他日本の企業には、いろいろな社是社訓がありますが、その中には「世の中の役に立つ」とか「みんなが喜ぶ]という思想が必ずと言っていい程入っています。

日本人はこれが当然のように思っていますが、このブログで折に触れて取りあげているように、欧米ではそうではありません。
企業は、利益が目的で、それは企業の所有者である株主(資本家)に出来るだけ多くのリターン(配当、株価の上昇)をもたらすためという事になっています。

だからこそ資本主義というのでしょうが、見方を変えれば、「だからこそ」ピケティの言うように、資本主義は上手くいかない(格差拡大を齎し、サステイナブルでない)という事になるのでしょう。

この日本と欧米の差を象徴的に示すような話が前記の「仕事人秘録」には出てきます。
斉藤寛氏も、一度上場を考えたことがあるそうです。幹事会社もすべて決まって、明日は最終決断という夜、もう一度考えてみると、「わが社は三喜経営、その中に株主が入ってくる・・・」これでは三喜経営が成り立たなくなると考えざるを得なくなり、ご本人が書かれている「卓袱台返し」、上場取りやめにしたのだそうです。

このくだりは、まさに、日本的経営と、欧米型の株主中心経営の違いを現実の経営の中で考える「最善の教科書」だとつくづく思った次第です。

「三喜経営」でも「三方よし」でも、資本家はいません。資本は企業のものです。企業が自己資本を蓄えて社会ために役に立つ仕事をする、資本は自己資本として社会からの信用(暖簾)とともに、企業の財産として存在するのです。

これが日本的経営の特徴でしょう。今は欧米流の経営手法が流行りますが、日本の伝統的企業家精神は些か違うのです。
シャトレーゼは「三喜経営」の社是に則り、今や国際展開にも成功しているのです。

着実に努力を重ねて、長期に発展存続することを目指すという、本来の日本的経営の在り方を、企業の成長発展の実例として見せてもらったような思いがあったのが「日経産業新聞」連載の斉藤寛氏の「仕事人秘録」でした。

今年は美味しい秋ナスが頂けそうです

2021年09月27日 17時34分22秒 | 環境
さて我家の狭い庭さきの小さな花壇ですが、暮れにはチューリップの球根を植え、春には色とりどりのチューリップの開花を「良く咲くね」「きれいだね」と楽しみます。

5月の連休頃には、チューリップは整理して畑にします。連休にホームセンターで、キュウリ4本と茄子3本とミニトマト1本の苗を調達して、夏には、新鮮な朝取れ野菜を収穫します。

今年は暑かったせいかキュウリは早めに終わりましたが、茄子とミニトマトは豊作で結構楽しめました。
8月中にキュウリは終わり、9月中旬には茄子も終わって、畑大きく枝を伸ばした茄子3本だけになりました。

あまり大きくなって太くなり抜くのも大変だなと思っているうちに、この所花が沢山つき始めたのです。



「親の意見となすびの花は、千に1つの無駄もない」と言われますから、秋ナスが期待できるかななどと思って様子を見ていましたが、今日も沢山の花が開いていました。

キュウリの下に生えていた雑草が、急に伸びて、沢山の穂が出てきたので、種が落ちない内にと思って、きょう午後根っこからかじってコンポストに入れましたが、その時、「あれ、また茄子が生っているぞ」と気が付きました。まだ親指ほどもない小さいのですが、これは、吉兆、「今年は秋茄子が頂けそうだぞ」という気がしてきました。



台風が来るようで、先行きは解りませんが、まずは期待してみたいと思っています。

ますます「変な」経済学は如何

2021年09月25日 23時10分22秒 | 経済
今日は土曜、明日は日曜です。もう何も仕事をしているわけではないので、毎日が日曜日ですから曜日は関係ないのですが、人間というのは、何かけじめがあって、それに従って変化がある方が楽しいのではないかと思っています。

そんな事で、時には現役の人と同じように、土、日は何か少しゆっくりするように心掛けたらいいのかな、などと家内と話し合います。
家内は「コロナで出かけられないから美味しい出前でも取りますか」といったりするのですが、さて私はとなると、巣篭りではどうにもならず、「たまには荒唐無稽のブログでも書いてみようか」などという事になって、今日はそんなことになりました。

日本国民は2000兆円の貯蓄を持っていますが、日本政府は1千兆円の借金(国債)を背負っています、その殆どは国民から借りているのです。
大変な借財ですが、国民が返せと言わないのをいいことに、返す計画も立てません。それなのに、毎年もっと借りようとしているようです。

アメリカでは、日本の様な国では、政府はそれで済んでいて大変結構なことで、日本の国債は紙屑どころか世界トップクラスの信用があり、国債増発でインフレ激化などという気配もない、こんな素晴らしい事はないと経済学者まで思っています。

ですからMMTなどいう新しい通貨理論(経済学)を作り出し、日本で可能なことは、よそでも可能かも知れない、という事で、「政府はいくら借金しても構わない」などという学説が白昼堂々主張されたりしています。

こんな具合で、世界の経済理論のその先を行くのが日本経済ですから、日本自体が、この経済学をもっと先に進めるような経済政策、実体経済を実践して見せて、さらに世界を驚かせるというのはどうでしょうか。

その政策というのは、こんな驚くべき「変な」経済政策です。
最近の日本は格差社会になって、子供の6人に1人は貧困家庭の子供だと言われています。コロナ禍の中で、こうした状態は更に進んでいるのではないでしょうか。

折しも、いよいよ総選挙ですから、政府は貧困家庭に積極的に援助をすべきだとか、貧困家庭ではなく一律に援助すべきだなどいろいろな政策が出て来ています。これからも出てくるでしょう。

これでは、政府はまた国民から借金して、バラマキをやることになります。借金は返済が必要などという思考回路は選挙の時はトンでいるのでしょう。

そこで頭を切り替えての新政策、政府が、信用創造をして国民に金を貸すのです。貧困家庭は必要なだけ政府から借金できるという制度を作るのです。もちろんこれは、今の世の中です、当然ゼロ金利です。
政府がその気になれば容易なことです。お札を刷ればいいわけです。特筆すべきは、これで貧困家庭はなくなります。正確に言えば、「貧困家庭でもお金に不自由することはなくなる」という事です。

カネがないから子供が十分な食事ができないとか、進学したいけれども諦めなければならないなどという事はなくなります。
カネがないからついつい悪い事をしてしまった、などということも無くなるでしょう。

アベノミクスではどうしても出来なかった「個人消費支出の拡大」という壁も簡単に乗り越えられるでしょう。

良い事ばかりですが、ここで疑問が出るはずです。「借りるのはいいが返済はどうする」です。

ここが一番肝心なところですが、答えは簡単です。「返済はいつでもいいですよ」という事にするのです。

国が国民から借金して返済計画を立てなくても、日本経済は安泰ですから、その逆も成立しないとおかしいわけです。
国からの借金は、子孫に相続してもらって、出世払いでいいですよという事にする訳です。

問題はその時までゼロ金利かどうかですが、経済が成長して、更にインフレになれば借金は実質目減りしますから返せるまで待って返せばいいのです。

これは国民からカネを借りて(赤字財政)でも政府がやるケインズ政策ではなく、国民が政府からカネを借りて使うという国民によるケインズ政策です。

これで多分消費支出が増え、経済成長も順調になり、企業は需要を見込んで設備投資をし、需要がけん引する成長経済になるでしょう。
財務省が(財政の長期試算などで)言うように、経済が成長し、インフレ率が高くなれば「借金は返せる」と説明すれば、それで通るのです。

これで済めば、政府も国民も万々歳です。
上手くいけば「新MMT」としてアメリカも注目することになるでしょう。

上手くいかなかったらどうなるのでしょうか。その問題は、またいつかの土曜日に考えてみましょう。

「チュウゴク」に「チュウコク」する人はいないのか

2021年09月24日 15時53分19秒 | 文化社会
中国がTPPに加盟申請をしたのに続いて、台湾がTPPへの加盟申請という事になりました。

台湾にしてみれば中国が加盟してしまえば、中国が中国の一部としている台湾のTPP加盟は当然認めないでしょう。TPPへの参加には、加盟国全員の承認が必要なのです。

中国の加盟申請対して、TPP11か国がどう判断するかはこれからの問題ですが議長国日本も大変です。

この問題は、もともとを考えれば、中国が(習近平さんが?)、領土問題について異常な執着心を持っていることから発しているのでしょう。

南シナ海の領有については、仲裁裁判所の判断を「紙屑」といったことから始まり、香港では一国二制度を強引に廃止、台湾の領有についても強硬な発言を続けるなど、の所の習近平さんには何か、執念の強さが目立ちます。

中国はすでに領土も人口も超大国ですし、経済規模も世界第二の超大国です。勿論人口一人当たりのGDPでは世界の60位ほどで、日本の4分の1程度ですが、経済成長率が高いので、頑張ればどんどん上がる事は戦後の日本の例を見ても解ります。

ところで問題は、その頑張り方ですが、香港の制度を中国本土と同じにしたり、台湾を領有して中国の一部にしたりすれば、経済発展が早くなるのでしょうか。

確かに昔はそういう考え方もあったでしょう。しかし、現在の世界では、どうもそうではないようです。
無理して領土を広げれば、そこには大変なコストが掛り、コストパフォーマンスは落ちるのです。

例えば、香港を中国本土並みにするために、随分なコストを使ったでしょうし、今後もコストはかかるでしょう。そして本土と同じになった香港が、今までのように、中国の世界への特徴的な窓口として中国経済に貢献するかどうかは、かなり疑問です。

台湾も全く同じです。今は自由な台湾ですから1人当たりGDPは中国の3倍ほどですが、これを中国に取り込んでも、中国がどれだけ豊かになるかはわかりません。多分、今の台湾の元気が消え、政治的な意味でコスト倒れになるでしょう。

それよりも、台湾の自由な経済発展力を利用し、緊密な経済連携で双方が利益を得るような関係にした方がよほど、中国、台湾双方の経済発展、国民の生活の向上には効率的でしょう。

こう考えてきますと、国をより豊かにしたいと考えているはずの一国のリーダーが、何故に、コスト・パフフォーマンスの悪い領土的野心を持つのかという問題です。

独裁色を強める習近平さんが、個人的な古い国家観で、無理をして余計なコストをかけるより、現状の中国で、生産性さえ上げれば、いくらでも豊かになり、国民の満足は増し、習近平さんは歴史に残る人になれるのです。

「その方がずっといいですよ」と習近平さんに忠告する人はいないのでしょうか。

職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 3

2021年09月23日 11時44分42秒 | 文化社会
職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 3
SDGs(持続可能な開発目標)は、基本理念として、人類社会も地球環境も、現状維持ではなく多様な開発をして進化していかなければならないが、その目指す方向が、持続可能なものでなければならないという事を強調しているのでしょう。

核分裂エネルギーを開発すれば、それでエネルギーの供給が豊富になったり、戦争で敵を倒すことが出来るかもしれませんが、挙句の果ては地球が、放射能汚染で、人類の生活に適さない場所になってしまうので、核弾頭の蓄積を競ったり、原発にエネルギーを依存すというのは持続可能でないという事になるのでしょう。

こうした見地から、今政府が進めている職務中心の経営(所謂ジョブ型雇用による経営)についてみてきました。

職務中心の経営は、一見効率的に利益を出すのに適しているように思われますが、企業の目的は実は利益を出すことではなく、社会を豊かで快適なものにすることで、利益はその達成のために必要な手段だという事がSDGsの視点からは明確ですので、長い目で見れば、日本型の「人間中心の経営」の方が望ましいよう思われてきます。

しかし、欧米では、「企業の目的は利益」という考え方が一般的で、そのためにはジョブ型雇用が一般的になっているという事ですから、些か問題があるようです。

この辺りが典型的に表れているのが、この所、欧米で急速に拡大している「マネーゲームによる利益追求」、マネー資本主義の企業の発展です。

その主役である投資銀行などの組織は、付加価値を創る企業に資金を提供して、付加価値(社会の富=GDP)の生産を増やす(経済成長を金融面から支援する)のが目的のはずでしたが、今日では金融工学の発展により、株式などの証券や国債などの債券、さらのそれらからの派生金融商品(デリバティブズ)の売買でキャピタルゲインの稼ぐことが主流になっています。

こうした産業の基幹的は職務を担当するのがトレーダーで、場合によっては瞬時に巨億の利益を挙げます。その指導をするのがストラテジストなどでしょうか。
しかし、そうした利益は付加価値とは無縁です。帳簿上のマネーが移動・増減するだけで、経済学的には、購買力がAからBに移転するだけです。

このマネー資本主義の盛況は、つまりは社会の富の偏在、格差社会化を促進するころになり、ピケティの言を借りれば「格差の拡大する社会は持続可能ではない」という事になるようです。

人間中心の日本の企業社会では、人々は昔から「額に汗したカネ」と「あぶく銭」とを区別する見識を持っていました。
カネでカネを儲けるようなこと(キャピタルゲイン)は「浮利を追わず」などと言ってさげすんだのです。(マネー資本主義は、その区別を認めない)

経済学的に言えば、付加価値を創り、その中から人件費、金利、利益等として生まれる所得が、経済成長の分配としての所得で、本来の所得(インカムゲイン)で、マネーゲームによる所得は、既存の富の移転(購買力の移転の形で)でしかないという事でしょう。
(富の移転による再分配は、政府の税と社会保障制度に任せましょう)

経済活動から人間が消えて、カネだけが注目されるシステム、職務が中心で、人間はそれに当て嵌められる存在という職務中心の経営(ジョブ型雇用)は、共に経済活動からの人間性の喪失という恐ろしい問題を内蔵しているように思われるところです。

日本企業は、本来それを善しとしてまで利益を追求しないという考え方だったのですが、政府の経済外交や経済政策の失敗による30年余に亘る不況の中で、一部に人間より利益(マネー)といった風潮が生まれて来ていることも否めないようです。

マネー偏重の社会は、決して持続可能(サステイナブル)でない事、SDGsに似合わない事は、古い童話も教えてくれています。

職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 2

2021年09月22日 16時03分18秒 | 経営
職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 2
まず指摘しなければならないのは、SDGsといった概念、更にその実践が必要になるというのは、人類社会がそれを必要としているからです。

最も大事なのは、人類をはじめ、生物連鎖としての地球環境が、短期的な目的のために破壊されることなく、持続可能な形で、今後も存在し続けてほしいという、まさに地球的な要望という事なのです。

こういう事を考えるのは人間だけで、その人間自身の持続可能性を破壊する行動を速やかに止めようというのがSDGsの基本理念です。

こうした視点から職務中心の経営と、人間中心の経営を検討することになります。

という事で、まず、職務中心の経営ですが、この形の経営の基本概念は企業の目的は「利益」であるという理解でしょう。
利益を極大にするために最も効率的な組織「職務の集合体」を設計し、それぞれの職務に最適な人材を採用するという思考回路になっているのです。

従って、企業は利益集団で、その主体は株主であるという事になり、株主配当の高さを経営成果の判断基準とし、それによって動く株価が時価総額最大になることがトップ企業の条件という事になるのでしょう。
特に最近は、当面の利益を重視し、株価上昇を重視する短期的経営が目立ちます。

一方人間中心の経営の場合には、企業は、経営者と従業員が人間集団の構成員で、顧客との関係が中心です。株主は、その人間集団が生産活動をするための資金を提供する立場で、市場金利を上回る安定配当を支払えば十分という第三者になります。

企業の目的はその企業で働くもの全員の雇用の安定と少しでも高い報酬・賃金を支払うための原資、そして利益は企業自身の安定存続を支える自己資本を蓄積するために必要という事で、人件費と利益の合計の「付加価値」を生み出すことという事になります。

一口で言えば、前者は、企業を「株主のために利益を生み出すシステム」と考え、後者は、企業で働く人の生活の安定を目的に、「社会(顧客)に役立つためのシステム」と考えているという事です。

職務中心の企業では、従業員の職務に必要な能力しか使いません。そして仕事がなくなれば解雇です。欧米で失業率が高いのはそのせいで、特に未熟練の若い人の失業は深刻です。

人間中心の企業では人間の多様な能力を引き出して使います。自動化などで仕事がなくなっても、企業内職種転換などにはきわめて柔軟です。人間は多様な能力を持っていますから適応は可能ですし、普段から一 專多能の人材を育成します。

その結果日本では企業の寿命が世界一長いのです。これには経営の神様ピーター・ドラッカーが驚嘆しています。

何故そうなるかと言えば、人間集団ですから、皆がいろいろな考えを企業という組織を通じて実現しようとし、現場の改善活動から、企業の業態(業種)転換まで(繊維会社が化学会社に、印刷会社がエレクトロニクス会社に、メーカーからシステム企業に変身したり)して従業員にとっても企業としても持続可能性を高めていくことが可能だからです。

もともとSDGsは人間と地球生態系の持続可能性を目指すものですから、多分これから、利益を目標とするシステムより、人間集団の方がアプローチしやすいということも次第にはっきりしてくるでしょう。

今後、日本としては、欧米流が正しいという「舶来崇拝」から脱却、グローバルな客観的視点に立ち、正確に判断し、日本的経営、経営理念を人類社会の将来のために、いかに生かすかを考え、実践していく必要があるのではないでしょうか。

職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 1

2021年09月21日 16時23分54秒 | 文化社会
職務中心の経営と人間中心の経営:SDGsの視点から 1
 働き方改革については、折に触れて取り上げていますが、当初の目標には「労働時間短縮」が入っていたように記憶しています。

しかし最近では、副業、兼業など二重就業の自由化の推進のような問題が出て来て、労働時間短縮は何処かに消えてしまったようです。

代って議論の主流になって来たのが「職務中心の雇用システム」です。
日本の新卒一括採用などというシステムは世界のどこにもなくて、欧米では、企業は仕事があって、その仕事をする人がいないという時に、適切な人材を採用するのが企業の基本的な採用方針ですよという解説がされているのが普通です。

確かに欧米では企業というのは職務の集合体で、企業を動かすためにはそれぞれの職務に適切な人材をつければ、そこで仕事は順調に進むという極めて「機械的」な雇用についての考え方が主流です。

一方、日本では、基本的に、企業は人間集団で、人間として「良い」(その企業の文化に馴染んでくれると思われる)人間を、素材として採用し、企業の中で育てて、職務は厳密に決めず、人間の成長を見て割り振っていくという形をとります。

さてそこで、企業としての業績を上げるには、どちらの方が良いだろうかというのが問題になるわけです。

ここでは、その判断基準の中にSDGsという概念を入れたみたいと思います。
SDGsは「持続可能な開発目標(複数)」という意味で、最大の眼目は「持続可能な」という言葉にあります。

人類社会が進歩発展していくためにはいろいろな開発が必要ですが、その開発を進めるためには人間の働きが必要です。そして、その開発は「持続可能」でなければならないのです。

例えば、化石燃料の活用は、人類社会に大きな進歩をもたらしました。しかし、その行き過ぎは人間社会を持続「不」可能なものにしつつあります。
核分裂を利用したエネルギー獲得も、おそらく同様で、行きすぎれば「銀河鉄道999」のように、地球を人類の生存に適さない場所にするでしょう。

つまり「持続可能」という事を考えた場合、物事をできるだけ長い目で見ることが重要になってくるのです。

昔から人間は木を伐って家を作り、薪として暖を取ってきましたが、同時に木を植えることの必要性も理解して植林をしてきました。(SDGsの実践)

こうしたことを現代の極めて複雑に発展した人類社会の中で、適切な先見性を持ち、常に、「これをこのまま続けて行っていいのか」と考えながら「開発を進める」ことが大事だからこそのSDGsが言われるようになったのでしょう。

この様な視点に立つとき、人類社会の多様な開発の実践機関である企業が「人類社会の将来と仕事の在り方」についていかなる経営理念を持っているかは大変重要ではないかと思うところです。

次回は、企業と人間の関係の在り方、現場的には職務と人間の関係について、SDGsの視点から見た場合、欧米型と日本型のどちらがより適切かを少し掘り下げてみたいと思います。

二大政党時代へ踏み出せるか

2021年09月19日 22時19分45秒 | 政治
二大政党時代へ踏み出せるか
民主主義は国民の多数の意思によって、政権が交代しうる可能性があって初めて価値のあるシステムになるような気がしています。

中国も共産党一党独裁ですが、一応投票はあります。しかし、投票するにしても、結果は初めからわかっていて、反対票が3票とかいうことだったりするようです。

ロシアでは、対立候補が立候補できないようにする方法もあるようで、国民の意思をどの程度反映するようになっているのか、端からから見ては解らない事ばかりのように感じられます。
ベラルーシなども報道を聞くだけだは同じような感じを受ける人が多いでしょう。

アメリカでは昨年の選挙で政権交代になりましたし、少しさかのぼれば、欧米がスタグフレーションで苦しんだ頃、「失業率とインフレ率を足した数字が20を超えると政権が変わる」などといわれ、現実に、アメリカ、イギリス、フランスなどで政権交代が起きています。

ところが日本の場合は、政権交代に何の制約もないのですが、戦後は殆ど一貫して自民党政権で、得票数が必ずしも反映されないので、政権交代がなかなか起こりにくいようです。

何故そういう事になるのかといえば、野党が多くの党に分裂していて、それぞれ候補を立てるので、得票が割れて、結局当選者数が得票数に比例しないからということになっているようです。

もし。二大政党といった形が出来ていれば、票が無駄にならずに、政権交代も起こりやすいので、どちらの党も政権を取った経験が豊富で、政権が入れ替わっても効率よく国民の希望の沿ったことが出来るのでしょうが、日本はそ うなっていないのです。

今回の選挙でも、野党は細かく分かれていて、従来と同じことが繰り返されそうなので、野党も考えて立候補者の調整を協力してやろうという意見もあるようですが、どんなことになるのでしょうか。

自民党はいつも、国民の為と言っていますが、国民の為にならないことがこのところ多くて、今回はまさに政権交代のチャンスといわれるのですが、野党の方は、相変わらず小党分立のままですから、また今回も同じことの繰り返しかという冷めた意見も結構あるようです

野党s(複数)も国民の為を本気で考えて、大同団結して「挙野党一致」で自分のメンツや細かい主張や権威ではなく「国民の為」の政治をやるべく、本気で、もう少し効率的な得票と当選者の関係を考えて選挙に臨むべきでしょう。  

繰り返しますが、戦後の政権の歴史を見ても、今が最も政権交代の起きやすい状態であることは多くの人が認めるところでしょう。
野党各党首やその中枢の方々には、皆様の頭脳と度量が、今こそ問われていることを確りと自覚され、国民の為の行動を取って頂きたいと思う所です。
 


日本の個人貯蓄2000兆円へ

2021年09月18日 16時33分43秒 | 経済
日本の個人貯蓄2000兆円へ
今日の新聞でも報道されていましたが、従来から日本の個人貯蓄が世界トップクラスという事で、よく1800兆円、GDPの3倍を超える貯蓄を持っていると言われていました。

この金額がコロナ禍の下でも次第に増えていよいよ2000兆円に達するところまで来ています

これは日本銀行の資金循環表で見ることのできる数字ですが、昨日発表になった資金循環表を見ますと(2021年6月末現在)、「家計の資産合計」は、まさに2000兆円直前の1992兆円です。

「誰がそんなに持っているんだろう」「うちはローンの返済に追われているのに」などといった声もきかれますが、家計の借金は別に記載されていて、これは362兆円ですからトータルではそんなに多くありません。

但しここで「家計」と定義されているのは、自営業主を含みますから、自営業の場合は仕事上のおカネも入っていることになり、サラリーマン家計の貯蓄とは少し違うかもしれません。

資金循環表では、自営業とサラリーマン家庭の区別はできませんから、区別をするとすれば、家計調査の貯蓄の統計ですが、これも「二人以上所帯」という事で纏めた数字になっています。

然し家計調査には「二人以上勤労者所帯」という分類があります。このブログで、平均消費性向の推移をみている部分です。(家計調査で「収入」の金額が取れるのは勤労者所帯だけですのでそうなります)

それではと「家計調査」の「貯蓄・負債編」で、「二人以上所帯」(自営業を含む)と「二人以上勤労者所帯」の貯蓄の数字を比べてみますと、「二人以上所帯」では1791万円、「二人以上勤労者所帯」では1378万円でした。

やっぱり自営業の家計が入っている方が高くなっていますが、これは家計と仕事のお金の出入りが一緒になっているかいないかの性質上の違いですから、一般的には貯蓄の分析は勤労者所帯という事になるようです。

ところで、コロナ禍の中で、景気は最悪なのに貯蓄は増えているというのは何故かとぃうことになるのでしょう。

収入も増えませんが、このブログでも毎月報告していますが、昨年来巣篭り需要などと言われますが、矢張り消費不振で、平均消費性向はじりじり下がり、家計の貯金は増えてきたようです。(今年にないって多少上昇の様子も感じられますが)

そこで、日本銀行の「資金循環表」に戻って、家計の貯蓄残高の増加の中身を見てみます。今年の6月末の残高を、1年前に比べた数字は、総額は6.3%増で、現金預金は4.0%増ですが、投資信託が28.7%増、株式が30.0%増という事になっています。
(ただし。投資信託と株式を合わせても家計の貯蓄の15%ほどで、日本の家計貯蓄の大部分は現金・預金と生命保険です)

家計の貯蓄が2000兆円というのは凄いと思いますが、こうしてみますと、余り健全でない日本経済の中で、貯蓄額だけが膨らんでいるという現象が見えて来るように思えます。

中国のTPP加盟申請と日本の役割

2021年09月17日 17時28分39秒 | 国際関係
中国が正式にTPPへの加盟申請をしたというニュースは驚かれた向きも多いようです。

TPPはご承知のように、環太平洋自由貿易協定という事で、アメリカが主唱し自由貿易協定(FTA)に賛同する12か国で合意を目指したものです。
目指したのは、FTAだけでなく投資、政府調達、知的財産権、人の移動、ビジネス環境整備など広範な合意です。

然し、万年赤字国のアメリカが主唱という事で、このブログでは当初からなんとなく胡散臭いと書いてきました。

実質的にはアメリカと日本の詰めの交渉になったようで、アメリカの通商代表のフロマン氏と日本の担当大臣甘利氏の徹夜の交渉で、何とか決着というところまで行ったのですが、最終的には「アメリカ・ファースト」のトランプ大統領が、アメリカの役には立たないと判断したのでしょうか、離脱を宣言、12か国でなく、TPP11として発足しています。

先に、EUを脱退したイギリスもTPPに参加したいと加盟申請を出していますが、中国の場合は、政治問題では香港の一国二制度無視や、国内で人権侵害問題などが指摘されている政治的独裁色を強める状況ですから加盟申請は、やはり驚きを持って迎えられるというのも当然でしょう。

一方、アメリカの方は、現状も、トランプ政権の後遺症もあってでしょうか、TPP復帰には否定的のようです。

という事であれば、アメリカ抜きのTPP11との交渉という事になるわけで、当面貿易上のトラブルのあるオーストラリア、と日本辺りとの関係を中国がどう持っていくかという事になるのでしょうか。

アメリカがいない方が、大分やり易いという意識も中国にはあるかもしれませんし、中国が本気でFTAを重視しているという姿勢を海外に示すことにもなるし、ある意味では当面ダメモトでもという事もあるのかもしれません。

アメリカ自身が主唱した時点では、アメリカの赤字削減に役立つものにと多分考えていたでしょうし、中国も上手くいけば、国際関係の改善や経済減速の要因になっている内外諸問題のブレークスルーに役立つと考えていてもおかしくないでしょう。

歴史の経験から言えば、大国は、経済状態が良ければ寛大な国ですが、しかし一旦経済状態に問題が出ると、大国の力と権威を利用して(その他多様な手段も活用し)自国の地位確保に積極的になるという傾向があるように思います。

そういう意味では、アメリカと徹底した交渉をして、参加国全体の共通利益を求めてきた日本は、中国参加申請についても、本来のTPPの望むあるべき姿を念頭に、中国にも、加盟各国とともに、TPPの適切な理解と適切な行動を求めつつ、参加歓迎という、確りした態度を取ることが望まれるのではないでしょうか。

些か荷が重くても、総選挙後の新政権には、そんなことを期待したいと思っています。

中国発金融・経済問題は起きるか 

2021年09月16日 17時13分49秒 | 国際経済
中国恒大集団(不動産業大手)の経営が問題になっています。

中国では急成長する企業が多い事は目を 瞠るものがありますが、恒大集団もそのひとつでしょう、マンション建設などで急激に業績を伸ばし、最近は電気自動車などへの多角化も進める勢いでした。

然しここへきて、中国の金融引き締めで、不動産融資に規制をかけることになったことが、きっかけになり巨額の債務が問題視され、9月に入って、信用問題が取りざたされることになったようです。

中国もコロナ対策で、景気維持のために金融を緩めてきましたが、それが不動産バブルを生じる懸念があるという事で、融資規制に踏み込んだようです。その中で借金の多かった恒大集団の経営不安が言われ、米系の格付け会社などが格付けを引き下げたことも不安に拍車をかけたようです。

格付け会社というのも、リーマンショックの時もそうでしたが、先見して注意報を出すというよりは、問題が発覚してから格付けを引き下げるので、窮状に追い打ち、泣き面に蜂のような役割をします。

恒大集団のB/Sは解りませんので、マスコミの報道によりますと、有利子負債は11兆円、負債総額は33兆円という事ですから、リーマンの60何兆円の半分以下の程度のようですが、リーマンの時は、サブプライム関連損失が100兆円を超えたと言われました。

あの時は、世界中のサブプライムローンの組みこまれた債権、証券を持っていた金融機関などのB/Sに大穴がありて、世界金融恐慌かなどと言われました。

恒大の場合は債権者は、外国より中国関連が多いと思われますが、それだけ中国の経済が傷むでしょう(成長鈍化?)。金融引き締めと同時ですから中国経済の成長に影響すれば、取引の大きいアメリカ、日本をはじめ、アジア国々の企業や経済も影響を受けざるを得ないでしょう。

そんなこんなで、今日は日経平均も大幅下げです(引けにかけ少し持ち直したようですが)。

中国は、政治は、共産党一党独裁で自由主義圏とは別建てになっていますが、経済の方は社会主義市場経済で、海を隔ててもいわば地続きですから、影響はダイレクトに伝わってきます。

さて、この収拾を中国がどんな形でやるのかは解りませんが、どうでしょうか。政治的に一党独裁で対応するのか、社会主義市場経済で対応するのか、注目したいと思います。

我が家の庭、秋はやはり秋海棠

2021年09月14日 20時55分15秒 | 環境
先の見えない事が多い中で、季節の花だけは、異常気象の中でも何とか適応して確りと季節感を演出してくれるのは有難い事です。

この時期は何と言っても秋海棠です.。





コロナ禍も、総理大臣が専任担当のようになったので、ここらで何か決め手が出てくるのかと思いましたが、何も出てこないようです。
やっぱり総理大臣は、一国の代表ですから、コロナだけという訳にはいかないのでしょう。

ところで、株式市況の方は、勝手にコロナ終息を見越しているのだそうで、異常な高値追いです。
バブル時代の最高値38,900円はともかく、経済成長も停滞、物価も上らない中で、31,000円に届きそうな所まで来ているというのが今日の状態です。

株高が、本当に日本経済の先行きを見通しているのかどうかは、誰にも解らないのでしょうが、自民党総裁選、総選挙を控えて、日本経済も日本社会も、まだまだ一波乱、二波乱もあるのは十分予想されるところです。

狭い我が家の庭の秋海棠も、今年は異常気象でかなり戸惑った様子が見られました。夏空と集中豪雨が交互に来て、さては秋かと蕾を開けばまた夏空。
これでは花は開けないと蕾のまま夏の太陽を浴びてドライ蕾になってしまいそうな場面がありましたが、確り持ちこたえて、ここにきて急速に花茎を伸ばし、しっとりとしたピンクの花弁を、ひとつひとつ開きながら、最後にカワイイ小さな黄色の飾りをつけるのです。

毎年咲いてくれるのですが、この時期は、いつ見ても、何となく気持が落ち着いて、しっとりと落ち着いた、些か感傷的な感じになるのが秋海棠です。

書いていて思い出しましたが、2008年の秋、あのリーマンショックの10日後、9月25日に、アメリカのこの状態は容易でない、日本への影響もこれから大変になりそうだと「季節も景気も秋?」を書きました。

あの時も庭では秋海棠が一面に花をつけていました(リンクしましたので写真も是非ご覧ください)。
思い出せば、あれから、日本は一層深刻な不況になり、その後遺症はアベノミクスでも治癒せずコロナ不況と重なり、今に至っているのです。

さて、今は株価だけは明るいようですが、季節は秋、これからの景気はどうなるのでしょうか。

嘘をつかない人、きちんと説明をする人

2021年09月13日 11時55分55秒 | 政治
いよいよ自民党の総裁選びが近づいてきます。

自民党としては、今度の衆院選に勝つために総裁を選び直すという事でしょうから、当然次期総理を選ぶつもりでの選挙ということになります。

今回はフルスペックの総裁選だという事ですから、全国の自民党員の方々も参加されるわけです。

選挙権のないものがお願いするのもおかしいのかもしれませんが、選挙権をお持ちの方に是非お願いしたいことがあります。

日本の第1党の党首を選ぶのですから、次期総理を選ぶという結果になることが、確率としては、多分一番大きいという意識での投票と思うのですが、そうだとすれば、投票権の無い人にも、大変大きな影響があるわけです。

そんな意味も含めてお願いするのですが、決して、特別な事ではありません。ごく普通の事です。
誰が考えても、一国のリーダーならば当然、そうあるべきと考える事2つです。

という事で、お願いしたいのは下の2つです、
 1,嘘をつかない人を選んでください。
 2,きちんと説明のできる人で、きちんと説明をするを選んでください。

お願したいことはいろいろあっても、自分の都合でお願いをすることはしません。
物事に責任を持つ人間としてぜひそうあって頂かないと、ついていかなければならない我々国民が大変困るので、この2つは是非お願いしたいと思っています。

何卒よろしくお願い申し上げます。

新型コロナ、残る2つの課題

2021年09月12日 13時17分33秒 | 政治
今日もNHKの日曜討論で、コロナ問題をやっていました。
メインは「いつ緊急事態を解除するのか」という事の様でしたが、討論も従来のようには刺々しくはなく、コロナ終息に向かってどう仕上げていくかという雰囲気が感じられました。

ただ気になったのは、問題の設定が「解除する時期」の様なことになっている事でした。
解除する時期は、「解除する条件が整って」初めて決まる事でしょうから、解除できる条件の方が先ではないかと感じながら聞いていました。

討論で出てきた発言の中で、これからの大きな問題が2つあるように思われました。
1つは、8割の人が2回の接種を終われば、と言われていた点です。
2つは、ブレークスルー感染の問題でした(日本語で「接種後感染」の方が解り易い)
この順序で少し考えてみたいと思います。

1つ目の、8割の人が接種を終われば、という問題ですが、これは、接種先進国の経験からということでしょうが、欧米では、日本のように「きめ細かく」考えていない国が多いので、日本の場合はもう少し厳密にした方がいいように思うところです。

問題は1億人接種が完了しても、2千万人以上接種しない人がいます。接種を強制はできないというのが政府の方針でしょうが、国民の社会生活の「より確りした安全」を考えれば。出来るだけ100%に近い接種率が望まれます。

強制できなければ誘導しかありませんが、接種しない人は、社会に迷惑をかけているのですから何らかの負担を求めてもいいのではないでしょうか。
例えば、コロナに感染したら医療費の3割?(5割?8割?でも)負担になりますといった形でしょうか。
 
その他、方法はいろいろあると思いますが、接種率95%とか98%以上になれば、国民の安心感は大きく変わるでしょう。(勿論水際の対策の徹底も確り)

2つ目のブレークスルー感染の問題は、こうした解りにくいカタカナ語は出来るだけやめて、日本語にすることから始めて、「接種後感染」のデータをこれからも徹底的に集めて、確りして数字を出していくことが必須でしょう。

デルタ株のほかにもその前に発見されたイオタ、デルタ後のラムダ(まだ出てくるかもしれません)など変異株の関連も含めて確りデータを出し、(随分減らしてきた保健所の再充実も含めて)統計的にも病理学的にも確り分析し(「二回接種で感染は随分減るし、感染しても重症化しない」といった程度の説明なら素人でもできます)国民に逐次周知する努力が必要でしょう。

その上で、3回目接種の実施と、その効果の検証、といったコロナ終息へのプロセスを着実に実行することをサボってはいけません。

そのプロセスの中で、「国民が納得して」、緊急事態宣言や、各種の制限措置を撤廃するタイミングが出てくるはずです。
それこそが、国民の健康と生命を守ることが第一という政府の役割ではないでしょうか。

「コロナとの共存」とか「ウィズコロナ」とかいうのは、コロナが、インフルエンザ程度の感覚で予防や治療ができる社会になって初めて可能になることだと考えるべきでしょう。