tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

最低賃金引き上げか、非正規雇用の正規化か

2023年07月31日 12時14分54秒 | 労働問題
今年の最低賃金の引き上げ目安額は41円で決まり。全国加重平均は1002円と、目標の1000円越えが実現しました。

賃金を上げるには生産性の上昇がないと不可能ですので、政府上もげすぎだと思っているのでしょうか、生産性向上のために設備投資をしたら助成金を出したりしています。

今の政府はそうしたパッチワーク(つぎはぎ政策)で辻褄を合わせることが本来の仕事と思っているのかも知りませんが、本当は、もう少し、より良い産業社会のための賃金、雇用、生産性といった本質問題を深く考えた政策展開が欲しいものです。

何十年も賃金がほとんど上がらない状態の中で、最低賃金だけでも上げればいいというのではなくて、この賃金の上がらない状態の構造要因に気づき、そこに手を打つことが先ず必要なのです。

長期の円高不況の中で、企業は平均賃金を下げてコストダウンを図り、一方生産性向上にも努力し、国際競争力の回復に専念しました。

ここで問題はどうやって平均賃金水準を下げたかです。企業にとっては賃下げは至難です。そこで選んだ道は、正規雇用を減らし非正規雇用を増やすことだったのです。
ご承知のように10~15%だった非正規の比率は40%に増えました。
日本人は器用ですから即席の技術指導で何とか当面を凌いだのが実情でしょう。

2013・14年の黒田バズーカで円高は解消、日本経済の国際競争力は戻りました。このブログでは、円高で増えた非正規は円安になった時点で減少すると思っていました。

ところが企業は、賃金の安い非正規でも企業が回ると思ったのでしょう、非正規雇用は大幅増加で40%に達し今も殆ど減少していません。その咎めは今随所に出て来ています。

企業の中で資格を持つ人が不足して偽装に走るとか、安全教育の不徹底とか、いろいろな問題が起き、社会的には、不安定雇用者が増加し、収入の不安定から、非正規=低賃金で、貧困家庭の子供が急増するとか、一部には80・50問題が社会問題になる現状です。

安倍内閣以来、官製春闘という言葉も出来ましたが、本当に必要なのは、一般的な賃上げでは無く、非正規労働の正規化による低賃金層の救済、非正規は家計補助や学生アルバイトが中心という、かつての安定した雇用の在り方に日本社会を復元する事だったのです。

それを怠ったのは、直接関連する「政労使」3者の共同責任、日本社会の共同責任という事ではなかったでしょうか。

賃金の引き上げも重要です。しかし賃金発生の源は雇用であり、人間生活に最も重要なのは「安定雇用」なのです。
嘗ての日本は、経営者の主導による正社員化によって経済成長の黄金時代を生み出したように思います。企業は、正社員には教育訓練を徹底したのです

勿論時代は変わりましたが、雇用の安定が人々の生活の安定を支え、社会の安定を可能にするという関係は、何ら変わっていないというのが人間の社会ではないでしょうか。

最低賃金上昇に力を入れるのも結構ですが、ここ当分、非正規雇用の比率が現状の40%から出来るだけ早く15%程度になるまで、政労使の最大の努力目標は、非正規労働者の削減というところに置き、あらゆる可能性を検討、追求するべきではないでしょうか。

物価鎮静は一進一退、問題は「生鮮を除く食料」

2023年07月29日 11時12分50秒 | 経済
一昨日、東京都区部の7月中旬消費者物価指数の速報が発表になりました。マスコミは3.0%の上昇としているものが多いようでした。
正確には、対前年比上昇率で「総合指数」3.2%、「生鮮食品を除く総合」が、3.0%、「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は4.0%という事です。

      全国と東京のコアコア指数の推移

                    資料:総務省統計局「消費者物価指数」

図でご覧いただくように、このブログで問題にしている「生鮮食品とエネルギーを除く総合」、いわゆる「コアコア指数」は、6月の3.8%より上がって4%の上昇になってしまいました。そろそろ落ち着くかと思っていた予想は外れました。

東京都区部の数字は先行指標ですから、全国の7月も上がる可能性が大きいように思いますが、一体何が上がっているのでしょうか。

    消費者物価10大費目別の対前年上昇率:東京7月速報と全国6月

                        資料:上に同じ

この図は消費者物価の10大費目について、東京都区部の7月と全国の6月の対前年上昇率を並べたものですがどちらにしても、この所上昇率の高いのは食料、家具・家事用品、それに教養娯楽です。

教養娯楽はコロナの終息で、飲み会やイベント、旅行などの復活によるものと、プラスしてインバウンド活況の影響もあるのでしょう。

をれ以外の2つは、日常的な生活必需品というべきものでしょう。昨年来の家計消費の活発化 (これもコロナの終息の影響?)の中で、長年消費不振で値上げを我慢してきた業界・企業が一斉値上げに踏み切った結果でしょう。

この値上げの波は、昨年春から始まり、秋から今年にかけて上げ幅を広げながらまだ続いています。特に著しいのは生鮮を除く食料で、2022年の 年平均の上昇率は3.8%でしたが、12月には7.4%の上昇と急速に上げ幅を広げ、今年6月には9.2%と1割近い上昇になっています。

個別品目で見ますと6月時点では鶏卵の35%(これは生鮮食品で鳥インフルという特殊事情があります)、酒、炭酸飲料、ハンバーガー、食用油などの17%、アイスクリームの12%、から揚げの10%など、食生活に密着したもの中心に、些か異常な値上がりという感じのある品目が結構みられる状態です。食料以外では洗濯用洗剤の18%などもあって、値上げの波は生活必需品に狙いを定めているようにも感じられるとこです。

ここまで来ると、それぞれに事情はあるとしても、家計のサイドから見れば些か常識を欠いた値上げという感じになるのではないでしょうか。

こうした中に、駆け込み・便乗値上げの色彩を帯びるような感じのものが出て来ますと、一斉値上げムードもそろそろピークという感じもしないでもありませんが、予断を許しません。日銀はようやくインフレの中身にに気づいての金利政策に動き、円高、株価一時暴落といった状況もありましたが、他方では、42円という未曾有の大幅な(4%)最低賃金の引き上げもあり、秋以降、新たなコストアップ要因となるでしょう。

6月から大幅値上げすると言っていた電力料金はどうなったか、統計上の影響はまだ見られませんが、バラバラな方向の違う政策が今後も、為替変動といった海外発の問題も含めて、一体この物価問題をどうしようとしているのか、政府の一貫性のある進むべき方向を見定めた政策がますます必要になって来るような気がするところです。



「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」が問題解決の鍵

2023年07月28日 12時41分12秒 | 政治
「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」が問題解決の鍵
マイナカードと健康保険証の問題は、総理の態度が少し変わってきたようで、余り馬鹿馬鹿しいトラブルは避けられるのではないかと思えるようになってきました。

自民党内にも、来年秋で紙の保険証廃止は、どうも無理のようで、延ばした方がいいのではないか、強行すれば余計なトラブルばかり増えるのではないかという危惧が出て来たようです。

岸田総理も河野デジタル相とともに現場の意見を聞いたようで、物事はもう少し合理的な方向に変わる可能性が出てきたという事でしょう。

ここでそういうことが起きれば、自民党が黒を白と言いくるめ、問題をうやむやにして、国民の記憶の薄れるのを待つという安倍政権以来の悪習が、政権政党自身の中から改革されるという事で、これは大変結構なことではないかと思われます。

モリ・カケ・サクラから始まって、カジノ、学術会議任命拒否問題などなど、一度決めれば、何があっても改めないというのが政権の行動基準という事になりますと、思考や行動が硬直し、物事に解決がなくなるのが結果です。

朝令暮改がいいとは言いませんが、大多数の国民が疑問を持つような事でも、決まったからにはそれが正しいと言い張っては、日本人の得意とするコンセンサス作りが不可能になり、問題は棚晒しで放置されて、不信や不満がたまっていくというのがその結果です。

そしてこうした政府の態度はいろいろな所に伝染し、民間組織や個人間の関係においても、誤りを放置するような風潮が進み、社会が劣化するのです。

さらに進めば、責任者が、自らの判断で解決しない問題は、非合法の手段で正すしかないという意識に点火し、テロ行為の原因にもなるのでしょう。

今回、岸田総理が、マイナカード問題について、政府の政策に無理があった、これは改めて、より合理的な政策に変えていかなければならないと決断することになれば、これまでの絶対多数を盾に反対意見は一方的に無視するという自民党のイメージは変わるでしょう。

国民の多くが、安倍政権以来の、一度決めたら「過っていても改めない」政治が、国民の意向を聞き、「過ったら則ち改める」、国民の意見を聞く政治に変わるのではないかと考えて、歓迎するのではないでしょうか。

もともと独裁制は日本にはなじまないのです。日本は伝統的にコンセンサス社会なのです。日本の伝統文化に政権が近づけば、多くの日本人は安心して歓迎するでしょう。

デジタル庁の仕事は何でしょう?

2023年07月27日 15時43分33秒 | 政治
デジタル庁が出来た時、日本の行政組織もいよいよデジタル網でカバーされ、行政組織の簡素化、情報や行政活動の迅速化、効率化が行われるのだろうと思って、このブログでも何度も応援して来ました。

ところがその後の展開を見ていますと、任意とされているマイナンバーカードの普及を目指すキャンペーン、カードを作ったら健康保険証をカードに登録しましょうというキャンペーン、それぞれポイント付与という飴玉つきです。

それでも普及が遅々だからでしょうか、紙の健康保険証は、来年秋で失効という脅し、マイナカードの作成は任意という制度との矛盾に対応するための小細工、なんだかデジタルのスマートに効率化を実現というイメージとは違ってきていました。

ところで今度は国からの給付金、還付金などを受け取る金融機関をマイナカード紐つけするという事で、これも自分のスマホでやればできるのですが、結構面倒で、上手く出来なくて市役所などに行く人が多いのでしょう。

ところが、お役所の担当者のミスで、他人の口座に紐つけるという事が少数ですが起きたようで、マスコミではこれが大問題になっています。

勿論政府と国民お金のやり取りですから間違いがあってはならない事でしょう。しかし日本中のお役所の、それぞれの担当者が一件々々処理しているのです、すべて間違いがないなどという事はあり得ません。人間は誤りを犯す動物です。

結果は岸田首相が総点検をやれと命じることになります。
マイナカードには、健康保険や銀行口座の外にも年金や児童手当など20項目を超える情報が入っていてそれを国と地方が分担して総点検だそうです。

これがまた役所の人間が一件々々確認するという事になると、膨大な時間とコストがかかることになります。
こういう手作業をなくしてデジタル機器にやらせるためのデジタル庁、デジタル化だと思うのですが、デジタル庁が出来てもう何年にもなりますが、そういうシステムが出来ていないという事なのでしょう。

本来なら、デジタル庁が、普及キャンペーンばかりやるのではなく、全国民をカバーする行政のデジタルシステムを設計し、国の持つ国民の個人情報、地方自治体の持つ住民の個人情報を総合統括して、行政システムのトータルな情報ネットワークを設計して構築し、その運用をして行くというのが行政のデジタル化でしょう。

国民の一人一人がポイントという飴玉をもらって、自分のマイナカードに登録する情報は、総て政府、地方自治体、その関係機関のどこかに記録、登録されている情報なのです。すべての情報はすでに政府が持っているからこそ、行政サービスが出来ているのです。

その意味では、マイナカードを正確に作れるのは政府なのです。をれを政府がやらずに、1億2千万人の国民一人々々にやらせようとすれば、出来る事には限度があり、一定割合の間違い/ミスは確実に発生するでしょう

そして必要になる総点検、その膨大な無駄な時間とコストが発生という事になるのです。なぜこんな事になったのでしょうか。

原因を考えれば、残念ながら、多分、日本政府のシステム設計構想力の欠如、システム設計能力の不足、担当省庁さえ作ればという安易な姿勢、などにあるのではないでしょうか。

防衛財源にNTT政府保有株の売却も!?

2023年07月26日 14時44分09秒 | 政治
「異次元の少子化対策」という奇妙なキャッチフレーズが岸田内閣によって打ち出された時、国民が聞いて意味の解らない名前を自分の政策に付ける悪い癖も度を超えてきたように感じました。

結局は、「予算の裏付けのない政策」というのが「異次元」の意味でしょうという国民の中にある解釈で、「ああそういう事か」と納得はせずに理解だけする事にしました。

ところで、その前に打ち出した防衛予算の42兆円というのは、予算の裏付けがないわけではなくて、自然増収、税外収入、政府資産の売却その他、可能な手段を総点検し、何とかなるという説明だったように記憶します。

それでも、不確定財源が多いものですから本気で信用できないわけで、そこは「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」に検討させるという事になっているようです。

そこで、今日の新聞報道によりますと、自民党の政調会長の萩生田光一氏が25日の党会合で、「NTT株の売却を選択肢の1つとして検討するとの考えを示したそうです。

確かに政府資産の売却による収入も、上記総点検の中にありました。
それにNTT株も最近値上がりしていますからgood ideaという事かもしれませんが、株価の先行きは解りませんし、問題はいろいろあります。

現状では政府はNTT株の34%ほどを保有しているようですが、30%保有は法律で決まっているとのことですから、その法律を外さなければまともな財源にはならないでしょう。

国策として3割保有を決めたのには、それなりの意味があってのことでしょうが、アメリカに協力するためには、そんなことはどうでもいいという事でしょうか。

それにしても、株価が下がらないように大量の株を売るというのはかなり難しいのではないでしょうか。

冗談はともかく、この売却による収入を、少子化対策に充てるというのなら、子育てを中心に国民生活の活性化に役立ち、将来の発展を担う次世代の国民が育つのですからこれは、NTTへの投資を振り替えてもまあ良いかという事になると国民も考えるでしょう。

しかし、戦闘機やイージス艦を購入すればどうなるのでしょうか。幸い戦争が避けられても、高価な防衛装備は、中古兵器の不良在庫の山になるだけです。
場合によっては、これだけの装備があれば戦争しても勝てる、などという意見が出て、結果は、勝っても負けても、多くの人命の損傷とともに、高価な兵器も海の藻屑と消えるだけでしょう。

国民の意向などにはお構いなく、社会的、経済的な巨大な無駄にしかならないと決まっているものに、社会、経済の今後の発展に役立てるべき財源を無駄遣いするのだということが解っているのでしょうか。

政府の財源と言っても、本当はすべて国民の財産なのです。民主国家は「国民主権」なのです。
国民の財産は、国民の意向に添って使うのが民主国家の政府の当然の義務ではないのでしょうか。

「田んぼダム」と国土強靭化

2023年07月25日 14時12分11秒 | 環境
今日の朝日新聞に福岡県久留米市の「田んぼダム」への取り組みの話が出ていました。九州は線状降水帯が出来ることが最近多く、留米市も水害に悩まされることが多くなっているのはマスコミでも報道されています。

そうした中で、地元では暴れ川と言われる筑後川の上流の水田地帯で、大雨の危険のある時は、田んぼに出来るだけ水を貯めるようにして、下流の水害を出来るだけ小さくすることが出来ないかとし気付いのが始まりとのことです。

初めは「そんな程度で」という意見もあったようですが、市役所もその効果を認め関連組合なども協力し、参加する農家は急拡大しているとのことです。

もともと日本はモンスーン地帯に位置し雨量は多く、一方国土狭隘で脊梁山脈の裾が海岸近くまで達し平地は極めて少ないという地形です。

その脊梁山脈は冬には雪が多く、これは天然の貯水機能を担って、雪解けで、至る所に名水を湧き出させるという水資源の豊かな国なのです。

しかし、河川は、国土の狭さから、山から海までの距離が近いので急流が多く、梅雨や台風、今なら線状降水帯発生といった場合には、降った雨水は激流となって海にそそぐことになります。流量が河川の強度や容量を超えれば、洪水です。

こうした自然条件から、歴史的にも治水事業は極めて重要で、その最重要な方法は河川の縦の流れを網の目のような水路へ分散させえる事だったようです。
狭隘な谷から緩斜面の扇状地に入ると、出来るだけけ広い地域に網の目のように水路を分散させ、縦の水流を横や斜めに流して、潅漑の効果と水害防止を目指したようです。

こうした日本人の知恵と努力の跡は日本各地にみられますが、私が第二次大戦中に疎開した村でも、急流から水を引き、網の目のように小川を流し水田、畑、生活用水に使われていました。また各集落に1つは溜池があり、夏は子供たちの水泳の場でした。

今は上流の山の中にダムが出来、配水管が行き届いて潅漑の水は確保されるようですが、線状降水帯への対策は、各地にダムが増えても未だに不十分なようです。

それというのも、気候変動が日本人の予想を超えたものになって来た事が原因でしょう。
降線状降水帯のような豪雨には、今の状態では河川についても、都市の下水についても、現状では対応不十分という実態が明らかです。
そして気候変動はまだまだ進むよ言いうのが多くの専門家の予想です。

田んぼダムは、ささやかでも直接に効果を持つ日本伝統の手法を今に生かそうという試みです。農家の心意気を感じるところです

東京に地下には遊水地も出来ているようですがこれからは、地上、地下を問わず水害を防ぐ遊水、貯水の空間も、河川改修などとともに必要になるのではないでしょうか。

一部にはミサイルに対する地下施設を早く作れという意見もあるようですが、ミサイルは外交交渉で防ぐことも可能ですが、線状降水帯はもう毎年来ているのです。
今の政府はどんな風に考えているのでしょうか。

盛夏、待ちに待った地球柑が成長中です

2023年07月23日 10時47分27秒 | 環境
ゴールデンウィークの真っ只中の5月2日。この日はウィークデイでしたね。この日のブログのタイトルは「我が家の地球柑の嬉しい話」です。

そこでも書きましたが、鉢植えの地球柑(しまだいだい)を、何とか大きく育て沢山実が付いているところを見たいものだという事で花壇の脇に地植えにしたのです。

鉢植えの地球柑を地植えにして木の丈が成長を始めた年から、全く花が咲かなくなりました。もちろん実はなりません。

やっぱり自然は正直で、枝々に実を付けるには、幹を太くし、枝々も丈夫にしなければならないのでしょう。その準備が出来るまで待つことになるのかなと考えたりしていました。

こちらも歳ですから、早く花が咲くようにならないかと些か焦りながら6年待ちました。そして今年やっと花が咲いたのです。

花は枝々に無数に咲いたのですが、鉢植えの時から花は沢山咲くけれども実の付きは決して良くない事は解っていますので、今度の心配は、うまく 実に「結実」してくれるかでした。

花が散るとそのあとは無数の小さな緑色の球になるのですが、それがどんどん落ちで枝の下は小豆を撒いたようになりました。

そして、その中からしだいに直径7~8mmから1cmぐらいに大きくなるのが見え始め、これでなら随分残るかのと思いきや、今度は1cm~1.5cmぐらいの多少縞模様が出てきた小さな実がぽろぽろと落ち心配させるのです。

それでも結局20個ほどは立派な地球柑に成長して、地植えにした時にイメージしていたような「枝々に地球柑が実のる立派な木」の姿を6年の長い待ち時間の後に、ニコニコしながら見られることになりました。(写真は木の最上部です)



秋までにはそれぞれの 実が もう少し大きくなり、黄色と緑の縞ももっとはっきりして、見ごたえのある姿になるのではないかと思っています。、

2023年度GDP政府年央試算の検討

2023年07月22日 11時17分59秒 | 経済
2023年度GDP政府年央試算の検討
一昨日、内閣府から2023年度の政府経済見通しの年央試算が発表になりました。

2023年度の政府経済見通しは、1月に閣議決定され発表されていますが、今回は同じ閣議決定ですがその後の状況変化を勘案、新たに年央試算として発表されたものです。

前書きでは、世界経済の下振れリスク、物価上昇、金融市場の変動等を要注意としながらも、「賃金と物価の好循環」を目指すとと もに、人への投資、グリーン、経済安全保障などの分野における官民連携で の国内投資の持続的な拡大を図ること等により、成長力の向上と家計所得の 幅広い増加に裏打ちされた「成長と分配の好循環」の実現を目指す、と述べています

しかし、すでにマスコミでも報道されていますように、今回の試算では、実質経済成長率は1月発表の1.5%から1.3%に引き下げられているのです。

民間企業の動きや、消費需要の活発化などの現状を見れば、敢えて引き下げる状況ではないように感じますが、何が引き下げの原因なのか見てみますと、多少意外な点があるように思えます。

先ずこの所の成長を支えているように見える民間消費支出ですが、1月試算の2.2%増から1.6%増に引き下げ、民間住宅も1.1%から0.3%に、民間企業設備も5.0%から3.0%に引き下げられています。

その結果、民間需要の経済成長率への寄与度は2.0ポイントから1.4ポイントに低下です。
正に民需不振で経済成長鈍化の様相です。

残るのは公需(政府需要)と外需(貿易収支)ですが、公需の方は前回の見通しマイナス0.5ポイントからプラス0.2ポイントに増加、民需が駄目なら公需で補うという感じです。

そして外需はマイナス0.1ポイントからマイナス0.3ポイントに拡大(貿易赤字拡大)の見通しです。

結局寄与度のポイント数は内需(民需と公需)で1.6ポイント、外需がマイナス0.3ポイントの合計1.3ポイントで経済成長率1.3%が成り立っているのです。

消費需要の伸びを小さく見ているというのは物価上昇に食われてという事なのでしょうか、消費者物価の上昇率は1.7%から2.6%に大幅修正(見通し甘かった)になっています。

民間企業設備についても大幅引き下げで、5.0%の見通しを3.0%に引き下げています。半導体関連投資の盛況、ソフトウェア投資の活況、産学協同のスタートアップの活発化や日銀短観の企業の投資態度などから見ると些か首をかしげます。

それに引き換え、公的固定資本形成はマイナス0.5%(減少)の見通しが2.2%の増加に変わっています。この半年の間に、政府は、固定資本投資を大幅な増加に見直したという事になります。

これが防衛装備の増強と関係するのかは触れられていません
若しそうであれば、これは、上記の「成長と分配の好循環」には役に立たないものでしょう。この数字は、引き続き今後も注意が必要なところです。

昨年来の消費者物価上昇、沈静化の兆しか?

2023年07月21日 11時27分52秒 | 経済
今朝、総務省統計局から6月の消費者物価指数が発表になりました。

実は、はこのブログでは、6月の消費者物価指数の発表を、期待を込めて待っていました。

というのは、6月の消費者物価指数の先行指標である東京都区部の6月中旬の速報が、先に発表され、その中の「生鮮食品とエネルギーを除く総合」(いわゆるコアコア指数)がこれまでの一方的な上昇から減速に変わっていたからです。

コアコア指数は海外情勢や天候の影響を受けないという意味で、日本経済に内在するインフレ傾向を表すものですから、これが落ちつかないうちは、日本経済にインフレの黄信号が点いているようなものです。

これが安定化に転じれば、昨年来の消費者物価の高騰(海外よりはまともですが)という状態が正常化の方向に向かい、長年のゼロ金利、異次元金融緩和政策の正常化の方向も見えてくると考えているからです。

ところで結果は、東京都区部の先行指標が示したように、昨年春以来の一方的上昇が止まり微かですが上昇幅縮小の気配を見せることになりました。

消費者物価指数そのもののグラフと、対前年同月上昇率のグラフを下に示しましたが、上のグラフでは、緑色の線のコアコア指数の上昇角度は弱まり、下の対前年同月上昇率では、5月の4.3%から6月は4.2%と上昇率低下を1年半ぶり示しています。

消費者物価3指数の動き

                  資料:総務省統計局「消費者物価指数」
       
      消費者物価3指数の対前年上昇率(%)

                         資料:上に同じ

このブログでは、この動きが昨年春以来の食料や日用品の一斉値上げの波状進行が、この所、消費者の中に少し行き過ぎではないかという意識を生み、沈静化のプロセスに入る兆しと読んでいますが、7月以降の数字が、その予測に沿ったものになることを、日本経済の正常化、健全化への希望も込めて望んでいるところです。

この消費者物価の毎月の「実態追跡」のページも、も少し続けてみたいと思っています。

最低賃金は「上げればよい」のか

2023年07月20日 13時56分56秒 | 労働問題
7月は最低賃金の季節です。
日本の最低賃金は、公労使の3者からなる最低賃金審議会で決めるのですが、毎年6月から7月にかけて全国的な最低賃金引上げの「目安」を決める中央最低賃金審議会で引き揚げの「目安」を決め、8月以降、各県の地方最低賃金審議会が各県の引き上げ幅を決め、10月実施というのがスケジュールとなっているようです。

という訳で、今年も7月中に「目安」を決めるべく中央の審議会(いわゆる中賃)で審議が行われています。

公労使で審議して決めるというのは大変民主的のようですが、マスコミの報道によりますと、ここ数年来政府の最低賃金引き上げの意向が強く、今年は岸田総理が最低賃金は1000に引き上げ、更にその後の議論をと言っているとのことです。

最低賃金審議会では公益代表は政府の任命ですから政府の方針に従うでしょう。労働サイドは賃金引き上げに「ノー」は言わないでしょう。3者のうち、二者が政府の意向を受け入れれば、2対1で、政府の方針は通ることになっているようです。

昨年の最低賃金の全国加重平均(時給)は961円だそうで、1000円にはあと39円ですが、今迄の目安の上げ幅の最高は昨年の31円ですからどうなるでしょうか。

最低賃金の引き上げは、、この所、政府の意向が強く反映され平成28年以来コロナの令和2年を除いて毎年3%を超えています。平均賃金はここ数年ほとんど上昇していませんから最低賃金の上昇は、理論上は賃金格差の是正に役立っていると政府は考えているようです。

しかし、賃金というものは生き物で、最低賃金だけ無理に上げればひずみも出ます。
最も問題なのは、その影響を受ける中小企業でしょう。
最近でこそコスト上昇の価格転嫁を認めようという雰囲気もいくらか出て来ましたが、最低賃金によるコストアップは、昨年来の食料品や日用品の一斉値上げによる消費者物価の上昇の一因という指摘も出ています。

確かに最低賃金の引き上げは、格差社会化の進行を抑えるための効果的な手段のひとつでしょう。しかし、それを、ごく単純に、最低賃金の引き上げだけを毎年進めるという形で、中小企業に負担を押し付け、後は中小企業の自助努力やマーケット・メカニズムがなんとかするだろうという事で済ませるのでは安易に過ぎるでしょう。

大企業の収益はこの所かなりの好調を記録しています。下請け代金の改善の問題については、政府も政策は打っていますが、実効がどこまでかについては、問題は多いようです。

さらに問題なのは非正規雇用という長期不況の結果の雇用構造の復元、改善がほとんど進んでいない事です、正規雇用者にとっては、最低賃金は殆ど無関係という場合が殆どでしょう。最低賃金は殆ど非正規の問題なのです

政府が望む格差是正や中間層拡大の問題は、最低賃金の引き上げを、政府の旗振りで強制すれば進むものではないでしょう。政府が音頭を取り、政労使3者が十分な理解と意思疎通を図りながら、3方納得づくのコンセンサス方式で解決するよりないのです。

スローガンを掲げたり、法律で強制しやすいところだけ進めたりという安易な政策態度では、格差社会化のような複雑な問題は解決出来るものではないでしょう。

最低賃金引き上げと同時に、税制、社会保障、公正取引、政労使のコンセンサス作りなど、格差是正、最低賃金引き上げにに関わる問題全てに、同じような熱心さが必要なようです。

ロシアのウクライナ侵攻は世界の損失

2023年07月19日 17時17分08秒 | 国際関係
ロシアがウクライナに侵攻して500日が過ぎました。

侵攻当時、プーチンは数日で終わると思っていたなどと言われましたが、既に500日、そしてまだまだ先が見えないという見方が多くなっているようです。

すでにウクライナ東部の諸都市は廃墟と化した様子がTVの画面に映し出されますが、客観的にみれば、こんなに破壊した上で領土を広げたいと考えるのかとプーチンの妄執の愚かさと恐ろしさを感じるだけです。

一人の人間の意思決定でこんなことが起き、国連という世界人類のための組織を持ちながらその解決のために効果的なことが出来なという現状が500日以上続いているのです。

国際交流の活発化のため、世界人類の生活文化の向上のために建設されたインフラが破壊され、安定した経済社会の交流のためのシステムば機能を停止、広範囲な食糧危機の可能性すら出て来ています。

プーチンは核の威嚇に言及し、世界は核戦争の回避に、改めて真剣な考慮を払わなければならないような状況にありますが、同じ核問題でも、チェルノブイリの原発の管理はどうなっているのか、世界最大と言われるザポリージャ原発の管理は安全なのか、今後の戦況の中で予断を許さないのではないでしょうか。

当事国のロシア、ウクライナは勿論、NATO諸国も兵器、弾薬の生産に追われ、アメリカは国際条約で禁止されているクラスター爆弾のウクライナへの供給の方針などという報道まで(アメリカは条約不参加)取りざたされています。

戦争が長引くと戦略施設や基地の破壊だけでなく都市の破壊、インフラの破壊、社会システムの破壊、人間生活の破壊、人命そのものの破壊まで、破壊の範囲は限りなく拡大していってしまうようです。

第二次世界大戦の破壊の大きさを省み、世界の平和と経済文化の発展を目指したはずの人類の行く先に、改めてこんな人類社会の破壊の現実が待っていたとは、考えてもみなかったことではないでしょうか。

こうした現実を見ていますと、人類社会が平和と安定を実現すればするほど、その社会は暴力に対して脆弱になるというパラドックスが成立するという事なのでしょうか。
今の国連中心のシステムの国際社会におけるガバナンス能力が、十分なものでないとすれば、改めて国連という組織、システムの在り方を考えなければならないという事になるのかもしれません。

リヒテンシュタインが提起している国連安保理における常任理事国の拒否権の在り方についての検討は、小さい一歩ですが、何らかの示唆を与えるものかもしれません。

国連中心主義を標榜してきている日本も、改めて、国連の国際社会におけるガバナンスの問題について真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

ロシアのウクライナ侵攻問題は長引きそうだという悲観的な情報に暗澹とした気持ちになるしかないのでしょうか。

GDP統計に騙されるな

2023年07月18日 12時05分08秒 | 政治経済
景気回復のせいか、それとも物価上昇のせいか、税収が増えているようです。

赤字財政続きで、財政再建の可能性がどんどん遠退いて絶望的になるような状況の中で、先ず防衛費を大幅に増やし、さらにその上に財源の見通しのないままに異次元の少子化対策を打ち出すと公約している岸田政権です。

理由は何であれ、税収が増えることは大変ありがたい事でしょう。
先ず税収増の半分は防衛費に、とかいろいろ算段を始めているようですが、国民は誰も巨大な防衛費の積み上げなど希望していないのに、何故そうなってしまうのでしょうか。

国民の希望としてはまず「異次元」という掛け声の少子化対策に使ってほしいし、高齢者は、介護などエッセンシャルワーカーの待遇改善を高齢者の拠出で賄うなどという「たこ足」政策の解消にというところでしょう。

それなのに先ず「防衛費」というのは、一体誰の希望なのでしょうか。防衛予算を増やして一番喜ぶのはアメリカだそうですから、アメリカに言われてか、アメリカの御意向を忖度してか、そのいずれにしても、国民よりアメリカという事だと考えてしまいます。

カジノもトランプさんから言われて、3か所作ろうということなったという情報はアメリカから漏れて来たとのことでしたが、カジノに賛成する国民は限られています。

ところで防衛費ですが、以前のGDP統計では戦闘機や戦艦や戦車の購入代金は「消費」に計上されていたのですが、今は「投資」に計上されるようです。

投資というのは、経済学では「労働生産性向上」に役立つものという意味を持っているはずで、ですから「労働生産性」は「資本装備率」に比例する、などと言われます。

F16戦闘機やイージス艦を装備すれば、日本の労働生産性が上がって賃金引き上げの原資が増えるのでしょうか。
戦争がなくて使わずに置いておくだけでは膨大な維持費がかかるだけで、労働生産性にはマイナスでしょう。

では、使えばいいのかと言いますと、使うのは戦争をすることですから、生産性が上がって人件費の原資が出来るかどうかは、今のウクライナの現実を見れば、巨大な経済的マイナス、加えて人命の毀損を生むだけだという事は明らかです。

防衛装備品を投資に計上するというのは、経済学の定義から逸脱した誤りでしょう。
今後防衛予算の巨大な積み上げが行われれば、それは内閣府が発表するGDP統計のかさ上げになるでしょう、数字の上では「日本経済が成長した」ように見えるかもしれません。

しかしそれが日本経済の成長の原動力になる「投資」であるとは、誰がどう考えても合理的な説明は出来ないものでしょう。

そしてそれを本当に活用する日が来たら、日本国土の一部か全土に、人命の損傷も加えて、壊滅的な影響を齎すことは必定でしょう。

これからの国民経済計算には騙されないようにしましょう。

TPP、アメリカ離脱、日本がリーダー、イギリス加盟

2023年07月17日 14時01分37秒 | 国際政治
TPP、アメリカ離脱、日本がリーダー、イギリス加盟
TPPにイギリスの参加が正式に決まりました。今の世の中は「何でもアリ」のようです。

TPPは「環太平洋パートナーシップ」という協定ですから。中国が入りたいと言っているのは解りますが「イギリスは太平洋と大西洋を間違っているの」などという人もいるかもしれませんが、狭くなった地球、そんなことはどうでもいいのでしょう。

もともとTPPはアメリカが言い出して、太平洋を取り巻く国が出来るだけ貿易の自由化を進めようというのでしたが、トランプさんが大統領になって、そんなことをしたらアメリカの損になるという事でしょうか「イチ抜けた」と勝手に抜けてしまいました。

アメリカ代表で日本の甘利さんと熱心に準備したフロマンさんは「アメリカにとっての損失」と批判しましたがアメリカ抜きの11か国で出発、今に至り、アメリカではなくイギリスが加盟しました。

言いだしっぺのアメリカが辞めてから日本がリーダー格になって、良い組織にしようと頑張って来ているところですから、大西洋からのイギリス加盟は、評価されたという事でしょうか、喜ばし事と思います。

ところで、今日ここで考えるのは、アメリカは一体何を考えているのだろうという事です。
アメリカが言い出した時の環太平洋12か国には中国は入っていません。

加入申請をしている国・地域は、中国、台湾、エクアドルなど中南米の国、それにウクライナと6国・地域があるのですが、国有企業、知的財産権、労働者の権利、人権問題などの条件から申請にとどまっています。

それはそれとしてアメリカが離脱した背景には、時の大統領がトランプさんだったという事情もあるのかもしれませんが、バイデンさんになっても加盟の話はないので、アメリカにとってメリットがないという事なのでしょう。

このブログでも、アメリカがTPPを言い出した時、何か胡散臭いと指摘していますが、貿易赤字が止まらないアメリカのプラスにするつもりが、フロマン通商代表が大変真面目な方で、本気で公正な組織にしようとしたのが、トランプさん、あるいはアメリカ自体の意識と違ったものになったからでしょう。

アメリカも長い間、覇権国、基軸通貨国をやっていると、万年赤字国に堕しても、そのメリットの維持が大きな目的になって来るのでしょうか。共和党、民主党と政権が変わっても、アメリカとしての権限を維持するという「国の意識」は1つの様に見えます。

個人でも権限を握るとその地位を維持しようとの意識が強くなり、独裁的になるという危険性をこのブログでは指摘して来ていますが、覇権国という立場が長くなると「国」の場合も同様に独善的な傾向が強くなるという事も多分有り得るでしょう。

最近のアメリカの行動パターンを見ていますと、戦後、新しい覇権国として清新の意気に燃えて正義を主張した当時のアメリカとのギャップを感じる事が多いようです。

覇権国、基軸通貨国は、矢張り自由世界、民主主義体制の盟主としての役割を果たさなければならないのですから、何とか初心に立ち返ってほしいと思うところです。

時間と宗教について考えてみました

2023年07月15日 13時33分38秒 | 文化社会
今日は土曜日、世界も日本も多事多端ですが、少し勝手なことを考えてみたいと思っています。

というのは、先月5日に、折口信夫の言った「類化性能」と「別化性能」について書きながら、何と無くこんな事を書いていました。

「原始の時代から人間には宗教がありました。これは人間だけのものでしょう。人間の脳が時間の概念を持っているからかもしれません。」

後から何故あんなことを書いたのだろうと気になっていたのですが、理由は、宗教を持っているのは人間だけだという事、そして時間の概念を持っているのも多分人間だけだろうという事からの連想だったのだと思います。

考えてみますと、人間以外の動物は「今」を生きているようです。もちろん犬や猫にも記憶装置はあるでしょう、「餌を呉れる人はこの人」とかです。
しかしそれは壁に記憶した絵が貼ってあるようなもので自分にとっての重要性によって絵の大小はあってもあくまで平面的なものだろうと思います。

人間も、やっぱり「今を生きている」のですが、その記憶は、「昨日のこと」「去年のこと」小学生の時のこと」というように、総て時間軸の中で整理されています。
これが出来ているのは人間だけでしょう。

つまり、人間は時間の概念、大変精密で正確な「時間という概念と組合わされた記憶の整理機能を持っているという事になります。

「今」という瞬間は1秒であっても、その背後には自分の年齢だけの時間=記憶の蓄積があるのです。

哲学者はその記憶をしっかり持ちながら、しかし自分が死ねば、それは全て無くなる。この世は本当に存在するのか、「自分は現実に存在しているのか」などと思索し、こんなこと考えているのは「自分」なんだ、だから『われ思う、故に我在り』なのだ、などと考えたのではないでしょうか。

しかし「今」は記憶の終点で、未来は解りません。「今」が時間軸上を進んで行って、未来が今になり、過去になって記憶に蓄積されるのです。

それが人生ですが、問題は死です。こうして生きてきた自分が死後はどうなるのか、臨死体験などはあっても、死後は解りません。

しかし、解らなくても、人間はそこまで「考える」ことは出来るのです。そこに生まれるのが宗教なのではないでしょうか。
ある意味では、哲学(自分の存在)を死後にまで延長して思索するところに必然的に宗教が生まれるということなのではないでしょうか。

そう考えれば、人間だけが哲学を持ち、宗教を持つことが出来るという事、それは、人間が時間軸という概念を意識出来るからという所に行きつくように思われます。

人間の脳がそれを可能にしている、人間の脳だけが時間軸を意識できるのであれば、人間の脳がいかなる形でそれを可能にしているかが問題です。この研究は、「人間の脳と時間概念」という形で、今、研究が進んでいるようです。

我家のミニ菜園近況

2023年07月14日 14時34分41秒 | 環境
我家のミニ菜園近況
チューリップの花壇をミニ菜園に切り替えたのはゴールデンウィークの最中でしたが、今年は取り上げることが多かったのでしょうか、書いてありませんでした。

ミニ菜園の方は何とか順調で、キュウリ、ナス、ミニトマト、それぞれに育って、キュウリとナスは収穫期に入り、ミニトマトがようやく赤くなり始めました。

今年は寒暖の差が大きすぎるせいか、この辺りは雨が少ないので、ミニ菜園への水遣りが不足していたのか、育ちすぎたり、収穫が早すぎたりであまり見栄えのいい収穫物になっていませんが、自家消費には特に問題はありません。

気付かずに育ち過ぎのキュウリも


形のいいのは娘や息子が来ると土産に持たせています、それぞれに野菜が足りなくなったら来訪するだろうとの目論見ですが、余り上手くはいかない様です。

昨年豊作だったミニトマトは、比較的甘味の強い、少し細長い種類の苗を2本植え、それぞれ二本立てにして育てたところ、背丈より伸びて、現状、上の方は黄色い花の盛り中段は青い未だ小さい実がたくさんついて、下枝の方は昨日あたりから 実が色づき始めて、もう1~2日で真っ赤になるのかなといったところです。





近年の雨は、降る所には無闇に降り続き、降らない所は乾いたままと、昔とは違って大変バランスの悪いものになっています。埼玉までは降っても、都下国分寺はほとんど降らないのです。

こうした気象条件の偏りも、もともとは人間のなせる地球環境の変化のせいで、「人新世」などという地質学上の時代区分が出来てしまうまでになってしまった事によるのだろうかなど考えながら、自然災害の小さいことを願いつつ、我が家の小さな収穫に感謝する日々です。