現実知らずの思い込み、働き方改革
絶対多数で「働き方改革」も押し通すというのでしょう。与党は早くそちらに行きたいようです。
労働時間短縮には私も基本的には賛成です。ただし短ければいいというものではありません。人は仕事をすることによって育成され成長します。法律では残業時間の上限や、インターバル性を定め、あとは企業の人事労務管理に任せればいいと考えます。
問題は、労働移動の促進、特に大きな問題は同一労働・同一賃金です。
基本論から言えば、「雇用」と言えば皆同じと思うのかもしれませんが、「雇用の在り方」には、大きく2種類あります。
これは企業(あるいは組織)というものの在り方と結びついたものですが、
① 欧米流:企業は職務の集積体である:職務中心主義、
② 日本流:企業は人間集団である:人間中心主義、
という事になるでしょう。
欧米流では、例えば、研磨工が足りなければ、適切な技能レベルの研磨工を募集して採用します。賃金は職務給で決まっています。中間管理職が辞めれば、経験のある中間管理職を募集、採用します。職務給です。時には社長も募集します。「年収いくらいくらで社長募集」とへッドハンティング会社に頼んで探してもらいます。
職務があって、人がいないから、その職務が出来る人を採用するのです。職務給が当たり前です。職務給は業界や地域でマーケットが出来ていて、その情報は行き渡っていますから、基本的に同一労働同一賃金です。
賃金にプラスαがあるとすれば、「job and performance」のパフォーマンスの方でプラス分が査定されるでしょう。
日本流では、採用するときは配属は決まっていません。新卒一括採用です。仕事にはみんな素人で、入社が決まれば、会社とは、仕事とは何かなどとオリエンテーションを受け、OJTで先輩から仕事を教わり、だんだん1人前になっていきます。
管理職も、経営者も、基本的に内部昇進で、無暗に外部採用などすると、内部のモラールが落ちて企業のマイナスになります。
賃金、つまり初任給は新卒マーケットで決まります。初任給は低く、仕事に習熟するにしたがって上がっていきます。職能資格給が一般的です。同じ仕事をしていても、1年先輩の方が高いのが普通です。これが本来の日本企業の賃金制度です。
こうした日本の企業にも、この所、欧米流の従業員が増えてきました。パート、アルバイト等の非正規従業員です。
もともとは会社に縛られる正社員にはなりたくなく、自分の都合を重視し、働きたいときに働いて、それなりの収入を得たいと考える人達で、家計の責任者ではない人達です。(ただし現状は、正規で働きたいが正規になれない多くの非正規従業員がいます。これは問題です。)
そして、非正規の人たちは、企業が、「これこれの職務の人募集」という求人広告業を見て職探しをし、賃金の相場は業種・職種や働く時間帯などで、業種や地域のマーケットで決まっています。これはすでに同一労働同一賃金の世界です
というわけで、日本では今、伝統的な新卒一括採用という人間集団としての企業を担う従業員(正規従業員)と特定の職務遂行のために雇用された欧米型の従業員(非正規従業員)が併存しているのです。
長くなるので後は次回にしますが、こうした現状の中で、「同一労働・同一賃金」の意味する所は何で、何を目指して安倍政権は「同一労働同一賃金」をやろうとしているのか、
合理的な説明のできる人は恐らくいないのではないでしょうか。
絶対多数で「働き方改革」も押し通すというのでしょう。与党は早くそちらに行きたいようです。
労働時間短縮には私も基本的には賛成です。ただし短ければいいというものではありません。人は仕事をすることによって育成され成長します。法律では残業時間の上限や、インターバル性を定め、あとは企業の人事労務管理に任せればいいと考えます。
問題は、労働移動の促進、特に大きな問題は同一労働・同一賃金です。
基本論から言えば、「雇用」と言えば皆同じと思うのかもしれませんが、「雇用の在り方」には、大きく2種類あります。
これは企業(あるいは組織)というものの在り方と結びついたものですが、
① 欧米流:企業は職務の集積体である:職務中心主義、
② 日本流:企業は人間集団である:人間中心主義、
という事になるでしょう。
欧米流では、例えば、研磨工が足りなければ、適切な技能レベルの研磨工を募集して採用します。賃金は職務給で決まっています。中間管理職が辞めれば、経験のある中間管理職を募集、採用します。職務給です。時には社長も募集します。「年収いくらいくらで社長募集」とへッドハンティング会社に頼んで探してもらいます。
職務があって、人がいないから、その職務が出来る人を採用するのです。職務給が当たり前です。職務給は業界や地域でマーケットが出来ていて、その情報は行き渡っていますから、基本的に同一労働同一賃金です。
賃金にプラスαがあるとすれば、「job and performance」のパフォーマンスの方でプラス分が査定されるでしょう。
日本流では、採用するときは配属は決まっていません。新卒一括採用です。仕事にはみんな素人で、入社が決まれば、会社とは、仕事とは何かなどとオリエンテーションを受け、OJTで先輩から仕事を教わり、だんだん1人前になっていきます。
管理職も、経営者も、基本的に内部昇進で、無暗に外部採用などすると、内部のモラールが落ちて企業のマイナスになります。
賃金、つまり初任給は新卒マーケットで決まります。初任給は低く、仕事に習熟するにしたがって上がっていきます。職能資格給が一般的です。同じ仕事をしていても、1年先輩の方が高いのが普通です。これが本来の日本企業の賃金制度です。
こうした日本の企業にも、この所、欧米流の従業員が増えてきました。パート、アルバイト等の非正規従業員です。
もともとは会社に縛られる正社員にはなりたくなく、自分の都合を重視し、働きたいときに働いて、それなりの収入を得たいと考える人達で、家計の責任者ではない人達です。(ただし現状は、正規で働きたいが正規になれない多くの非正規従業員がいます。これは問題です。)
そして、非正規の人たちは、企業が、「これこれの職務の人募集」という求人広告業を見て職探しをし、賃金の相場は業種・職種や働く時間帯などで、業種や地域のマーケットで決まっています。これはすでに同一労働同一賃金の世界です
というわけで、日本では今、伝統的な新卒一括採用という人間集団としての企業を担う従業員(正規従業員)と特定の職務遂行のために雇用された欧米型の従業員(非正規従業員)が併存しているのです。
長くなるので後は次回にしますが、こうした現状の中で、「同一労働・同一賃金」の意味する所は何で、何を目指して安倍政権は「同一労働同一賃金」をやろうとしているのか、
合理的な説明のできる人は恐らくいないのではないでしょうか。