アメリカで、バイデンさん、トランプさんという大統領候補のテレビでの公開討論がありました。見ていてつくづく感じたのは、これが世界の覇権国の大統領候補の討論でいいのかといった感覚でした。
トランプさんの言っていることは「インフレがアメリカを殺す」といった発言に象徴される様に、理屈も説明もなく、バイデンさんは駄目だという相手のこき下ろしが多すぎますし、バイデンさんの方は、真面目な発言が多いのですが、発言がスムーズでなかったりしたことが大失点と捉えられるといった状態で、流石アメリカの大統領候補と感じるようなものではなかったように思います。
にも拘らず、アメリカではそれでいいようで、討論が終わってみると、アメリカ中がこの討論で先行きが決まるような熱狂ぶりです。有権者自体が、あの相手を攻撃するばかりのような討論に満足していると見受けられます。
アメリカから民主主義を教わった日本の党首討論なども、揚げ足取りは多いものの、も少しまともなものでないと国民が冷めてしまうのではないでしょうか。
日本にとってのアメリカという視点で考えてみますと、こんなアメリカに寄り添っていて日本は進む道を誤るのではないかとういう危惧感がさらに強くなった感じです。
政治の面で、アメリカ行動パターンがどうだったかをし量ってみますと、トランプさん時代には、国内中心で、国際関係にトラブルを起こすようなことが多かったですし、日本にとっては集団的自衛権をOKさせています。
そしてこれはバイデンさんになっても変わりません。CSISのシミュレーションのように、台湾有事の際は日本が参戦しなければアメリカが負けるといった演出までありました。
経済的には万年赤字国のアメリカは日本の貯蓄に大きな関心を持っているようです。アメリが言い出したTPPでは、自由貿易だけは意味がないと、言い出した本人が脱退しています。日本に膨大な防衛予算を組ませ,高価な防衛装備品を大きく値上げしながら買ってもらう事も視野にあるように思われます。
防衛装備品の開発についても日本と共同開発で資金協力を求める姿勢ではないでしょうか。
東日本大震災の時に即座にアメリカの財務長官が、日本は復興のために保有するアメリカ国債を売るようなことはないと発言したことも記憶に残ります。
日本は平和憲法を持って戦後一貫して武器を持ってで人を殺傷することなく、世界の平和維持に努めてきました。
このままアメリカに協力し、行動していくことは、世界に冠たる平和国家の理念の逸脱に行きつくのではないかという懸念は日本国民に強くなっていると思います。
今、日本国民が最も憂慮しているのは台湾有事でしょう。すでに沖縄南西諸島では種々の工事が進行中のようです。
日本は平和国家として等距離外交で、歴史的にも関係の深い中国と理解と親善、経済協力を進める事が日本らしい道ではないでしょうか。
今回のアメリカの大統領選の熱狂は、そうしたヒントを日本に与えることになったのではないでしょうか。