春闘は、政府の関心を持って発言していた集中回答日までの段階を過ぎて、中堅中小の交渉に進んでいる所でしょう。
中小の賃上げにも関心を持っていたはずの政府も、もうインフレ対策にかまけて春闘は忘れられているのでしょうか。
しかし、インフレ問題については、海外物価や円安の影響もありますが、一番影響のあるのは賃上げなのです。
大手だけではなく、賃金コスト総額の高い中小企業の賃上げを含めて、日本経済の賃金コストがどれだけ上がるかが、最も大きいインフレ要因です。
今、アメリカをはじめヨーロッパでも、長らくおとなしかった労働組合が元気を取り戻し、大幅賃上げ要求を掲げてスト戦略も用いながら、賃上げ獲得に一生懸命のようです。
アメリカは既にそうですが、資源価格など国際価格の上昇に上乗せして賃金上昇の「賃金コストプッシュインフレ」が急速に進みつつあるといった様相です。
日本はというと、労組の総本山の連合を見ましても、欧米と違って労使は対立すべきものではなく基本は信頼関係で、労使共通の目的は日本経済、自分たちの産業・企業の発展であるという意識が根付いています。
当然賃上げは取れるだけ取ろうというのではなく「日本経済の実態に見合ったものでなければならない」という「経済合理性」「経済整合性」の意識が働きますから、無闇、無鉄砲な要求はしません。
これは素晴らしい事で、これによって、日本経済は、過度なインフレに陥ることなく、物価の安定を維持してきているのです(特に第二次オイルショック以降)。
結果的に、2011-2021年の10年間の消費者物価の上昇率を見ますと、アメリカ、イギリスは20%、インフレ嫌いのドイツでも15%の上昇ですが、日本は、大幅円安があったにも関わらず5%です。
これでは国際競争力が強くなるわけで、コロナがなければ(日本で買い物をしようと)インバウンドは年々巨大になっていたでしょう。
コロナがなければ、ウクライナ問題が解決すれば、改めて、日本の国際競争力に強さがはっきりしてくるのではないでしょうか。
最近の政府、日銀の政策を見ますと、政府はインフレになると、国民の不満がたまるだろう、ガソリン・灯油が高くなったから何とかしなければ、4月から年金の目減りする高齢者にも何かしなければ、などと迷いに迷う様子です。政府には金はないので、どうせ国民から借金するのです(結局は国民負担)。
日銀は、未だ円安を維持することが大事だというのでしょうか、国債の指値オペも含めて大量買い入れをして長期金利を下げる努力です。
長期金利は下がったようですが、円は逆に高くなっています。
短期の動きは国際投機資本の都合によるのでしょうが、2000兆円の個人金融資産の太宗を占める預貯金、さらに国債、生命保険もゼロ金利で、庶民は「貯金貧乏」(貯金をしても利息が付かないので自分で利息分貯金を積み増すこと)を続けるようです。
コロナや国際関係が落ち着いた暁には、日本の競争力の強さが問題になり、また円高で深刻化する日本経済なんて事にならないように願いたいものです。
こんな事を繰り返していて、何か心配だなと思う人はいないのでしょうか。
中小の賃上げにも関心を持っていたはずの政府も、もうインフレ対策にかまけて春闘は忘れられているのでしょうか。
しかし、インフレ問題については、海外物価や円安の影響もありますが、一番影響のあるのは賃上げなのです。
大手だけではなく、賃金コスト総額の高い中小企業の賃上げを含めて、日本経済の賃金コストがどれだけ上がるかが、最も大きいインフレ要因です。
今、アメリカをはじめヨーロッパでも、長らくおとなしかった労働組合が元気を取り戻し、大幅賃上げ要求を掲げてスト戦略も用いながら、賃上げ獲得に一生懸命のようです。
アメリカは既にそうですが、資源価格など国際価格の上昇に上乗せして賃金上昇の「賃金コストプッシュインフレ」が急速に進みつつあるといった様相です。
日本はというと、労組の総本山の連合を見ましても、欧米と違って労使は対立すべきものではなく基本は信頼関係で、労使共通の目的は日本経済、自分たちの産業・企業の発展であるという意識が根付いています。
当然賃上げは取れるだけ取ろうというのではなく「日本経済の実態に見合ったものでなければならない」という「経済合理性」「経済整合性」の意識が働きますから、無闇、無鉄砲な要求はしません。
これは素晴らしい事で、これによって、日本経済は、過度なインフレに陥ることなく、物価の安定を維持してきているのです(特に第二次オイルショック以降)。
結果的に、2011-2021年の10年間の消費者物価の上昇率を見ますと、アメリカ、イギリスは20%、インフレ嫌いのドイツでも15%の上昇ですが、日本は、大幅円安があったにも関わらず5%です。
これでは国際競争力が強くなるわけで、コロナがなければ(日本で買い物をしようと)インバウンドは年々巨大になっていたでしょう。
コロナがなければ、ウクライナ問題が解決すれば、改めて、日本の国際競争力に強さがはっきりしてくるのではないでしょうか。
最近の政府、日銀の政策を見ますと、政府はインフレになると、国民の不満がたまるだろう、ガソリン・灯油が高くなったから何とかしなければ、4月から年金の目減りする高齢者にも何かしなければ、などと迷いに迷う様子です。政府には金はないので、どうせ国民から借金するのです(結局は国民負担)。
日銀は、未だ円安を維持することが大事だというのでしょうか、国債の指値オペも含めて大量買い入れをして長期金利を下げる努力です。
長期金利は下がったようですが、円は逆に高くなっています。
短期の動きは国際投機資本の都合によるのでしょうが、2000兆円の個人金融資産の太宗を占める預貯金、さらに国債、生命保険もゼロ金利で、庶民は「貯金貧乏」(貯金をしても利息が付かないので自分で利息分貯金を積み増すこと)を続けるようです。
コロナや国際関係が落ち着いた暁には、日本の競争力の強さが問題になり、また円高で深刻化する日本経済なんて事にならないように願いたいものです。
こんな事を繰り返していて、何か心配だなと思う人はいないのでしょうか。