tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2025年、日本の再生に動き出す年

2025年01月01日 14時42分02秒 | 政治経済

「明け2025年、日本の再生に動き出す年ましてお芽出とう御座います。」

今日も晴天で、いい元日になりました。今年は、今日の天気の様な晴れやかな年になってほしいと思っています。

ほぼ30年の雌伏の時期を経て、昨年は日本にとって、何か新しい動きが見えて来た年でした。今年は何とか、その新しい芽を育て、日本の再生が動き出す年になればと思っています。

年頭に、3つほど、大きな問題を上げておきたいと思います。

第一は、国際関係、外交の問題です。新年早々アメリカではトランプさんの大統領就任があります。その前か後か解りませんが多分、石破総理の訪米、トランプさんとの首脳会談があるのでしょう。

アメリカは日本を再び戦争をする国にしたいと思っているのでしょう。これはトランプさんでなくてもそうです。

日本国民の殆んどは、日本は戦争しない国でなければならないと思っています。

この問題は日本にとっては、その歴史上の最重要な問題です。しかし、アメリカにとっては国際関係の中での便宜的な問題でしょう。

この問題での動きが(公式か密約か)、あるかどうかです。あった場合、石破さんは如何なる態度を示すのでしょうか。

第二は、経済で、長期不況からの脱出の問題です。消費不況脱出の鍵は「賃金決定」にあるようです。年が明ければ春闘です。連合要求は、昨年と同じ5%以上ですが。中小は6%という格差解消への方針を明確にしました。単産レベルでは定昇込みではなくベースアップ表示での実額要求が多くなって来ています。

一方、企業サイドで既に7%の賃金上昇を発表するところが出てくるという、労使関係としては新たな問題も見えています。

第三は政治問題です。自民党一強多弱額と言われる状況が、昨年に至って、自民党の驕りから崩壊しました。

今年は、多弱と言われた野党サイドが、正面から自民に対抗できる組織の再編を進められるのかが焦点でしょう。

嘗ての労働4団体が連合に統一したという実績を持つ連合も動くのでしょうか。

今年は色々なことが起こりそうです。経済面の数字の動きとともに、そうした動きも追っていきたいと思っています。

本年も、何卒宜しく申し上げる次第です。


「曲がり角」の年、上手に曲がれたかな

2024年12月31日 21時53分03秒 | 政治経済

2024年も今日で終わりです。今年は日本も曲がり角に来たようです。上手く曲り切れるかどうか、上手く曲がりたいものです。

戦後の混乱から立ち上がった日本は1980年代までは順調に世界も驚く成長発展を見せましたが、1990年代からは絶不調に陥り20年余りの長期不況に陥りました。

2010年代に入り,この絶不調からの脱出のチャンスがありましたが、幸福の女神の前髪を掴むことに失敗し、2020年代半ばまで残念ながら長期不況を抜け出していません。

ただし、この1年を振り返ってみますと、我慢強くておとなしい日本人も、いよいよ本気で、路線転換の高速ランプに踏み出したようです。

この方向転換は、国際環境や外国からの影響によるものではなく、日本自体が自分から始めた動きの様なので、大変力強く感じるところです。

踏み出した分野は国にとっての最も基本的な問題である「政治」と「経済」です。

経済の方が早く、これは春闘です。昨年からその蠢動はあったのですが、今年に入って33年ぶりの大幅賃上げが実現しました。残念ながらそれでもまだ実質賃金上昇の「気配」程度の状態です。

政治の方は自民党政権のカネをめぐる醜態が世論の大きな批判を呼び、過日の総選挙で、自公連立政権は衆院で過半数を失うという結果です。残念ながら野党の足並みが揃わない事から首班指名は自民党になりましたが、今後の国会運営における野党の影響力は大きく増すことになるようです。

この2つは別々の事象ですが、賃金問題は、経済成長、税制、税収、年金、社会保障問題など政治面と複雑に絡み合っています。

経済問題は政治問題に絡み、金融政策にも絡みます。金融政策は当然外交問題に絡んでくるでしょう。

今年始まった曲がり角のハンドル操作は来年に続きます。政党も労使も、自分のことよりも、日本全体、国民の目指す所に敏感にならざるを得ないでしょう。

来年は高速のランプのカーブを上手に回って高速の本線にスムーズに乗っていきたいと思っています。


自・公・国、この期に及んでまだバラマキ

2024年11月23日 16時00分31秒 | 政治経済

自公が国民民主党を抱え込み103万円の壁はなんとか崩すという事で、合意を取り付け、13.9兆円という今年度予算の補正予算を組んで、日本経済に何とかテコ入れをしようという閣議決定を行いました。

これに財政投融資や特別会計を入れれば23兆円、それが呼び水で、それを契機に民間が使うお金を入れれば39兆円になるのだそうです。

日本の名目GDPは、政府経済見通しによれば、昨年度597兆円で、今年は3%成長という事になっています。一方実質成長率は1.3%でその差の1.7%分はインフレ率という事になります。

所が実質成長率は、毎四半期紹介していますが7-9月期は年率実質0.9%成長で低下傾向、今年度は1%行かない可能性もと政府は恐れているようです。

気持ちは解りますが、本当に日本経済のことを考えるならば、四半期統計を気にするのではなく3年5年先を見据えての政治・経済一体改革を考えるべきでしょう。 

所で補正予算の中身を見てみれば、当面のバラマキ中心の近視眼政策ばかりです。

並んでいるものを順にあげれば、低所得世帯向けの給付金3万円、やったりやめたりの電気・ガス代補助金を来年1-3月以降も継続、新しい地方経済生活環境創生交付金のを創設、(そのあとの能登半島の災害復旧・復興は当然のもの、「闇バイト」対策に至っては経済対策ではないですね)。

低所得世帯向けの給付金に子供1人2万円を上乗せするなどというのは、まさにバラマキで、政権の気休めでしょう。本来、疾うに、格差解消、消費支出促進といった長期的経済政策でやるべきことです。短期ツギハギの繰り返しの効果は実証されていません。

今やっている定額減税にしても、それで7-9月の消費が増えたなどという自画自賛もありますが、各家庭に聞けば増えたとすればそれは6-7月のボーナスが大幅に増えたからで、それでもうちは倹約して出来るだけ貯金に回しているのですよ」と答えるでしょう。その様子はこのところ平均消費性向が低下傾向にある事からも明らかです。

地方経済・生活環境創生交付金は中身は解りませんが、103万円の壁見直しで大変な地方財政のためのバラマキの様にしか見えません。

103万円の壁問題はどいなっているのかと見ますと「何とかしましょう」という合意で国民民主党を納得させているようですが、何処かに書いてあったように「では104

万円で」と言ったら3党合意は空中分解でしょう。

この問題こそ「政治と社会保障と税制」の一体改革の本命でしょう。

国民民主党の言う「手取りの増加」は、税・社会保障の一体改革,特に所得税累進度の見直しなしには恒久的なものにはならないでしょう。

もう一つガソリン税については、トリガー条項の様な対策は、害あって益なしです。石油の値上がりは、国として、省エネ・再エネの努力で克服すべき問題です。小さな親切は、長い眼で見れば大きな迷惑なのです。

野党の意見でも、バラマキに類するものは、かなりあります。選挙対策も必要でしょうが、毅然として理を説くのが野党でしょう。本当に日本経済を強くしたいのであれば、春闘の賃上げをもう少し高くして、その分をその年の生産性向上努力で乗り越えるという嘗ての日本経済の真面目で力強い姿を取り戻すために、政府、労使は何ができるかを、例えば、かつての「産労懇」の様な頻繁なコミュニケーションと、そこから生まれる相互信頼の中で、絶えず考えていくことでしょう。


「レベニュー・ニュートラル」を思い出そう

2024年11月21日 15時34分09秒 | 政治経済

「レベニュー・ニュートラル」を思い出そう

前回は、アメリカの今後4年間のトランプ時代を考えると、今の日本にとって本気の「政治・経済の一体改革」が必要だという問題を提起したつもりですが「そんな事は疾うに解っているよ」と言われそうです。

「解っている」と言われる方が多いのは心強いものです。そこで皆様と一緒にその中身にもう少し入ってみようと思います。

自公の絶対多数がなくなって、与党の「決める政治」はなくなるのでしょう。野党の合意がないものは成立しません。当然与党も野党の共に責任を持つわけですから、国会決議の内容は良くなるでしょう。

政治はそれだけでも大きな進歩です。では、経済政策の中身はと言いますと、野党にもポピュリズムに陥っている部分もあるように思いますので、一番大事と思われる事だけでも書いておきたいと思います。

国会は、国家予算の規模とその配分の内容を決めることが出来ます。この権利を利用して、今まで絶対多数の与党は、国民が今日喜びそうなバラマキをやってきました。

コロナの時の1人10万円を筆頭に、種々の給付金補助金、今回も定額減税をやっていていますし、法人税では2012年から2018年に4回も減税をやっています。

それぞれに事情があってですが、減税は結局は国債が頼りで、国の国民への借金が増えるばかりです。まさに朝三暮四の好例の様なものでしょう。

毎年当初予算は「抑えて、抑えて」と言うのですが、新年度が始まるとすぐに補正予算をと言って、野党も賛成という事もあります。本当の問題は決算です。

そういえばこの頃「レベニュー・ニュートラル」ということばをあまり聞きません。MMT(モダン貨幣理論)などというのが一時はやって、いくら赤字財政をやっても大丈夫などという学者もいたのでその影響を受けたのでしょうか。

「レベニュー・ニュートラル」というのは税制を変えても歳入は増えないという意味で、減税の時はその財源は何らかの増税で差し引きチャラにするという考え方です。

日本でも最初に消費税を導入するときいは、この考え方を大事にし、年末調整の際に、消費税増税の分は所得税の減税で賄われている事を源泉徴収票に減税額を表示して国民の理解を得よという議論があり、実行されたと記憶します。

レべニュー・ニュートラルであれば国民の税負担総額は増えないわけで、これを経済成長分は増えてもいいとすれば、プライマリー・バランスと同じ思想になります。

政府の財政規模を無暗に増やさないという考え方は、自由経済の基本でしょう。

家計の消費支出を増やすのには、一時的な給付金や補助金などは、殆んど効果はなく、政府がやるなら恒久的な減税、最も望ましいのは賃金水準の上昇だという事は経験的に明白です。

こうした考え方を与野党は十分理解し、労使を経済活動の主役として活発な消費と投資を生み出すような環境条件を整えなければならないのです。アカデミアにはその理論的な背景についての国民の啓発を期待します。

与野党も労使も、それぞれ役割は違い、徹底した論争は必要ですが、最終目標は共通でなければならないでしょう。


今年から来年、日本は変わるか

2024年09月24日 13時32分30秒 | 政治経済

今年から来年にかけて、日本は変わるでしょうか。政治的にも経済的にもじり貧が進行するだけで、世界の中で、自らの位置をどんどん落としていくというこの10年に息が詰まってきた日本人が、大きく深呼吸して、さてこれからは前を向いて進む日本に生まれ変わるかが試されているような気がします。

プラザ合意とリーマンショックによる円高で、コストカットに精も根も尽き果てた日本が息を吹き返すチャンスは10年前に1度あったのです。

日銀の異次元金融緩和政策で「円高の桎梏」から脱出、当時の政府日銀の皮算用では2年ほどで日本経済はデフレ経済から2%程度の軽いインフレ経済に転じ、経済成長を取り戻せるはずだったのです。

アベノミクスという掛け声に多くの国民はそれを期待しました。しかし期待に反したことは皆さんのご経験の通りです。

なぜ失敗したのでしょうか。分析や説明はいろいろあります。このブログでもいろいろ書いてきました。

企業の経営は経営者、経営陣によって決まります。国を経営するのは政権者です。国の盛衰は政権者(内閣)によって決まる事になります。

政権者、政権党が、本気で国の持つ経営資源「人」「モノ」「カネ」「技術」「意欲」といったものを最大限に生かそうという気概を持った時、国は間違いなく発展するでしょう。

しかし、この10年、政権者、政権党にはそれが出来ませんでした。まず掲げたのは「決める政治」というスローガンでした。

全ては政権が決めようという姿勢では政権者の知恵が限界です。そして実態を見ていきますとその活動の原点は「政権党による長期政権の維持」が最大の目的だったのです。

安倍政権はそのためにルールを変更してまで総裁3選に固執しました。3選は成功しましたが結末は予想外の出来事で、あとは混乱です。

具体的な政策の方向は基本的にアメリカ追随でした。カジノ、働き方改革から集団的自衛権までです。日本は「戦争をしない国」ではなくなってしまいました。

こうした中でゼロ近傍の経済成長は続き経済力の順位は落ち、先端産業の発展は遅れ、貿易収支は赤字が目立つようになっています。若者は、親の代の生活は出来ないと嘆き、出生率は低下です。 

こうした国の状態はこれ以上続けられないというのが、今の日本国民の本音ではないでしょうか。

折しも、主要政党のリーダー選びのさなかです。いずれ、総選挙ということになるといわれています。

最近の総選挙の投票率は、50%は維持していますが、もう少し、国民は残念な現状を認識して、日本人本来の真面目さ、真剣に努力する態度を取り戻さなければならないのではないでしょうか。

これから来年にかけて、日本人は本気を取り戻し、日本の再建に取り組む必要があるように強く感じています。


GDP統計に騙されるな

2023年07月18日 12時05分08秒 | 政治経済
景気回復のせいか、それとも物価上昇のせいか、税収が増えているようです。

赤字財政続きで、財政再建の可能性がどんどん遠退いて絶望的になるような状況の中で、先ず防衛費を大幅に増やし、さらにその上に財源の見通しのないままに異次元の少子化対策を打ち出すと公約している岸田政権です。

理由は何であれ、税収が増えることは大変ありがたい事でしょう。
先ず税収増の半分は防衛費に、とかいろいろ算段を始めているようですが、国民は誰も巨大な防衛費の積み上げなど希望していないのに、何故そうなってしまうのでしょうか。

国民の希望としてはまず「異次元」という掛け声の少子化対策に使ってほしいし、高齢者は、介護などエッセンシャルワーカーの待遇改善を高齢者の拠出で賄うなどという「たこ足」政策の解消にというところでしょう。

それなのに先ず「防衛費」というのは、一体誰の希望なのでしょうか。防衛予算を増やして一番喜ぶのはアメリカだそうですから、アメリカに言われてか、アメリカの御意向を忖度してか、そのいずれにしても、国民よりアメリカという事だと考えてしまいます。

カジノもトランプさんから言われて、3か所作ろうということなったという情報はアメリカから漏れて来たとのことでしたが、カジノに賛成する国民は限られています。

ところで防衛費ですが、以前のGDP統計では戦闘機や戦艦や戦車の購入代金は「消費」に計上されていたのですが、今は「投資」に計上されるようです。

投資というのは、経済学では「労働生産性向上」に役立つものという意味を持っているはずで、ですから「労働生産性」は「資本装備率」に比例する、などと言われます。

F16戦闘機やイージス艦を装備すれば、日本の労働生産性が上がって賃金引き上げの原資が増えるのでしょうか。
戦争がなくて使わずに置いておくだけでは膨大な維持費がかかるだけで、労働生産性にはマイナスでしょう。

では、使えばいいのかと言いますと、使うのは戦争をすることですから、生産性が上がって人件費の原資が出来るかどうかは、今のウクライナの現実を見れば、巨大な経済的マイナス、加えて人命の毀損を生むだけだという事は明らかです。

防衛装備品を投資に計上するというのは、経済学の定義から逸脱した誤りでしょう。
今後防衛予算の巨大な積み上げが行われれば、それは内閣府が発表するGDP統計のかさ上げになるでしょう、数字の上では「日本経済が成長した」ように見えるかもしれません。

しかしそれが日本経済の成長の原動力になる「投資」であるとは、誰がどう考えても合理的な説明は出来ないものでしょう。

そしてそれを本当に活用する日が来たら、日本国土の一部か全土に、人命の損傷も加えて、壊滅的な影響を齎すことは必定でしょう。

これからの国民経済計算には騙されないようにしましょう。

すれ違う政治と経済、日本は何処へ行くのか

2023年05月24日 22時06分04秒 | 政治経済
この所日本経済は何となく回復に向かうと見ている人が多くなってきているようです。

勿論、日本人の多くが、そんな感覚を持ち始めているようで、企業活動も活発な動きを見せるところが多くなってきていますし、消費者も(コロナ鎮静化もあり)日常生活の活発化を志向している様子も見えています。

海外も日本経済について、これからは少し変わるのではないかと見ているようです。日本株買いもその表れかもしれませんが、ハイテク企業の対日投資や、不動産買いもあるようです。勿論、観光客の増加はこの先も一層活発化が予想されています。

かつて世界第2の経済大国に成長した日本経済が、プラザ合意による円高以来30年に及ぶ低迷期を過ごしてきましたが、海外も、このまま衰退していくとは見ていないという事もあるのでしょうか。

折しも輸入物価の高騰、内需の活発化などが日本を貿易赤字国に変え、その結果の円安という新しい環境が、プラザ合意やリーマンショックによる円高と逆な国際経済環境を作り出してくれたことも大きいでしょう。

国内的にはまだまだ問題の多い日本経済ですが、大学発ベンチャーの盛況や、企業の国内回帰なども含めて、日本経済も少し変わりそうという感じはこれからも強くなるのではないでしょうか。

こうした(思わざる?)環境変化による日本経済再活性化の動きを、日本の政治が上手く活用していければ大変結構ですが、どうもその点が些か心配になるところです。

というのは、最近の日本の政治情勢を見ますと、国民が日本の政治そのものを、何か見限っている 節があるように見られるからです。

典型的な状況はこんなところに出ているのではないでしょうか。
国民の大多数が、選挙をすれば自民党が勝つと思っています。例えば、野党はオレがオレがで乱立し、どう考えても政権など取れそうにないという意見に代表されます。

選挙で、変わった事をいう人がいると、面白がってその人に投票し(ガーシーさん)、結果は周知のとおりという、真面目に選挙をしているのかと問いたくなるような「民主主義」の使い方をしていたり、投票率は次第に下がって来ていたりが現状です。

国民が政治に本気で期待しなくなって来ている様では、民主主義は成立しません。日本の民主主義はかなり深刻な病気のようです。
国民が政治に本気で期待していないというのは、矢張り国民が悪いというより、政府
が十分に責任を果たしていないという事でしょうか。

ロン・ヤスの日米関係の中でプラザ合意を飲まされたり、リーマンショックで経済破滅の淵に立たされたり、近くはアメリカとの集団的自衛権をOKし、中國との対立を激化させたリ、アメリカ依存は本当に日本国民の意思で、国民のためでしょうか。

プラザ合意がその30年の日本経済低迷のきっかけになりましたが、集団的自衛権は、これからの日本に何を齎すのでしょうか。

政治と経済の関係がちぐはぐでなく、整合的に組み合わせられるようになることを国民は望んでいるのではないでしょうか。

「好事、魔多し」 いま、経済が良くなりそうな気配の中で,日本国民は十分に注意して今後を考える必要があるように思います。

経済復活のチャンスを逃がす日本

2023年05月16日 13時53分23秒 | 政治経済
東証平均が連日の高値です。玄人筋から素人まで、「もうは未だなり」、先ずは日経平均が3万円を超えるまで、などと考えているのではないでしょうか。

GPIFを始めそういう方々には大いに儲けて、日本経済の活性化の貢献してくれればと思ったりして、当方は横目で眺めています。

東証が盛況なのはウォーレン・バフェットさんが「日本株に投資する」といったからだけ
ではないでしょう。

・アメリカの金利高が予測される、日本の貿易収支が赤字続きになり、経常収支も黒字が大幅減といったところから$1=130円台の円安が続きそう。

・コロナが終息の様相で、長らく停滞していた個人消費が、インフレの中でも伸びているのに加えて、インバウンドが改めて増加が確実な情勢で、日本中の街に賑わいが戻って来ている。

・インバウンドが広告塔の役割をしてくれているのか、日本食が世界遺産に指定されたからか、世界で日本食ブームが起き、日本の農畜産物、調味料、飲料などが世界で大人気。

・地球環境問題、それに絡むエネルギー革命が進展、関連の技術革新が広範囲な技術革新の波を起こし、電機自動車、燃料電池車、水素自動車といった多様な自動車が競い合う状況が続きそう。

・それに関連して蓄電池や水素、アンモニアによる電力貯蔵技術の多様化、その貯蔵や運搬技術の高度化要請。

・更に進んで、CO2の資源化、CO2からメタンを作るメタネーション、CO2からプラスチックや蛋白質を作る水素菌の活用技術。
などなど、世界中が新技術の開発に鎬を削る様相は、ますます熾烈になっています。

こうした技術開発には、膨大なおカネと人的資源(ヒトの力と頭脳)が必要になりますが、それを助ける多様なロボット進歩、更に加えて生成AIという新しい技術開発分野が、脚光を浴びています。

こうしたものの中には、日本がかなり先行しているものもあり、日本人の行動様式や思考方法が適しているものもあるようです。

これだけ並べてみても、30年来の経済低迷の果てに、経済も社会も、世界の中で大幅に後れを取った日本が、起死回生のキッカケをつかむチャンスが、選り取り見取りで並んでいるように見えます。 

今こそ日本経済再活性化のために、総力を挙げて得意分野を中心に持てる生産資源(資本と人間)の積極大量投入が必要という時期が来ているという認識は、官民挙げて持っていると思っていました。

ところが残念ながら、現政権は、持てる余裕資本のほとんどを、税外収入や国有財産売却なども含めて、洗いざらい外国から防衛装備品の購入などに使うとのことです。

長らく問題になっている少子化対策などについては、カラになった財布を振りかざし「誰かこの中にお金を入れてくださいませんか」というばかりです。

この絶好のチャンスに気がついていないのでしょうか、気が付いているのなら、トップ会談もあるようですし、今からでも遅くないですから、「やっぱり日本はこちらの道を選ばないと国民が納得しないので」という説明を必要な相手に確りやって欲しいと思っています。

ドイツ、原発全ての廃止を決定

2023年04月17日 15時58分17秒 | 政治経済
ドイツは思い切りましたね。
世論調査では原発全廃には反対という意見の方が多いというのに、メルケルさんの方針の原発全廃を今の時点で実行しようと政府が判断したのです。
このドイツの勇断に対する、評価が、世界でも、また日本においても、あまり大きなものでない事に、何となく違和感を持ちます。

EUの電力ネットを持つドイツと日本は、いろいろ違うでしょう。ウクライナ問題で、ロシアのLNG供給が大事か、戦争と原発といった問題の判断をどうするか、などなど多様な要素を全て考えに入れながら、最終的判断に至ったのでしょう。

そして、結局、核分裂を利用した発電は、核廃棄物の際限のない拡大を齎し、人類社会の将来に禍根を残すという「核分裂利用は人類の誤り」という基本命題に忠実な結論に到達したのです。
この判断が「正」か「誤」かを決めるのはこれからの歴史でしょう。

些か話が逸れ、性質は全く違う問題ですが、この判断は、戦後、日本が「戦争放棄」を宣言したのと似ているような気がしてなりません。

そんなことを決めても通るはずはない「誰かにお世話になるだけ」と言われても、人類社会の将来を考えれば、「国際問題の戦争による解決は人類の誤り」という基本命題に忠実な判断を選んだことと共通点を感じるのです。

日本も今、「不戦」を守りきるかという問題で、ギリギリの状況に直面していますが、ドイツも、これから、原発無しで国民生活を安定させ、ドイツ経済社会の着実な発展のためのエネルギーを如何に確保するかという困難に直面するでしょう。

日本の問題は、ここでは論じませんが、ドイツはすでに再生可能エネルギーで40%以上を賄うところまで達しており、ロシアとの問題はあるにしても、多様な形でのLNGの確保、それに、いざという時には、豊富な石炭資源の活用は可能です。

恐らく、石炭にしても、従来の単純に石炭を燃やすのではなく、石炭のガス化、更にはCO2のメタネーションによるメタンガスの生成技術などの開発に総力を挙げるのではないでしょうか。

フォルクスワーゲンが完全EV化からエンジン技術を残す方針に転換、EUがハイブリッド車を認めたことも、日本ではトヨタ有利と報道されましたが、今後のメタネーション技術の進展を考慮したのではないかと思われます。

ドイツの原発全停止についてのマスコミの論調や種々の意見や書き込みの中にも、太陽光発電、風力、火力などの問題点を指摘し、原発全廃に批判的なものも見られます。
然し、メタネーションなどCO2の資源化の可能性についてはほとんど触れていません。

こうした新技術の今後や、火山国日本では地熱発電など、あらゆる努力を傾注しても、核分裂を利用して際限なく増え続ける核廃棄物の処理に行き詰まることを出来るだけ早期に終わらせることは、人類社会にとってにとって大変重要なことでしょう。

その問題意識から見れば、原発全廃に踏み切ったドイツの英断を、世界がもう少し評価し、、日本も日本なりの努力を嵩ね,核のゴミはこれ以上増えないという安心感を、世界の齎すことの重要性をより大切に考えたいと思う所です。

国民の力による経済回復を考える

2022年01月25日 17時40分36秒 | 政治経済

国会が始まりました予算委員会の質疑が毎日、予算をどう編成しどう使えば日本経済が良くなるか議論をしているのでしょう。

このブログでも、前々回「日本の経済回復を本音で考えよう」、前回「消費より貯蓄の心理学」という事で、国会の空中戦と違って、国民の意識と力で日本経済を成長経済に持っていく方法を検討しています。

というのは、今の岸田政権は財政再建も考えているようですが、自民党の中にも、もちろん野党の中でも、政府が赤字財政など気にせず国債をどんどん発行し景気テコ入れをする事こそ景気振興策という意見が強いのです。

政府がカネを使うと言っても、それは国民が貯蓄している2000兆円近い貯蓄(前回参照)を当てにしてわけで、国民が無駄遣いしないで貯蓄しているお金を政府が借りていろいろ無駄遣いしているという事になっているようです。

政府が国民の貯蓄をみんな借りてしまったら、後は外国から借金するしかないのですが、外国からの借金は利息も高いし、もし利払いや返済が滞ったら、たちどころに円も日本国債も暴落、MMTなんて嘘理論という事になるのでしょう。

ここで問題にするべきは、現状では政府が借りようとしている国民の貯蓄を「国が借りて使うのがいいのか」、それとも、「国民が自分で取り崩して使った方がいいのか」という問題です。

まず、政府が使うのと、国民が使うのとどちらが経済効果が大きいかの問題です。
これは政府が予算を何に使うかによります。現実は国債残高が増えるばかりで、経済は殆ど成長していません。結局、役に立つ使い方をしていないという事でしょう。

それならこの辺りで選手交代で、国民が自分でカネを使う、つまり国民の力で個人消費を増やしてみるのはどうでしょうか。

政府は当てにならない、ならばコロナ後を目指して、今から専門の学界も経済界も、企業労使も、一般国民も、本気で、国民の力でやる経済回復策のブレーンストーミングをやったらどうでしょうか。

今のコロナ、オミクロン株の猖獗の状況の中では具体策の試行や実行は無理でも、コロナの終息とともに現実の問題になるのですから、今からその準備です。

今やるべきことは、コロナ対策に最大限の投資を行う事でしょう。ワクチン、治療薬の国産化、これにはかなりのカネがかかるでしょう、しかしそれは今こそやるべき事です。経済回復への「条件整備」ですから。

このブログでは随分以前から「10万円消費拡大運動」とか、カネでなく「頭を使った経済政策」とか、「国民のやるケインズ政策」とか、消費拡大策の提言をしてきています。

大事なことは、前回も指摘しましたが、日本人の心理状態を、かつての日本のように「将来は明るい」に変えていく事が必須と考えられますし、それには国民が納得してやる気になり、実行し、そしてその成果を実感することが必要でしょう。

国民が意識を変えることが最も大事ですが、そのためには、もちろん政府の役割もあります。
政府の役割は、国民がそうした意識改革や行動をやる気になるようなルール作りや環境整備を地道に適切にやることです。

政府は自分がプレーヤーでなく、国民こそがプレーヤーだという事をしっかり理解することが、今は一番大事なことのようです。

今年も有難うございました、来年も何卒宜しく

2021年12月31日 11時12分12秒 | 政治経済

今年も tnlabo's blog に多くの方にお立ち寄り頂きました。有難うございました。来年もまたお立ち寄り頂ければ幸甚です。

結局、持越しとなってしまった重要問題が多いですが、まず第一は新型コロナで、オミクロン変異株がどんな展開になるかでしょう。
感染力は強いが、症状は比較的軽いという見方が多くなってきたようですが、これは、ウィルスのことだけに予測がつきません。
勝負は対抗する医薬品の開発という事になるのでしょう。日本の研究機関、関連業界にも期待したところです。

意味合いは全く変わりますが、2つ目は岸田政権への期待です。安倍、菅政権下で日本はいろいろな面で劣化しました。
日本社会が、真面目で、嘘偽りのない、誠意に満ち、潔い社会を取り戻すためには、岸田政権が、安倍・菅ラインと決別しなければならないでしょう。より多くの国民の社会正義への誤りない志向がそれを支えることが必要のようです。

3つ目は、世界における専制主義化、独裁政治への動きの抑止がどこまで力を持てるかでしょう。
習近平の歳と共に強まる独善と独裁志向、それに刺激を受けたのか、しゃにむに独裁制と領土拡大を進めようとするプーチン。この2人の大国のリーダーの暴走の懸念は大です。それを止めるのはそれぞれの国の国民か、国連の努力か、世界人類の意思か、世界を巻き込む騒乱の発生をいかに防止するか、人類社会の大きな課題でしょう。

その他こうした大きな問題の派生現象は、残念ながら、内外ともに沢山あります。
2022年も、このブログは、何とかこうした問題を追いかけ、みな様とともに喜んだリ、ゴマメの歯ぎしりをしたり、嘆いたりしながら、出来るだけ真面目に、辛抱強く、続けていきたいと思っています。

来年もまた、時々お立ち寄りくださいますよう、宜しくお願い申し上げます。

日本人の貯蓄行動と国会の議論

2021年12月28日 10時56分58秒 | 政治経済
オミクロン変異株による新規感染者増加、いわゆる第6波が心配されていますが、確かにこの所、東京の感染者などもじりじり増えてくるような気配が感じられます。

今日のテーマは、その感染拡大の懸念もそうですが、そうした問題に対する政府の政策と財政問題、更には日本経済の今後の全般にかかわる問題です。

岸田総理は、財政の健全化という意識の持つ重要性を理解しておられるようですが、国民の生活を預かる国会の、今までの議論では、問題が起こると安易におカネをばらまくことで対応するといった意識が、与野党ともに強いような気がしています。

これまでも随分バラマキに対する賛否が論じられてきていますが、こうした問題は矢張りしっかりしたデータを集め、過去のデータを参考にして賢く、正確に判断することが必要なようです。
そうしないと、折角効果的な政策を打ったつもりが、全く見当違いで、財政出動が無駄になってしまうからです。

下に2つのグラフを出しました。1つはこのブログで過去に掲載したもので、2020年の国民1人10万円という給付金のかなりの部分が貯蓄に回っていることを示唆するグラフです。
もう一つは、2020年のGDP統計がまとまりその中にある2020年度に家計の貯蓄が著増しているというグラフです。(内閣府も給付金の効果も、と説明したようです)

  2020年の可処分所得と消費支出   

 総務省「家計調査」:2人以上勤労者所帯)

  アベノミクス期の貯蓄率の推移

       (内閣府:国民経済計算)

上のグラフは家計調査の2人以上勤労者所帯のもので、下のグラフは内閣府が推計している自営業を含む家計全体の貯蓄率を示しています。

勤労者の場合と、自営業を含む全家計の場合ではベースが違いますから貯蓄率の水準は違います。しかしそれぞれ2020年(GDPレベル)と、2020 年の給付金支給時期が突出しています。
 
ここから見えてくることは、国民が困っているから給付金という思考は、単なる思い込みで、多くの国民は使わないで貯金しているという現実ではないでしょうか。
本当に困っている人は少数で、均等にばらまくと、財政負担は大きいが、効果は小さいことが見えてくるようです。

このブログでは、今の日本の家計が消費を増やさないのはカネがないからではなくて、お金があっても、あるいは、お金のある人ほど使わない行動が問題で問題で、政治家は(国会は)、なぜ「お金があっても使わないのか」を考えないと、国の将来のために大切な視点や判断がきちんと出来ていないということになるのではないでしょうか。

次の通常国会では、政治家としての議論のレベルを1段も2段も上げてほしいと思う所です。 






社会・経済の関係でいろいろな事が起きています

2021年10月11日 22時39分20秒 | 政治経済
①コロナの新規感染者が異常なほど急速に減少しています・
ついこの間、東京では1日5000人などという日が続いたのですが、今日は49人とか。確かにワクチンはかなり普及してきたことはあるでしょうが、第6波も心配さる中で、ここまで減ることは専門家の方々でも予想外といった声が聞かれます。

このところ、人流は急速に回復しています。その影響がいつ出るかと心配する人も多いようですが、この状態が本当に続くのでしょうか。それにしても、この驚くほどの感染者減少の本当の理由はいつ頃解るのでしょうか。

②円安が急速に進んでいます。
アメリカの利上げが現実になるということでドルが買われ、金融の異次元緩和の政策は当面変えるつもりはないという日本の円が安くなるというのは理論通りですが、ドル高はアメリカにとっては、それなりの不都合があるのでしょうから、アメリカは何か手を打って来るのでしょうか。イエレン財務長官の胸の内は・・・。

円安になれば株が上がって結構という意見は当然あるでしょうが、アメリカの出方次第でどうなるか 不安ですし、株が上がっても格差社会が深刻化するだけだという意見もあります。

③法人税の最低15%はコンセンサスになりつつあるようですが。日本の新政権は当面これには触れないとのことです。
日本の法人税率はアベノミクスでちびちび下げて23.2%という半端な数字(基本税率)になっています。

タックスヘイブンへの誘惑はいつの世にも存在しますが、日本は真面目に35%などという高い法人税率にしてきていました。人気取り政策で下げてみても、下げた時は有り難くても、それで経済が回っていくうちにそれなりのバランスになり、またもっと下げて欲しいということになるのだから、多少水準は高くてもそれを織り込んだバランスにしていく方が健全との意見でしょうか。

④最近ガソリンが高いですが、鉄鋼などの原材料をはじめ、食生活に関わる小麦や大豆の値上がりで、加工食品などの一斉値上げがあります。
消費者物価指数が上がるほどの影響が出るのかどうか、これからの動きを見ないと解りませんが、今までほとんど上がらなかった消費者物価が上がってくると、賃金をどうするのか、ゼロ金利でいいのかといった問題が起きそうです。政府や日銀それに連合はどうするのでしょうか、何か怪しげな経済状態に要注意でしょう。


来年にかけての(勝手な)ロードマップ

2021年06月05日 22時53分36秒 | 政治経済
来年にかけての(勝手な)ロードマップ
 今年ももう6月に入りました。
 もうすぐ今年も前半終了、東京五輪をはじめ、あらゆるごたごたを抱えながら、ワクチン、ワクチンと言っているうちに夏、秋、冬、年越し、そして来年になるのでしょう。

 ここへ来て、菅政権とコロナ禍の相性の悪さも、次第に調整されてきているようで、ワクチン接種も1日50万回ほどになり、3か月で5000万回、6ヶ月で1億回以上になれば、対コロナも先が見えてくるのではないでしょうか。

 五輪での混乱はあるでしょうが、今から卓袱台返しはなさそうですし、国も都もアスリート中心の最小限の方向を模索しているようで、アスリートも、観客はいなくても世界中がテレビで見ているとは解っていて、観客代表も、発言する相手もテレビカメラという状況にも慣れてくるようですし、それなりに納まるところに納まるのでしょう。

 政権も、コロナ対策はワクチンだという事がやっと解り、日本を世界のワクチン開発の拠点に、などと言い出し、それに倣ったのか、日本をもう一度半導体先進国にしようと経産省が言い出したり,選挙対策のスローガンも見えてくるようですが、モリ・カケ・サクラよりは、この方がましでしょう。

 何はともあれ、今の社会経済の活動の落ち込みは、コロナウィルスのせいなのですからその征圧が見えてくれば、低迷していた社会経済活動も、様変わりに元気を取り戻すだろうと見るのは至って自然のように思われます。

 五輪のごたごたが多少のブレーキになる可能性や、選挙の結果がどうなるかという事もそれなりの影響はあるでしょうが、なんといっても、一番大きいのは、コロナによってもたらされた社会経済活動の抑制から解き放たれることが見えてくる段階で、世界もそうでしょうし、日本も世の雰囲気が中が変わってくるのではないでしょうか。黙っていても民間(国民)は頑張ります。

 呑み会がOKになるだけで、GDPも1%くらい伸びるかもしれませんし、まず国内旅行、そして海外旅行もご自由にとなるなるなど、社会経済活動が正常化するプロセスは、そのまま順調な経済成長のプロセズという事になるでしょう。 

 という事で来年にかけてのロードマップは経済活動の復元とともに、多分大幅な経済成長が記録されるということになるのでしょう。何はともあれ大変結構なことです。

 そんな単純な経済の動きを予想しながら、国内のワクチン接種状況、国際的なコロナ禍の鎮静化を望んでいるのですが、いわばここまでは誰にでも予想できるロードマップでしょう。

 問題は、その後の、回復から成長への移行が順調にいくかどうかという問題で、これには政府も民間も含めて本格的なロードマップの作成が必要になるのでしょう。
 それは総選挙後の問題で、良い案を作れる人たちが選ばれる必要があるようです。

力技では世界を動かせないのでは・・・

2019年11月08日 23時36分20秒 | 政治経済
力技では世界を動かせないのでは・・・
 戦後世界でもダントツだったアメリカは、その経済力も次第に落ち、国際競争力も落ち、経常収支赤字が固定化したところから、ドルの金兌換停止、変動相場制移行、それによるドル安から始めて、追い上げる国への為替レート戦略、次いで金融工学を駆使したマネー戦略、さらにはゼロ金利の導入によるドル安実現、など窓、多様な戦略で赤字解消を狙ったのですが、こうした奇策が却って仇となり、アメリカ経済への信用は低落、赤字解消は遠のく状況は変わっていません。

 信用を失墜したアメリカには資金の流入が難しくなるのは当然でしょう。こうなると後は力技でしょうか。
 当面のライバルはGDPでアメリカを追い越そうと頑張る中国です。手段のなくなったアメリカは、これまでの「自由貿易がベスト」という主張をかなぐり捨てて、関税戦争を仕掛けることになります。

 しかし、やってみれば中国の生産力を活用してアメリカを始め世界に Made in China の製品を輸出していた企業の中には多くのアメリカ企業があったのです。GMの車もアイフォーンも中国製・・、といったのが現実でした。 アメリカは返り血を浴び、次第に見直しを迫られつつあるようです。

 トランプさんは、もう一方では、力を抜いてコストを下げる政策も考えられてきました。選挙の公約でも「もう世界の警察官はやめる」という趣旨の発言をしています。

 国連機関からの脱退、外国への米軍の派遣や駐留の資金負担の見直し、引き上げです。
 NATOや日本も槍玉にあがり、日本の「思いやり予算」も愈々「重い槍予算」だ、などの駄洒落もあるようです。
 アメリカ軍の引き揚げ問題はより深刻です。混乱している世界のパワー・バランスに与える影響を考えれば、アメリカも簡単には「やーめた」というわけにはいかないでしょう。
 

いずれにしても、覇権国をもって任じてきたアメリカが、その権威は保ちつつ、役割の方は縮小しようといっても、世界は納得しないでしょう。覇権国には、それなりのコストを払うことを世界は期待しているのです。

今日の世界で究極の力技とは何でしょうか。多分それは核戦力でしょう。しかし、もし誰かがそれを使えば、人類は破滅の危機に陥るでしょうから、現実には脅しとしてしか使えないというのが多くの人の理解でしょう。。
 ならば、経済の分野で、力技で世界を動かすことは、かつてのアメリカの方針で、貿易から金融まで自由化を進めてきた今の世界では、多分不可能でしょう。

 トランプさんも、次第に、態度を柔軟にした方が支持を得られると思うようになっているのかもしれません。(いま世界は株高ですが、マネーマーケットはそれを読んでいるのかもしれません。

 ところで2つほど付け加えておくことがあるような気がします。
 1つは、いまアメリカが「 CLO」を売り出していることです。しかし、世界的にアメリカの証券の信用は地に落ちたままです。日本では日銀がすでに警告を発しています。

 もう一つは、アメリカ発の新経済理論「 MMT]です。通貨供給はいくら増やしてもいいのだという詭弁に類する経済理論です。そして、その成功例として、日本が巨大な財政赤字を積み上げながら、インフレにもならず政府の信用も落ちず、経済は安定しているという現状が引き合いに出されています。

 この理論が認知を得れば、アメリカは甘んじて赤字を出し続けられるかもしれませんが、多分行く先にはお思わざる破綻が待っているでしょう。

 何せ、日本は万年黒字の国で、アメリカは万年赤字の国です。国民の思考方法が真逆です。
 この2つが大手を振って世界でまかり通るようなことは多分ないと思いますが、やはり要注意ではないでしょうか。