tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2015年度(平成27年度)下半期のテーマ

2016年04月30日 09時40分48秒 | お知らせ
2015年度(平成27年度)下半期のテーマ
3月
シジュウカラ来訪   どんな経済政策が可能か? コンセンサス社会の作法   消費拡大には「日本型」経済政策が必要   コンセンサス社会日本と憲法第17条   春闘「もう少し期待していた」安倍総理   2パーセントインフレ目標は適切か?   スズメからシジュウカラへ:我が家の巣箱   スズメからシジュウカラへ:我が家の巣箱              3月11日を過ぎて:「あの街を思い出す・・・」   「大幅経常黒字→円高」の危険認識を   GDPを上回るGNIが日本の実力   格差の少ない日本の伝統的賃金構造(前回の注記)   同一労働・同一賃金考   日本の文化・社会にマッチした税制、人事賃金制度を   企業の課題、政府の課題   所得の配分に関わる2つの基本的視点   所得分配の基本理念のあり方
2月
日本的経営と国会論議   格差問題に深い洞察を   2016年春、日本経済の立ち位置   マイナス金利の功罪6 金融信仰の生んだ鬼子   マイナス金利の功罪:5 投機資本に先読みされた?   マイナス金利の功罪:4 金融緩和は為替レート変更の手段になった   マイナス金利の功罪:3 「経済→金融」から「金融→経済」へ   マイナス金利の功罪:2 価値基準「金」からの離脱と金融市場   マイナス金利の功罪:1 経済と金利の関係   コンセンサス社会日本と社会経済政策   2015年10-12月のGDP速報   人間中心の社会と経済の関係に目を:2   人間中心の社会と経済の関係に目を:1   ソロスの予言「中国のハードランディングは避けられない」   金融政策の限界を理解しよう   政府経済見通しに見る賃上げ予測   2016春闘:経済の好循環、安定成長路線実現のために   2016春闘:経済成長と格差社会化阻止の関係から見れば   経済整合性と格差社会化阻止:労働組合の視点   
1月
「経済成長」か「格差社会化阻止」か:政労使の対応   より良い経済社会と春闘の役割   裏目に出た年金資産の株式運用   アメリカ経済は大丈夫か   消費税負担と税収   経団連「経労委報告」:賃上げで消費を   2016春闘、労使の論議は噛み合うか   2016年度の日本経済政府見通し瞥見   GDPの使い残しについて ―訂正とお詫び―   マクロの労働分配率と経常黒字   付加価値分析の効用   新年早々株価暴落の行方   付加価値の定義、マクロとミクロ   労働災害、不適切工事と雇用形態・教育投資   人類は進歩しているのか   改めて付加価値について   2015年出生数増加   明けましておめでとう御座います。
2015 12月
今年は些か残念な年だったように思います   経常黒字の使い道   為替レートと経常収支:経常黒字は円安のせい?   購買力平価について:追記   購買力平価と為替レート:マーケットは正しいか   過ぎたるは 猶・・・、円安には限度も   通貨安で喜ぶ国、苦しむ国   原油価格下落と日本経済   金融正常化の始まり   介護問題の本質;生産性の視点から   COP21、「 矢張りそこまでか」でしょうか   消費税軽減税率論議と格差社会   2015年7~9月期のGDP上方修正   戦前基準の消費者物価   消費者物価の話   CO2の資源化が可能になれば・・・   COP21とNGR
11月
円レート、日経平均2万円、企業の投資行動   政府の賃上げ要請と財界・企業   合理性の感じられない消費税軽減税率論議   ブラック企業と管理監督者教育   2015年7-9月GDP速報:緩やかな上昇傾向維持   人類に必要な平穏への知恵   ゼロ金利脱出:アメリカと日本   MRJ離陸   現実は一歩前進・半歩後退の緩行ペースでしょうか   消費拡大は財政赤字削減にも貢献   不安感と格差社会化の中では消費は伸びない   消費を増やすための必要条件   昨日への追記
10月
賃上げで消費は増えるか―経済はそれほど簡単ではない   消費性向を上げ内需拡大で成長へ   なぜ平均消費性向に注目なのか   経済活性化のカギ、消費支出、内需拡大   2016春闘、連合2パーセント要求へ   TPP決着の中身と説明を聞いて   政府の投資要請と企業の行動   マンションの不正工事と従業員教育   消費者物価指数もよく見れば実感通り   消費者物価の基調は上昇傾向   現実の物価動向をよく見ましょう   2015年上半期のテーマ   TPP大筋合意の今後:その2 国際政治の側面   TPP大筋合意の今後   ハイブリッド車は市街地走行に強い?   日銀短観:短期慎重、中期強気?                      以上

人を育て協力しあう楽しい企業・職場環境を

2016年04月29日 10時07分20秒 | 労働
人を育て協力しあう楽しい企業・職場環境を
 最近、ブラック企業などという嫌な言葉がマスコミに出てきます。中身は何かといいますと、長続きがしないような仕事のさせ方をしたり、企業がいらないと考える従業員を辞めてもらうように仕向けるといったものが多いようです。
 そうした仕事を請け負う「人材ビジネス?」もあるようです。

 日本企業では昔から「資源のない日本では人間だけが資源だ」と言われ、「人間を育て、生かして使う企業がいい企業」と言われて来ました。
 こうした視点から見ると、いわゆるブラック企業というのは「人間を使い捨てにする企業」ということになりそうです。

 人間を使い捨てにして、何を求めるのでしょうか。多分それは「利益」でしょう。こうした考え方は、欧米流の「企業の目的は利益」という考え方に立つのでしょう。
 これは日本の企業の「劣化」以外の何物でもありません。

 日本の企業は従来社会に貢献することを目指してきていました。社会とはわれわれ人間が生活する場所です。人間生活の役に立つという意味では、企業としては「雇用の確保」が直接の役割です。
 ですから日本企業では「雇用の安定が第一義」と言われ続けてきました。


 企業が安定的に発展し、雇用の安定が確保されるためには「利益」が必要、と考えてきた日本企業が、利益のために雇用をないがしろにするのは、経営理念の逆転、企業の在り方としては退歩であり、劣化でしょう。

 おそらくこうした一部企業の経営行動(経営理念?)の変化の裏には、欧米流の利益至上主義と20年以上に亘る、「欧米による強いられた円高不況」があったのでしょう。
 しかしこれだけ雇用情勢が好転してきた今の日本経済の中では、改めて人間を大事にし、雇用確保を大切にする本来の日本的経営に戻るべきでしょう。

 すべての改善も進歩も、開発も技術革新も人間にしかできないことですし、人間を教育することによって、はじめて可能になることです。
 社会の発展の担い手である企業は、同時に社会の発展の中に市場を求めなければならないのです。 人間の知恵と努力しか、それを可能にするものはありません。

 日本人、そして日本企業は、昔からそれを知っていたのでしょう。だからこそ、働くことは(端を楽にする)良いことで、楽しいことだと教え、そういうことが納得できるような企業や職場の雰囲気を作ってきたのでしょう。
 戦後、雇用上の身分を廃し、全員を社員とした知恵はその典型的なものでしょう。

 企業の仲間との付き合いが楽しくて、家族を置き去りにするのは行き過ぎかもしれませんが、この辺り、企業や職場の在り方の問題を、企業経営者、企業の管理者層は、改めて真剣に考え直す時期が来ているように思われます。

働くことの意義づけから働き方を考える

2016年04月28日 22時26分31秒 | 労働
働くことの意義づけから働き方を考える
 人間は働かなければ生きられもしないし、進歩もしないと考えれば、働くことは人間にとって大事な事というは良く解りますが、それならば、「働く」ということをいかに意義づけるかは人間にとって大変重要な課題です。

 では、働くことの意味付けを、「原罪に対する神からの罰」と考えるのと、「人間としての生き方を究めること」と考えるのとどちらがまともかといえば、どう考えても後者、つまり日本の伝統的考え方の方がまともということになるでしょう。

 おそらくキリスト教自体も、「罰」ではまずいと考えたからこそ、プロテスタンティズムが起こったのでしょう。

 では、それを蓄財といった金銭的なものとの関係でどう考えるかという次の段階ではどうでしょうか。
 端的に言えば、欧米では企業の目的は利益、企業の評価は時価総額最大といった形になり、日本の場合には、如何に長期安定的に社会(人々)のに役に立ったかが評価の基準となり、利益は、目的ではなく、企業の成長のために必要な「肥料」(中間目標)といった役割になっています。

 もともと、「資本主義」という言葉はキリスト教社会で作られたもので、日本に入ってくると、言葉は同じでも意味内容が違ってきているわけです。
 日本では、資本主義は合わない、日本は「人本主義」だ、などという言い方もありますが、やはり人間だけではだめで、「人間が蓄積した資本を使ってより豊かで快適な社会を作る」というのが経済活動(企業活動)の本質ということになるのでしょう。
 資本主義でも、人本主義でも不十分で、その巧みな組み合わせが大事なようです。
 
 ところで話を本題に戻しますと、 キリスト教社会に一般的な「利益集団」としての企業の中では必然的に人間関係は希薄になります。一方、日本型の人間集団としての面の持つ企業においては人間関係は濃密なものになります。 いわゆる日本型経営による日本の成功の歴史は、濃密な人間関係に支えられた人間集団の力の発揮という形で成し遂げられてきました。
 
 このように、企業の活動や、国の経済活動の望ましい姿を考えていきますと、どう考えても日本型の方が「まとも」ということになるようです。
 そのベースにあるのが、働くことは良いこと、だから働く場を楽しいものにしようという日本的な発想だったのですが、最近職場が楽しくない人が増えているようです。
 次回、この問題を考えてみましょう。

働くということ:日本人の知恵は?

2016年04月27日 21時56分31秒 | 労働
働くということ:日本人の知恵は?
 一億層活躍を目指すといわれるこの頃ですが、そうした掛け声は別として、皆様はどなたも、人生の大半の期間を働いて過ごされます。
 GDP(国内総生産)やGNI(国民総所得)はこうした皆様の働きによって創りだされます。

 表題で「日本人の知恵」と書きましたが、働くことに意味付けは洋の東西でどうも違いがあるようです。
 勿論、人間は働かなければ生活を支えられません。ならば、どういう理屈づけで人間に働く気になってもらうかです。

 もっとも単純に整理すれば、日本人の考え方は「働くことは良いことだ、だから働こう」ということのようです。
 一方、キリスト教では基本的に、「神は人間に労働という罰を課した。だから人間は働かなければならない」ということになっています。
 働くことは経済活動の原点ですが、この辺りを少し、最近の資本主義の発展の内容も踏まえて考えてみましょう。

 日本人には、伝統文化として、働くことはいいことだという哲学があります。働くことを通じて人間として「道」を究めるとか、「はたらく」というのは「端を楽にする」ことなどと言いますが、これは、人間が社会(人間集団)を作って生活するとき、最も大事な考え方でしょう。

 人間の生き甲斐は、人から必要とされることなどといいますが、人の役に立つからこそ必要とされるのでしょう。

 企業など人間集団の中でも、この考え方が確り持ち込まれてきたのが日本の企業でした。仲間の役に立つ、企業や広く社会の役に立つように働くことに意義を認め、それと同時に、そのように働くことは「楽しいこと」であるべきという組織や人間関係の在り方が追求されてきました。

 他方、キリスト教文化では、旧約聖書にありますように、働くことは、アダムとイブが禁断のリンゴを食べるという「原罪」に対する罰でした。Labour は男には労働、女には分娩(の苦しみ)です。人間は楽園を追われ贖罪として労働をするのです。

 プロテスタンティズムでは、これを改め、労働は神の意に叶うものと考えるようになって、資本主義が発展した(マックス・ウェーバー)、ということになっています。
 そのプロセスでは、ピューリタンのような清貧の思想に近いものもありますが、資本主義の発展が典型的に示しますように、「神の意」は「蓄財」と考えられていることが多いようです。

 日本人は働くことを「端を楽にする」ように人間同士の関係に重点を置くようです。働くことによって、みんながよりよい生活ができるというわけです。
 キリスト教では、労働を「神と人とおカネ」の関係で捉えます。ですから他人のためになるのは、金銭的な慈善ということになるのでしょう。

 こうした文化的な背景があって、西欧の企業・職場は「利益集団」という形で捉えられることが多く、日本の場合は「人間集団」という意識が強くなるのでしょう。

 ところでこの辺りが、日本では最近少し変わってきているように見受けられます。 
 グローバリゼーション、マネー資本主義がはびこる世界経済の中で、日本の企業、その経営者、管理者をはじめ働く人たちは、これから、どんな企業の在り方、働き方を選択するのでしょうか。
 最近の報道などでは、些か不安な感じもしないでもありません。(以下次回)

今年の蛍、新規蒔き直しに

2016年04月26日 09時57分01秒 | 環境
今年の蛍、新規蒔き直しに
 昨年5月、我が家ではゲンジとヘイケ、両方の蛍の羽化を待っていました。ゲンジの羽化はブログに書きました。しかしその後の展開は、自分の不注意から、誠に残念なものでした。

 ゲンジは羽化には成功しましたが、産卵後の卵の孵化に失敗しました。
 ヘイケは、羽化に完全失敗で、気落ちしてしまって、ブログに書いていませんでした。 

 というわけで、今年はすべて新規蒔き直しです。
 ゲンジは改めて幼虫30匹を購入、カワニナとともに庭の草むらに置いた発泡スチロールの箱に入れて、水管理をしていますが、もう上陸を終えたのではないかと思っています。

 ヘイケは飼育仲間から孵化直後の幼虫を頂いたり、少し育った幼虫(3令~5令)を分けて下さった方もあり、現在推定100匹ほどが庭のU字溝で上陸準備中と思われます。

 ヘイケの昨年の失敗は、上陸装置が、ピートモスの混入で酸性になったことが原因だったと思われますので、今年は十分気を付けています。

 将来は、蛍の自然再生に繋げられればと願っての、ささやかな試みですが、何とか継続していこうと思っています。

 我が家の蛍についても、今年は少し丁寧に報告していくつもりですので、今後とも宜しくお願い申し上げます。


日本郵政、資金の海外運用へ

2016年04月25日 12時10分50秒 | 経済
日本郵政、資金の海外運用へ
 日本郵政が、海外での資金運用を拡大するという報道がありました(朝日新聞、朝刊、4月22日)。何か危惧していたことが、来そうだな、といった感じを受けました。

 日本郵政は郵便貯金や簡易保険で300兆円ほどの資金を持っているとのことですが、これを高利回りで運用することで、収益を稼ぎ出そうということのようです。
 これまでの運用先は半分近くが国債だったようですが、日銀のマイナス金利政策で、国債利回りが急低下してこれは大変ということになったのでしょう。

 前社長の西室氏は実業の出身で、郵便事業に力を入れたようですが、現社長は金融出身ですからそういうことになるのでしょうか。
 郵便事業はゆうパックの黒字化は不可能と読んだのでしょうか、民間の宅配便は元気ですが、官営以来の特権を持っても競争力はないようです。

 それなら金融で稼ごうという経営方針も解らないではありませんが、厚生労働省所管のGPIFの実績を見ても解りますように、マネーマーケットでカネを稼ぐことは 容易ではありませんし、あまり 望ましいことでもありません

 GPIFの資金量が130兆円ほどですから、日本郵政が、持つ資金量のどれ程をマネー市場、さらには国際金融マーケットで運用するかにもよりますが、いずれにしても巨大な金額です。

 もともと郵政と年金(国営)の資金は、大蔵省の「資金運用部」資金となり、国策として発展させるべき部門への「財政投融資」という形で運用されることになっていました。
 いわば、国策として日本として必要な部門への投資に官製の資金の流れを作り、インフラなどを中心に日本経済社会の発展を支える役割を担っていたということでしょう。

 こうした部門は、ご承知のように順次民営化され、その資金も民間が運用することになってきたのが現実の動きです。

 これについては当初から、2種類の見方、1つは、もう計画経済の時代ではないのだから、経済の発展は民間の力でやるべきだという見方と、もう1つは、この日本政府が管理する巨大資金を国際金融マーケットに開放して、国際投機資本の仲間に組み込もうという企みに動かされているという2つの見方があったようでした。

 どちらが真実に近いかわかりませんが、郵政としては、こうした見方は兎も角、巨大資金という力を生かして、国際金融市場で稼げればいいといいうことなのでしょう。ならば、問題は稼ぐ能力があるかどうかです。

 前記報道でも、郵貯の社長は、海外のほうが高リスクだが、利回りが良い、海外の非上場企業に投資するファンド、海外不動産ファンド、海外株式、などなどへの投資も検討という意向のようですが、日本国内ではこうした海外の資金運用で儲けたという話はあまり聞きません。

 何時も書いていますように、オリジナルな情報を持っているのは 胴元の国際投機資本でしょう。日本のファンドは、歴史が浅いのか、ノーハウがないのか、真面目すぎるのか、いまだに提灯をつける役割のようです。

 リーマンブラザースのように胴元でも破綻することもあります。こうした市場に真面目にコツコツ働く日本人の財産が出ていくとは、どう考えてもあまり賛成できることではありません。失敗すれば大変なこと、たとえ儲けても、日本人は「あぶく銭で生活する」ことには何か後ろめたさを感じるでしょう。

 本来ならば、日本人の貯蓄は、日本の経済成長に投資し、日本の経済成長からリターンを得て、安定した将来への結果を期待すべきでしょう。海外の経済発展に参加してそこからの収益を期待するのであれば、海外直接投資やアジア開銀などを活用すればいいのです。

 庶民としては、結果がどう出るかを見ているしかありませんが、何か、マネーマーケット全盛の悪しき風潮に、日本も次第に流され、真面目な日本人らしさが失われることを恐れるような、そうした不安を助長する報道でした。

シジュウカラ、中間報告

2016年04月24日 10時11分10秒 | 環境
 その後、シジュウカラの巣箱は、割合と静かです。
 ほぼ連日、シジュウカラは飛んできて巣箱に入ります。しかしすぐに出て行って、しかも来るのは1羽です。
 
 あまり巣作りのコケ運びも見ませんでしたし、産卵してくれるのだろうかと不安です。
 もちろん始終見てるわけではないので、見ていない早朝などに作業をしたのかもしれません。
 
 ネットで見ますと、一般的にはもう抱卵の時期のようですが・・・。 
 スズメは入りませんから、それはいいのですが、黙って結果を見ているより仕方がないようです。

 あまり良いご報告が出来ず残念ですが、このまま待ってみます。
 
 

パナマ文書、法人税減税、減価償却率

2016年04月22日 09時45分58秒 | 経営
パナマ文書、法人税減税、減価償却率
 三題噺のようなテーマになりましたが、タックスヘイブン論議が盛んになる中で何か真面目な日本企業に適したことはないのかと思って考えてみました。

 パナマ文書にかかわる報道で、主要国の首脳の一族のタックスヘイブン利用は、正に驚くところですが、世界の主要企業でもその利用は盛んで、スターバックスやグーグル、アップルなどという今をときめく綺羅星企業も、タックスヘイブンを利用して大いに節税に励んでいるようです。

 他方では、「世界一貧乏な大統領」だった人が来日し、人気を博したりしていますが、政治家がタックスヘイブンを利用するほど蓄財ができたことの方が驚きだといった意見もあるようです。そういえば日本には「井戸塀政治家」など言う言葉もありました。

 ところで、ここでは企業の問題ですが、欧米では通常「企業の目的は利益」という考え方が多いようですから、儲けた利益をさてどうしようということでタックスヘイブン利用になるのは、ある意味では当然かもしれません。国家と企業の利害相反の結果です。

 日本では、企業の目的は「社会の役に立つこと」といった経営理念を持つ企業がほとんどですから、松下幸之助さんのように、多額の納税をすることに誇りを持つ経営者も存在しました。やはり総じて日本人は真面目、日本の経営者も真面目ということでしょう。

 世界中が企業誘致のためでしょうか、法人税率を下げる中で、日本でも経団連を中心に、法人税率の引き下げ要望が強く、安倍世間も厳しい財政事情の中でも、何とか要望に沿う努力をしているようです。

 しかし、アジア諸国も法人税率はおおむね20パーセント程度ですが、日本はせいぜい「20パーセント台」で、かすかに30パーセント切る程度でしょうか。 財務省が、法人税減税は「恒久財源がなければ」といいうのもその通りでしょう。
 
  安倍政権は、景気回復のためにと、企業に設備投資を要請していますが、それならば法人税減税に代わって、現実的に企業が設備投資がしやすくなる「割増減価償却率」を導入したらどうなのでしょうか。

 設備の取得金額は既定ですから、トータルの償却額は変わりませんが、技術革新加速化の折から、耐用年数を短縮するとか、定率法の償却率を大きくするとかいった方法です。
 250%定率法を200%定率法に下げた経緯がありますが、またさらに加速するという選択もあるような気がします。

 戦後奇跡の成長を遂げた西ドイツで、減価償却率が大幅に高かったことは有名ですし、イギリスでは、サッチャー改革の中で、一時的に、初年度75~100パーセント償却という奇手で、投資を奨励したという経緯も記憶しています。

 パナマ文書漏洩で。今後日本関係の報道もさらに進むと思いますが、歴史の中でタックスヘイブンを創ってきたイギリスやアメリカのような、スマートな利用は日本企業には不得手でしょう。社是社訓もタックスヘイブン利用を奨励していないでしょう。

 先日のG20でも、タックスヘイブンをどうするかの議論が始まったようですが、社会への貢献を企業理念に謳う日本企業です、タックスヘイブンなどは利用しませんと、いち早く優等生になって、世界に範を垂れることのできるのは日本ではないでしょうか。

アベノミクスの評価いろいろ

2016年04月20日 11時30分51秒 | 経済
アベノミクスの評価いろいろ
 此の所、麻生財務相は「急激な円高は良くない。適切な措置を考える。」といった発言をよくしています。
 麻生さんは、安倍さんを支える副総理として、アベノミクスを成功させなければならない立場ですし、これまでの経験から、「やっぱりアベノミクスでよかったのは$1=¥80から$1=¥120の円安の実現だけだということが解っているからかもしれません。

 アベノミクスの功罪はいろいろ言われていますが、黒田日銀のサポートで行われた異次元金融緩和による円安の効果は明らかで、これによって、日本はプラザ合意の円高地獄から脱出できたことは否定の仕様はないでしょう。

 しかしその後の財政出動や構造改革(投資環境整備)は、特に日本経済を押し上げるような効果を持つまでにはいかなかったようです。
 財政出動は、消費増税で打ち消され、逆にマイナス効果が大きかったというのが現実でしょう。
 
 構造改革の「特区構想」は確かに効果も持つようです。金を使わずに、「頭を使った経済政策」の一種で、結構なことと思いますが、日本経済を持ち上げるような力はありません。

 安倍政権の言う出生率の向上は、確かに進んできているようです。しかしこれは安倍政権以前からの変化で、日本社会における人間の営みの自然的な変化のように思われます。
 出生率が上昇したスウェーデンやフランスでも、その原因の説明には、はっきりしたものはないようです。

 新3本の矢の、①強い経済、②子育て支援、③安心の社会保障(介護離職ゼロ)は単なる目的の羅列で、その実現のためにはまず強い経済が必要でしょう。
 強い経済のためには、経済成長が必要で、そのためには消費拡大ということのようですが、賃上げ奨励は不発、消費増税不安、さらに最も大きな障害は、安倍政権自体の政策による「日本は貧富の格差が拡大する社会になってきた」という深刻な問題でしょう。

 日銀の取った支援策、マイナス金利も市場に先を読まれて逆効果になったようですし、今後も国際投機資本相手に、日本が金融政策で大勝利というような状態は実現しそうもありません。
 逆に、トランプ氏からは、日本は中国と並んで「為替操作国」など言われ(トランプ氏は米国の国民感情を読んでいっている)、状況は不利のようです。

 もともと日本が長期不況に陥ったのは、プラザ合意で異常な円高を強いられたことによるのですが、G5の国々は、自分たちが為替操作国だとは言いません。

 こうして見て来ますと、アベノミクスは、2回の異次元金融緩和(これもアメリカの真似)による40円幅の円安だけで、それによって生じた日本経済の環境条件の改善を国内政策で日本経済全体の自律的上昇に向かわせる政策ではほとんど見るべきものもがないということでしょう。麻生さんのが円高警戒、円高懸念も良く解ります。

 アベノミクスなどと言わず、地道な経済政策に一歩一歩着実に進むのが、本来の日本らしいやり方なのではないでしょうか。

 また余計なことを付け加えます。安倍さんは「アベノミクス、アベノミクス」といいますが、私には当初からすごい違和感です。
 レーガンが「レーガノミックス」と言い、サッチャーが「サッチャリズム」と言い、グリーンスパンが「グリーンスパンマジック」と言って自分の業績を誇示したでしょうか。
 こういう名称は、贈り名のようなもので、他人がその人の業績を讃えて言うところに意味があるのです。

国際投機資本はストーリーテラー?

2016年04月18日 12時01分07秒 | 経済
国際投機資本はストーリーテラー?
 アメリカの利上げが遠のいたといいうことになったようです。
 このブログでは以前から繰り返し「利上げは容易でないよ」と書いてきましたが、やはり、金融経済は最終的には実体経済に従わなければならないということなのでしょう。

 金融経済の主要なプレーヤーである国際投機資本は、この辺りを自在に組み合わせて、その時々のストーリーを作り、債券・証券の価格を動かして、キャピタルゲインを作り出しているようです。

 アメリカが金利を上げそうだというのは、アメリカ経済が強い証拠だから株は買いだという解説が行われたこともありました。
 金利を上げるとドル高になり、経済にブレーキがかかるから株は売りだというストーリーの時もありました。
 事態は同じでもストーリーは正反対、株価の動きも正反対、どちらが本当でしょう?

 原油価格が下がれば、日本経済にとってはプラスに決まっていますが、原油価格下落は、世界経済が不振の証拠で、アメリカではシェールオイルの生産にブレーキがかかる、アメリカの株が下がれば東京市場も影響を受けると原油安で日経平均は下がりというストーリーが語られ、日経平均は原油価格とともに下がり、この所の原油高騰で急反発です。

 今日はまた、原油の減産の話が付かないということで、原油安継続予想、日経平均は大幅下げです。
 そのうちまた原油安は日本経済にプラスというストーリーが語られて、日経平均が上がる時も来るかもしれませんね。

 こうしたストーリーをだれが作るのか知りませんが、権威ある所が作れば、多くの投資家はそれに従うことになる(従わないと損をすると考える)でしょう。
 しかしストーリーは、きわめて短期的なもので、次の局面では反対のストーリーがまことしやかに語られ、それに従って、また、マーケットは動いて行くことになります。

 過日、ソロスが中国経済はハードランディングが不可避と言って上海株が下がったことを書きましたが、世界中の短期的キャピタルゲイン狙いの大小の投機家は皆こういうストーリーに極めて敏感なようです。

 経済学では「アナウンス効果」というのもありますし、中国の諺では「一犬虚に吠えて、万犬実を伝う」というのもあります。

 株価動向に極めて敏感な一般投機家は、藁をもつかむ思い(?)で、こうしたストーリーに注目するのでしょう。
 しかし結局、おカネ(キャピタルゲイン)はこうしたストーリーを作れる人のところに集まることになります。やはりギャンブルは胴元(ルールメーカー)が決定的に有利なのです。日本のトップ証券会社も太刀打ちできないようです。

 昔は「マーケットは正しい」などと言われました。これはマーケットが実体経済に忠実だった時代の話です。
 今ではマネー経済学などという言葉もでき、金融工学でノーベル経済学賞をもらう人も出、実体経済から見ればまさに「あだ花」のマネーゲームこそが経済学などという認識もあるようです。

 ならば、タックスヘイブン利用も立派な経済学でしょうか、パナマ文書で主要国のリーダ―(の親戚)の名前などを見ますと、「これで世界はきちんと前進していけるのか」と情けなくなるのは私だけでしょうか?

小さな春、庭の花々

2016年04月17日 11時12分46秒 | 環境
小さな春、庭の花々
 九州大震災のさ中なので、何となく申し訳ないような気持ちを持ちながらですが、今年は特ににぎやかに咲き出した、我が家の狭い藪庭の花々の写真を載せます。

白ヤマブキ、一重


ラナンキュラス、鉢植え


ハナニラ


うらしまそう


シラユキソウ


ウラシマソウ


スミレ


ツリガネソウ


フイリホウチャクソウ


チューリップ
 

熊本地震お見舞い

2016年04月16日 09時58分20秒 | お見舞い
熊本地震お見舞い
 今回の地震は、本日未明からの改めての広範囲、高強度の地震発生など、何か通常の地震とは違った様相が感じられます。
 天災は、正に人知を超えたものですが、心からのお見舞いを申し上げますとともに、今後もくれぐれもお気をつけられますよう、またこの一連の震災の早期の終息を祈念しています。  tnlabo

G7代表の広島平和公園訪問の意義

2016年04月15日 09時09分57秒 | 国際政治
G7代表の広島平和公園訪問の意義
 学生の頃、広島出身の友人に誘われて、夏休みに広島を訪れ、平和記念公園に行きました。原爆とその放射能というものの物凄さを実感し、「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」のいしぶみにお参りしました。

 そうか「ここから原爆ドームがまっすぐ見えるように設計されているんだな」と知り、これは大事な文言だと思い、写真を撮りました。
 この写真は、古くなったアルバムに 貼ってあって、その写真の下に「この言葉を嘘を言ったことにしたくないものである」書き込んであります。

 日本語には主語がないことが多いといわれ、確かにその通りです。このいしぶみの文章にも主語はありません。しかし、私は、当時から主語は当然に「人類」だろうと思っていました。
 人類の行動について日本人が約束する、広島が約束する、そんなことはできるわけはないのですが、どうしても約束したいという気持ちが書かせたと今でも思っています。

 主語を省く日本語と、何がどうあれ、この過ちは繰り返すべきでないという強い気持ちを、広島の人たちは、そして日本人は、将来にわたり、人類全体に伝えたかったのだと思います。

 岸田外相がG7の代表とともに平和公園を訪れ、全員そろって慰霊碑に献花されました。こうした素晴らしいことを、日本政府が要請し、G7の代表が一致して応えたというのも、参加者全員が、平和公園、慰霊碑、原爆資料館の意義を正確に理解してくれたからだと思います。

 誰が原爆を落とし、誰が被爆したというのではなく、かつて人類が犯した過ちを、今、主要国の代表が、人類の代表として、さらには人類の一員として「過ちは繰り返しませぬから」
と誓うことには、誰も違和感を持つことはないでしょう。

 日本には、「過ぎたことは水に流して」という言い回しがあります。今、人類の多くは「水に流さないこと」が重要だと主張することが多いようです。

 日本人とても、「水に流して」といったからすべて忘れるのではありません。歴史はきちんと記録すべきでしょう。平和公園は、正確な記録を伝える原点です。

 しかし、そこにあるのは人類の犯した過ちへの反省です。恩讐といった感情は「水に流し」、人類全体の未来に向けて「過ちをくりかえさず」進むことこそが重要だと考える、それが日本人の「水に流す」の本当の意味で、広島、長崎でも日本人にはそれを心してきたと思います。

 今回の広島G7が、こうした意味で、世界の首脳に、日本人の真摯な思いを伝え得たとすれば、そして多分伝え得たと思いますが、これは素晴らし事だと思います。 

リーダーとフォロワー

2016年04月13日 10時51分45秒 | 社会
リーダーとフォロワー
 人間社会をカオス(混沌)状態ではなく、まとまった人間集団、あるいは組織として、何らかの目標を定め、その目標に向かって進もうという場合には必然的に「リーダー」が必要になります。
 
 半分冗談を言いますと、国会で官僚の書いたものを読むのは「reader」で「leader」ではありません。日本人は先天的にLとRが聞き分けられないので、私は通常「Lのリーダー」と「Rのリーダー」と言って区別することにしています。

 さて、目的を持った組織の運営や活動のために必要になるのは「Lのリーダー」です。以下リーダーといったら「Lのリーダー」のことです。

 民主主義社会ではリーダーは選挙で選ばれ、後の人はフォロワーになります。リーダーは「リーダーシップ」を持ち、それを発揮しなければなりません。またフォロワーは「フォロワーシップ」しっかり持たなければなりません。

 ここで特に強調しておきたいのは、リーダーシップは重要ですが、場合によっては、それと同じか、あるいはそれ以上にフォロワーシップが重要だということです。

 我々にも身近な例を挙げてみますと、札幌農学校に、アメリカからクラーク先生が来ました。
Boys, be ambitious! (like this old man.)という言葉は、あまりにも有名で、クラーク先生の教えを学んだ生徒からは、皆様ご承知のように優れた人々が輩出しました。
 クラーク先生は、アメリカに帰ってからも立派なリーダーだったかどうかはネットで検索して頂ければわかります。

 序にもう1つ。 アメリカは第二次大戦後日本を占領し、富国強兵、軍国主義だった日本を、そのリーダーシップによって、世界に冠たる平和国家に作り替えました。
 アメリカはその実績を自ら高く評価し、戦いに勝つだけではなく、その国を平和主義で、世界経済に貢献できるような国に作り替える能力を持っていると自負したようです。

 アメリカはその実績を再度、今度はイラクで実践しようとしました。しかし今度は大変な失敗に終わってしまいました。

 何が違うのか考えてみますと、リーダーもさることながら、フォロワーがしっかりしたフォロワーシップを持っていないと、リーダーのリーダーシップも発揮されないというのが現実の世界だということが分かります。

 札幌農学校の生徒には素晴らしい人たちがいたからこそ、クラーク先生は素晴らしい実績を上げることが出来たのでしょう。
 日本人が素晴らしい資質を持ち、「ヨクミキキシワカリ、ソシテワスレズ(宮沢賢治『アメニモマケズ』より)、新しい国家の理念を理解して、新たな国づくりに勤勉に励んだからこそ、アメリカの成功はあったのでしょう。

 リーダーが成功できるかどうかはフォロワー次第のようです。フォロワーが確りしていないとリーダーは、往々専制的になったり独裁者になったりして、結果は「こと志と違う」ことになりがちです。

 上述の例も含め、日本人は素晴らしいフォロワーのようです。リーダーにとっては大変幸運なことです。日本のリーダーはそれを弁えなければなりません。
 日本の場合、リーダーは自分の力に頼るより、国民の資質・能力を活用するというリーダーシップを選択する方がいいように感じるのですが如何でしょうか。

おカネの役割の限界: 取引と贈与

2016年04月11日 08時59分13秒 | 経済
おカネの役割の限界: 取引と贈与
 人間がお金(貨幣)を発明して、世の中は大変便利になりました。それはまず、いろいろなものの経済的価値を、共通な特定のものに換算して表すことが出来るからです。
 昔は大きな輪の形にした石が貨幣だったり、家畜を共通の価値の基準にしたりと、いろいろだったようです。

 英語にはpecuniary(金銭的な)という言葉がありますが、pecusはラテン語の「家畜」だそうで、家畜を貨幣代わりにしていた名残でしょう。
 最終的には貨幣は「錆びることのない金」が選ばれることになりましたが、経済価値の共通単位ができることで、貨幣は、「経済価値の基準」「交換の手段」「経済価値の貯蔵」の3つの役割を果たすようになりました。

 そして、あまりに便利なので、「おカネ万能」と考える人が増える結果となりました。
 最近の「パナマ文書」では、世界のリーダーの中にもおカネの亡者の居ることが知られてしまったりしています。

 かつては、インサイダー取引で捕まって「儲けて何が悪い」といった官僚出身のファンドマネージャーがいたり、最近では、賭博に手を出すスポーツ選手がマスコミに載ったり、人間にとって、おカネの魔力は極めて大きいようです。

 こうした話は法律違反と絡んだ話ですが、合法的な世界でも、FXをはじめ、各種の金融取引は、心理的にはまさにギャンブルそのもののようです。
 いま日本では賭博行為は違法ですが、安倍さんのお好みのように、カジノが合法化されれば、またおカネの亡者が増えそうですね。

 小はゴルフの「ダイヤモンド、金、銀、銅」のオリンピックや賭けマージャンから、大はヘッジファンドの国際金融場裏での巨大投機まで、おカネの魔力は、往々人間の心を狂わせるようです。

 確かに貨幣を使った取引は、合理的で便利ですが、その一方で、人間は本来的に「贈与」という行為が好きなのではないでしょうか。子供はオマケが大好きですし、人間誰でも、きっちりした計算以外に、何か贈与に当たるようなものがあると、何となく気持ちが和みます。
 この分は値引きさせて頂きますとか、気持ちだけ余分に入れておきました、などなど。

 きっちりしたカネ勘定だけの世界で生きていると、人間は世知辛くなり、温かみが欠落し、人間らしさがなくなってくるように感じるのでしょう。ソロス氏も慈善家という顔も持っていないと人間として気が済まないのではないでしょうか。
 この辺りに、「おカネの役割の限界」があるように思われるのです。

 確かにお金は便利です、きわめて合理的で、正確で、十分な納得性も持っています。しかし、人間は本来、そうした合理性尊重の上に、何か人間らしい、無償のモノや行為、+αの価値を表す「贈与」を付け加えて精神的な満足や心の安定を得ているのでしょう。

 人間がこうした精神構造を持っているのは、もともと人間が、太陽光線という、完全無償な太陽からの贈与によって生まれ、進化してきた生物の種の一つだからかもしれません。

 人間の社会生活、経済や経営の面でも、確かにおカネの計算はベースですが、それには「限界もある」ということを理解して、「贈与」という人間らしい要素をうまく取り入れた行動を考えていくと、世の中一味違う柔軟で、温かいものになるような気がします。