恐ろしい円高とデフレのスパイラル
デフレを心配する声が高まって来ています。デフレの恐ろしさについては既に度重ねて指摘してきましたし、デフレの真因についても述べてきました。デフレ論議が高まることは、日本経済をデフレにしないためにも大変重要なことですから、的確な論議を期待したいものです。
大新聞も、「国債を一杯出して日銀が引き受ければいい」などという単純な貨幣数量説を唱える学者の意見などを大きく紹介したりしていますので、その辺が気がかりです。
デフレの原因シリーズでも指摘しましたが、デフレの原因は、「日本の物価が国際比較して高い」からです。国際自由競争の時代ですから、高い物価は下がらざるを得ません。しかし、物価が国際価格以下にどんどん下がり続けるようなことはありません。 理由は、国際価格以下なら世界中に売れますから、物価をそれ以下に下げる必要がないからです。
プラザ合意 による円高の結果、世界一の高物価国になった日本は、20年かけてコストダウンを重ね、ようやく物価を国際価格並に下げてきました。2002年からの日本経済の小康状態はそのおかげでした。
しかし、サブプライム(リーマン)ショックの金融ショックは別として、改めて日本経済にデフレの懸念が出てきたのは、円が$1=¥110近辺から$1=¥85近辺まで進んできた円高のためです。折角国際価格に近づくまで引き下げてきた日本の物価が、改めて国際比較の中で高くなってきたのです。「円の独歩高」の状態は、日本経済にとって極めて危険な状態です。
デフレがデフレを呼んで、いわゆる「デフレスパイラル」に陥るといったことは、円レートが安定している限り起こりませんが、日本のコストダウンによる物価引下げ努力を「帳消し」にするような更なる「円高」を国際投機資本などの思惑でやられますと、日本経済は、「物価引下げ努力(デフレ)と円高のスパイラル」で、とめどない価格引下げ努力を強いられることになります。
これは最悪のスパイラルです。
デフレの中では正常な金融は 機能しません。多くの資金は投機に向かいます。日本の多額の貯蓄もそうなるとすれば、それは国際投機資本の格好の餌食となる可能性なしとしません。
デフレによる産業の疲弊、投機による貯蓄の損耗を座して待つのではなく、日本経済が元気であることが世界に最も貢献する道であることを明確にしつつ、日本経済防衛のために毅然たる国家戦略を世界に提示することが何より必要なのではないでしょうか。
デフレを心配する声が高まって来ています。デフレの恐ろしさについては既に度重ねて指摘してきましたし、デフレの真因についても述べてきました。デフレ論議が高まることは、日本経済をデフレにしないためにも大変重要なことですから、的確な論議を期待したいものです。
大新聞も、「国債を一杯出して日銀が引き受ければいい」などという単純な貨幣数量説を唱える学者の意見などを大きく紹介したりしていますので、その辺が気がかりです。
デフレの原因シリーズでも指摘しましたが、デフレの原因は、「日本の物価が国際比較して高い」からです。国際自由競争の時代ですから、高い物価は下がらざるを得ません。しかし、物価が国際価格以下にどんどん下がり続けるようなことはありません。 理由は、国際価格以下なら世界中に売れますから、物価をそれ以下に下げる必要がないからです。
プラザ合意 による円高の結果、世界一の高物価国になった日本は、20年かけてコストダウンを重ね、ようやく物価を国際価格並に下げてきました。2002年からの日本経済の小康状態はそのおかげでした。
しかし、サブプライム(リーマン)ショックの金融ショックは別として、改めて日本経済にデフレの懸念が出てきたのは、円が$1=¥110近辺から$1=¥85近辺まで進んできた円高のためです。折角国際価格に近づくまで引き下げてきた日本の物価が、改めて国際比較の中で高くなってきたのです。「円の独歩高」の状態は、日本経済にとって極めて危険な状態です。
デフレがデフレを呼んで、いわゆる「デフレスパイラル」に陥るといったことは、円レートが安定している限り起こりませんが、日本のコストダウンによる物価引下げ努力を「帳消し」にするような更なる「円高」を国際投機資本などの思惑でやられますと、日本経済は、「物価引下げ努力(デフレ)と円高のスパイラル」で、とめどない価格引下げ努力を強いられることになります。
これは最悪のスパイラルです。
デフレの中では正常な金融は 機能しません。多くの資金は投機に向かいます。日本の多額の貯蓄もそうなるとすれば、それは国際投機資本の格好の餌食となる可能性なしとしません。
デフレによる産業の疲弊、投機による貯蓄の損耗を座して待つのではなく、日本経済が元気であることが世界に最も貢献する道であることを明確にしつつ、日本経済防衛のために毅然たる国家戦略を世界に提示することが何より必要なのではないでしょうか。