平成最後の「こどもの日」に思う事
今日は平成最後のこどもの日です。「平成という時代」をシリーズ化して時折書いてきていますが、振り返って考えて見れば見るほど、平成という時代は、戦後の日本にとって、本当に暗い時代でした。
原因を突き詰めてみれば、アメリカの経済戦略とそれに対する日本の対応の拙さに原因があることは解って来ますが、この昭和の末期に原因を発し、平成の30年苦しんだ経験を今後の日本の経済政策、さらには国際関係のへの対応に、残念な失敗の教訓として残すことが大事だと、つくづく思うところです。
折しも今日は「こどもの日」ですから、われわれ失敗した世代の子供や孫たちに、この失敗の結果を少しでも回復させたうえで引き継いでもらうこと、そして同じ失敗を二度と繰り返さないように、われわれの学習の成果を確りと伝える事が重要でしょう。
失敗の原因の最も大きなものを一つだけ挙げれば、それは為替レートについての経験と知識の不足でしょう。
具体的に言えば、プラザ合意(1985年)でG5の円高要求を「素直に受け入れた」ことです。結果的に円レートは1ドル=240円から120円になり、日本の物価と賃金が基軸通貨のドル換算で2倍に跳ね上がったという経済環境の大変化です。
その結果は、プラザ合意の5年後に顕在化したバブルの崩壊、その後の失われた20年と言われる中で、リーマン・ショックで円レートは1ドル=80円まで上昇、日本経済はゼロ・マイナス成長が常態という超長期の苦しみを味わいます。
この為替レート切り上げについての認識の浅さが、一部からは「 経済敗戦」といわれる日本経済の低迷、平成という暗い時代をもたらしたのです。
後にアメリカから「人民元」の切り上げを強く要請された中国が頑として受け入れなかった背後には、「我々は日本の失敗の経験から学んでいる」という言葉があります。
この昭和末期の失敗が平成という暗い時代を作りだしたという現実は平成も末期に近づく2013年(平成25年)まで続きます。
そして平成13年、14年と続いた日銀の政策変更による円安政策「異次元金融緩和」で、円レートは1ドル=120円の円安を実現し、為替レート上は終わりを告げます。
しかしバブル崩壊以降30年にわたって続いた深刻な不況の経験は、今日の経営者、管理者、一般サラリーマン、さらには消費者や家計にまで、経済成長のない世界に住むのが日常という意識を持たせたのでしょう。ゼロ成長で賃金は上がらず、貯金をしても利息は付かず、年金の給付は減る中で、65歳以降、老後をどう生活すればいいかという不安が払拭されず、しゃにむに貯蓄に励む社会を作り出してしまったようです。
現実には、かつてのような円高を安易に受け入れる失敗がない限り、真面目に働く日本人です、生産性は上がり、経済は成長し、その成果は海外に流出せず、日本人に還元されるという通常の経済サイクルが帰ってくることになります。
改めて今日は「こどもの日」です。日本の経済政策・金融政策の担当者も、世の親たちも、「子供たちが将来に希望と自信を持てるような日本」にするためにどうしたらいいか、改めて確り考えることが必要なように感じるところです。
今日は平成最後のこどもの日です。「平成という時代」をシリーズ化して時折書いてきていますが、振り返って考えて見れば見るほど、平成という時代は、戦後の日本にとって、本当に暗い時代でした。
原因を突き詰めてみれば、アメリカの経済戦略とそれに対する日本の対応の拙さに原因があることは解って来ますが、この昭和の末期に原因を発し、平成の30年苦しんだ経験を今後の日本の経済政策、さらには国際関係のへの対応に、残念な失敗の教訓として残すことが大事だと、つくづく思うところです。
折しも今日は「こどもの日」ですから、われわれ失敗した世代の子供や孫たちに、この失敗の結果を少しでも回復させたうえで引き継いでもらうこと、そして同じ失敗を二度と繰り返さないように、われわれの学習の成果を確りと伝える事が重要でしょう。
失敗の原因の最も大きなものを一つだけ挙げれば、それは為替レートについての経験と知識の不足でしょう。
具体的に言えば、プラザ合意(1985年)でG5の円高要求を「素直に受け入れた」ことです。結果的に円レートは1ドル=240円から120円になり、日本の物価と賃金が基軸通貨のドル換算で2倍に跳ね上がったという経済環境の大変化です。
その結果は、プラザ合意の5年後に顕在化したバブルの崩壊、その後の失われた20年と言われる中で、リーマン・ショックで円レートは1ドル=80円まで上昇、日本経済はゼロ・マイナス成長が常態という超長期の苦しみを味わいます。
この為替レート切り上げについての認識の浅さが、一部からは「 経済敗戦」といわれる日本経済の低迷、平成という暗い時代をもたらしたのです。
後にアメリカから「人民元」の切り上げを強く要請された中国が頑として受け入れなかった背後には、「我々は日本の失敗の経験から学んでいる」という言葉があります。
この昭和末期の失敗が平成という暗い時代を作りだしたという現実は平成も末期に近づく2013年(平成25年)まで続きます。
そして平成13年、14年と続いた日銀の政策変更による円安政策「異次元金融緩和」で、円レートは1ドル=120円の円安を実現し、為替レート上は終わりを告げます。
しかしバブル崩壊以降30年にわたって続いた深刻な不況の経験は、今日の経営者、管理者、一般サラリーマン、さらには消費者や家計にまで、経済成長のない世界に住むのが日常という意識を持たせたのでしょう。ゼロ成長で賃金は上がらず、貯金をしても利息は付かず、年金の給付は減る中で、65歳以降、老後をどう生活すればいいかという不安が払拭されず、しゃにむに貯蓄に励む社会を作り出してしまったようです。
現実には、かつてのような円高を安易に受け入れる失敗がない限り、真面目に働く日本人です、生産性は上がり、経済は成長し、その成果は海外に流出せず、日本人に還元されるという通常の経済サイクルが帰ってくることになります。
改めて今日は「こどもの日」です。日本の経済政策・金融政策の担当者も、世の親たちも、「子供たちが将来に希望と自信を持てるような日本」にするためにどうしたらいいか、改めて確り考えることが必要なように感じるところです。