通貨切り上げで経常黒字は減るのか?
この問題は大変難しい問題です。しかし、いろいろ考えてみますと理論はそうでも現実は違うように思います。日本の経験で見ますと、プラザ合意で大幅な円高になっても、今回のリーマンショックでの更なる円高でも、日本の経常収支が赤字に転落するような様子は見えないようです。
逆に、通貨が切り下げられた国で経常黒字が増えているかというと、最近の韓国、ドイツなどで見ても、必ずしもはっきりした相関関係は出ていません。
アメリカの経常赤字が減ったのも、ドルが安くなったからというよりは、住宅価格の下落で、モーゲージローンが使えなくなり、消費が落ちたという事によるようです。
さらに、最近のドル安の中でも、経済の回復と共に経常赤字は増加の様相が見えています。
こうした状況から考えられることは、
・通貨が切り上がって、国際競争力が弱まれば、経常黒字が減少(赤字が増大)
・通貨が切り下がって、国際競争力が強まれば、経常黒字が増加(赤字が減少)
といった図式的な事には、この世界の現実はなっていない、ということではないでしょうか。
つまり、経常黒字国になるか、経常赤字国になるかを分けるのは、為替レートよりも、その国の国民が、
・自分たちの稼ぎの範囲で生活をしようとするか
・借金をしてでも、稼ぎより良い生活をしようとするか
という生活習慣による度合いの方が大きいという事ではないでしょうか。
例えていえば、これはメタボになるかならないかといった生活習慣病と同じで、給料が下がったら生活習慣病が治った、とか給料が上がったからメタボになった、というよりは、その人のまさに「生活習慣」による度合いが圧倒的に大きいのと同じではないでしょうか。
そして、もしそうであるならば、経常黒字国と経常赤字国との不均衡を解消しようとして、為替レートの引き下げ競争に走るのは、全くとはいいませんが、ほとんど意味がなく、直接、経常赤字、経常黒字の是正に向けて、「国民の生活習慣」を直すことに知恵を絞ることこそが、まともなアプローチということになるのでしょう。
今回の慶州のG20が出色の出来だったと前回書いたのはその意味です。
アメリカはどうすれば過剰消費社会から脱出できるのか、日本は何故GDPが減っても減っても、その減ったGDPをさらに使い残して、経常黒字を出し続けるのか・・・・・。 そうした現状の原因の究明と、対策を考えることが、これからの、世界経済の安定に必要になるのでしょう。
この問題は大変難しい問題です。しかし、いろいろ考えてみますと理論はそうでも現実は違うように思います。日本の経験で見ますと、プラザ合意で大幅な円高になっても、今回のリーマンショックでの更なる円高でも、日本の経常収支が赤字に転落するような様子は見えないようです。
逆に、通貨が切り下げられた国で経常黒字が増えているかというと、最近の韓国、ドイツなどで見ても、必ずしもはっきりした相関関係は出ていません。
アメリカの経常赤字が減ったのも、ドルが安くなったからというよりは、住宅価格の下落で、モーゲージローンが使えなくなり、消費が落ちたという事によるようです。
さらに、最近のドル安の中でも、経済の回復と共に経常赤字は増加の様相が見えています。
こうした状況から考えられることは、
・通貨が切り上がって、国際競争力が弱まれば、経常黒字が減少(赤字が増大)
・通貨が切り下がって、国際競争力が強まれば、経常黒字が増加(赤字が減少)
といった図式的な事には、この世界の現実はなっていない、ということではないでしょうか。
つまり、経常黒字国になるか、経常赤字国になるかを分けるのは、為替レートよりも、その国の国民が、
・自分たちの稼ぎの範囲で生活をしようとするか
・借金をしてでも、稼ぎより良い生活をしようとするか
という生活習慣による度合いの方が大きいという事ではないでしょうか。
例えていえば、これはメタボになるかならないかといった生活習慣病と同じで、給料が下がったら生活習慣病が治った、とか給料が上がったからメタボになった、というよりは、その人のまさに「生活習慣」による度合いが圧倒的に大きいのと同じではないでしょうか。
そして、もしそうであるならば、経常黒字国と経常赤字国との不均衡を解消しようとして、為替レートの引き下げ競争に走るのは、全くとはいいませんが、ほとんど意味がなく、直接、経常赤字、経常黒字の是正に向けて、「国民の生活習慣」を直すことに知恵を絞ることこそが、まともなアプローチということになるのでしょう。
今回の慶州のG20が出色の出来だったと前回書いたのはその意味です。
アメリカはどうすれば過剰消費社会から脱出できるのか、日本は何故GDPが減っても減っても、その減ったGDPをさらに使い残して、経常黒字を出し続けるのか・・・・・。 そうした現状の原因の究明と、対策を考えることが、これからの、世界経済の安定に必要になるのでしょう。