東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

やっぱ秋インで勝ちたいと思う。

2008年08月25日 22時13分38秒 | Weblog
来間です。
自分のこと、部のこと、今後の事とかいろいろ思う事があるのでちょっと書きます。

自分のこと。

僕はヨットを初めてせいぜい2年ちょっとのレイトスターターだけど、秋インカレ2位っていう目標を達成するためにはジュニアからやってるセレクションとかに勝たなきゃなんないこと。
僕もピアノをずっと弾いててその経験から言うけど、小さい頃に始めたことってのはその運動や感覚が体の一部みたいになってて、本当に無意識的になんでもできるもんだなーって思う。ピアノの世界でもレイトスターターってのはもちろんいて、そういう人はたいてい頭を使いたがり、運動や感覚を知識として理解しようとし、なんでもかんでも文章的に記憶しようとするんだけど、小さい頃からやってる身としてはそんなん考えてもわかるわけないのになーって思ったことがよくあった。

今まさに自分が逆の立場にたって思ったことは自分が頭でっかちになりすぎてたってこと。ヨットは音楽に比べたら理論的に考えることがはるかに多くて逆に感覚的要素は少ないけど、でも感覚がいらないなんてことは絶対ない。きっとヨットを小さい頃からやってる人は船のスピードとか風とか波とか、何したら勝って何したら負けるとかの感覚や経験が体に刻み込まれてて、ヨットが日常動作と同じようにこなせるんだろうな。だからレースでは余裕をもってコースとかタクティクスとか考えられるし、安定したボートスピードも出せるんだと思う。

最近速いクローズの感覚がわかってきた。ボートから伝わるパワー、メインシートの重さ、リーチの感じ、ティラーのヘルム、どれをとっても結局言葉じゃ説明できなくて感覚なんだなーって思った。今はまだ死ぬほど集中して全身の神経をアンテナのように張り巡らしてやっと走れるって感じで、レースの緊張感の中で走るのはとうてい無理。個戦で実感した。練習で何百時間って延々走って体に染み込ませないと使い物になんない。結局御託を並べてる暇があったらただひたすら船に乗って(1分たりとも適当に乗るんじゃなくてまーじ集中してやって)、もう何も考えずに乗ってもそのスピードが出るくらいになればきっと周りの船をブチ抜ける。

たぶんヨットをなめてた。他大もなめてた。10年以上ヨットをやってる人たちと同じ感覚を2年や3年で身につけなきゃなんないんだから、自分がヨットに使える時間は1分たりとも無駄にしない気持ちでやんなきゃだめだった。そうやって時間を無駄にした自分を後悔してる。今にならなきゃわかんない。でも今になってからでは遅い。だから下級生には僕のこの経験を生かして頑張ってほしい。もちろん僕も秋インカレまで残すとこあと1ヵ月ちょいだけど自分のベストを尽くそうと思う。

次に部のこと。

上に書いたのはあくまで僕自身の課題でみんなはまた各々課題があると思う。そういうのは別にして、インカレに勝つためには部としてもっといろいろ詰めてかなきゃなんないとこがいっぱいあるんじゃないかな。船のことだとか、用具の管理だとか、お金だとか、生活のことだとか。今は整備ひとつにしても、用具はたいてい部のやつはイケてなくて新品のを準備してもすぐボロボロになるし、結局個人で用意しなきゃならなかったりして、セーリングってスポーツの中で道具の重要性が占める割合を考えるとこの状況はよくない。せっかく部でヨットやってるんだからそのメリットを最大限に生かすべきだと思う。道具もみんなで大切に使えば無駄なお金もかかんないしね。もちろん工具をヨット部に入って初めて使ったって人もヨットで使う用具のこともよくわかんないって人もいるだろうし、わかってる人がちゃんと教えてこなかったってのは問題だった。でも僕はこういうのは自分で興味をもって調べたり人に聞いたりして覚えていくもんだと思う。もちろん好き嫌いはあると思うけどヨットに乗るんなら必要なことだし。この前2年生がセールとかマストのこととか知らなかったときはびっくりした。

用具を揃えるためにもお金は必要。船だとかセールだとか使うべきとこにはがっつり使うべき。逆に工具を大切に使うだとか物の管理をちゃんとするとか(僕がいうと説得力ないけど)で防げる無駄な出費はなくすべき。結局のところ部バイトもしないで済むならその日練習するに越したことはないんだから。無駄はとことん無くしていくべきじゃないでしょうか。

生活のこと。僕は上級生がこうやってヨットの事ばっか考えてられるのも1年生が生活を支えてくれてるからこそだと思ってます。ぶっちゃけて宣言しておくとこれからインカレまで葉山で合宿する中で1年生の仕事は割とエグいです。レースメンバーでの練習が多くなってヨットに乗れる日も少なくなります。もしかしたら、なんでヨットにも乗れないのに何で朝早くから夜遅くまで働いたあげく金まで払わなあかんねんって思う人もいるかもしんない。僕もそうだった。何度部活辞めようと思った事やら。でもみんながいないと僕らは十分な練習ができないし、インカレに勝つことなんてもちろんできない。1年生には感謝の気持ちでいっぱいです。

君たちの先輩はたぶん全員同じ気持ちでいるはずです。そして君たちも2年後同じ事をきっと思うはず。

最後に今後のこと。
ばかだな。プロになるわけでもないし、たかがインカレごときに勝つために金に時間に労力をそんなにもつぎ込んで。そう思う人がいると思う。

僕は2年の春に初めてレースに出てよく分んないまま負けた。夏に上手い人とレースに出たら今度は僕の練習不足で負けたのがよくわかった。秋、強風のレースで沈しまくってもはやレースにならなかった。そうやって悔しい思いもして、もし自分が勝てれば楽しいだろーなーとか思いはじめた。一方、去年の全日本インカレ出場で喜ぶ先輩たちの様子を見てた時は、そんなにうれしいものなのかなーってちょっぴり冷めた目で見てた。でもこうやってレースで勝ってうれしい気分になったり負けて悔しい思いをしたりを繰り返してだんだん勝つ楽しさってのを強く感じるようになる。そして今レースメンバーになってみるとやっぱりすべてを賭けてでもインカレには勝ちたいと思う。

どの大学も全力を尽くして望んで来るインカレで勝つのは、誰よりも練習して、誰よりも念入りに準備をして、誰よりもヨットにかけてきた大学です。もし東大がレースメンバーだけ必死にヨットをやったとしても、部員一丸全力でヨットをやってる大学に勝てないのは必然的。チームひとりひとりがチーム全体に影響を及ぼすんだってことを意識してほしい。だからヨット部ってばかだなって思ってる人がいたとしても、嘘でもいいから秋まで僕らと意志共有して一緒に頑張って。そのために犠牲になることは少なからずあるけどそれだけの対価がきっとついてくるはずだから。

逆に下級生からもどんどん思ったことは言ってね。うちの部活の雰囲気考えたら何言っても別に大丈夫でしょ笑。





P.S. へたれな関東470とへたれなインカレ個戦の反省はまた今度します。