東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

where there's a will, there's a way.

2017年11月20日 20時40分02秒 | 通常練習
ご無沙汰しております。1年、戸沢です。
新チームになって470からスナイプに移動しました。その理由は後ほど書きます。

長くなると思ったので段落に分けて書こうと思います。
⑴夏。
⑵全日本。
⑶スナイプへ。

⑴夏。
僕の夏は他の部員とは過ごし方が少し違っていました。
夏のある日、練習が終わり合宿所の二階にいると、菅原さんと水石さんに一階から呼び出されました。内容は学連に入ってみないかという事でした。
学連がとてもとても大変だということは前からお聞きしており、練習時間もとられてしまうことに抵抗を感じて、初めは前向きに検討させてくださいという返事をさせて頂きました。
しばらくして、僕が適任だと思って頂いたこと。そして、菅原さんが「俺が全日本個選でいい成績がとれたのは、学連に入って運営のことを理解し、近くでレースを見てきたからだと思ってるよ」と仰ったことに後押しされて、正式に学連に入りました。

それからというもの、夏の練習期間中は学連の仕事も多く、部に深く関われたかというと胸を張ってハイ!と言うことは出来ません。しかし、毎日毎日祈るようにレースを運営していたことを思い出します。関東の予選で470が3艇ともBFDに引っかかった時は手が震えて、レース運営するのも困難な状態になり、全日本を決めた時は涙が出るほど嬉しかった。
そう思えた時に、本当に戦ってるのはレギュラーの先輩達だけかもしれないけれど、自分は集合写真にも写れないほど部から離れて運営の仕事をしていたのに、部員として心では一緒に戦えていた気がしました。
そんな思いに後輩を思わせるような先輩に僕もなりたい。

学連では、学連委員長の菅原さんの伝があって、自分なりにも努力し、入って1ヶ月で本船のトランコを持たせていただけるほど出世させて頂きました。そして、六大学戦を僕が指揮して運営が出来るほどになりました。

ヨットにあまり乗れないし、練習日が続く辛い時期に、僕は同期の仲間に気を配れず、この辛い夏を過ごして辞めてしまった同期を思うと悔しさが募ります。そして、夜遅く戻る僕はみんなに支えてもらってばかりで感謝しかありませんでした。本当にありがとう。

僕にとっては本当に内容の濃い夏でした。

⑵全日本。
学連での仕事がなく、一人の部員としてちゃんとサポートメンバーとなって関われた初めての大会でした。初めてのサポートで力不足の部分も多くあったと思います。それでも全力で戦い、自分を福井に連れて行ってくださった先輩達が近くにいました。

部が目指していた目標から言えばそんなに悪くない順位だったかも知れません。ただ僕は、終わってみると信じられないほど悔しかった。これまで先輩達のレースを近くで見てきた自分には、先輩達が自分の実力を最大限に発揮出来ているようには見れなかったし、何よりも先輩達の顔から悔しさが垣間見えていました。
でも、その中でも嬉しかったことは

戦う先輩達が大会期間中、笑顔でいた事

でした。
レースから、そしてその大会の雰囲気まで楽しんでいる先輩達を最後まで全力で応援したいと思えました。

先日の角出さんのブログにも書いてありましたが、この大会を通して思ったことがあります。それは、

優勝を目指す早稲田が羨ましかった。

普段一緒に練習していた早稲田がいつも以上に全日本では輝いて見えました。生意気かもしれないけれど、同じ想いを新チームの部員が一人でも多く感じていたならば、嬉しいな。長いスパンであったとしても同じ方向を向けるから。そして、早稲田の人達が東大の結果を気にしてくれていたことも嬉しかった。

この大会をもって4年生は引退してしまいました。もう近くにいた4年生は部活にはいません。でも、4年生に教えてもらいたいことがたくさんあります。是非また部活に来てたくさん教えてください!先輩達の結果を越えるためには先輩達の技術を学び、自分でも試行錯誤する必要があります。あの楽しい部活の雰囲気のキープして、また来て下さるのを待ってます。

再び全日本へ。

⑶スナイプへ。
新チームになって、僕は470からスナイプに移動しました。その理由を書きたいと思います。

僕は470という船も、470チームも本当に大好きでした。今スナイプチームにいる自分は数ヶ月前の自分には想像もつかない事だったと思います。

これまで470のクルーをしていました。部員の誰よりも努力したんじゃないかと思えるほど、平日の筋トレからイメトレから、練習に至るまで努力してきたつもりです。
ただ、どんなに努力しても自分にはどうにも出来ないことが一つありました。

強風の時に僕には起こしきれないのです。

入部してからずーっと、強風時に自分が本気で起こそうとすれば船がフラットになって、自分には起こすことが出来ているものだと思っていました。しばらくして、船のことをだんだん理解し、強風時にスキッパーの先輩達がセンターボードをあげているのを見て、それが偽りだと分かりました。
起こしきれていると思っていたけれど、起こしきれていない。もっと船を早くさせる簡単なはずの要因がセンターボードに、そして船の色んな部位に見えてきて、自分にはそれが辛かった。

授業があっても筋トレをして、体重は5キロ増やしました。それでも大して変わることはありませんでした。体重もそれでも少ないし、身長もクルー向きではないからです。

それから多くの人にポジションを聞かれ、「470クルーなんだぁ、お前の身長だったらスキッパーになればいいのに」「お前の努力なら上位の大会に進めるかもしれない。けれど、動作や思考が同じレベルになってきたら体格の差の影響が大きく出てきて、上位の大会で上位の結果を出すのは厳しいかもよ」と幾度となく言われました。

それから長い間悩み続けました。
これだけ言われたことを理由に470クルーを辞めるのでは、ただ自分が逃げてるだけじゃないかとも考えました。
だけど逆に言えば、意地を張って残り続ける理由もない。自分に合う場所で、また初めから努力をすればいいじゃないか。スナイプを好きになればいい。

スナイプに移動することを悩みに悩んだ上で決断しました。
この移動によって、470クルーが足りなくなってしまい、多くのメンバーに迷惑をかけてしまいました。それでも移動を決意し、メンバーのご理解と協力のもと、スナイプに移動しました。

だからこそ、僕が上級生になった時にはスナイプスキッパーになって、前を走る責任があると思います。その為にもスナイプクルーの動作やスナイプの走らせ方を理解しなければいけないと思います。特にスキッパーになった後では上級生と乗ることが少なくなり、自分で異変に気づかなきゃならないようになってしまいますし。。
本当に部員の人達には感謝しかありません。

これからまた気持ちを新たにして頑張ります!(ところが四日前から熱を出してしまいました…。体調管理が出来ないなんてプレイヤーとしてあってはいけませんね…。)

スナイプのこと、ヨットのことたくさん教えてください。そしてこれからも応援よろしくお願いします!

長くなりました。読んでくださった方ありがとうございました。
風邪にはどうか気をつけてください。
それでは失礼します。
戸沢

2週間経って

2017年11月20日 13時54分55秒 | 全日本インカレ2017

 
・・・

葉山の合宿所で朝起きて。体操して、朝ごはんを食べて、歯磨きをして、コンタクトを入れる。ミーティングを終わり、海着に着替えて外に出ようとする…ところで、自転車の鍵を忘れたことに気づいて取りに戻る。
気を取り直し自転車にまたがったところ、海に持って行く防水バッグを忘れたことに気づく。合宿所に戻る。
自転車で坂道を下る途中、新港で浴びるためのシャワー道具を忘れたことに気づく。戻る。
気を取り直し、出たところで着替えを忘れたことに気づいて……以下繰り返し

・・・


……昨日、こんな夢を見ました。実際は忘れ物をしても、諦めるか精々戻っても一回だったのですが……


・・・

OBとして久しぶりに練習を見に行ったら、いつもの風景、いつもの様子なのに、みんな少しだけ雰囲気が違う。違和感を持っているのは僕だけで、他の人は感じていない。
あれ、西坂、そんなに鼻の下が長かったっけ。あれ、多賀谷、そんなに直毛だったっけ。あれ、高山、みんなの前でタb……

・・・


これも夢でした。3日くらい前かな。引退して2週間ほど経つものの、急に最近ヨットの夢を見るようになりました。不思議。


夢は人の深層心理を反映するようで、こういった夢を専門家に分析されたら、恥ずかしい診断結果が出そうです。

・・・

全日本インカレが終わって。到底晴れやかな気分にはなれなくて。悔しくて。4年間やってみたけど、自分が思い描いていたほど上手くなれなくて。
着艇後も自分には向いてなかったんだなあと思うばかりで、涙すらも出なくて。


31308とか30785とか30563とか、ずっと一緒に過ごした船に愛着があって、最後に見送る時はセンチな気分にでもなるのかなと思ってたら、全くそんなことはなくて。
4年間の愛着もそんなもんなのかと少し寂しい気持ちになって。


半ば鬱屈とした気持ちを抱えながら福井から帰ってきました。


引退した次の週は、土曜は海着を放出しに八景島へ、日曜は練習手伝いに小網代へ行きました。どちらも楽しそうで、少し羨ましく思いました。


インカレ決勝、全日本インカレを経て、ハイレベルな敵の中で、ずっとボートスピードに集中しなきゃ戦えなくて、失点式のゲームの中で、闘争心を持ちながら瞬時に冷静な判断を求められる世界はとてもしんどい、辛いと思うようになっていました。


先日、フェイスブックのタイムラインに全日本スナイプの画像集が流れてきました。
正直ディンギーのビックフリートはもう見たくないなくらいに思ってたのですが、去年の今頃に江村とわざわざ和歌山まで行って全スナ出てきたなと少し懐かしくなって、
あと、浅川のカッコいい写真とかあるかなと思って、気づけばずっと眺めていました。


写真を見てると波は高くて風は強い、寒そう、やっぱりハイクアウトは辛そう、マーク側はどうせ怒号が飛び交ってるんだろうな、なんでこの人たちはわざわざこんなにしんどいことをしてるんだろう、と思いました。


ただ、じっくり眺めてみると、やっぱり葉山の海は綺麗だなって思って、
この波の海水は南で、まだ11月の初めなので見た目よりは温かいんだろうな、このハイクアウト写真映え意識しすぎやろ……、ど強風のタックは難しいよなあ……、フットベルト緩くて、きっと意識とか飛んでるんだろうな……ジブもメインも緩めてて、めちゃくちゃ吹いてんだろうなァ……


と、見てるだけで色々な情報、乗ってる人の気持ちが想像できるような気がして少しだけ楽しくなって。

闘争心ギラギラのレースに集中する一方で、良い風の中で船を走らせるのはきっと楽しいんだろうな
上マークを目指して最後のレイライン、これまで以上に死ぬ気でハイクアウトしてようやく辿り着く。きっと辛いけど、なんだか楽しいんだろうな、きっと

Serious sailing, serious fun.

……やっぱりスナイプってかっこいいなって。



またヨットに乗ったら楽しいんだろうけど、またレースとか出たら辛くなり、乗らなくなったらまた乗りたくなって……って繰り返すような気がします。
でも、生涯かけて少しずつでも上手くなれたら、より深く楽しむことができたらいいな、とも思います。


どうやら引退しちゃったので、学生の大会に出ることはできないけど、これからも様々な形で海に関わっていけたらな、と思います。


また、よろしくお願いします。



東京大学運動会ヨット部 旧4年 山本圭祐




……新主将挨拶の後になってしまって、本当にごめんなさいm(_ _)m




この写真は、西坂水石と、それっぽい感じを醸し出していけば、バルクヘッドの平井様はきっと撮影してくださるだろう!との目論みで海を眺めていたら、ありがたくも撮影していただけました。

写真そのものももちろんですが、このしょうもないエピソードまで含めて、僕の宝物です。
ありがとうございました。


新主将挨拶

2017年11月16日 00時29分17秒 | 通常練習

2018年度ディンギー班主将を務めます。浅川雄基です。

全日本インカレが終わり新体制となり、約1週間が経ちました。
これからの一年間を最高の一年にしようとやる気の炎を燃え上がらせながらも、心にぽっかり穴が空いている気がします。これは偉大な4年生の方々がいなくなってしまった寂しさ、また全日本で思うような結果が出せなかったことから生じたのだと自分では思っています。
全日本ではたったの3レースしか消化できず、しかも私はBFDをつけてしまいました。自分の判断によりチームの足を引っ張ってしまったことが本当に申し訳なく、残りのレースを少しでも良いものにしようと努めました。
しかし実際にはその後もたった1レースしか行われず、東京に着くまで全日本が終わったという現実味が私にはありませんでした。
これで全日本が終わってしまったのか。

この遣る瀬無さをなくすためには、もう一度全日本インカレという舞台に立ち、自分の納得のいくレース、つまりは部の目標を達成するしかないのでしょう。

そのためにこれからの一年間、私はチームを疑う存在でありたいと思っております。
今まで当たり前だったこの運営方法は本当に正しいのか。
トレーニングの強度は本当に現状のメニューが適切なのか。
まだまだ変えられる所はたくさんあるはず。
今後のありとあらゆる行動が、どのようにして目標達成まで繋がっているのかを考え続けたい。
全日本総合9位へと繋がらないものはどんどん変えていきます。そうやってすべてが目標へと結びついた時、おのずと結果はついてくるのだと思います。

なかなかブログを書くことがないので、まとまりのない文章になってしまいましたが、要するに、絶対に最高の一年にするぞということです笑


最後になりますが4年生の先輩方、本当にお疲れ様でした。
先輩方と過ごした2年半は私のセーリング人生の中でも宝物です。
是非また一緒に海に出ましょう!

また、今回の33年ぶりの全日本インカレ出場に際し、多大なるご寄付を賜りましてLBの皆様には深く感謝申し上げます。
これから一年間、何十年ぶりかの2年連続両クラス全日本インカレ出場、そして総合9位に向けて精進致しますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

滾血録。

2017年11月08日 19時10分55秒 | 全日本インカレ2017

お疲れ様でした。引退しました中田です。470クルーでした。

全日本インカレが終わりました。

全日本が終わってすぐに投稿できなかったのは、いろいろと迷っていたからでした。最後に何を書くべきだろう?時が経つほどに、ヨットがなくなって一度ゼロになった自分と、一週間前までの鮮烈な記憶が混線しています。

 

正直に言って今全日本を思い返して1番強い気持ちは、悔しいという気持ちです。2レース目、その日の最初のスタートからブラックで、不用意に前に出てしまいブラックゼネリコに読まれ、第2レース参加できず。第3レースはビビって死にスタをして、フレッシュを取ろうとタックしている中でケースを起こし2回転、完全なドベからのレースになりました。胸を張って締めくくれる結果ではなくなってしまいました。

 

秋のインカレを意識するようになってから、自分のできないところが目について仕方がありませんでした。なんでこんなこともできないんだという考えがクセになって、悪い方に焦りが働いてしまっていました。それでも全日本に出ることが叶った最後の最後になって、サポートしてくれる後輩のためにも、一緒に乗ってくれている塚本のためにも、ずっと助けられてきたチームメンバーのためにも、今の状況を楽しまなくてはと思うようになりました。

そうして臨んだ遠征は、レースは、やっぱり楽しいもので、最後フィニッシュしたあとも、もうひとレース、次のレースを必ず最高のものにするぞという意気込みをもったまま終えることになりました。

成功と失敗の数多く起こるのがヨットレースです。これを苦しいと捉えると非常に苦しいものです。しかし楽しもうと思って臨めば、競技の本質がこんなに楽しいスポーツもない。分かっているはずのことを、最後になって思い出したという感じです。失敗しても、次に最高のレースをしようとすること。それで失敗しても、また次に最高のレースをしようとすること。それで失敗しても、またその次に。それでダメでもまだまだまだまだ!

 

忘れていたことが悔しい。そのせいで多くのものを取り逃がし、失った気がしてしまいます。しかしながら、この悔しさがあるからこそ、引退したあとも前に進み始めることができるのだと思います。進み続けるしか、悔しさに替わるものを手に入れる方法はないですし。部に残る者もまたそうだろうと思います。

 

こんな自分と一緒に1年間やってくれたチームの皆さん、力足りずごめんなさい。それでも、ほんとうにありがとうございました。レギュラーメンバーもサポートメンバーも、今は休部している人たちも、最高です。呼びたくなったら呼んでください。微力でも力になります。

 

ヨット部に導き、支えてくださった方々、誰も彼もありがとうございました。最高に濃い時間を過ごすことができました。これからも負けないくらい濃い時間を自分の周りに作っていこうと思います。

 

短いですが、失礼します。

最後にもう一度、ありがとうございました。

中田祐輔


備忘録 その4 〜回顧録から留魂録へ〜

2017年11月08日 13時00分00秒 | 全日本インカレ2017

お世話になっております。

2017年度ディンギー班主将を務めました角出です。
全日本学生ヨット選手権大会を終えて感じたことを最後に記させてもらいます。
 
 
やはり勝負事に勝てないってことは、辛く悔いが残ってしまうものでした。
サシで戦うような性質のスポーツでないだけに、どこを勝ち負けにするかの線引きは難しいけれど、勝てないってこんなに悔しいんだって人生で一番強く感じました。
 
何の因縁かわからないけれど、去年の関東インカレ決勝も今年の全日本も3レースに泣かされました。
でもみんなが知っての通り、これがヨットレースだよね。
何が起こるかわからないからこそ1レース1レースを大切にしなくてはいけないし、もしあと1レース残されているのなら、それは神様が与えてくれた最後のチャンスなんだって。
 
今回チーム全体で4つの文字をつけたけれど、最後の全日本もNOケース、NOトラブル、NO文字は達成できなかった。
特にヨットの団体戦は、回転しない・トラブルを起こさない・リコールしないといった減点法で評価されて、決して派手ではなく耐え忍ぶような展開を求められる。
でもレガッタを通して上述したことを達成するのは、とてつもなくハードルの高い難しいことだった。
あの早稲田大学すら達成できなかったからこそ、総合4連覇の実現を同志社大学に断たれてしまったのだから。
 
 
1年半前からずっと大学トップの早稲田大学と練習して彼らのことを間近に見ていたはずなのに、実は福井に来て急に、総合優勝ならびに4連覇を目指す彼らが何故だか本気で羨ましくなってきたんです。
自分が持っていた物差しが小さくて、低い次元でしか物を見れてなかったんじゃないかって。優勝とは言わないけれど、より高い目標を掲げられたんじゃないかって。
早い時期にそう思えていたら、まだまだできることが沢山あったのではないかと後悔が募って、遣る瀬無さからレース直前毎晩布団の中で涙していました。
セーリングの技術を早稲田レベルに引き上げることは出来ないけれど、レースに対する意識や普段の生活の中での立ち振る舞い・物事へのシビアな対応力など、誰しもが後天的に長い時間をかけずとも身につけることができることであったら、早稲田レベルの最高水準に持っていけるはずだと。
 
 
色々考えると悔いばかりが浮かんでくるけれど、私には逞しく愛おしい後輩たちがいる。
引退する4年生はこれから何か積み上げていくことは決してできない。
でも後輩たちにとっては、この全日本で終わりでもこれからが始まりでもなく、あくまで通過点だった。今回の全日本すら糧として成長できる。
我々は思いや想い・夢を託すことができる。
 
こうやって東京大学運動会ヨット部が生まれてから今に至るまで、ここに所属していた全ての人が後代へと夢を託し、みんなの夢をずっと紡いでここまで来たんだと思う。
たった一年経つとトップが抜けて弱体化してしまう組織が、以前よりも強くなることは難しいかもしれない。それでもその矛盾を超えていかなくてはいけない。それが後輩たちには出来る。
 
今年度は33年の歴史に「挑戦」したけれど、今度は次の「挑戦」に取り組んで欲しい。
不可能と一時は思えることでも「挑戦」して始めて可能になるはずだから。
 
「挑戦」する権利があることが羨ましい。
まだ積み重ねて成長していけることが羨ましい。
「これから寒い冬が待ってるね」だとか言って、辛いことが待ち受けていることを煽っていたのも未来ある後輩に嫉妬していただけ。
冬という苦難を乗り越えなければならないのは事実だけれど。
 
 
 
最後に、『備忘録 その1』(http://blog.goo.ne.jp/todai_dinghy/e/1d4ab3509b1a310c5119e94e836917f3)にかつて記したけれど、私の描いていた理想は果たして実現できたのだろうか。
感化力あふれる存在になれただろうか。
ヨット部を楽しさ・面白さあふれ成長を伴える場所にできただろうか。
正直わからない。
 
でも自己本位なことを言えば、一番楽しんでいたのは自分だったのではないかと思う。
高杉晋作の「おもしろき  こともなき世を  おもしろく」という言葉を格言にしてきたのだが、
おもしろきことばかりの4年間であった。
先輩にも同期にも後輩にも環境にも恵まれていたから、ヨット部を辞めようと思ったことは一瞬たりとも無かった。
 
ヨットと海はポンコツだった私を強くしてくれました。
個性的な仲間と、皆と過ごした時間は私の心を豊かにしてくれました。
ヨット部に入って良かった。
幸せだった。
 
私を支えてくれた全ての人に感謝申し上げます。ありがとうございました。
この4年間を糧として、新たな大志を胸に抱いて、これからも懸命に生きて参ります。
 
以上です。
 
 
角出賢司

迷走録.03

2017年11月07日 11時05分53秒 | 全日本インカレ2017

こんばんは。元スナイプスキッパーの師田です。

 

先日の全日本インカレ終了をもちまして私の現役生活に幕が下りました。数日たってそう思うと何か、長い長い夢を見ていたような心地がするものです。Facebookを見れば未だに各大学の全日本インカレ速報が流れてきて、終わったと知っているのに、なんだか妙にリアルに感じて、はぁ、そうか、そう簡単に切り替えられないよなァ、と納得するときもあります。今日は海着を放出しに八景島へ行き、自分の荷物置き場はないし、布団もどこへやら、セーリングアイテムは全放出(貰った一年生、絶対、辞めないでな)と引退三拍子が揃った瞬間も、イマイチ現実感がないものでしたな。

 

さて件の全日本ですが、個人的な反省というか、今のレースはこうすればよかったね、というモノが最後の最後まで尽きない中(本当に、悔しいものなのですよ。)、未熟な私を最後までサポートしてくれた下級生たち、ブラックにかかって最終日のレースに参加できないかもしれないのに、最後までスタートのアドバイスをしてくださった小松コーチ、福井に実際来てくださったOB,家族、物理的に近くなくとも、メッセージで励まして下さった方々、、、その、本当に多くの方々には感謝が尽きません。2年生くらいで少しずつ感じられたことなのですが、そんな方々の支援、ご声援に囲まれた環境で部活をやっていくうちに、私のセーリングは、ただ一選手として勝利欲を満たすものではなく、周囲との関係において成立するもの、期待を背負い、結果で返し、また応援をもらい…というインタラクティブな関係のなかで逞しく、成長してきました。それはきっと、セーリングスキルにとどまらないものでしょう。だからこそ、関東決勝の結果は個人的に悔しいばかりか、周囲にも申し訳なく、思い返しては苦い、苦い思い出になったわけです。そして全日本も決して晴れやかな有終の美とは行かず、重ねて悔しいものなのでした。

 

そして、もっと思うことがあります。それは、去年この体験をしていたら、この1年間まるで変わるなと。小松さんのおっしゃっていた、「目指すなら、ワセダと同じ日本一を目指すくらいの気概でいてほしい」、そんな言葉が、全日本という舞台を終え、求められるレベルの高さを見た今なら、真に心を打つのです。想像もつかない目標に、どこか、等身大ちょっと上、そんなシビアさで許すような心理があったような、そんな気は、なかったろうか。。。。少ないレース数、上げ潮のコンディション。あんなに一緒にいて、距離として近くにいた早稲田のシビアさの横で、自分は真に彼らと同じシビアさで練習し続けていたのか。。。。決して自分を甘く許していた気はしてなかったのに、よりレベルの高い学生大会を経て、ここに来てそんな感覚があるのです。

 

さて。この気持ちは残った自分自身の人生で精算せねばならぬと思う傍ら、後輩たちが来年、気持ちよく、この思いを全日本の海で晴らしてくれること、自分が為し得たかもしれない成長を見事、やってのけてくれることを、私は期待しないわけにはいかない。かつて先輩たちが、私たちに期待してくれていたように。泣いても笑っても4年で新陳代謝されていく伝統が生んだ、旧く、ずしりと重く、美しいこのバトンは、八景島で入部宣言をした3年前のあの日から、知らぬ間に持たされのだろう、気付いたらずっとずっと握って、ここまで走ってきたものだった。このバトン、雪の日の練習やら、納会の大笑いやら、汚い合宿所のニオイやら、ムダに色々な思い出も、いっぱいに詰め込んであるのだが。ふむ。きっとあの愛すべき後輩たちが、しっかりと掴んでくれていることだろう。と、信じて、今日の八景島の帰り、私はもう、手放すことにした。

 

4年間ありがとうございました。以上で擱筆させて頂く。

 

p.s.どうやら持ち帰ろうとしていた船舶免許も道半ばで手放していたらしく、申し訳ないと思う。


全日本4日目

2017年11月05日 20時36分40秒 | 全日本インカレ2017
Facebookより

【改訂版】

全日本インカレは3レースを持って成立いたしました。最終成績をご報告します。

470級 全72艇
28 4579 西坂・水石/斉藤 9-32-54
29 4452 小野・角出 61-28-59
30 4357 塚本・中田 7-73(BFD)-56

470級 全24校
1位 慶応義塾 133
2位 同志社 164
3位 早稲田 172
4位 関西学院 190
5位 法政 226
6位 明海 249


15位 日本 350
16位 東京 379
17位 広島 453


スナイプ級 全72艇
26 31418 菅原・多賀谷 34-24-37(STP)
27 31308 山本・浅川 30-73(BFD)-25
28 30785 師田・江村 33-73(BFD)-36

スナイプ級 全24校
1位 同志社 150
2位 日本 171
3位 早稲田 182
4位 関西学院 209
5位 中央 211
6位 九州 238


14位 関西 357
15位 東京 365
16位 東北 394


総合 全17校
1位 同志社大学 314点
2位 早稲田大学 356点
3位 慶應義塾大学 376点
4位 関西学院大学 399点
5位 九州大学 513点
6位 日本大学 521点
7位 中央大学 529点
8位 法政大学 564点
9位 京都大学 579点
10位 明海大学 590点
11位 立命館大学 602点
12位 東京大学 744点
13位 甲南大学 835点



全員が初めての経験だった全日本インカレは、もっとレースをしたかったという気持ちが残ったまま終了しました。やはり全国のレベルは高く、結果を残したレースもあれば、不本意なレースもありました。また目標は総合9位に定めていましたが、結果は両クラス出場校17校中12位となりました。

一方、今回の全日本インカレで東大ヨット部は大きく成長し、来年へと繋がる経験をしたことは確かです。目標となる順位を取ることができなかった、その悔しい思いを次の代へとつないでいきます。

この1年、そしてレース期間に応援してくださったLB様、保護者の皆様に心より御礼申し上げます。また1年後、蒲郡の地でより強くなった東大をお見せできるよう、今週末から練習に励みます。今後ともご指導宜しくお願いします。

全日本3日目②

2017年11月04日 21時41分54秒 | 全日本インカレ2017
Facebookより
【全日本3日目】

明日のレース予定ですが、12時最終予告、3レースで大会成立は変更なしということになりました。

東大はノーレースになったスタートで470が1艇、スナイプが2艇BFDとなりました。よって明日の最初のレースにはそれらの艇は参加できませんが、残された艇で良いレースができるよう最大限努めます。

本日は松田様、上森様、地川様、高橋ご夫妻にお越しいただきました。ハードコンディションの中応援していただきありがとうございました!
また福井最後の晩御飯はLB様のお心遣いにより美味しいお刺身をいただきました!ありがとうございました。

全日本2日目

2017年11月03日 22時55分19秒 | 全日本インカレ2017
Facebookより

【全日本2日目成績!】

今日は陸での風待ちのあと出艇し、海でもしばらく風を待ったあと1レースが実施されました。
リザルトは以下の通りです。

470級 全72艇
28 4579 西坂・水石 9位
29 4452 小野・角出 61位
30 4357 塚本・中田 7位

1位 慶應 35点
2位 同志社 55点
3位 早稲田 59点
4位 中央 64点
5位関西学院 76点

6位 東京 77点

7位 京都 81点
8位 京産 85点
9位 日本 88点
10位 近畿 104点

スナイプ級
25 31418 菅原・多賀谷 34位
26 31308 山本・浅川 30位
27 30785 師田・江村 33位

1位 同志社 26
2位 早稲田 37点
3位 龍谷 39点
4位 立命館 51点
5位 京都 65点
6位 関西学院 68点
7位 慶應 76点
8位 日本 80点
9位 東北 94点
10位 法政 95点
11位 中央 97点

12位 東京 97点

13位 明海 123点
14位 大阪 124点

総合順位
1位 同志社 81
2位 早稲田 96
3位 慶応 111
4位 関西学院 144
5位 京都 146
6位 中央 161
7位 立命館 165
8位 日大 168

9位 東大 174

10位 法政 208
11位東北 232

470は2艇が良いレースを展開したおかげでチームとしては期待以上の点数にまとめることができました。スナイプチームも堅実なレースをし、チームとしての完成度を見せることができました。
明日は強風予報です。今日の順位を少しでもキープできるよう全力を尽くします。

また今日はLB田中様、三浦様、松田様、地川様、上森様、三箇山様、塩島様にお越しいただきました!ありがとうございます。