最近やっと八景島に少し友達ができて嬉しい限りの2年470クルー天木です。それと同時に、他大の同期と比べて自分の力不足を感じては成長しないとなーと思う毎日です。
前のチームでペアを組んでた西坂さんが前を走ってたおかげで、新チームになってから僕が後ろで燻っていると、どーした天木?あんな後ろいたけど?と声をかけられます…その度に今は1年生スキッパーと組んでるからしゃあないと冗談まじりに言い訳してました…
この前京都に旅行した際、今年の全日本で躍進した京大の友達に会ってきたんです。同じ国公立でセレクションも取ってないのに何が違うんだろう。練習環境だったり人数だったり色々挙げればキリがないんですが。やっぱり1番はクルー力かな。
京大の470クルーといえばこの方。という方がいらっしゃる(すでに卒部されていますが)のですが、やはりその方は伝説だった。どんな一回生スキッパーと組んでも近北では1番で帰ってくる。そんな話を聞きました。
そしてどうやら京大の一回生クルーはブロー、ラルでジブトリムをするらしい。さらに言えば、ジャイブとかでミスったらクルーがめちゃめちゃ反省するらしい。そんなん僕もやってるか正直怪しい。船への関わり方が違う。
なんだかんだ言ってヨットはスキッパーが評価される世界だし、実際スキッパーが上手だったらある程度はごまかせるスポーツな気がします。クルーが評価されることは極めて珍しい。特に経験者スキッパーの多い関東では。
そう思って今までは責任をスキッパーに押し付けるじゃないけど、まあ俺は頑張ったんだけどなぁー、しゃあない。どこかで妥協してた部分があった。そんな気がしました。
でもそれじゃあダメだなと。実際近北には誰と乗っても走る、そんな伝説のクルーがいたんですから。
この前横国の同期と話してたんですが、やっぱり未経験者中心の国公立が前走るにはクルーが大事。大半のペアの双方が大学始めだし、スキッパーは舵取りマシーンぐらいの勢いじゃないと前を走れない。たまに入ってくる経験者スキッパーは別かもしれませんが。
一概には言えませんが、強豪校のスキッパーの大半はボートスピードも早くて、自分で周りも見てコースを引いてます、多分。もちろん全員ではありませんが。でもコースを引くスキッパーは周りを見てコースを考えている瞬間、必ず何かを犠牲にしています。ボートスピードだったり船の安定性だったり色々あるとは思いますが、必ず何かを。
上位校のスキッパーはそれをしてもあり余るほどのスピード、技術があるから前を走れる。しかしです、未経験者中心の僕たちは違うんですね。スキッパーが周りを見て何かを犠牲にしたら安定した成績は取れない。まあ例外はあるにしろ。
スキッパーはテルテールとリーチリボンしか見ないことが理想。クルーは周りを見渡し最善のコースを引く、必要な情報をスキッパーに伝える。これをスタンダードにしないといけない。スキッパーにこいつなら全てを委ねていい、そんな安心感を与えられるクルーがいないと3艇まとまって前は走れないんです。結局3艇の成績で争うわけですから。
今年の東大はクルー力不足。これはまぎれもない事実です。
これまでは人数も少なく、ある程度は先輩スキッパーに任せるのも当然と言えば当然だった。だけど人数も増えて、これからはレギュラー同期ペアも増えるでしょう。そしたら尚更、スキッパーが上マークを回って気づいたらシングルだった…そんなクルーを育てなきゃいけない。というか育てた方がチーム力が上がるわけです。大橋と僕の2人で、後輩を育てるだけではなく、我々が卒業してもそんなクルーが育ち続ける環境を作らなきゃいけない。ひゃあー、まずは自分たちがそうならないと何も始まらんって感じですがね…スキッパーに安心感を与えられる、そんなクルーに。
そう心に思いながら先週八景島レースに臨みました。前にも書いた通り、最近は本格的にヨットに乗り始めてから1ヶ月ちょいの1年生スキッパーと組んでます。オーバーコンディションで、正直完走できればいいかとか思ってた東北大戦から1週間。
意識が変われば意外と変わるもんです。結果は悪かったものの、2上までは10番代だったり。結局流し込みでリーチングブランケに入り10番くらい落としたのですが…軽風だったこともありますが、勝負する気があればできるんやなと。逆に今まで半分勝負を捨てていた自分は何だったんだろう。「1年スキッパーだから。」これはもう禁句。
船が走らないのは、先輩である自分の責任。ペア競技で先輩が責任を後輩に押し付けるなんて恥ずかしいったらありゃしない。
とは言え、負けず嫌いなもので、1年スキッパーには妥協せずに接してきたつもりです笑。ですが、京大には2年生で全日本470に出た大学始めのスキッパーがいます。あと半年で全日本470。冬必死で一緒に頑張りましょう。何と言っても来年の今頃にはレギュラースキッパーです。
初めて後輩スキッパーと組んで、先輩スキッパーとの落差に最初は関係性に悩みました。でも八景レースで一つ何か見えた気がします。単純です。今まで先輩にカバーしてもらっていた部分を自分がカバーすればいい。それができるのがヨットというペア競技。
最初は後輩と乗っても自分は成長できないんじゃないかなーとか思ったのですが、全くもってそんなことはありませんでした。周り見れるのはどう頑張っても僕しかいない。だからこそ最近めちゃくちゃ周り見るようになったし。今まで先輩に任せっきりだった部分を全部自分がやらなきゃいけなくて。ほんと勉強になってます。
思い返せば、去年組んでた西坂さんはペア2人でボートスピードを作ろうとする意識が強かった。今日のコンディションだとこの走らせ方微妙だねーみたいな。結局自分で改善するにしても、一応何もわからない僕に相談する過程を作ってくれてた。動作も一緒に作り上げてこうって感じを出してくれて。天木じゃないとジャイブできないって言われたり。やっぱペアってこうでなくちゃ。2人で乗ってるんだから、2人で考えたほうがいいに決まってる。
時たま塚本さんや小野さんと乗ってもそれは同じ。わからないなりに自分で考えて色々提案してみたり。小うるさい後輩だと思われてただろうけど。
今はほんとに何もわからない1年生を育てるってことで、一方的になるのは仕方ない部分はあるけれども、せっかく2人で乗っているのだから。1年生といえども意志を持ってペアに関わろうとして欲しい。
この時期から自分で考えることを意識したら、1年後、2年後、全く違ってくると思います。僕はこの前の9月くらいからやっと意識し始めたので。
この前のクルーミーティングでも話に出たけれど、1年生クルーはそろそろ自分でジブには責任を持つという意識を。1年生スキッパーはメインとテルテール。今は先輩に乗せてもらってる感じが強いかもしれないけれど、自分のことができるようになれば、ペア組んでる人と同じ土俵に立って二人で色々試行錯誤できる。一緒にレースを楽しめる。
もちろん先輩の方がヨットを深く理解してるからいつまで経っても指摘は受けるでしょう。でも自分で考えることをやめなければ、必ず成長できる。
まずは基本的な動作。それが体に染み付いてくれば、自然と余裕がでてきて周りやらセールシェイプやらが見えるようになる。そこまできて初めて、クルーだったらコースを任せてもらうなり、スキッパーだったら自分でちょっとバングいじって走りを変えてみたり。段々と自分の船への関わりを強めていけばいい。
今の1年生は同期がたくさんいて。競争があって。上手くならないはずがない。
「自分で考える。」
これが個人的な今シーズンのテーマです。今まで先輩に頼りきっていた自分が、突然頼られる側になり、未熟な自分にため息をつきたくなりますが、みんなで考えて乗り越えていきたいです。
できるだけ多くの人が自ら必死に考えて、試行錯誤して。そして下級生も自分で考えることのできる環境を作れるように。そう意識したら、チームとして成長できるんじゃないかな、なんて思います。
なんだか年始の挨拶みたいになってしまいました。しかし、先輩たちから与えられた「日本一のコーチの下、日本一のチームと合同練習」という環境に、なんだか満足してしまっていたような自分がいます。いつの間にやら自分で考えることを放棄してしまっていたのかもしれません。
自分で考えることをやめなければ成長できる。
後輩にごちゃごちゃ言う前に、自分が実践しないと。
東京大学運動会ヨット部2年
天木悠太
p.s.まあこんな偉そうなこと書きながら、八景島レースの結果は4レース中2レースに出て28(R2)-30(R3)/45艇中だったんでダメダメです。。ワンツースリーに他大の同期が…。冬精進します。来年には関東一のクルーになるって約束があるもので。