お世話になっております。クルーザー班新4年の伊東です。先月末に行われたJ/24全日本選手権の振り返りをいたします。
まず、円滑な大会運営をしてくださったレース委員会の方々、はるばる和歌山まで応援に駆けつけてくださったLBの皆様、日頃からご支援いただいている皆様に感謝申し上げます。
総合順位は11位。今年の初めに思い描いていた結末に至らない結果となりました。今年のチームは勝てる、そう思っていただけに悔しさと、海千山千の社会人の中でレースをすることのシビアさを痛感しています。
一日目。弱風が振れまくり、長い風待ちを経て午後から南西の軽風で2レース。和歌山の風での戦い方が分かっておらず、コース選択で苦戦。8位と11位。混戦で点差も大きくないから前向きに、と翌日の健闘を決意。
軽風予報の二日目。とにかくブローを繋ぐコース、細かく頻繁に振れる風に合わせ続けるようにとにかくセーリングに集中、と反省を踏まえて臨むも朝から無風。APHを挟み、また長い長い風待ち。変に気張らず他愛も無い話をしていました。さらに海上で風待ちをし何とか1レースを消化。結果は9位。着艇した後頭が痛くなるくらいセーリングに集中していたので、どういうレース展開だったかも忘れてしまいました。
まだ3レースある、まだまだ点差は小さいからとにかくいいレースを作ろう、そういって迎えた中風予報の三日目。ハーバーに来てみたら軽風でした。予定通り朝一番からレースが行われました。第4レースの1下で風が上がり、予報通りの風に。ときにジェノアマックスのブローが降りてくることもありました。劇的なコンディションの変化に気持ちを揺さぶられてしまいました。緊張と焦りで手が震え、大事な場面で大きなタックミス。最後の下レグで振れを対処しきれずにスピンを崩す。そこまで保てていた平常心を失ってしまっていたのです。僕だけでなく、チーム全体として平常心を失ってしまっていたことは明らかでした。結局いいレースを最後まで作れず11-9-10。
前入りをした晩、宿泊先近くの中華屋で1年の源と「去年の全日本で良かったのは最後まで平常心を貫いたこと、今年も平常心で」と半ば自己暗示的に話していただけに悔やまれます。動作も走りも、あれだけ努力を積み重ねたと思っていたのに、あっという間に積み上げたものは崩れ去ってしまうというのがヨットレースの難しさです。だからこそ、本当に少しの甘えもゆるされない、いいレースを創るために常に完璧を求め続けなければいけないというのが今年の全日本で得た反省です。
悔しいだけでなく、楽しかったというのもまた事実です。レースが楽しかったというよりこのトリマーとして過ごしたこの一年間が楽しかったのかもしれません。トリマーを任され、ジェノアを引き込むパワーもない、スピントリムもおぼつかない、そんな状態から始まった一年でした。いまや半ば笑い話ですが、3月のアニオルの敗因は明らかに自分のダウンレグの走りの技量の足りなさでした。申し訳なかったし、当時はかなり焦っていました。それでも維摩さん、萩原さんは腹を立てることはなく練習に付き合ってくれました。すこしづつスキルも身について、夏を過ぎたころから「最近の仰秀の走りは悪くない」と社会人チームやLBの方々に言っていただけるようになっていました。目に見えて成長していく過程が本当に楽しかったし、秋にはヘルムの維摩さんと走りへの感覚が以心伝心で共有されていたような気がします。一年間のびのびとやらせてもらい、来れるところまできた、このチームで前を走りたいと本気で思っていました。
仰秀が全日本で社会人チームに勝つというのは、やはり夢想にすぎないのでしょうか?そんなことは決してない、そう僕は思います。平常心で挑んだ去年はトップフィニッシュを飾るレースがあった。今年はどのレース結果も残念ではあったが、社会人チームに走り勝つ瞬間もあった。最終リザルトで結果を出すには完璧を求めて「いいレースを創る」ことにコミットし続けることが必要なのだろうと、ようやく気付きました。来年の全日本で必ず100%の実力を出し切るために120%の努力を積み重ねようと決意しています。
さて、最後になりますが今年引退された4人の先輩方には感謝してもしきれません。このチームに来てよかった、と感じるのは疑いもなくみなさんのおかげです。1年のころ単身クルーザー班に身を投じた未熟な自分にとって、かけがえのない「仲間」でした。たくさん迷惑をかけたし、本当にお世話になりました。維摩さんのトリマーを務められたのは幸せでした。色々ご迷惑をおかけすることがありましたが、嫌な顔をせず粛々とリーダーシップを発揮されていた姿に感謝と尊敬の念で一杯です。萩原さんは、親身に面倒を見てくださり、その人柄に何度も救われました。ときに生意気な口を聞いてすみませんでした。萩原さんからコースについてもっと吸収しておけばよかった、と思っているのでオランダから帰国されたらたくさんご指導ください。美緒さん、香穂さん。同期がいなかった自分が仰秀というチームに溶け込めたのは、お二人が距離感を縮めて下さったからに違いありません。どうしようもなく落ち込んだときも明るく鼓舞して下さり、素敵なマネージャ―の先輩方でした。
色々な感情が混ざりあって稚拙な文章となってしまいました。まずは前進あるのみです。仰秀というチームで来年こそ、結果を残せるように邁進してまいります。
クルーザー班主将 伊東秀晃
まず、円滑な大会運営をしてくださったレース委員会の方々、はるばる和歌山まで応援に駆けつけてくださったLBの皆様、日頃からご支援いただいている皆様に感謝申し上げます。
総合順位は11位。今年の初めに思い描いていた結末に至らない結果となりました。今年のチームは勝てる、そう思っていただけに悔しさと、海千山千の社会人の中でレースをすることのシビアさを痛感しています。
一日目。弱風が振れまくり、長い風待ちを経て午後から南西の軽風で2レース。和歌山の風での戦い方が分かっておらず、コース選択で苦戦。8位と11位。混戦で点差も大きくないから前向きに、と翌日の健闘を決意。
軽風予報の二日目。とにかくブローを繋ぐコース、細かく頻繁に振れる風に合わせ続けるようにとにかくセーリングに集中、と反省を踏まえて臨むも朝から無風。APHを挟み、また長い長い風待ち。変に気張らず他愛も無い話をしていました。さらに海上で風待ちをし何とか1レースを消化。結果は9位。着艇した後頭が痛くなるくらいセーリングに集中していたので、どういうレース展開だったかも忘れてしまいました。
まだ3レースある、まだまだ点差は小さいからとにかくいいレースを作ろう、そういって迎えた中風予報の三日目。ハーバーに来てみたら軽風でした。予定通り朝一番からレースが行われました。第4レースの1下で風が上がり、予報通りの風に。ときにジェノアマックスのブローが降りてくることもありました。劇的なコンディションの変化に気持ちを揺さぶられてしまいました。緊張と焦りで手が震え、大事な場面で大きなタックミス。最後の下レグで振れを対処しきれずにスピンを崩す。そこまで保てていた平常心を失ってしまっていたのです。僕だけでなく、チーム全体として平常心を失ってしまっていたことは明らかでした。結局いいレースを最後まで作れず11-9-10。
前入りをした晩、宿泊先近くの中華屋で1年の源と「去年の全日本で良かったのは最後まで平常心を貫いたこと、今年も平常心で」と半ば自己暗示的に話していただけに悔やまれます。動作も走りも、あれだけ努力を積み重ねたと思っていたのに、あっという間に積み上げたものは崩れ去ってしまうというのがヨットレースの難しさです。だからこそ、本当に少しの甘えもゆるされない、いいレースを創るために常に完璧を求め続けなければいけないというのが今年の全日本で得た反省です。
悔しいだけでなく、楽しかったというのもまた事実です。レースが楽しかったというよりこのトリマーとして過ごしたこの一年間が楽しかったのかもしれません。トリマーを任され、ジェノアを引き込むパワーもない、スピントリムもおぼつかない、そんな状態から始まった一年でした。いまや半ば笑い話ですが、3月のアニオルの敗因は明らかに自分のダウンレグの走りの技量の足りなさでした。申し訳なかったし、当時はかなり焦っていました。それでも維摩さん、萩原さんは腹を立てることはなく練習に付き合ってくれました。すこしづつスキルも身について、夏を過ぎたころから「最近の仰秀の走りは悪くない」と社会人チームやLBの方々に言っていただけるようになっていました。目に見えて成長していく過程が本当に楽しかったし、秋にはヘルムの維摩さんと走りへの感覚が以心伝心で共有されていたような気がします。一年間のびのびとやらせてもらい、来れるところまできた、このチームで前を走りたいと本気で思っていました。
仰秀が全日本で社会人チームに勝つというのは、やはり夢想にすぎないのでしょうか?そんなことは決してない、そう僕は思います。平常心で挑んだ去年はトップフィニッシュを飾るレースがあった。今年はどのレース結果も残念ではあったが、社会人チームに走り勝つ瞬間もあった。最終リザルトで結果を出すには完璧を求めて「いいレースを創る」ことにコミットし続けることが必要なのだろうと、ようやく気付きました。来年の全日本で必ず100%の実力を出し切るために120%の努力を積み重ねようと決意しています。
さて、最後になりますが今年引退された4人の先輩方には感謝してもしきれません。このチームに来てよかった、と感じるのは疑いもなくみなさんのおかげです。1年のころ単身クルーザー班に身を投じた未熟な自分にとって、かけがえのない「仲間」でした。たくさん迷惑をかけたし、本当にお世話になりました。維摩さんのトリマーを務められたのは幸せでした。色々ご迷惑をおかけすることがありましたが、嫌な顔をせず粛々とリーダーシップを発揮されていた姿に感謝と尊敬の念で一杯です。萩原さんは、親身に面倒を見てくださり、その人柄に何度も救われました。ときに生意気な口を聞いてすみませんでした。萩原さんからコースについてもっと吸収しておけばよかった、と思っているのでオランダから帰国されたらたくさんご指導ください。美緒さん、香穂さん。同期がいなかった自分が仰秀というチームに溶け込めたのは、お二人が距離感を縮めて下さったからに違いありません。どうしようもなく落ち込んだときも明るく鼓舞して下さり、素敵なマネージャ―の先輩方でした。
色々な感情が混ざりあって稚拙な文章となってしまいました。まずは前進あるのみです。仰秀というチームで来年こそ、結果を残せるように邁進してまいります。
クルーザー班主将 伊東秀晃
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となっています。