「コロナ禍を受けて。」
「新入生はコロナで友達作れなくて孤独で可哀想。」
これは今年、様々な団体で様々な上級生が新入生へ幾度となく言っている言葉である。
確かに例年に比べて圧倒的に、今年の新入生は、友達も作れず、孤独であり、可哀想である。しかし、孤独経験者としてこの言葉に対し悲痛な叫びをしたい。「孤独の慰めは今は言わないで!」と。
現在は確かに友達が作れなくて、不安もあるかもしれない。だが、コロナ禍を言い訳にできるし、まだ周りもそんな仲良くなく、孤独への焦りはそんなにないだろう。そのような時にこのような言葉を新入生にかけると、新入生はまるで「コロナ開けて大学再開されたら友達は当然すぐにたくさんできるんだ。」と無意識に感じてしまう。
もちろん大半の新入生はこの言葉通り、友達が増え、孤独は解消され、素晴らしいキャンパスライフを送るだろう。しかし、実はそれを聞いてる新入生の中には人知れず本当の孤独に打ちのめされることになる人もおり、その言葉を聞いてさらに苦しむことになる。なぜなら本当の孤独は全員が仲良くなれていない時ではなく、周囲は仲が良いのに自分だけ友達がいない時に生じるからだ。
自分は昨年の夏、先輩の心遣いもあり、イギリスに1ヶ月の短期留学に行った。そこではコミュ力のなさが露呈し、当初友達がホンジュラス人1人しかできなかった。その一方、インスタは、初の大学生の夏休みにはしゃぐ高校同期や大学同期のキラキラ投稿で溢れていた。
周りは新しい友達をたくさん作り、どんどん仲良くなっている中、1人何をしているんだろうと苦しんだ。また、孤独で苦しんでいると打ち明けるのが恥ずかしくなったり、同情されるのも嫌な気がして、誰にも打ち明けず1人で苦しまざるを得なかった。そのため強烈な孤独感に苛まれた。それはそれは強烈で、2週目の金曜日の授業後、帰り道にふと「今週末に誰か友達に会わないとマジでノイローゼになる。」と思い、そのまま空港に向かい、飛行機のチケットを買って、友達のいるローマに行くほどであった。
このような強烈な孤独を、新入生はコロナ禍を言い訳にでき、周囲もそこまで仲良くない現在では感じ得ないだろう。新入生が孤独に本当に苦しむのは、大学が再開し、安堵を感じた数ヶ月後、ふと自分だけ友達が増えていないと気づく、そんな瞬間である。自分はそんな時、優しく寄り添える“先輩”であれたらと思う。
次のブログは落合さんです。
テーマは「生きる意味。」
人生の意味に迷走しやすい現在、何を軸に頑張るのか、落合さんの“哲学”を知りたいです。