東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

J24世界選手権2024 DAY5

2024年09月30日 14時38分27秒 | 通常練習

DAY5

お世話になっております。仰秀2年の木藤です。今日はシアトル5日目です。5日目ともなると長期休暇の合宿のクールの日数と同じですからもうそろそろシアトルにも慣れてきました。ただやはり何日経ってもこの朝の寒さには慣れません。今日も朝は10℃くらい。東京は今日も夏日だというのに、、、。日本の皆さんより少し早めに冬を感じています。 

今日はレース前日ということでプラクティスレースを行いました。ハーバーに来てみると各国の船が各々国旗やらチーム旗をマストに掲げつつ艤装を行っていました。僕たちはハーバーの端っこがバースだったのでその景色を一望できました。それはそれは壮観な眺めです。後ろにはアメリカ、横にはドイツ、対岸にはアイルランド、そのすぐ後ろには月光、その奥には60艇弱のJ24が見渡せさらにその奥にはハーバーに停泊している無数の艇のマストたち。本当に圧巻な眺めです。そんな景色を横目に次々とレース海面へ向けてJが帆走出艇。僕たちも負けじと出艇しました。スタートラインに達すると総勢56艇のJ24が。風は中風以上、この風の時僕はバウマンということでスタートのシークエンスを担当したわけですが、このようなビックフリートは言うまでもなく初めてで我々仰秀チームにとってはまさしくバーチャルレガッタの世界観なわけで。まずはぶつけないようにと言うところで常にスタボ艇や下艇をコールしながら慎重に行きました。若干早めに並び始めだんですが、わりかし悪くない位置で出ることができました。Jでこれだけの艇数だともはや見通しなんて全然わからなかったのでフィーリングに合わせてバウを揃えていきましたがここにきて初めて活躍したのがそう、前日の講習会で勉強したバカロス君です!ラインまでの深さを出してくれるの本当にありがたいですね。だいぶ助かりました。今までギリギリのOCSに泣いてきた仰秀にとっては救世主です!さてさてボチボチのスタートを切った我々は前日のトークセッションのアドバイス通り左に伸ばし続けて最奥でタック。ポートアプローチをしたんですがここが落とし穴でした。スタボ艇の列に慄き艇団の下でラストタック、「No room!」の叫び声、「起こせ起こせ」「いや、これ、入れないよ」「回るよ」まず持って一回転。「ここ入ろう。」「やばい、タックするよ」「いやー、これも入れねー」「んー、回るよ」2回目の一回転。「次はしっかり奥まで行ってラストタックね」「安全にこれの後ろ切ってこう」「わかった、うん、タック」と3度目の正直でやっとこさ1上マークを通過。1上走りは悪くなかったんですが結局回航後は30番台後半に。その後も若干走りで詰めましたが大体そのくらいの順位でフィニッシュ。ビックフリートの洗礼を受けました。反省はポートアプローチになってもしっかり後ろを切って安全な位置で返すこと。ただコースとしてはやっぱり左が伸びた印象。明日も左を基本にコースを取ろう。とみんなで反省と明日の意識を共有しつつハーバーに戻りました。ハーバーに戻ったのち一度宿に戻ってから正装に着替えハーバー近くのノルマンディックミュージアムへ。今日はレース開始前日ということで開会セレモニーが開催されるというわけです。ちなみに我々仰秀チームの正装というのは遠征ギリギリで滑り込みで作った仰秀ロンTなるシャツでございます。そんなことはさておき開会式のパーティーに出席したわけです。会場に入ると海着の姿からは一変、ラフな格好のアメリカ人、ガチガチのチームウェア的な出立でやる気十分なイタリア人やアイルランド人そして月光、陽気な隣の船のジャーマニーとまあ色々な人がいまして、会場の後ろには協賛のビーチャーズチーズをふんだんに用いた料理やワインが並んでいました。残念ながらアメリカの成人は21歳だそうで20の僕はワインは飲めなかったので本場のコークをいただきました。やっぱり最高でした。これは暑い夏だったらもっと美味しいんだろうなと。飲み切ると若干寒かったです。あとはドリンク場のウェイターのお姉さんがめちゃくちゃ美人でした。(笑)最初の開会の挨拶。全然何を言っているのか理解はできなかったんですが今回の大会の開催地のコリンシアンヨットクラブの紹介なども行われたようです。確かにヨットクラブの建物の中にも大昔の白黒写真が貼ってあったのですが、昔はレーザーの世界大会を始めディンギークルーザーの世界大会の舞台になった歴史あるヨットクラブだそうです。何人かお偉いさんの挨拶があったのですが、途中で登場したのがなんと先日からお世話になっているマーカス!USAJ24教会のプレジデントだそうです。びっくりです。そんなこんなで料理や雰囲気を楽しみつついるとU25らしきアメリカ人のチームに話しかけてもらいました。これがまた明らかに2mごえの超長身スキッパーとエドシーランに顔がそっくりなタクティシャンという超つよそうなお二人でして、Shell shocked というアメリカの真ん中のコロラド州というところのチームだそうです。そういえばバースが僕たちの後ろのチームでした。なんと自分達で船を車で牽引してきたそうです。「君たちはフライト9時間か。いいな。僕たちは3日間も運転してきたよ笑」という感じの会話で仲良くなりました。「U25のチームで集まっているんだ。君たちもきなよ」とお誘いいただきミュージアムの奥へ。そうするともうすでに他のチームは勢揃いでした。U25はアメリカから4艇、ドイツから1艇(度々話題に上がる顔見知りバースがお隣のパリピ・ジャーマニーIchey&Scrachy)、日本から仰秀という計6チーム。我々はモジモジしていたんですが、欧米人はやっぱりめちゃくちゃフレンドリーですぐに話しかけてくれました。彼らはSparkというUSAのチームでこのU25の中で唯一のプロチーム。昨年はテーザーの世界選手権にもでたそうです。彼らも他のチームと同じように小さい頃からOPに乗ってディンギーにのり最近はテーザーやらJやらさまざまなクルーザーに乗っているんだとか。「日本の大学はディンギーが主流なんだ」と話すと「アメリカじゃ大学ディンギーは少ないんだ。クルーザーに乗ってる大学生がいっぱいいるよ」だそうで。アメリカやヨーロッパではセーリングはもっと身近なスポーツでディンギーから将来的にクルーザーへというルートがしっかり確立されているようです。日本でももっとクルーザーに乗る若い世代が増えればいいなあ。「風が弱い日はマストハンドはダウンビローをしなければならないから辛い、君たちは誰が入るんだい?」とか世界共通のクルーザーならではの悩みなどたわいもない話をしながら閉館まで語らい、別れました。パリピ・ジャーマニーの金髪兄ちゃんにこれから宿でテーブルテニスパーティーをしないかと誘われましたが、丁重にお断りして宿に帰宅しました。卓球は世界共通の旅行の夜の楽しみだったようです。とても楽しかったですね。世界の同世代セーラーとの交流、まさに待ち望んだ体験でした。さあ、明日からはレース本番。しっかり気合い入れていきます。おやすみなさい。

シアトルの海面が見えるサンセットヒルにて。友成さんは内定者説明会にオンライン出席していて残念ながら宿でお留守番でした、、、

開会式の様子。めちゃくちゃ豪華でした

マークです。なんか可愛い笑。自走式といってアンカーを人の手で下さなくても良くて設定すると勝手にマーク移動もしてくれる優れものです。

シアトルの海の仰秀。

 



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