万甫の言説録~明暗~
目蓋の裏で少しずつ
濃くなってゆく明るさが
きっと
僕の目覚めを支配している
初夏の夜明けは早くて
午前四時のひと壁を乗り越えると
暗さの牙城は
呆気なく崩れ落ちるのだ
明暗は鮮明に立場を変える
けれど
必ずしも
明が善で暗が悪ではない
経緯は須らく
個人的な判断に因るもので
それは
個人的な結論にしか如かず
明暗は公平に
誰にも幸運の機会を附与する
ともあれ
思惑の種種を内包して夜は明ける
明の象徴たる太陽は
今し山塊の頂から
運命の明るさを平等に齎し
halfmoonの下弦の月光は頭上に在る
5/30 06:10 万甫