守田です(20181017 16:00)(20201123 改訂)
京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の5回目をお届けします。
原発から命を守るために―5被曝労働と原発
● 原発は被曝労働を前提とした悪質プラントだ
連載の3回目で「なぜ原発を動かしてはならないか」という問いを立て、「巨大事故を起こす可能性があるから」「10万年も管理しなければならない核廃棄物を作りだすから」という答えを導き出しました。
今回はその続きとして原発が日常的に労働者を被曝させていることを指摘したいと思います。
原発を「ハイテク」と誤解している方がおられますがそんなことはありません。原子炉が作られたのは1940年代前半でした。原発そのものも基本設計は1950年ごろにできています。
その原発のすべてで繰り返し故障事故が起こってきましたが、そのたびにたくさんの労働者が投入され、手作業での修復などもなされてきました。酷い時には漏れ出した高濃度の放射能汚染水を雑巾で拭いたりもしています。
いまも福島で被曝労働が続いているだけでなく、再稼働の度に起きている故障事故でも被曝労働が強制されています。
● 社会的に不利な立場の人々が被曝させられてきた
このため現場には危険性について何も知らない知的障害者や外国人、未熟練労働者がしばしば使われてきました。時にはヤクザの組員が半ば強制的に放り込まれるなど、あまりにひどい実態があります。
現場では放射線が身体にどれだけ当たったかを測る「ガラスバッジ」を使い、危険値を越えると鳴るアラームなどもありますが、被曝量が増えると法的に働けなくなるからとバッジを外し、アラームを切ってしまう「鳴き殺し」という事態も常態化しています。
反対に言えばそんな被曝労働がないと動かせないのが原発なのです。だからその存在は倫理的に許されないのです。
すべての労働者を守るために「被曝労働がなければ成り立たない原発をやめよ」と訴えましょう。
なお原発労働者の原発内での写真を世界で初めて撮って公表した樋口健二さんの写真と、彼を中心に被曝労働を取材した番組のURLを添えておきます。
被曝する労働者達:下請け・日雇いが支える原発の実態
https://youtu.be/wuvwO1RlIVo
続く
#被曝労働 #原発労働者 #樋口健二 #ガラスバッジ #鳴き殺し
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