守田です(20181025 23:30)
● 東北電力が女川原発1号機の廃炉を正式決定!
本日25日、東北電力が女川原発1号機の廃炉を正式決定しました!
午後には東北電力の原田社長が宮城県庁を訪れて村井知事と面会し、決定を伝えました。
NHKはこの際、東北電力が「運転開始から30年余りがたち、安全のための設備を追加設置するには技術的な制約があることなどを理由」としたと報じています。
女川原発1号機は廃炉 東北電力が知事に伝達
2018年10月25日 14時56分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181025/k10011685201000.html
● 安全対策が重荷に
一方で毎日新聞は「再稼働に必要な新規制基準を満たす安全対策が重荷となったため」と報じています。
「再稼働には、地震や津波への備えを大幅に強化し、テロ対策も盛り込んだ新規制基準に適合する必要がある」がそれが重荷になっているというのです。
いずれにせよ安全対策が技術的にも経費的にも困難なために廃炉に追い込まれたのは確実です。
安全対策が重荷に 女川原発1号機廃炉決定
毎日新聞2018年10月25日 18時25分
https://mainichi.jp/articles/20181026/k00/00m/040/044000c
● 廃炉決定は民衆の力によって引き出された
しかしさらに一歩突っ込んで分析すべきことは、この廃炉が私たち民衆のパワーによってこそもたらされたものであることです。
福島原発事故後の脱原発運動の進展、持続的な継続、「再稼働反対」の声の高まりの中で、原子力規制委員会など規制当局は、原発の「安全対策」を電力会社に要請せざるを得ませんでした。
その内容は場当たり的なものにすぎなくて、安全が確保されたと言えるものではまったくありませんが、しかしもうそれだけでも経費が賄えなくなり、撤退が決定されたことを見ておくべきです。民衆のパワーが廃炉を実現したのです。
● 裁判も大きく影響している
民衆パワーの高まりは、裁判所のあり方を大きく変え、この間、何度も原発運転停止を命じる判決や決定が出ました。それもまた電力会社に大きなダメージをもたらしています。
多額の費用をかけて再稼働に漕ぎ着けても、裁判で運転停止が出されてしまえば原子炉は動かせず営業的なダメージが出てしまいます。それを上級審でひっくり返したとしてもそれまでの間に大きな赤字が出てしまう。
そのため電力会社にとっては裁判を起こされるともはやそれだけで大きな経営リスクとなっているのです。それもまた廃炉の判断材料になっているのは間違いありません。ここでも私たちの民衆パワーが効いているのです。
● 残る稼働可能な原子炉総数は34基
これで日本に残る稼働可能な原子炉総数はわずか34基になりました。福島原発事故のときまで54基でしたから私たちは20基も原発を減らしたのです。
もっともそのうちの4基は福島第一原発で激しく壊れたわけですから民衆の力で減らしたのは16基だとも言えます。でもそれでもとても大きな前進です。
再稼働だって容易ではない。34基のうち動いているのはわずかに7基(川内2基、玄海2基、大飯2基、高浜1基)。福島原発事故前からするとあのとき稼働可能だった原発の13%しか動かさせていないのです。原子力エネルギー庁の図でこれらのことを確認しておきましょう。
● さらに再稼働反対の声を強めよう
もちろん政府と電力会社がこれで完全に原発をあきらめたわけではありません。
地元で女川原発に反対している人々からは、「1号機の廃炉と引き換えに2号機の再稼働をしようとしているのではないか」という警戒の声も出されています。確かに油断しないでこれらと対決する必要があります。
それでもいま私たちに大事なのは私たちの力を確認することです。これまでの全国での必死な努力があったからこそ廃炉が一歩ずつ進んでいるのです。だからいま、さらに声を高めれば電力会社の経営をますます厳しくすることができます。
自分たち自身の力を信じ、誇りを持ち、原発ゼロへとさらに進んでいきましょう!
#女川原発廃炉 #再稼働反対