明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1866)黒い雨訴訟控訴もみすえつつ『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』の活用を!

2020年08月16日 11時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200816 11:30)

● 被曝に関するウソを見破ろう(BOOKの最新版をゲットしてください!)

8月12日に政府と広島市・県が行った黒い雨訴訟への理不尽な控訴に対して、各地から怒りの声が上がり続けています。
被ばくした人々を75年にもわたって放置し、いままた国の責任を認めようとしないあまりに酷い姿勢だからですが、この問題の背後にあるのは、放射線被曝の影響が過小評価されてきたことにこそあります。
それを行ってきたのは、核兵器で武装し、核実験を繰り返し、核のゴミを各地にばらまいてきたアメリカです。日本政府はまるで植民地政府のように、そのアメリカの横暴への加担を続けています。

ぜひ強調しておきたいのは、この同じ流れのもとに文部科学省が作ったのが『放射線副読本』だということです。
この本もまた、人々の意識を被曝の危険性や原発事故の恐ろしさからそらすために出されました。そのため、これまで被曝影響が過小評価されてきたことと同じテクニックが使われています。
ポイントは大事なことに触れないこと、無視すること、ないものにしてしまうことです。黒い雨訴訟で突き出されたのも、内部被曝による被害が長年、ないものとされてきたことでした。

したがって、これに対抗する有効な手は、隠されていた事実を知ること、広めてしまうことです。シンプルなことですが、これが大きなカウンターになります。
にょきにょきプロジェクト発行の『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』も、そのための一助となるものを目指したもの。
文部科学省発行の『放射線副読本』では、大事なことがはぐらかされているために、読むととても「モヤモヤする」のですが、そのモヤモヤを紐解く形でBOOKを編みました。


このBOOK、無料のダウンロードで提供しています。6月6日からサイトリニューアルのためにダウンロードを停めていましたが、このたびようやく再開しました。あわせて更新も行っています。ぜひ最新版をゲットして活用してください。
https://ws.formzu.net/fgen/S35334481/

またたいへんご要望が大きかったので、製本版も作りました。以下から製本版のお申し込みができます。この活動へのご支援も兼ねて、お買い上げいただけると嬉しいです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdKXBwKnFYkIvDdfEs3q9NhrFwqVxDe3BwNDeepaNaxylfXVA/viewform

なおBOOKの動画解説もあります。ご覧下さい。
『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を作りました!
https://youtu.be/aDE3vdaEQJg


● 内部被曝についてきちんと知ろう

さらにさきにも述べたように、黒い雨訴訟が突きだしたものが、これまでないものとされてきた内部被曝の被害であった点をおさえて、むしろこの機に、内部被曝への学習をみんなで深めていきたいです。
そのための絶好の書としてお勧めしたいのが岩波ブックレット『内部被曝』です。内部被曝の構造、脅威が隠されてきた歴史過程など、分かりやすく書いています。
https://www.iwanami.co.jp/search/?search_menu=keyword&tab=3&search_word=%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D

琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんが研究された内容を、僕、守田敏也がお聴きする形で編み、2011年に岩波書店から出版されました。
矢ヶ崎さんは沖縄でアメリカ軍が劣化ウラン弾の誤射を行ったことからこの問題に取り組みだし、被爆者の原爆症認定訴訟に関わることで見識を深められました。
「原爆症認定訴訟」というのも聞きなれない言葉だと思います。実は被曝影響はとても過小評価されているので、被爆者の方の多くの病が被曝によるものと認められていません。それを認めさせるための裁判で、勝訴が連続しました。

この過程で矢ヶ崎さんは、アメリカ軍が原爆投下後の放射線量を評価したDS86という文章を読み、「怒りで3日間寝られなかった」そうです。
あまりにもデタラメで、科学性のないやり方で、放射線の影響が過小評価されていたからでした。矢ヶ崎さんはまた、そのことに自分が長年気が付かなかったことにも、科学者としての申し訳なさも感じ、怒りは自分にも向いたそうです。
その時の、いわば「怒りのモヤモヤ」を解き明かし、隠されていた内部被曝の危険性を明らかにしたのが、矢ヶ崎さんの業績であり、それを可能な限り分かりやすく解き明かす形で『内部被曝』が生まれました。


自由報道協会での記者会見にともにのぞんで 写真は「週刊金曜日」より

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』から入って、ざっくりと政府や文科省が教えようとしないこと、ないものにしようとしていることについて学んだ上で、さらに『内部被曝』に進んでいただけたらと思います。

この二つの本を入口とし、さらに原爆について、被爆と被曝について、原発の危険性について、放射性廃棄物問題について、みんなで学びを深めていきたいです。

知ることは力になります。ウソを見抜くことができるようになります。騙されないことこそが肝心。ともにもっと賢くなるなかで、明るい未来の可能性を開いていきましょう!

#放射線副読本 #放射線副読本すっきり読み解きBOOK #内部被曝 #矢ヶ崎克馬 #岩波ブックレット

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