相変わらず寒い日が続いていますね。早く春が来ないかなぁと待ちわびるこの頃です。古いクロスバイクを入手して、それの部品を注文したりで忙しかったのでブログをサボりました。週末は、リムの交換をしなくてはならないのです。結局、新しい自転車を買ったほうが得策なのですが、直す事が趣味なので仕方ありませんね。
で、カメラの方はPEN-S3.5の作業はしていましたが、他の個体がリペイントをご希望ですので、一緒にUPする予定です。北海道のINOBOOさんから、新しく時計が来ています。おぉ、56系のキングセイコー・クロノメータですよ。この時計は、国産で初めてクロノメータ優秀級公式認定を取得した製品です。世界規格のCRONOMETER規格をクリアしている5625-7041と製造後期の個体です。状態は、振っても全く動きません。リューズも動きませんね。ちょっとイヤな予感がします。
2ピースケースですから裏蓋を開けますが、これが異常に硬く中々開きませんでした。やっと開けてみると・・・あぁ・・悪い予感が的中ですね。水か浸入しています。回転錘は腐食による形成物が固まっています。この時点で、すべての部分が固まっています。これは困りましたね。
ケースのねじ込み部を伝って水が浸透していたのが分かります。機械の輪列も固着しています。
すべて分解洗浄をして組み立てています。輪列、ガンギ、アンクルなどはすべて手持ちのキングセイコーから移植しています。
受けを取り付けたところで、ザラ回しをして軽く回転するかをみます。う~ん、ちょっと波があって、あまり軽くはありませんね。クロノメータは、機械に機番の刻印があります。普通のキングセイコーにはありません。
回転錘の裏側も腐食が激しいです。正確な材質は知りませんが、真鍮ブラシで磨いても、次々と粉となって落ちてきます。
分を細かく分けた、見るからに正確そうな文字板です。針は、普通のキングセイコーとは異なり、細くて、長針と分針は黒仕様です。例によって、カレンダーの早送りをするための揺動レバーが不良でしたので、手持ちの良品と交換してあります。ケースに収める前に、微細にホコリを取り除きます。
ケースに収めて回転錘を取り付けます。この機械は5625Bですが、回転錘に打刻があります。状態良い同形部品も在庫していますが、今回は、オリジナルのままとします。
多少不安定なところもありますが、何とかこの程度の精度に調整しました。クロノメータ級とは行きませんが、実用としては充分かと思います。貴重な個体を復活出来ました。