その前にね。関東地方は、ここ数日急に暖かくなって来ましたね。自転車には良い季節になりました。そこで、入手した自転車の修理を急ぎます。GIANTへ注文しておいたリムが入手できたので、元のリムと交換をします。このリム、かなり変形をしていて、上が新品で下が元々のものですが、ぴったりと合わせられません。アルミリムは横方向の力には弱いのですけど、どうしたのでしょうね? で、バルプ孔を揃えて、スポークを1本ずつ移動させる「お引越し」をしています。
お引越しが済んだら、リム組みと振れ取りをします。荒組をしたホイールを振れ取り台に載せると、新品であっても、かなりの歪があります。ニップルを締めて少しずつ振れを追い込んで行きます。この段階では、1mm以内になっています。しかし、ニップルが古くて、なめてしまうものがあって、新品を用意しておけばよかったです。
で、お仕事に戻ります。リサイクル屋さんで入手されたというPEN-S 2.8 #2236XXと、比較的初期の個体で、巻き戻し軸などは改良前のものです。本体の塗装や梨地メッキなどは劣化がありますが、全体としては悪くは無いかなぁという状態。しかし、シャッターは低速不調やレンズにカビ、ファインダーの曇りが激しいです。これからPEN-Sの作業が続く予定なのですが、最近は、安く手に入れたので修理にお金を掛けたくない。という方もいらっしゃいます。お気持ちも分かりますが、修理の工数と入手価格は関係ないのです。古い機械ですから、責任の持てる修理にはどうしても工数が必要なのです。安価な部分修理もお受けしないわけではありませんが、しっかりと責任を持ちたいので、あまりお勧めは出来ません。
まぁ、表面上で見える不具合の出ている個体は、見えない部分にも不具合が隠れている可能性が高いということが経験的に多いと感じます。オーナーさんからのご指摘は無かったのですが、この駒数ガラスの位置が変だと気がついた方は熟知された方。トップカバー面より下がっていますね。
裏から見てみると・・すごい接着ですね。元々は、エポキシ接着剤を使用して接着されていたものが、初期の個体ぐらいに時間が経過すると、自然に剥離をするものが多いのです。それを、適当にゴム系接着剤で接着したのでしょう。工数を掛けられない修理です。これですと、駒数針と接触する危険性が高いので、一度全て分離をして接着のし直しです。今回は、オーナーさんから新品交換のご依頼を頂いています。
ダイカスト本体側はすべて分解洗浄をして組み立てています。スプールはグレー色が付いている頃の製品です。O/Hを終えたシャッターユニットを取り付けます。シャッター羽根の一枚に錆が発生していました。
シャッターリングや清掃をしたレンズをヘリコイドグリスを塗布して組み込みます。
駒数ガラスは新品を接着しています。↑の方の接着と見比べてください。丁寧な作業には工数が必要です。
と言うことで、組立て完成ですね。フィルムレールの腐食も無くきれいです。スプロケットはアルミ製黒アルマイト処理、スプールはグレーです。
PEN-S 2.8としては1962-1月製と前期の古い個体になりますが、大きな当たりやシャッターリングの腐食もないのですが、いかんせんダイカスト本体の塗装が劣化しているのが惜しいところでしょうね。ファインダーのリンクル塗装は完全に残っているので、本体の塗装をやり直せば、きれいな個体となりますが、まっ、これで良いでしょう。ご希望のレンズキャップを取り付けておきます。
関東地方は今日も気温が上がって良いお天気でした。そこで、クロスバイクの最後の仕上げでチェーンを交換しました。予算の関係でシマノではなくて、この車体の純正採用にもなっている、KMC のZ7をチョイス。知らずに購入したのですが、このチェーンは、一度サイズを合わせておけば、コマは手で取り外しが出来るというものでした。チェーンの洗浄などには便利ですね。最後に防犯登録シールを貼って完成。
ついでにルマン号も磨いておきます。タイヤもそろそろ交換しないとなぁ・・・