相変わらずきびしい残暑が続いていますね。世の中、お盆休みとのことで、みなさんも帰省や旅行でお忙しいことと思います。で、ちょっとサボり気味です。先週の日曜日、この日も暑かったですが、都内、渋谷の青山で開催されていました「ペンスケッチ展」に行って来ましたよ。出来るだけ路上を避けて、地下鉄から地上に上がったところがホンダの本社ショールーム。いつも、ここでバイクに跨るのが楽しみなんですけど、今回は、「耐震工事のため休館」とのことで残念でした。
工事中のため、殆どのモデルは撤去されていました。ウインドウから見えるバイクはこんな程度・・・
会場は、こじんまりしたギャラリースペース、キッズに戻りましたね。ドアを開けて入ります。
私がちょっと早めに出かけたので(帰りの雷雨が予想されたので)あいにく、MazKenさんはお仕事で在廊されていませんでした。若い当番の方々とお話しをさせていただきながら作品を拝見します。おっと、これはライカで撮られたのかな? というような力強い作品ですね。だいぶ、焼き込んでありますね。これ、PEN-EE-Sでの撮影とはビックリでした。
こういう古い当時のネガも楽しいですね。門鉄デフのC55やD50、D60、86とくれば、これは九州の良き時代の撮影ですね。現代の技術を駆使して仕上げたこの写真もなんとPEN-EE2でした。
ペンスケ展は女性の参加が多いのも特徴ですね。当時も、大全の女性ファンが詰め掛けています。これは、フィルムの粒子を見せる展示だったかな? EE系以外は、殆どPEN-FTの機材が多いですね。この頃から、空模様がおかしくなって来て、黒い雲が出て来ましたので、早めに帰宅することにしました。案の定、私が新宿を通過する頃は京王線も順調でしたが、その後、落雷により、長時間の不通となりましたね。危ないところでした。
では、本題です。PEN-S3.5とイギリスの計器メーカーとして有名なスミスのデラックスが来ています。日本で言えば、セイコーの新10Bのような雰囲気のモデルですね。あっ、日本が真似をしたのですね。小径のスモールセコンドで、私の好きなデザインです。機械は、スイスのジャガーの技術を取り入れた6010と刻印されています。
しかし、日本の小頭の良い官僚はうまい言い換えを考え付いたものだ。8/15は、終戦という敗戦記念日がまた来ましたね。この国はそんなに無条件降伏をして負けたことの認識をしたくないのかね。現在の問題は、すべてはそこから始まっているように思える。
で、PEN-S3.5から始めますが、事前のご指摘で、駒数ダイヤルが駒数ガラス面より突出しているとのお訴え。画像は、修正後ですが、ピンセット先のワッシャーがカニ目ネジ下に入っていたためでした。この個所にワッシャーが入っている個体がありますが、通常の組み方をすると、駒数ダイヤルと駒数ガラスが接触をしてしまう場合の救済処置です。画像のように、この個体では必要は無いのですが、では何で? このワッシャーはこの部分に入るのではなくて、トップカバーとダイカストとの隙間が大きい個体に、吊環下のトップカバー留めビス部に調整用として入っていたものです。前回、分解された方が、どこに入っていたかが分からなくなって、当てずっぽで入れたのですね。
裏蓋の底部角に鋭角的な打痕があるともご指摘されています。幸い、二重部分ではありませんので、出来るだけ修正をしておきます。
へこみの修正をして、すべて洗浄をしたところ。シャッターリングと距離リングの劣化が進んでいましたので、研磨をしてあります。また、洗浄中に、駒数ガラスの接着が外れて脱落しました。クラックのご指摘もありましたので、新品と交換することにします。
このシャッターは、過去に止まり現象が出て修理を受けていますが、メインスプリングの掛かり位置が違っています。(正規は←の位置)↑のワッシャーの件もありますので組み間違いとも思えますが、たぶん、シャッターが止まる=バネを強くしちゃえ。との考えだと思いますね。他のスプリングも作動に楽な方に曲げてありました。しかし、「動かないなら強引に動かしてしまえ」では、本当の修理にはならないと思います。何故動かないかを追求していくことで自身の上達もするのでしょう。このシャッターの不調原因はスローガバナーにあったのです。
まぁ、非力で神経質なシャッターですからね。部品の磨耗が進むと、正常に作動させることが難しくなるシャッターです。その他は問題は無いので組立を進めています。3.5にしては、レンズの状態はよろしくない方で、前後玉ともカビが発生していました。また、絞り機構の潤滑固着のため、絞りリングの作動が重い現象があり、洗浄注油で改善しています。
とにかく保管の悪かった個体でしょうね。圧板にも多数の腐食がありましたので平滑面となるように研磨をしてあります。
保管が悪いため、ファインダーのレンズやミラーの接着が脱落していました。特に、3.5は本体が樹脂製のため、エポキシ接着剤が剥離し易いのです。駒数ガラスを新品に交換、裏蓋底部の打痕の修正をしてあります。
スミス・デラックスは、今回は注油のメンテナンスに留めておきます。ムーブメントは金めっきをされて受けの形が特徴的です。12時位置の板バネのコハゼの設計がおもしろいです。テンプ受けは2本のビスで留まっています。
デラックスシリーズは、高級バージョンで、このモデルは15石が使われています。文字盤に劣化はありますが、国産の文字盤のような見難い状態にはならず、良いエージング感です。ケースは9金無垢ですので、、こちらも国産の安物金めっきと違い、使い込んでも地金が出ていませんね。当時の舶来品と国産の違いが良く分かりますね。私も1つ欲しい時計です。