今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ほぅ、これは良いねPEN-Wの巻

2015年12月25日 16時27分35秒 | ブログ

ご常連さんから「PEN-Wを入手した」とのご連絡がありましたよ。早速拝見してみると・・お~、これは良いね。昔はこのぐらいの個体はあったのですけど、最近はトンと見ませんね。まず、塗装の劣化が非常に少ない。これは、あまり使用されずに保管していた個体です。それを裏付けるようにレンズのバルサム黄変も少ない。作動もしっかりしているので、メンテナンスは受けているのでしょう。

問題は、ファインダーブロックの向かって左肩に大きな剥離があって、マジックでごまかしてある。「塗装をして」とのことですので、丁度、私物のスピードタイマーの針を塗装する予定でしたので一緒に塗装をしました。しかし、一見程度が良さそうに見えるファインダーですが、細かなピンホール状の腐食が進行しているようで、焼き付けると、閉じ込められた空気が膨張してポツポツ破裂してしまうのです。これは1つずつモグラ叩きのように潰して修正吹きをしていくしか方法がありません。で、1日掛かってこの画像。スピードタイマーの針はこの後、先端部の塗装(白)と蓄光塗料を入れて完成させます。アメリカへ手配中の部品が届かないので、届き次第UPの予定ですが、来年になりそうですね。

基本的にプロによるO/Hを受けているんだろうなぁ、と思える個体で、これでも支障はないとは思いますが私的には気に入らないというか・・シャッターを分解するとあれれ、リターンスプリングが脱落していますよ。例によって曲げられていますね。

特に問題のない(消耗も少ない)シャッターユニットですが、スローガバナーの汚れがあるので、すべて分解洗浄で組み直しました。

 

カム板のメッキ劣化も殆どなく、実用期間が少なかったものと分かります。

 

 

シューを良く見てください。上面が水平になっていませんね。

 

 

シューの上面が陥没していんですね。それを直したようですが、角にクラックが入ってしまっています。この部品は曲げ加工ではなく切削物なので、曲げを直すと折れてしまうのです。

 

PEN-Wの絞りのクリックは、PEN-Sとは異なり、板バネによっています。それによって潤滑が切れると接触面が摩耗し、クリック感が無くなってしまうのです。グリスを塗布しています。

 

内部はきれいですね。

 

 

ファインダーの艶も本体と合っていると思いますね。巻上げも軽くシャッターも快調で外観も素晴らしい。(レンズも) 最近珍しいコンディションの個体でした。

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