オメガ・シーマスター120(166-027)は1968年ごろのモデルだそうですが、何となく怪しい雰囲気の個体ですけど、私は所有していませんので何とも言えませんが・・ぱっと見、文字盤の艶消し劣化と風防の透明度が気になりました。ベゼルはステンレスバネによって固定されているだけで、ダンパー感がなく、クルクルと回ってしまいます。これでオリジナルなのでしょうか?
巻芯の仕上げが荒くオメガ純正品には見えませんが・・
針はタッチアップで塗られています。蛍光は、時代相応の劣化はありそうです。
機械はCal.562(24石)でカレンダー機構はシンプルな設計ですが、早送りは9時~0時の往復で可能。ハック機能はありません。
受けを外すと・・10時の歯車で送っています。
550系はクロノメーター級もあって精度には定評があるようです。しかし、天真の部分が削られています。天輪が当たるのでしょうか?
機械はパチモノではなく、オリジナルだと思うのですけどね。すべて分解洗浄をしてから組み立てて行きます。
二番車のホゾが摩耗気味で筒車が偏心してガタを感じます。
天真の軸受け部に注油をします。
カレンダー部を組み立てます。
この文字盤の仕上げも雑に見えますがインデックスの蛍光塗料は時代はあります。
真鍮の機械抑えの加工が非常に雑で、凹部はヤスリで手仕上げのようです。オメガで~?
機械留めをセットすると凹部が合いませんよ。自動巻き機構をセットして完成。
裏蓋内側には、このような刻印があります。
ベゼルはオリジナルの仕様は知りませんが、ダンパーグリスを塗布してダンパーを利かせておきました。
同じオーナーさんから追加で届きました。オメガのクロノストップですかね。セイコー・スピードタイマーなどと違って、プッシュボタンは1つなので1プッシュ目でスタートさせて2プッシュでボタンを押し込んだ状態でストップ。ボタンを放すと帰零するというシステム。なんでも竜頭を引いたら巻芯ごと抜けてしまったとのことです。しかし、ボタンを押し込んでも針が回ってしまうのでオシドリや筒車などが動いていないようです。
一度分解洗浄をして組み直して注油をして行きます。
非常にきれいな機械ですね。ボタンを押すとリンケージを経由してピンセット先の歯車が噛み合います。
天真の摩耗も少なく、中々安定した動きです。これから追い込んでいきます。
あまりにきれいな機械なので拡大画像を載せておきます。
SSベルトは傷が多いのでヘアライン再研磨洗浄をしてあります。
ボタンを押して秒針が走り出したところ。リンケージが複雑のため、ボタンは重い感じです。