長い連休が終わりますね。結局、通常の仕事と庭の草むしりで終わってしまいました。連休最後は中古カメラ店様からご依頼のPEN-D #1297XXで、シャッター完成昭和37年10月、本体完成1962年12月の個体ですが、PEN-Dの発売は1962年6月だそうですから生産開始半年後の個体ということですね。この個体は買取機だそうで、高級カメラの買取の中に入っていたのでしょう。元は悪くは無いのですが、長期放置で汚れ放題とメッキに粉が出ている状態。
では、販売出来るように仕上げて行きます。内部は悪くはありません。露出計も動いています。
でも、シャッターがダメですね。シャッター羽根が脱落しています。これはハウジングのネジが緩んでいるためです。
特に問題はないので洗浄、組み立てをしました。ヘリコイドグリスは交換してあります。
初期型のユニットなので、以後の個体と仕様が異なっているところがありますね。絞り板と押さえるブラシの形状が違います。
本体は洗浄しましたらきれいになりました。2軸とシャッターユニットを搭載してシボ革を接着しました。
カム板をセットして巻上げダイヤル、駒数ギヤ(板)を取り付けました。
露出計の透明窓とトップカバーの接着は、僅かなフランジ部分と側面で持たせてありますので、長期間には接着が剥がれるものがあります。この個体も洗浄時に外れました。ちょうど傷取りと透明度の改善のために研磨をする予定でしたので分離して磨きました。しかし、トップカバーの開口部が大き過ぎて、強度が確保できないギリギリの設計ですね。
ストラップまで洗う修理屋さんは私ぐらいかも知れませんが、購入された方に気持ちよく使って頂きたいので。。洗剤に漬けると茶色の汚れが・・シリーズで同じに見えるストラップですが、シボや厚みなど微妙に材質が変化をしているようですね。私のところにも外したストラップが100本ぐらいありますけど、材質の劣化で粘っているストラップもあります。
レンズキャップもD系の初期のものでしょうかね? 洗浄できれいになっていますが、外周の材質が紫色に変色しています。
裏はピカピカな感じ。このタイプのキャップはレンズにしっかりと嵌って脱落しにくいです。
ということで完成です。D系三兄弟の中では人気がイマイチのPEN-Dですが、新しいオーナーさんが早く見つかるといいなと思います。
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