今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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しばらくPEN系のメンテナンスの巻

2022年08月30日 20時50分35秒 | ブログ

今日は買い物に行こうと駐車場の車に行くとドアも開かない。あちゃ、またやってしまいました。最近の車はドアの開閉以外でもルームランプが点くので勘違いをして点灯したままだったようです。お陰て蒸し暑いのに自転車でバッテリーを運んで来て目下充電中です。で、作業の方は、しばらく販売用のPEN系のメンテナンスをします。まず、PEN-D3 #3607XXと後期型の個体をオーバーホールします。ELシールが貼られていますけどELの文字は消えています。

露出メーターはボタンを押していると動く時もありましたが現在は動かない状態。これはCdsの問題ではなく、たぶんマイクロスイッチの接点関係の不具合と見た。

 

過去の分解ですでにマイクロスイッチを留めるネジが外された形跡がありました。配線の半田が外れていますけど、メーターの動作不良でスイッチを疑ったのに断線に気が付かなかったのか、それとも半田付けできなかったのか?確かに細い銅の単線なので半田付けはしにくいです。

はい、動きましたね。「メーターが動かない場合は作業中止」のご指示だったのでホッとしました。それでは他のオーバーホールをして行きます。

 

フィルター枠に打痕があったんですね。化粧プレートが抜けるか?

 

 

後期型は駒数ギヤが樹脂になっていますが、前回の分解時にネジ山が壊れて軸に固定されず回転してしまいます。そもそも、工場でねじ込んだ時にすでにネジ山は半分壊れていて、前回の分解時に緩めてからまた締めたので完全にネジ山がバ〇になったのです。元々は真鍮製の部品ですが、コストダウンのために樹脂製に変更されたようですが、同じ寸法で真鍮と同じ強度が出る訳がありません。工場での組立分1回持てば良いというところでしょう。

このバネは違います。紛失して適当なバネで組んであります。

 

 

結局、車にバッテリーを載せてターミナルを繋いだら。セキュリティーのクラクションが大音量で鳴り出して止まりません。ドアの開錠をキーで行ったのでセキュリティーが反応したようです。イグニッションONでやっとキャンセルが出来ました。昔の車の方がシンプルで良かった・・で、未分解と思われた個体でしたが、シャッターユニットも分解を受けていました。ヘリコイドグリスが抜けていましたので入れ換えてあります。

メーター窓は一度外れてゴム系接着剤で留められていましたがクリーニング中に外れました。あまり手を掛けたくなかったのですが、古い接着剤を取り除いて純正と同じエポキシ接着をします。

 

D3完了。次はEE-2のファインダー清掃とモルト交換。EE-2は裏蓋蝶番式なので、モルトを貼ってあるところも多く結構手間な作業です。

 

本体側は上下の溝にモルトを貼って側面と裏蓋にもモルトがあります。

 

 

これはPEN-Fですが、意外にも未分解機でした。ファインダーの清掃のみの限定修理です。

 

意外に全反射ミラーは腐食も無くきれいで、持病のプリズムにも腐食はありません。接眼プリズムの清掃やモルトも交換します。

 

清掃をした接眼プリズムをセットします。

 

 

これは別のPEN-Fですけど、私は基本的には限定修理は責任が負えないのでオーバーホールでお受けしたいのですが、中古店様は限定修理にしたいわけです。「ファインダーの清掃」でお受けしてもモルトはやり直さなければ劣化したモルトがプリズムやスクリーンに付着して「汚れ」となって見えてしまうので交換しないわけにも行きません。

このように全てのモルトをやり直します。

 

 

今回はPEN-FTを3台ほど限定修理しています。ハーフミラーは交換する必要があります。

 

作業中にボトムキャップの接着が剥がれて来ることは良くあります。

 

 

この個体はシンクロ接点のカシメが外れています。接着で外れないようにしておきます。

 

このFTブラックはじつは疑念があります。ご依頼は「ファインダーの清掃」ですが、メーターの針があるところで固着します。点検すると、すでに過去にピポットの緩み止めを溶かされていじられています。

 

不調の原因はピポット調整の不良、ヒゲゼンマイの接触、帯電など考えられます。何とかピポットで調整を取ります。

 

そもそもこの個体は31万台のカバーがついていますが、そのカバーはリペイントされたものです。セルフタイマーのリンケージは31万台のものではありません。20万台付近です。

 

セルフタイマーを外そうとしてドライバーでマウント側面を削っています。31万台ですとネジ孔が右上に移動しているのでマウントを外さなくても良いですが、この個体の本体は20万台付近のものでしょう。

 

リペイントはオリジナルより厚めに塗られていますが非常に上手です。ハーフミラーは交換。

 

セルフタイマーレバーが下がっています。調整ネジが緩んだ形跡はありませんので、たぶん、他の個体から移植してたものでしょう。

 

セルフボタンのネジが削られて接着で留まっていました。前期までのネジ規格と中期以降のネジ規格は異なります。それを無理に組み合わせているということ。

 

まぁ、その他に、裏蓋を見ると極初期の11万台付近の部品が使われています。色々な部品の寄せ集めで作った個体でしょう。限定修理ではここら辺までしか手を入れることが出来ません。

 

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