中古店様からの修理ご依頼の場合、どうしても予算の関係で限定修理とならざるおえない場合がありますが、この個体は、購入されたオーナーさんから全てオーバーホールのご依頼頂いて里帰りしています。ファインダーの対物レンズは過去に清掃を受けていて、レンズの接着がすごいことになっていたのは記憶にありますが、手を付けることが出来なかったのです。
これは、オリジナルのエポキシ接着が外れて、それをゴム系接着剤で隙間が空いたまま接着をされてるのです。古い接着剤の除去など、やり直すためには工数が掛かるので、手を付けられなかったものです。
ファインダーレンズのやり直しと駒数ガラスは新品と交換しました。
レンズの清掃。ナットが緩んでいて絞りクリック位置がズレています。このナットには緩み止めが塗布されているはずですが、見当たらないので過去に分解をされたようです。組立後、緩み止めを塗布しておきます。
これでPEN-S3.5は完成。やはり限定修理ではなくオーバーホールでやらせて頂いた方が自由に作業できます。一緒に来たPEN-Fは中古店さんのジャンクコーナーからの救出だそうです。
こんな良い個体がなんでジャンクコーナーなんだろう? #1582XXと改良ユニットが使われた未分解機です。しかも持病のプリズム腐食も殆んどありません。これは掘り出し物です。
では、いつものように分解洗浄から組み立てて行きます。まずモルトを貼ってスプロケット軸から組み立てます。
シャッターも全く消耗していません。しかし、ブレーキについてはゴムのOリングですから経時的に見て交換することにします。
前記したとおりプリズムの状態はむしろ良好な方です。スクリーンなどを清掃して組み立てます。
全反射ミラーを清掃したところ反射率は落ちてはいますがきれいですので再使用とします。
外観にへこみも無くメカ的にも全く問題のない個体がジャンクコーナーとは・・それだけ商品的に価値のないカメラという判断だったのでしょうかね。ちょっと寂しいです。でも良い方に救って頂いて幸運でした。