今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ボチボチの作業の巻

2025年03月11日 12時00分00秒 | ブログ

少し更新に間が開きました。寒い早朝から定期健診のため新宿まで出掛けたりで少々疲れまして、カミさんにも少し休みなさいと言われてそうしています。かと言って全く作業をしていないわけではなく、ご常連さんは2台のPEN-Wを所有されていて、程度の良いレンズを入れ替えて欲しいとのこと。PEN-Wでは意外に多いご相談です。レンズの入れ替えはあまりお勧めできませんが、2台はずっと所有されてきれいなレンズでの写りを確かめてみたいとのことで、すぐに原状復帰が出来るように前群のみ入れ替えて組みました。工業製品で同じように見えるユニットですが、∞は変化しますね。

こちらはミノルタALSですが、裏蓋のラッチの掛かりが浅く開いてしまう時があるとのことです。「カギイタ」はPEN-FTなどに比較して板厚も厚いのですが、先端のロック爪の部分に変形があるようです。そもそも、裏蓋のロックピンの収まりも完全ではなく、設計が良くないようにも思えます。これはロック爪部を慎重に矯正します。

次に気になった不具合は、露出計の針の動きが安定せず、針が振れない時もあります。これは対角2か所の接点ブラシがシャッターリング内周の抵抗帯に接していますが、抵抗帯の摩耗により安定した導通が確保できないもの。このモデルだけではなく、同様な構造のカメラは同じような症状を見ることがありますね。

シャッターはSEIKO SLVを搭載してミノルタの作りも良質な高級機ですね。

 

 

コシナ35EですがPASSEDシールが貼ってありますので輸出された個体でしょう。どうも無限がズレているとのことで調整をしますが、画像に見えるレンズの固定ネジはピントリングが無限の位置でなければドライバーが挿入出来ないので面倒な設計。

距離計の連動ピンの動きが変。ピンがダイカスト側の孔径に対して細過ぎで正確な前後運動ではなく、遊んでいるような動きになっている。過去分解機なのでこれでオリジナルなのかは不明。これもピント不良の要因かもしれません。

ターミナルのリード線が外れているので半田付けをしておきます。

 

レリーズボタンとフィルムカウンター窓のデザインがPEN-F系のパクリのような感じですね。