今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

特にタイトルを付けにくいPEN-W

2013年05月14日 20時38分00秒 | インポート

Dscf050467 今日は外出しておりましたが、東京地方は気温が上がりましたよ。帰宅して午後からの作業です。PEN-W #1157XXですけどね。一応シャッターも作動していますし、特に大きな不具合はない個体ですね。ちょっと、汚れが激しいですけどね。フィルター共締めのフードが装着されていますね。これもアイディアですけど、私としては、オリジナルの形に拘りたいので、あえて手間の掛かる加工をして作っているんですけどね。

Dscf050624 分解のためにトップカバーを分離してみます。おっと、白いフェルトが遮光材として使われていますね。白はまずいと思うのですけどね。

Dscf050746 シャッターを分離してみました。白のネジロックが溶かされネジのスリ割りも笑っています。過去に分解されていたので、一応動いていたのでしょう。しかし、ここでもシャッターの製造年月の捺印が消されています。

Dscf050972 分解をして地板を洗浄してから組立てて行きます。あら、バネに小細工がしてありますね。気持ちは分かるのですがね。

Dscf051011 オーバーホールは終了しています。製造年月の捺印ですけどね。シリアル№は、必ず正数順に並んでいる訳ではありませんので、コパルでの正確なシャッターの製造年月を推測することは困難なのですけど、私の資料から推測すると昭和40年の2月(1965-2)と思いますが、翌月の3月の可能性もあると思います。まぁ、戸籍が無いのは可哀そうですので、便宜的に「40.2」としておきます。カメラ本体の完成は1965-3でしょう。

Dscf051154 いつものように、洗浄した部品を組立てて行きます。特に問題はないなぁ。。モルトは、ちゃんと黒いので貼り替えてありますよ。

Dscf0512511 特になにも問題はなく完成ですね。但し、少し汚れが激しかったですね。ブログの題も思いつかないほど、書くことがないのは、裏を返せば、非常に良い個体だということです。レンズも、多少のカビ痕はありましたが、バルサム黄変や剥離もなく、良いレンズです。駒数ガラスにクラックがありましたが、今回はご指示がないので交換はしていません。これからは、たまには掃除をするようにしてくださいね。


お風呂に入ったセイコー・マーベル

2013年05月12日 21時04分59秒 | インポート

Dscf048902 先日オーバーホールをした、セイコーマーベルですが、なんとお風呂に一緒に入ってしまったとのことで戻って来ましたよ。すでに丸三日経過しているので、時は一刻を争います。とは言っても、画像を撮らなければならいという矛盾。あ~、やきもきします。風防の内側には水滴が溜まり、竜頭部分からは赤茶の錆が出ています。何とか生きていてくれよという心境。

Dscf049004 あら~、内部には、まだ水が溜まっていました。錆も進んでいます。これは厳しいなぁ・・・オーナーさんからは断念のメールがありましたが、この時計には罪はないでしょ。何とかしてやらなくては・・・

Dscf049106 とにかく、全ての部品を分離して、ベンジン浴に漬けます。この時点で、テンプのヒゲゼンマイや細かなバネは手遅れと判断できます。

Dscf049204 組立はいつもと同じなので省略します。完全に洗浄をした地板に使用可能な部品は再使用とし、無理なものは別の部品に交換しています。ピンセット先のゼンマイの逆転防止のコハゼやコハゼバネは錆進行が早く、バネは折れていました。

Dscf049403 テンプの天輪とヒゲゼンマイです。ヒゲゼンマイは交換になります。

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文字盤下の日の裏機構。他の個体からの移植なので、問題が無いか、仮組みしています。

Dscf049504 何とか息を吹き返しましたね。風防は、何故か外周部分にクラックがありますので交換します。文字盤は、錆や汚れが付着していたので、仕方なく洗浄しましたので、細かな印刷が消えた部分があります。

Dscf049903 ベゼルに新しい風防を取り付けます。本当は、この工具は風防にキズを付ける危険性があるので、使用したくはないのですが、ドーム風防の場合は仕方ありません。この時点では、外径寸法と山形のデザインはバランスが取れていたのでした。

Dscf050001 平行して、私所有のセイコー・チャンピオンカレンダーの風防も組立てて行きます。マーベルの文字盤は古典的な山形ですが、チャンピオンの時代になると、文字盤は大径でフラットになりますので、風防の山の高さは低いものを選択しています。

Dscf050301マーベルの文字盤はドーム型ですね。これがまた良い味になっています。ドームの形状に合わせて、針も下側に曲がっています。秒針を差して再び時を刻み始めました。

Dscf050401 マーベルは完成と思いきや、風防をセットすると針と干渉して止まってしまいました。どうも、風防の内側の形状が元の風防と異なり、空間が少ないようです。そこで、不本意ですが、デザインのバランスに目をつむって、山が高い(外径は同じ)風防に交換して完成です。チャンピオンは、防水ケースになる直前くらいの非防水ケースですが、マーベルとの大きさの違いに注意。今度はお風呂に入れないようにご注意くださいね。チャンピオンはリュウズも交換してあります。欲しい方があればお譲りしても結構です。


セイコー・スクールタイムとKONICA L

2013年05月07日 21時24分55秒 | インポート

Img_224401 その前にね。昨日は栃木県のツインリンクもてぎで開催されたクラシックレーサーのイベントGood Oldaysに出掛けて久しぶりのクラシックレーサーと再会をして来ました。画像のマシンは私が乗ったマシンと同じモデルですので気になりました。今でも、こんなにきれいにレストアして保存している方たちがいらっしゃって、熱い情熱を感じますね。当日の画像を掲示板でUPしています。ご興味のある方はご覧になってください。

http://6609.teacup.com/koichi/bbs

Dscf049602 でと。大阪のご常連さんからセイコーのスクールタイムとコニカLが届いています。その中に、以前にビールのおまけでオリンパスの歴代ストラップの企画がありましたが、その時に抽選でもらえたシルバーのPENの箱が同梱されていました。ありがとうございます。この状態で保存したいと思います。

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それでは、セイコーのスクールタイム5000-7110です。文字盤にGTと入っていまして、当時の学生用の腕時計だったのでしょうね。状態は専用のラバーベルトは劣化ぎみですが、時計は非常にきれいですね。一度も分解を受けていないようです。分解修理をする時計ではないのかな? 測定してみると・・・一応6振動の機械なんですね。100分以上遅れて、テンプの振り角も130°しか出ていません。(ゼンマイは一杯です)

Dscf049701 分解の画像を撮り忘れました。まぁ、安価に製造するため、簡略設計と部品の樹脂化が図られていましたね。返って、オーソドックスな時計の方が簡単な気もします。画像のようにカレンダーを動かす歯車などはすべて樹脂製となっています。で、データですが、片振り無しでテンプの振り角は225°と改善。日差+5秒付近ですね。こんなものでしょう。

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カレンダーはリュウズの巻き芯に一体のギヤで→のように直接作動させる設計となっていますね。巻き芯がやけに複雑な形をしています。

Dscf049901 文字盤は樹脂の一体成形に印刷をされたもの。針は非常にチープな作りですね。↓の部分に塗装ブツがあるのですが、普通ランクの時計では、絶対に不良になるど真ん中にあります。文字盤と機械の取り付けはビスではなくて、スナップ式に押し込むだけの構造です。

Dscf049003 このように完成です。スクールウォッチと言うよりも、上級のセイコー5スポーツのようなデザインですね。ラバーベルトはオリジナルと思われますが、ラグ幅は17.5mmと半端ですね。

Dscf049104 18mmのセイコー純正ベルトをセットしてみました。問題なく付きますね。ミリタリーウォッチのような雰囲気になりましたね。

Dscf049105 では、コニカ Lです。体調不良気味で、問題ありありの個体なので、画像が多くなってしまいましたので、コメントは短く行きます。以前にもUPしていますのでカメラの紹介は簡単にです。1961年発売のコニカ初のプログラムEEカメラ。レンズは、HEXAR40mmf2.8。シャッターはSEIKOSHA L1/30~1/250 Bあり。女性にターゲットを絞ったと思われる、グレーの明るい色彩を採用していますが、大きさは時代を感じますね。しかし、印象ほど重くはありません。で、一見きれいに見えた個体ですが、ダイヤルを回すと、ガリガリと引っかかり、巻上レバーの復帰がスムーズでない。何度かの分解を受けているようです。

Dscf049203 分解をして行くと、抑えナットの回り止めビスが欠落しています。

Dscf049303 グリスはカラカラの状態ですね。シャッターは分離をしてオーバーホールをしておきます。

Dscf049402 画像が前後しました。シャッターユニットを分離するために裏からナットを緩めますが、すでに分解をされて、工具がマスクに当って変形しています。非常に狭いスペースですので、JHTさんの工具を使って緩めます。

Dscf049503 スリッドが現れてから、大きなレンチで緩めます。

Dscf049505 この画像も前後していますね。グレーのリングのゴリツキは、ASA表示プレートが変形していて、チャージレバーと干渉していたため。プレートはアルミ製のため、無意識に押して変形させたのを知らずに組んだのでしょう。

Dscf049603 グレーのリングを回転させると、ナイロン糸で同調させたドラムが露出メーターを回転させます。

Dscf049604 しかし、観察していると、同調が正確でなく、スリップをしている時があります。どうも、過去にナイロン糸が外れて、適当に繋いだために、テンションが不足しているようです。で、私も、正規の張り方をしりませんので、試行錯誤で正確に同調する形を探りましたが、画像は、軸の巻き付けが一回転足りない状態。下部の真鍮部品がテンショナーで、バネで糸を張っています。

Dscf049702 一見距離計内蔵に見えるファインダーは、メーターの指針をハーフミラーによって、ファインダー像の上部に導くもの。レンズの接着が外れていますね。

Dscf049802 接着の上、清掃をしておきます。ハーフミラーはめっきが薄くなっていますね。

Dscf049902 トップカバーに接着されているマスクも脱落していましたので、古いニカワのような色の接着剤を清掃してから接着しておきます。

Dscf050101 何とか仕上がってきました。グレーリングの回転も滑らかです。最後にシボ革を接着します。

Dscf050201 これで完成です。外観は良い個体でしたが、古く複数回分解されたカメラですので、復元に手間取りました。箱つきで入手されたそうです。先に完成しているスクールタイムとお帰りです。

Dscf050102 一枚UPし忘れました。鏡胴基部に、グレーリングの動きと同調するインジケータがあります。本来、この部分には透明な防塵用のカバーを付いていますが、経年劣化で黄ばんで針が見えなくなっています。この個体も、すでに撤去されていました。今回はそのままとします。


PEN-S 3.5 ブラック2台の製作

2013年05月05日 21時12分00秒 | インポート

Dscf041302 え~とね。最近リペイントのご希望が多いので、ぼちぼちやろうと思います。しかし、1台づつでは効率が悪いので、今回は2台平行で作業をして行きます。というか、少し前から始めているのですが、シャッターなどのメカ部分はすでに完成させてあります。本体とカバー部分のリペイントを準備します。まず、完全に分解をして、めっきの剥離と下地調整をします。

Dscf041403 上下カバーのクロームとニッケルのめっきを剥離して真鍮地に戻してあります。両方とも、コンディションは悪くは無く、へこみの修正などは必要ない状態です。

Dscf042502 塗装完了。疲れたのでコメントはありません。

Dscf042404 最近、PEN-Sが続いているので、撮影した画像がどの個体のものか分からなくなってしまいました。まぁ、みんな同じですが・・で、本体を完成させるべく組立をしています。予めO/Hをしてあったシャッターユニットを搭載して、カム板(シャッターリング)を取付ける前にシボ革を接着しておきます。しかし、このシボ革が、かなりヤレていまして、汚れも溝に入り込んでいましたので、ブラシで清掃をして、接着面を整えています。

Dscf042503 まぁ、何とか貼りました。あとはレンズを組み込めば、本体は完成します。次は、トップカバーASSYの完成と裏蓋の組み立てをします。

Dscf042601 あぁ・・、根を詰めているので腰は痛いし首は痛いしで気分は最悪。自転車でストレッチに行きたいので、切りの良いところまで作業をしておきます。トップカバーは色入れ、接着を終えて養生中。裏蓋を組立てます。背部と底部の接合部分にパッキンを挟んでリベットでカシメます。

Dscf042701 巻き戻しボタンのカシメと開閉鍵をグリスを塗布して組立ててあります。このように、リペイントの作業は、途中からちょっと色を付けているのではなくて、工場での工程そのままリプロダクトの作業なんですね。めっきのボディーと塗装のボディーでは、仕上がり寸法が違ってきますので、そのままではきれいに組み立ていることが出来ないのです。細かな調整をしながらの組み立てになります。

Img_223501 国営昭和記念公園まで走ってみました。気温は20℃を超えて走っていると汗ばんでくる陽気ですが、風が強くなって来ましたよ。公園内は大勢の入園客が入っているようですが、私は、側道を走ります。

Img_223801 桜は早い木は開花していましたが、それでも五分咲き、ソメイヨシノは三分咲きというところでしょう。

Img_223901 早咲きの木の下にはデジカメを向ける人が多くいますね。今週末は見ごろになると思いますが、今年は風が強いので、ピクニックの皆さんはつらそうですね。

Dscf042801 彫刻文字の色入れ、吊環の取り付け、駒数ガラスの接着を終えて完成。

Dscf043001 3.5のファインダーは樹脂製ですので、接着されているミラーなどの接着剥離が多いのですが、この個体もバラバラの状態でした。すべて再接着をしてトップカバーに取り付けます。完成したトップカバーを本体とドッキングします。この個体#1129XXですと、サイドのビスはスリ割り(-)ですね。中期以降は+ビスになります。ビスは塗装をしてあります。

Dscf043201 まだ、裏蓋のモルトを貼ってありませんが、一応、本体と合わせて、勘合や開閉鍵の係り具合をチェックしています。オリジナルの存在する2.8とは雰囲気が異なりますね。

Dscf043301 一緒にやってきたPEN-S 3.5 #1435XXはオーバーホールを終えています。これで1台目は完成ですが、2台目も量産なので、全く同じ作業と画像になるので、果たしてUPするか・・・

Dscf049202という訳にもいかないでしょうね。作業を再開しましたので、進捗だけ簡単にUPして行きますが、上の方の画像を見ると、やはり同じような画像になっていますね。確立した工程ですので仕方ありません。

Dscf049401 連休後半で、行楽に出掛けている方も多いと思います。私は、部屋に閉じこもって組立の追い込みです。あらがじめO/Hをしておいたシャッターユニットを本体に搭載してメカの組立は終了。手垢まみれのシボ革は洗浄と裏地調整を施してあります。トップカバーは色入れは「S」はオーナーさんのお好みでオリジナルの赤で入れています。その他、吊環の取り付けと新品の駒数ガラスを接着して組立を待っています。

Dscf049501 裏蓋は底部とリベットでカシメて細かな部品を取りつけ、遮光フェルトを貼ってからシボ革を貼って完成。

Dscf049601 完成した裏蓋と本体をドッキングして全て完成です。

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