今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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エタレッタというカメラの巻

2020年01月09日 21時10分00秒 | ブログ

エタレッタと言うカメラはチェコスロバキア製です。私がチェコスロバキアと言えば東京オリンピックの女子体操金メダリスト、チャフラフスカ選手ですね。現代の女子体操選手のように小柄ではなく、成熟した美人という感じの人で、当時は大人気でした。映画「東京オリンピック」でも平均台の演技がきれいに撮影されていました。で、このカメラの製造が1946年~1948年と聞くと、少しびっくりします。日本が敗戦した翌年(昭和21年)に今見てもシャープなデザインです。ダイカストを機械切削したようです。見本の写真が付いてきました。ピンボケということのようです。

ネットで調べてみると、このカメラは沈胴式のようですが、鏡胴を引っ張ってみてもレンズは前に出て来ません。そこで、専用の工具を製作してやっているうちに・・「コクッ」と動く気配。画像の部分が沈胴部ですが、固着していたものが分離したようです。

じつは、ここまでが何週間掛っています。すでにファインダーの清掃は終えています。シャッター羽根と絞り羽根を清掃して、清掃した後玉をセットします。

 

裏蓋もダイカスト製の1枚物。ロック部分の造形も非常にシャープです。

 

 

シャッターはETAXAという自社製のようですね。下のレバーでチャージをして、上のレバーがレリーズ。

 

セルフコッキングではないので、巻上げはロックボタンを押しながらダイヤルで巻きます。

 

これが沈胴を沈めた状態。

 

 

で、撮影時に鏡胴を伸ばした状態。ロックはローライ35のように左に捻じって固定します。共産圏のカメラとは思えない垢抜けたデザインのカメラですね。レンズはEtarⅢ 5cm f3.5で写りもよろしいようです。

 

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