(五)
「さ、もうこの辺にしましょ。
無理をして、ぶり返したらいやだから。
ね、今度気候が良くなったら、デパート巡りしましょうよ。
ね、お約束よ」
差し出された小夜子の小指に、勝子の小指が絡まる。
「指きりげんまん、ウソ吐いたら針千本飲ーます」
思いっきりの笑顔を見せる小夜子だが、勝子の指からどか熱を感じた小夜子。
“だめだわ、まだ。こんなに熱があるのに外泊許可を出すなんて、どうかしてるわ医者も。
確認してみなくちゃ、これは。確か、お母さんの時…。
良くなったって聞いたのよ。
床上げも許されて、近付くことは許されなかったけど、顔色も良かったし。
でも、でも、そのすぐ後に。
きちんと治療しているんだから、大丈夫よ。
お母さんとは違うのよ”
小夜子の母とは比べるべくもないと思いいつも、一抹の不安が過ぎってしまう。
「勝子、勝利! 小夜子さまを、ほら、ご案内して。
そんな玄関でなにしてるの、失礼でしょ」
中から、声がする。
「さ、もうこの辺にしましょ。
無理をして、ぶり返したらいやだから。
ね、今度気候が良くなったら、デパート巡りしましょうよ。
ね、お約束よ」
差し出された小夜子の小指に、勝子の小指が絡まる。
「指きりげんまん、ウソ吐いたら針千本飲ーます」
思いっきりの笑顔を見せる小夜子だが、勝子の指からどか熱を感じた小夜子。
“だめだわ、まだ。こんなに熱があるのに外泊許可を出すなんて、どうかしてるわ医者も。
確認してみなくちゃ、これは。確か、お母さんの時…。
良くなったって聞いたのよ。
床上げも許されて、近付くことは許されなかったけど、顔色も良かったし。
でも、でも、そのすぐ後に。
きちんと治療しているんだから、大丈夫よ。
お母さんとは違うのよ”
小夜子の母とは比べるべくもないと思いいつも、一抹の不安が過ぎってしまう。
「勝子、勝利! 小夜子さまを、ほら、ご案内して。
そんな玄関でなにしてるの、失礼でしょ」
中から、声がする。
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