昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 ~まーだー~

2024-02-03 08:00:48 | 物語り

(二十一)大っきい病院だね?

 病院の住所がわからないわたしは、奮発してタクシーに乗りこんだ。
とても親切な運転手さんで、少ない情報しか持ち合わせていないわたしに、最大限の協力をしてくれた。
無線機をつかって、ほかの運転手さんに呼びかけてくれたりもした。

「kashiwara 市の病院だね? 
大っきい病院だね? 
市民病院ではないんだね。
となると、あそこだな。
公立病院じゃないわけよね。
kashiwara 総合病院というのがあるんですよ、民間だけれども。
了解! すぐですから、ほんの2、3分で着きますから」

「お客さん、地元の人じゃないね」
「観光かい? きょうは」
「ここには……なんかあったっけ?」
「ああ、そういえば、神社があるねえ」
「お正月には、すごい人だよ」
「そうそう、ずいぶん古いところでさ」
「ことしは、なん年だっけ?」
「うん。ことしはね、皇紀2000年以上だってさ」
「おかしいよね、ことしは1961年なのにさ」



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