昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

愛・地獄変 [父娘の哀情物語り] (十五)

2010-11-14 17:15:24 | IT技術
店の手伝いでごさいますか?
えぇまぁ、
表で頑張ってはおります。

いつものように
お客さまに愛想を
振りまいておりますです。

裏で仕込みを続ける
私のもとにまで
聞こえてまいります。

わざと
大声を張り上げているのでございますよ。
確かに、
以前も大声でした。
その明るい声に、
私の疲れも吹き飛ぶというものです。

世間話の上手い
妻でございまして、
良くお客さまを笑わせております。

その笑い声は、
お客さまに
安心感を与えますようです。

「奥さんと話していると、
浮世の憂さが
ぱあーっと
どこかに行ってしまうわ。」

そんなお言葉を、
ちょくちょく頂いております。

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