先ずは冷やしたスイカが振る舞われ、和気あいあいと始まった。
部屋の電気が消され、ミニプラネタリウムが出現した。
とたんに歓声が起きたが、その中にかすかではあったが呻き声が聞こえた。
慌てて灯りが点けられ、声の主を探した。
一番後ろに陣取っていた老婆が、苦しげに突っ伏していた。
孫娘が「お婆ちゃん、お婆ちゃん」と声をかけると「ごめんね、ちょっと胸がね…」と声をあげた。
意識がはっきりとしていることから
「大丈夫だ。先生がご自宅に送り届けるから。それまでの間、みんなで説明を続けてくれ」
と老婆を背負った。
夜中の部活動を渋る教頭に対して「大丈夫ですから」と強く申し出た手前、救急車騒ぎは避けたい顧問だった。
老婆を背負って部屋を出ようとする顧問に、次男が噛み付いた。
「救急車だよ、救急車、呼べよ!」
「いや、それより…」
と渋る顧問に
「わたしなら大丈夫だから。皆さんは、お星さまを観て下さいな」
と、老婆が力なく言った。
「だめだよ。今は元気でも、突然に悪くなることはあるんだから。急げよ!」
生徒たちの非難の視線を感じた顧問が、渋々救急車の要請を行った。
ほのかはシゲ子のことが思い出され、体が硬直していた。
何かをせねばと気ばかりが焦るのだが、体はまるで動かなかった。
「ほのか。冷やしたハンカチ、持って来い!」
次男の声にも体は動かなかった。
金縛り状態がとけたのは、救急車が到着してからのことだった。
老婆の状態を確認した後に、老婆の身内の生徒と共に顧問が付き添った。
結局鑑賞会は、そのまま解散となった。
部屋の電気が消され、ミニプラネタリウムが出現した。
とたんに歓声が起きたが、その中にかすかではあったが呻き声が聞こえた。
慌てて灯りが点けられ、声の主を探した。
一番後ろに陣取っていた老婆が、苦しげに突っ伏していた。
孫娘が「お婆ちゃん、お婆ちゃん」と声をかけると「ごめんね、ちょっと胸がね…」と声をあげた。
意識がはっきりとしていることから
「大丈夫だ。先生がご自宅に送り届けるから。それまでの間、みんなで説明を続けてくれ」
と老婆を背負った。
夜中の部活動を渋る教頭に対して「大丈夫ですから」と強く申し出た手前、救急車騒ぎは避けたい顧問だった。
老婆を背負って部屋を出ようとする顧問に、次男が噛み付いた。
「救急車だよ、救急車、呼べよ!」
「いや、それより…」
と渋る顧問に
「わたしなら大丈夫だから。皆さんは、お星さまを観て下さいな」
と、老婆が力なく言った。
「だめだよ。今は元気でも、突然に悪くなることはあるんだから。急げよ!」
生徒たちの非難の視線を感じた顧問が、渋々救急車の要請を行った。
ほのかはシゲ子のことが思い出され、体が硬直していた。
何かをせねばと気ばかりが焦るのだが、体はまるで動かなかった。
「ほのか。冷やしたハンカチ、持って来い!」
次男の声にも体は動かなかった。
金縛り状態がとけたのは、救急車が到着してからのことだった。
老婆の状態を確認した後に、老婆の身内の生徒と共に顧問が付き添った。
結局鑑賞会は、そのまま解散となった。
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