外はもう、どしゃぶりになっていた。
少年はかなしかった。
肩をたたく雨が、いっそう少年のこころを重くしていた。
そしてその雨とともにほほをつたう涙も、とまることを知らなかった。
「ごめんなさい……」
と、消えいるような声が。
そしてそれが少年の耳にとどいた時、ふたりの黒服によって外へとつれだされた。
少年のこころに、後悔する気持ちが生まれていないことが救いだった。
といって、少女を責める気持ちもない。
心情を伝えられなかったことが、残念だった。
ただただ、残念だった。……残念だった。
“どうして分かってくれない!”
“どうして……なぜ……どうして……なぜ……”
とつぜんに腹立たしさが込みあげてきた。
“なにを、伝えたかった?”
“誤解されたって? なにを?”
“うなずいてくれれば、良かった?”
“話を、したかっただけなのに……”
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